RWS JAPAN2024年2月12日(月)東京・後楽園ホール※U-NEXTにてLIVE配信
▼ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級タイトルマッチ 3分5R×プレーオプラーオ・ペップラオファー(タイ/王者)[判定0-3] ※44-50×3○名高・エイワスポーツジム(=吉成名高/エイワスポーツジム/暫定王者)※名高が王座統一、初防衛に成功。
外国人初のラジャダムナンスタジアム3階級制覇を達成したラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級暫定王者の名高(吉成名高)が、正規王者プレーオプラーオと王座統一戦を行う。
名高は2018年12月にラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座(47.63kg)を獲得し、2019年4月にはルンピニーの同級タイトルも獲得。日本人初のムエタイ2大殿堂ラジャダムナン・ルンピニー統一王者となった。
その後も快進撃を続け、2023年2月にはRWSシリーズに参戦し、左ハイキックで見事なKO勝ち。4月にはムエタイ強豪ソンチャイノーイもKO、5月にペットナコンをKOすると、7月にはウェウワーを破りラジャダムナンスタジアム認定フライ級王座を奪取。タイ人以外では史上初となるラジャダムナン王座の2階級制覇を達成した。
快進撃は止まらず、8月には『RWS』で初防衛戦を行い4R TKO勝ちで日本人では史上2人目となるタイでの防衛に成功。9月も『RWS』に出場してスーパーフライ級でスーウィチャイを初回KO。
10月のBOMでは左ミドルキックでチョンデンの左腕を1Rで破壊し、11月の『ジャパンキック』ではルンサックノーイを左ハイキックで2RにTKO。そして12月のRWSにてシューサップを2RでKOし、暫定王座を獲得して28連勝中。戦績は53勝(37KO)6敗1分。
プレーオプラーオはペッティンディーの秘蔵っ子でライトフライ級との2階級制覇王者。パンチ、ヒジを得意とするファイタータイプ。タイでの人気も高い選手だ。
ワイクルーの際に名高は刀を抜いて突き刺すポーズ、プレーオプラーオはその刀を折る仕草をみせた。
1R、共にサウスポー。前に出るプレーオプラーオに対し、名高は左へ回り込んでいく。プレーオプラーオの右ローをかわして左ストレートを打つ名高。さらに左ロー。左へ回ってパンチを打ち、最後は左ローを必ず蹴る。プレーオプラーオが左ローを意識し始めると左ストレート。
名高のヒザ蹴りでプレーオプラーオが下がり、名高がヒジ&ヒザでラッシュ。身体を丸め、ローを蹴られたくないプレーオプラーオが足を上げて耐える。プレーオプラーオを名高が足払いで2回転倒させるとレフェリーがダウンを宣告。
立ち上がったプレーオプラーオは前に出て来るが、名高は左ストレート、右フックから左ロー、プレーオプラーオはヒジを狙ってくるとジャブを連打してその距離を外しに行く。OPスコアは10-8×3。
【写真】1R終了時のプレーオプラーオのコーナー。思わぬ劣勢にタイ陣営にはペットモラコットもエプロンに登り、ゲキを飛ばした。 2R、左のパンチで前へ出て来るプレーオプラーオに名高は回り込んでかわしながらジャブ、左ロー、左ヒザ、左ヒジ。距離を詰めるプレーオプラーオに名高の左ヒジがクリーンヒット。グラつかせる。
それでも前へ出るプレーオプラーオをヒザやジャブ、左フックで迎え撃つ名高。プレーオプラーオはパンチを出しながらどんどん前へ出て来る。そこへ右フック。プレーオプラーオの動きが完全に止まる。
ヒジの打ち合い。フラフラにななりながらもタフなプレーオプラーオは前へ出て攻撃を仕掛けてくる。名高はジャブから左ヒジ、そして右フック。ジャブとヒジを打った名高は反撃を警戒して距離をとる。ジャブから左ローの名高に距離を詰めてヒジを打つプレーオプラーオ。名高が圧倒しているが、プレーオプラーオは下がらず前へ出て攻撃してくるタフネスさ。OPスコアは10-9で名高。
3R、名高はジャブと左ロー、プレーオプラーオの前進に合わせて逆方向へ回り込んでいく。プレーオプラーオのヒジをかわして逆にヒジをヒット。名高がワンツーからヒザ、右フックから左ロー。プレーオプラーオのパンチやヒジは名高のスウェーで空を切る。
