2024年2月17日(土)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Fight Night 19』の前日計量&ハイドレーションテストが16日(金)に行われた。
計量とハイドレーションテスト(1.00250以下でクリア)の結果は以下の通り。
▼メインイベント バンタム級ムエタイ世界タイトルマッチ 3分5Rジョナサン・ハガティー(英国/王者)=144.00 lbs.(65.3kg)/1.0044フェリペ・ロボ(ブラジル/挑戦者)=144.50 lbs,(65.5kg)/1.0244
ハガティーは7歳からムエタイを学び、12歳からアマチュアで試合を開始。2016年4月にISKAムエタイ世界スーパーフェザー級王座を奪取し、2018年5月にはWBCムエタイ世界スーパーフェザー級インターナショナル王座も奪取。2019年1月からONEに参戦すると、5月の2戦目ではサムエーを破りONEフライ級ムエタイ世界王者に。同王座はロッタンに奪われるも2023年4月にはノンオーをKOしてONEバンタム級ムエタイ世界王座に就き、11月にファブリシオ・アンドラージにKO勝ちでキックボクシング同級王座も獲得して統一王者となった。
ロボは2020年9月からONEに参戦すると、ヨードパノンムラン、ロートレックに判定勝ち。2022年3月、挑戦者の欠場を受けて急遽当時の王者であるノンオーの挑戦者に抜擢されたがKO負け。2023年4月の再起戦でセーマペッチをKOし、今回の王座再挑戦へ漕ぎ着けた。アンドラージとは同門で、ハガティーから「次はお前だ」との挑発を受けたという。
▼第8試合 バンタム級ムエタイ 3分3Rセーマペッチ・フェアテックス(タイ)=145.00 lbs,(65.7kg)/1.0099モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)=143.25 lbs,(64.9kg)/1.0061
セーマペッチは2012年にタイ・7チャンネルのタイガーセメントトーナメントで優勝して頭角を表し、7チャンネルスタジアムを主戦場に活躍。2018年にはMTGPのウェルター級世界王座に就いた。ONEには2018年7月から参戦。タワンチャイ、フェリペ・ロポ、モハメド・ユネス・ラバーにはKO負けを喫したが、リッテワダとガオナーにはKO勝ち、ジャン・チェンロンに判定勝ちを収めている。
188cmの長身ラバーは2023年12月のONE初参戦でセーマペッチと対戦。左フックでダウンを奪われるも即座に右ストレートでダウンを奪い返し、さらに飛びヒザ蹴りからの左右フック5連打でダウンさせるも、完全に倒れていたセーマペッチの顔面にヒザを突き刺した。結果はラバーのKO勝ちとなったが、最後のヒザが物議を醸し、今回のダイレクトリマッチとなった。
▼第7試合 ストロー級(-56.7kg)5分3Rダニエル・ウィリアムス(豪州)=125.00 lbs,(56.6kg)/1.0053リト・アディワン(フィリピン)=124.75 lbs,(56.5kg)/1.0187
▼第6試合 ライト級ムエタイ 3分3Rリアム・ノーラン(英国)=168.75 lbs,(76.5kg)/1.0116ナウゼット・トルヒーリョ(スペイン)=169.00 lbs,(76.6kg)/1.0107
ノーランは詠春拳(ブルース・リーが学んだことで有名な中国武術)とテコンドーを学んだ後ムエタイに転向。2019年3月からONEに参戦し、これまで4勝2敗。前戦は2024年7月にアリ・アリエフに判定勝ち。また、2021年11月にはオランダでユセフ・ブガネムに判定勝ちでWBCムエタイ世界ミドル級王座を奪取している。
トルヒーリョはWMCスペイン王座、ISKAヨーロッパ王座、IPCCインターコンチネンタル王座、ISKA世界王座を保持。2023年8月のONE初参戦ではルンラーウィー・シッソンピーノンに判定負けしている。その試合では右ストレート、ヒジ&ヒザでルンラーウィーを後退させる場面もあった。
▼第5試合 ウェルター級(※83.9kg)5分3R手塚裕之(日本)12勝4敗=182.50 lbs,(82.7kg)/1.0183ヴァミール・ダ・シウバ(ブラジル)9勝3敗=182.50 lbs,(82.7kg)/1.0180
手塚裕之は、2023年10月の前戦『ONE FN15』にスクランブル参戦、ジン・テホを1R、腕十字で下し、日本大会での秋山成勲戦をアピールしていたが実現せず。2月17日バンコク大会でヴァウミール・ダ・シウバ(ブラジル)とのウェルター級戦が決定した。33歳。
対するシウバは、MMA9勝3敗。ONEでは1勝2敗で、2022年2月のONEデビュー戦で元王者のゼバスチャン・カデスラムに右オーバーハンドでKO負け後、手塚も対戦したテホに2R ギロチンチョークで一本勝ち。2023年4月の前戦ではイシ・フィティケフを相手に1R ギロチンチョークで敗れている。27歳。
