MMA
インタビュー

【RIZIN】鈴木千裕と高木凌が“虎の穴”でファイトキャンプ「危機感を感じる練習ができた」

2024/02/14 21:02
 2024年4月29日(月・祝)『RIZIN.46』の「RIZINフェザー級タイトルマッチ」(有明アリーナ)で、金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)を相手に初防衛戦に臨む王者・鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)がタイ合宿を敢行した。  3月23日(土)『RIZIN LANDMARK 9』(神戸ワールド記念ホール)で西谷大成(JAPAN TOP TEAM)と対戦する高木凌(パラエストラ八王子)とともにタイ・プーケットのタイガームエタイジムに約2週間のファイトキャンプを行った鈴木。  現地では、同ジム所属でDEEPフライ級GP準優勝の本田良介(※追記 3月8日『ONE FF』でサンザール・ザキロフと対戦)のほか、RIZINで高木と対戦したビクター・コレスニック、朝倉未来・松嶋こよみと対戦したカルシャガ・ダウトベックらと日々、トレーニングを行った。  タイガームエタイといえば、鈴木が対戦する金原が、9月のクレベル・コイケ戦の前に合宿を行った名門ジム。その同じジムに、鈴木も自身を追い込むために向かっていた。  鈴木と同じ24歳で、鈴木のMMA出稽古先であるパラエストラ八王子所属の高木は、自身がRIZINで敗れたコレスニックとの練習について、「試合をしてみて、実際本当に強かったんです。カーフキックやパンチ、テイクダウンと、ちゃんと全部を混ぜて試合で戦う相手の怖さを感じました。練習の取り組み方なども含め、いろいろ学びたいと思い、タイガームエタイに行こうと思いました」と、海外武者修行の理由を語る。  そして盟友の鈴木と合流。現PANCRASEフェザー1位の高木だが、MMAとキックの二刀流を戦う鈴木について、「たしかにめちゃくちゃ凄いし、尊敬しかしてないんですけど、千裕はそもそも積み重ねが自分よりはるかに多いんです。幼い頃から複数の格闘技を習ってきたのに対し、自分は19歳から格闘技を始めました。千裕はしっかりキャリアを積み重ねてきて“報われるべくして報われたんだろうな”と思ってます」と、必然の戴冠だと語る。 [nextpage] プーケットは北米に行くのと比べて──  その両者にMMAを指導するのが、パラエストラ八王子の塩田“GOZO”歩代表だ。  今回、塩田は鈴木&高木のトレーニング内容の共有と、今後の指導に活かすために、プーケット合宿の前半を現地で視察した。  UFC世界バンタム級5位のピョートル・ヤン、ライト級8位のラファエル・フィジエフ、“英国の平良達郎”と呼ばれるムハンマド・モカエフ、ONEフェザー級王者のタン・カイら、トップ選手が集う同ジムには、コレスニックやダウトベック、ヌルベルゲン・シャリポフなど日本で試合経験のあるファイターだけでなく、ダケスタン、キルギスなどの強豪ファイターが多く訪れている。  レスリング中心のMMAスパーの日には、多くのプロ選手が参加。多様で充実したスパーリングが展開された。  高木は、タイガームエタイでの練習で「日本にはない外国人独特のリズムを学べたことが大きい」と語る。 「ダブルレッグ、シングルレッグのタックルも日本人と外国人ではリズムが違いました」と、フィジカル差もあるなかで、日本人選手には無いリズムで打って組んでくる、それを実際に体感することで得るもの大きかったという。  そして、鈴木は「危機感を感じる練習ができたのが収穫だった」と語る。  塩田代表は、鈴木の「危機感を感じる練習」について、「ある程度のレベルの選手でないと怪我をしてしまう可能性があるほど、全体的に強度は高めですが、現役の最前線で戦う海外の選手としっかり触れあえるという意味では最高の環境だと思います」と、海外出稽古の意義を語る。  さらに、アジアならではの海外修行のメリットもあるという。 「プーケットは北米に行くのと比べてかなり滞在費が安いので、その分を充実した練習環境などに充てることができます。そしてタイガームエタイでは、日本の本田選手がいてくれたことが、非常に助けになりました」と、円安で高価な北米修行に比べ、比較的、リーズナブルに過ごせることと、出稽古ならではのリスクを現地の本田が軽減してくれたことなどを挙げた。  練習後には、日本チームで何度も打ち込みや反復練習を繰り返し、ジムに併設されてる飲食スペースで食事を採って、トレーニングに集中した。  最初だけは腹を下した鈴木も、現地のカオマンガイをベストフードととらえ、充実の身体を作り上げている。  大晦日に鈴木は、「格闘技の大先輩、金原選手ですけど、だからこそ言わせてもらいます。先輩、越えさせてもらいますよ、俺が。ぜってー、KOしてしてやるから、やりましょう! 5月、よろしくお願いします」と語り、高木は「相手のやりたいことに一切付き合わず、自分のやりたいことだけやって、気づいたら相手は倒れている」と意気込んだ。  両者は“虎の穴”でどんな虎子を得たか。試合で明らかになる。
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