詰めるプレーオプラーオはバックハンドブロー。これはかすめられた名高だがすぐにジャブ、左ハイキック。ワンツーの連打、左ローからまた左ストレート。プレーオプラーオは疲れからか、拍子木の音をゴングと勘違いしてコーナーへ戻ろうした。ここまでの採点は30-26×3で名高。
4Rも前に出てくるプレーオプラーオに名高はジャブ、蹴りをかわすと左ミドル。前へ出てくるプレーオプラーオに右ヒジも入れる。プレーオプラーオに左ミドルをキャッチされても倒されない名高。カウンターの右ヒジ、左ストレート、ジャブと名高がプレーオプラーオの出鼻を挫く。
それでも諦めないプレーオプラーオは前へ出てパンチを打つ。ジャブとバックステップで完全に距離を支配する名高。ラウンドが終了すると、プレーオプラーオは絶望的な表情を浮かべてロープにもたれかかる。OPスコアは10-9×3で名高。
5Rも逆転を狙って前に出るプレーオプラーオを、名高はジャブを出しながら回り込んでかわしていく。プレーオプラーオはヒジも繰り出すが名高はかわす。名高はジャブ、右ミドルを打ち、プレーオプラーオのパンチは丁寧にかわしてポイントを奪われないようにする。前に出るプレーオプラーオのフックをかわして試合終了。
判定は50-44×3の大差をつけ、名高が堂々の勝利。スーパーフライ級王座を統一した。
勝利者インタビューを受けた名高は「この試合をやるにあたってたくさんの方が動いてくださって、この大きな舞台で最高の相手と試合が出来たと思います。関係者とプレーオプラーオ選手に感謝します。今回1R目、KOを狙いに行って早い回で倒そうと思っていたんですけれど、それで皆さんをビックリさせようと思ったんですけれど、そこで打ち疲れしてしまって。その後もプレーオプラーオ選手は本当に気持ちの強い選手で、自分も何回か心が折れそうになったんですが、皆さんの応援のおかげで踏ん張ることが出来ました。本当にありがとうございます。
1階級上の王者がクマンドーイ選手で、タイではその選手を試合をするんじゃないかって話が出ていて。自分もプレーオプラーオ選手を超えたことによって新たな強敵がどんどん出てくると思うので、その選手に挑戦していったりとか。チャンピオンを獲ったのが第1章だとしたら、次が第2章の始まりだと思うのでこれからの自分に注目してもらいたいと思います」と、第2章の始まりを宣言した。
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▼第12試合 ライト級 3分3R○ラムナムーンレック・オーアチャリア(タイ)[判定3-0] ※30-27×3×レンタ・ウォーワンチャイ(ウォーワンチャイプロモーション)
レンタは石井一成と同門で、中学生時代から石井と共にタイで練習・試合を重ねて2015年にタイでプロデビュー。これまでにWMCインターコンチネンタル・ライト級王座、WPMFインターナショナル同級王座を獲得した。2022年9月にはベテランの健太に勝利、2023年4月には羅向とダブルノックダウンとなる激戦を制して「ROAD TO ONE ムエタイ ライト級トーナメント」で優勝。7月にはRWSのライト級リーグ戦Bグループ最終試合でラムナムムーンレックに判定で敗れファイナル4への進出はならなかった。11月の羅向との再戦でも勝利してBOMライト級王座に就いている。
サウスポーのラムナムムーンレックは7歳でムエタイを始めた。2019年9月にS-1スーパーフェザー級王座を獲得し、2022年にはWMC世界ライト級王座も獲得。さらに2022・2023年にラジャダムナン・ワールドシリーズ(RWS)ライト級リーグ戦で2年連続優勝した。2021年にはタイのスポーツ局が選定するファイター・オブ・ザ・イヤー(MVP)にも選ばれている。2023年2月に初来日し、笠原弘希とシュートボクシングルールで対戦。延長3回の大接戦となったが最後はバックドロップで笠原がシュートポイントを奪い勝利した。
1R、レンタは前日計量で体重超過したラムナムムーンレックのボディを狙っていく。前に詰めるレンタがパワフルな左右フック、ラムナムムーンレックは左ミドルを蹴る。ラムナムムーンレックは前に出るレンタに下がりながらも左ミドルのカウンターをとり、左ボディストレートもヒットさせる。レンタのパンチを空振りさせて左をしっかり当てるラムナムムーンレック。手数が少ないながらヒットを奪ったのはラムナムムーンレックの方だった。OPスコアは10-9×3でラムナムムーンレック。