MMA12勝4敗の手塚は、2020年11月にムラド・ラマザノフに判定負け以降は、アギラン・ターニとエドソン・マルケスを3R TKO。さらにテホを腕十字と3試合連続のフィニッシュ勝利中。4試合連続でフィニッシュとなれば、クリスチャン・リーが持つ王座挑戦に近づく試合となる。
▼第4試合 フェザー級ムエタイ 3分3Rルーク・リッシ(米国)=155.00 lbs,(70.3kg)/1.0070エディ・アバソロ(米国)=153.75 lbs,(69.7kg)/1.0087
リッシは元キックボクサーの父を持ち、父のジムで4歳でキックボクシングを始めた。2020年にプロデビューを果たし、2023年12月にONE初参戦。ジョー・ナタウットに判定負け。ナタウット戦では鋭いコンビネーションとヒジ打ちを見せている。
アバソロは2022年11月にONE初参戦。リアム・ノーランに判定負けを喫したが、2戦目はニコラス・ラーセンにKO勝ち。3戦目ではシッティチャイ・シッソンピーノンに判定負けもパンチとヒジで激しく打ち合い、ヒジのカウンターでシッティチャイを相手に何度もピンチの場面を作って見せた。
▼第3試合 女子ストロー級ムエタイ 3分3R“ワンダーガール”ナット・ジャルーンサック(タイ)=125.00 lbs,(56.6kg)/1.0095マルティナ・キエルチェンスカ(ポーランド)=124.25 lbs,(56.3kg)/1.0044
ワンダーガールことナットは当初ダヤン・デ・ソウザ・カルドーソとストロー級特別ルール(1Rと3Rがムエタイルール、2Rと4RがMMAルール)で対戦する予定だったが、カルドーソが欠場。代わってキエルチェンスカとストロー級ムエタイルールで対戦することに。
ナットはONEムエタイで2連勝後、2021年2月にジャッキー・ブンタンに判定負け。2022年5月にMMA転向を果たし、プロ1勝・アマチュア3連勝のゼバ・バーノに腕十字で勝利した。2戦目は6勝1敗(アマチュアで9戦)のキャリアを持つHEXフライ級王者リサ・キリアコウに判定負け。2023年9月にはOFG着用のボクシングルールでONE女子ストロー級王者ション・ジンナンと対戦してTKOで敗れている。本来のムエタイルールで連敗を脱出したいところ。
キエルチェンスカはジュニア時代からキックボクシング&ムエタイで優秀な成績を収め、アマチュア戦績はなんと102勝7敗。2022年にIFMAムエタイ世界選手権で金メダル、2023年ヨーロッパ選手権で金メダル、ワールドコンバットゲームズ・ムエタイ部門で金メダルを獲得。2023年にはプロ4戦目にして無敗のままWMC世界-54kg王者となった。ポーランドではかなり有名な選手のようで、今回のONE参戦を様々なメディアが報じている。
▼第2試合 ストロー級級(※56.7kg)5分3Rマンスール・マラチエフ(ロシア)11勝1敗=124.75 lbs,(56.5kg)/1.0144猿田洋祐(日本)21勝11敗3分=124.75 lbs,(56.5kg)/1.0210
猿田は元ONE世界ストロー級王者。2019年1月にジョシュア・パシオに勝利しベルトを巻くと、3カ月後の再戦で4R、右ハイキックでKO負けで王座陥落。日本で北方大地、内藤のび太相手に連勝後、2021年9月のパシオと3度目対戦。1R TKO負けで王座獲得ならず。2022年4月の前戦でグスタボ・バラートに判定負け。今回は1年10カ月振りの復帰戦となる。
対するマンスール・マラチェフは、MMA11勝1敗。Eagle FC等で活躍後、2023年6月にジェレミー・ミアドに1R ダースチョークで一本勝ち。10月にジョシュア・パシオに判定負けで、プロ初黒星を喫している。
スタンドのがぶりからダースで組んで引きずり込んでのタップ奪取や、パシオ戦でのテイクダウン、コントロールなどMMAレスリングに長けているマラチェフを相手に、グラップリングも大きな武器とする猿田にとって、どんな戦略で戦うか、注目のストロー級戦だ。
▼第1試合 ストロー級ムエタイ 3分3Rトンプーン・PK・センチャイ(タイ)=125.00 lbs,(56.6kg)/1.0083ティムール・チュイコフ(キルギス)=124.75 lbs,(56.5kg)/1.0244
トンプーンは2023年3月の『ONE Friday Fights 10』から参戦し、トゥモロー、ペットモンコル、ヤンダムに3連勝して12月の『ONE Fight Night 17』に出場。エリス・バドル・バルボーザのボディブローにKO負けを喫したが、バルボーザに禁止薬物の陽性反応が出たため無効試合に変更されている。
チュイコフはキルギス出身の21歳。Tiger Muay Thaiでムエタイの腕を磨き、今回がONE初参戦。