2Rが始まる前からラムナムムーンレックが左ミドルを蹴る。前に出るレンタは左右フック、アッパーもラムナムムーンレックはかわしていき左ミドルを蹴る。レンタが右ミドルを蹴るとキャッチしてコカす。コーナーに詰めたレンタが左ボディ2連発。しかし顔面へのフックはかわされ、ラムナムムーンレックが左ボディストレートを突き刺す。左ストレート、ワンツーとパンチ主体で攻めるラムナムムーンレックはヒジもき出す。ラムナムムーンレックはレンタのパンチをかわし切り、蹴りもキャッチして優勢をアピールする。OPスコアは10-9でラムナムムーンレック。
3R、前に出るレンタが右ローから左右フックもラムナムムーンレックはパンチをかわして左ミドル。ラムナムムーンレックはレンタの攻撃をかわして流し気味。レンタが接近すると組み付いてしまう。ラムナムムーンレックはジャブ、左ストレート、左ミドルと要所で攻撃を出す。レンタの左右ボディが決まるが、それ以上の追撃は許さず組み付くラムナムムーンレック。左ストレートと左ミドルをしっかり当てるラムナムムーンレックに、レンタのパンチは空振りに終わった。
この試合も30-27×3でラムナムムーンレックが1ポイントもレンタに与えずに勝利した。
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▼第11試合 128ポンド契約 3分3R○カムバック・TKユッタナ(タイ)判定3-0 ※30-26×馬渡亮太(治政館)
馬渡はジャパンキックボクシング協会のエースで長身から繰り出すしなやかなミドルキック、切るだけでなく倒すヒジ、首相撲からのヒザと、ジャパンキック屈指のテクニックを有する。2020年8月4日の旗揚げ戦でジャパンキックバンタム級初代王座に就く。2021年1月大会ではWMOインターナショナル・スーパーバンタム級王座決定戦で勝利。2023年4月の「ROAD TO ONE ムエタイ フェザー級トーナメント」では決勝へ進出するも士門・PKセンチャイに惜敗。6月にはタイ・ランシットスタジアムのメインイベントに出場し、判定勝ちで再起を飾ったが、10月のビン・リアムタナワット戦でTKO負け。戦績を28勝(14KO)9敗2分とした。
カムバックについて中川代表は「当初は現ラジャ王者チャイラーを招聘しようと思っていたんですが、12月のラジャ生誕祭でカムバックがチャイラーにハイキックでKO勝ちしました。いま最も強い選手とどうかと打診したところ、馬渡選手がぜひやらせてください、と受けてくれました」と、現王者をKOしているさらに強い相手を用意したと説明。カムバックはK-1とONEで活躍するコンペットと2023年10月に引き分けてもいる。
1R開始と同時に前へ出ていくサウスポーのカムバックが左ストレートでさっそくのダウンを奪う。馬渡は右ロー、右ミドルを蹴るがカムバックは足を上げてのフェイントから左ストレート、右フック。左ミドルも蹴る。パンチで前へ出てくるカムバックへ馬渡の右ハイキックが浅くヒット。惜しい一発を伸ばした馬渡へカムバックはヒジで襲い掛かる。馬渡はヒザからヒジ、さらに右ショート。馬渡が詰めてパンチを打ったところでラウンド終了。OPスコアは10-8×3でカムバック。
2R、カムバックの左ハイをスウェーでかわそうとした馬渡だが、蹴りが伸びて顔面にヒット。左ストレートから強い左ミドルを蹴るカムバックに馬渡は間合いを詰めていくが、カムバックがヒジで迎え撃つ。馬渡は左ボディ。前へ出る馬渡にカムバックは左ミドル、ヒジ、左フックと先手を打ち、馬渡は組み付くだけとなった。OPスコアは10-9×3でカムバック。
3R、馬渡が左右フックと右ボディストレートで前へ出る。カムバックの左ミドルを受けてさらに前へ出てパンチを繰り出す馬渡。しかし、左ミドルを蹴られ続ける。馬渡が組んでくるとヒザ。前に出る馬渡だが攻撃が出ないまま組み付く形となり、ブレイクが続く。下がるカムバックだが左ミドルを的確に当てていき、流し気味にして試合を終えた。
判定は30-26×3でカムバックの圧勝。ここまで日本人選手が1ポイントも取れない状況が続く。
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▼第10試合 ライト級 3分3R○サミンデット・ノーアヌワットジム(タイ)[判定3-0] ※30-27×3×重森陽太(Eight Weapons)
重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。2021年7月にはスアレック・ルークカムイから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者にも輝いた。2023年2月、悲願であったラジャダムナンスタジアム王座に挑戦したが、判定負けで奪取ならず。その後は所属をEight Weaponsに変えて8月のKNOCK OUTに参戦したが、バットマンに判定負け。11月にオープンフィンガーグローブ戦に初挑戦し、ルンペットを2RでTKOに破った。
サミンデットについて中川代表は「12月のラジャダムナン生誕祭でチャラームと対戦してドロー、RWSトーナメントでは準優勝しておりタイのライト級で5本の指に入る。もし重森選手が勝った場合はラジャのタイトル挑戦もありえる」と評している。
1R、ミドルの激しい蹴り合いから始まり、重森は三日月も織り交ぜる。前に出るサミンデットは顔面前蹴り。重森にロープを背負わせるとワンツーを打つ。サミンデットの左ミドルをスウェーでかわした重森は右ミドルを蹴る。OPスコアは10-9×3でサミンデット。
2Rもミドルの蹴り合いからスタート。左ミドルを蹴ったサミンデットは重森が蹴り返してきた右ミドルを見事なスネブロック。サミンデットが左ミドルからの左ストレート、どんどん圧をかけて前へ出ていく。左ストレートからのヒジも繰り出すサミンデット。重森は後退を余儀なくされ、左ミドルで右腕を蹴られ続ける。ならばと右ローを蹴る重森。サミンデットの左ミドルを空振りさせて右ローを蹴るが、続く右ミドルはスネブロックされる。このラウンドもサミンデットの10-9×3。
3Rも左ミドルで右腕を蹴られる重森。サミンデットはジャブ、前蹴りで流し気味。サミンデットの左ミドルに重森が右ローを合わせ、大きくバランスを崩したサミンデットにヒジを打つがこれは空振り。ワンツー、右ローで前へ出る重森。サミンデットは前蹴りと左ミドルで距離をとる。重森はパンチを狙うがサミンデットは隙を見せず、試合終了。
判定は3-0でサミンデット、ムエタイの攻防の技術を見せつける試合となった。
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▼ミドル級 3分3R○ペッチマイ・シアダムムーパラーラジャムダン(タイ)[判定3-0] ※30-27×3×MIKE JOE(フィリピン) JOEはアマチュアボクシングからキックボクシングに転向し、MMAにも挑戦した184cmの長身選手。2020年8月のKrush、2021年3月のK-1で共に勝利を収めている。2021年12月のBOMでクリスチャン・ジョセフを5Rに左ボディでKOし、第4代Bigbangスーパー・ウェルター級王座に続きWMCインターコンチネンタル・ミドル級王座を獲得すると、2022年9月には喜多村誠をTKOに破りWPMFインターナショナル・ミドル級王座も獲得して三冠王となった。2023年4月にはBOMミドル級王者決定戦に臨んだが、ヨックペットに判定負け。6月の「K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント」では1回戦で優勝候補のムスタファ・ハイダを苦しめたが判定2-0で敗れた。
中川代表は「ペッチマイはミドル級で一番強い。ラジャのベルトに最も近い選手」と評している。プロボクシングWBAのアジア王座も持っているという。
1R、サウスポーのJOEはジャブと左ロー、ペッチマイは右ローを蹴っていく。両者とも手数が少なく、レフェリーから注意を受ける。JOEが右ボディストレートを打つとペッチマイが右ミドル、それをキャッチしたJOEが足払いで転倒させる。JOEは右ローを蹴ろうとするが空振りが目立つ。逆にペッチマイは右ミドルを当てる。OPスコアは10-9×3でペッチマイ。
2Rが始まるとペッチマイがいきなり距離を詰めて右ヒジの連打。JOEにロープを背負わせると左右のヒジ、左ミドル。JOEは攻めようとするが先にペッチマイが攻撃するため後手に回る。JOEの右ストレートをかわしたペッチマイが右ヒジを強打。パンチの空振りが目だつJOEにペッチマイはジャンプしてのヒジを打ち下ろす余裕。前に出ようとするJOEへペッチマイが右ミドル2連発。OPスコアは10-9×3でまたもペッチマイ。
3Rも開始から右ヒジで襲い掛かるペッチマイ。JOEの左ストレートを空振りさせ、思い切りヒジを振って来る。JOEの右ローを空振りさせると右ミドルを2発入れるペッチマイ。JOEはペッチマイのミドルをキャッチするが、蹴られているため相手の優勢は変わらない。流し気味のペッチマイだが右ミドルを蹴り、右ヒジも繰り出す。JOEは前へ出るが手を出す前に右ミドルを蹴られて終了。
判定3-0のフルマークでペッチマイが勝利。タイチームが2勝1敗でリードとなった。
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▼第8試合 63kg契約 3分3R○イサンヌア・チョーパンセン(タイ)[判定3-0] ※30-27×3×永澤サムエル聖光(ビクトリージム)
永澤は新日本キックボクシング協会で日本ライト級1位まで昇りつめ、トップランカーとして活躍。ジャパンキック旗揚げ後は2020年1月大会で興之介を右フックでマットに沈めて第2代ライト級王座に就き、9月にはNJKFで鈴木翔也からダウンを奪っての判定勝ちでWBCムエタイ日本統一バンタム級王座も獲得。2022年7月にWMOインターナショナル王座決定戦をコンデートと争い、判定勝ちで三冠王となった。2023年11月にはボム・ピンサヤームとドローとなっている。
イサンヌアは「true4uのメインイベンターでめちゃくちゃ強い。パンチでの倒し合いになるでしょう」(中川代表)という強豪。
1R、イサンヌアは開始と同時にどんどん前へ出てきて右ロー、右フック、そしてヒジ。永澤は下がらされるがヒットは許さない。右フック、ヒジ、左ミドルと前へ出るイサンヌアに永澤は左ボディで迎え撃つ。イサンヌアは“前へ出て来いよ”と手招き。永澤は前へ出るイサンヌアに左ボディを狙い撃ち。顔面へのパンチを見せておき、左ボディを打つ永澤は右ローも蹴る。イサンヌアは左ミドル。OPスコアは10-9×3。
2Rも前に出るのはイサンヌアで左ミドルを蹴って右ヒジを振り下ろす。ワンツーをもらう永澤は手数が少なく、イサンヌアの攻撃が目立つ。永澤はイサンヌアの攻め疲れを待っていたのか、防御一辺倒から転じて左ボディを打つが、イサンヌアはヒジ、右フック、左ミドルと攻撃の姿勢を貫く。永澤の左右フックがヒットするもイサンヌアは退かずに前へ出る。OPスコアは10-9×3でまたもイサンヌア。
3Rも前蹴りから出ていくイサンヌアが首相撲からのヒザ。永澤のパンチを前蹴りで防ぎ、左ミドルを蹴る。前に出る永澤を前蹴りで突き放すイサンヌア。永澤は左ボディを打つが、ヒジと右ストレートを警戒しているのか単発に終わる。そこへイサンヌアの右ストレート。流し気味になったイサンヌアに左ボディを打つ永澤だがワンツーは空振りに終わり、試合終了と同時にイサンヌアはガッツポーズ。
判定3-0のフルマークでイサンヌアの勝利となった。
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▼第7試合 女子アトム級 2分3R×ノンミン・トール ソンキアット(タイ)[2R KO] ※ヒザ蹴り○伊藤紗弥(尚武会)
伊藤はジュニアキックで数々のタイトルを獲得。2012年12月には中学2年生にしてタイでWPMF女子世界ピン級暫定王座に就いた。2014年4月に国内で正式にプロデビューを果たすと、国内外の強敵を相手に快進撃を続けWPMF・WMC・WBCムエタイと女子世界王座の三冠を制覇。2021年4月にBOM女子ピン級(-45.53kg)初代王座、11月にBOM女子ライトフライ級(-48.98kg)王者になると、2022年5月にはナムワンを破りIPCC世界女子アトム級王者となって世界四冠王に。
2022年10月にはさらに上の階級である-50kgで『MUAYTHAI SUPER CHAMP』のトーナメントに参戦も決勝で涙を飲んだ。2023年3月にはタイ・パタヤで勝利し、IMSA王座を新たに獲得したが、5月のWBCムエタイ世界ライトフライ級ダイアモンドベルト王座決定戦では、KANAと対戦経験があるキム・タウンセンドに敗れた。7月のBOMではサネガンに勝利。9月の『RWS』でモンクッペットに判定負けを喫し、RWSでの2分3R制を踏まえてパンチを強化して11月のBOMでは予告通り左フックでミンタを2RでKOした。12月にはラジャダムナンスタジアムでの初勝利もあげたばかり。
対戦相手のノンミンは45戦35勝10敗の戦績があるだけでなく、アマチュアムエタイでは2019、2021年、2022年にはユースの部で金メダルを獲得、2022年タイ国キックボクシング大会でも金メダルを獲得するなどタイを代表する実力者。ノンパーンファー以上の強敵を相手に、伊藤は勝利なるか。
1R、伊藤はジャブから右インロー、ノンミンは右ストレートを返し、左ミドルを蹴ると伊藤も右ミドルを返す。強い右ストレートを打つノンミンに伊藤は右ヒジを出す。蹴り足キャッチからの右ストレートを繰り出す伊藤。右ローをしっかり蹴っていく。伊藤が右ボディの連打から右ヒジ。右ロー、左右ボディ、右ストレートと攻撃を散らす伊藤にノンミンはロープを背負い右ストレートを打ち返す。OPスコアは10-9×3で伊藤。
2R、パンチで前へ出ようとするノンミンに伊藤は右ミドルを合わせる。右ストレートを打ってきたノンミンに伊藤が右ストレートを返し、ノンミンは転倒。伊藤はノンミンをロープに詰めると左三日月蹴りからのパンチ&ヒザでダウンを奪う。右ボディストレートで畳みかける伊藤にノンミンも強打で応戦、打ち合いとなるが、伊藤のヒザが突き刺さり、ノンミンは悶絶してダウン。レフェリーが即座にストップし、伊藤が鮮やかなKO勝ち。日本に先勝をもたらした。
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▼第6試合 フライ級 3分3R×アピデート・チョーバンセン(タイ)[2R 2分39秒 KO] ※右インロー○老沼隆斗(STRUGGLE)
1R、サウスポーのアピデートは左ミドルを軸に飛びヒザ蹴りを放って場内を沸かせる。老沼はジャブ、左ロー。この左ローをまともにもらうアピデートは老沼の左ローで立て続けにダウン。ジャンプしての蹴りで誤魔化すアピデートだがダメージは明らかで、老沼に浴びせ倒されると立ち上がるのがやっとに。
2R、右ストレートで勝負をかけるアピデートに老沼は後ろ廻し蹴り。老沼が右インローを蹴るとアピデートはオーソドックスに。今度は老沼が右ローを蹴り、最後は右インロー。バッタリと倒れたアピデートは左足を抑えて悶絶。老沼の見事なKO勝ちとなった。
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▼第5試合 バンタム級 3分3R○佐藤九里虎(FAITH)[判定2-1] ※29-28×2、27-30×リュウノスケ・ウォーワンチャイ(ウォーワンチャイプロモーション)
1R、前に出るのは佐藤で木々ストレートを当てに行き、リュウノスケはロープを背負って待ちの体勢で左ミドル。佐藤のパンチにヒジも合わせに行く。前へ出て自分から攻めていくのは佐藤だが、リュウノスケが左右フック、ヒジとヒットを奪う。右を打ち合う両者、一発一発を狙いすまして強く打つリュウノスケの右が目立つ。10-9×3でリュウノスケ。
2Rもロープを背にするリュウノスケに佐藤がパンチで攻める展開。待ちのリュウノスケは左ヒジ、左ミドル。佐藤はジャブを当てていくがリュウノスケはよく見てかわしてのヒジ、パンチを返す。左ミドルを蹴るリュウノスケを佐藤の左右フックが捉えた。10-9×2が佐藤、10-9がリュウノスケに。
3Rも同じ展開。ロープを背負うリュウノスケは左ミドル、佐藤は距離を詰めてワンツー、左右のフック。ジャブを命中させていく佐藤にリュウノスケが右ヒジ2発。佐藤は手数を出しているがリュウノスケにミドルやヒザを蹴られる。佐藤のワンツー、リュウノスケの左ミドル。パンチを当てられて鼻血を出すリュウノスケは組みを多用する。
判定は2-1と割れ、アグレッシブに攻めた佐藤の勝利となった。
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▼第4試合 60kg契約 3分3R○パルコ・レンジャージム(レンジャージム)[1R 2分53秒 KO] ※右ヒザ蹴り×オーシャン・ウジハラ(フリー)
1R、前に出るのはウジハラだがパルコのワンツーをもらい、残り30秒で右ヒザを突き刺されてダウン。立ち上がるも腹を抑え、レフェリーが試合終了を宣言した。
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▼第3試合 スーパーフライ級 3分3R ○NA☆NA(エスジム)[判定3-0] ※30-26×3×MICKY(PIRIKA TP GYM)
1R、勢いよく前に出るNA☆NAがワンツー、左右フック。手足の長さで優るMICKEYは左ミドルで迎え撃つがNA☆NAの勢いに押され気味。手数も上回ったNA☆NAが10-9×3。
2Rも勢いよく攻めるNA☆NAが右ストレートをタイミングよく決めてダウンを奪う。勢い就くNA☆NAは左右フック、MICKEYもパンチで前へ出る。
3R、リーチの長さの違いを感じさせないNA☆NAがワンツーの連打と左右フックで攻め、MICKEYもワンツーで打ち合うがNA☆NAの勢いが優る。攻撃の姿勢を見せ続けたNA☆NAが判定で勝利した。
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▼第2試合 フェザー級 3分3R ×SHOUI(SHONAN KAKUTO CLUB)[判定0-3] ※27-30×3○吏亜夢(ZERO)
1R、吏亜夢はサウスポー。両者ローの蹴り合いからスタート。吏亜夢は距離を保って左の蹴りとワンツーを巧みに入れていくが、終盤はしょーいが入り込むことに成功した左右フックをヒット。10-9×3で吏亜夢。
2Rも距離を保って左ミドルを蹴る吏亜夢。左ストレート、ヒザも。しょーいは入り込んでの左右フックを打とうとするが、蹴りながら前に出る吏亜夢に後退してしまい、10-9×3でこのラウンドも吏亜夢。
3R、もう後がないしょーいは左右フック、ボディで前へ出ていくが、吏亜夢も下がらず左ミドル、ヒザ、左ストレートで迎え撃つ。回り込んで前へ出るしょーいと迎え撃つ吏亜夢。
自分の距離で戦った吏亜夢が判定3-0で勝利を収めた。
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▼第1試合 フェザー級 3分3R×佐野貴信(創心會)[判定0-3] ※27-29×3○元山祐希(武勇会)
1R、前に出て左右フックを狙う元山に佐野は左ミドル、左ロー、前蹴り。コーナーへ詰まった佐野に元山が左フックをヒット。下がりながらも左ミドル、前蹴りを決め、浴びせ倒した佐野が10-9×3でリード。
2R、佐野が鋭いヒザをタイミングよく突き刺し、前蹴りでもボディを攻めて優勢に進めていたが、揉み合ったところで左フックでダウンをとられる。勢いづく元山は蹴り足をキャッチしてのコカし、飛び込んでの右フックと攻める。元山の10-8×3。
3R、元山が前へ出て左右フックで佐野を攻めまくる。この圧に押された佐野だが、ワンツーで反撃。元山は空振りでバランスを崩して転倒することが多い。最後は佐野が死力を振り絞って打ち合いに行き、左右フックをヒットさせて逆転の可能性を感じさせたが時間切れ。
ダウンを奪った元山の判定勝ちとなった。
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▼プレリミナリーファイト スーパーフライ級契約 3分3R○渡部 隼(尚武会)[判定]×ストロベリー稲田(治政館)
1R、両者サウスポーで左ミドル、右ローを蹴り合っていたが、渡部が右にスイッチしての右ミドル、右インローをヒットさせていく。
2Rも前に出て蹴るのは渡部。稲田は左ミドルの連発を繰り出し、ミドルをキャッチしてのコカし。渡部は左にスイッチすると左カーフで攻めていく。
3R、渡部の右ローで大きくバランスを崩す稲田。ダメージは明らかだが、稲田もガッツを見せて前へ出ていく。最後は渡部がカモンゼスチャーを交えながら右ストレートで打ち合いにいき、稲田も応戦して打ち合いに。ここでもヒットを奪った渡部の勝利となった。
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▼プレリミナリーファイト スーパーライト級 3分3R○小野寺楓珂(BOMスポーツジム八戸)[2R 2分27秒 TKO] ※レフェリーストップ×冨田賢輔(心成塾)
1R、左右フックを繰り出す富田に小野寺は前に出ての蹴り、ヒジ。組むとヒザを突き刺す。
2R、小野寺が首ヒザの連打を決め、ヒジで追い込むと富田はボディで反撃。小野寺が左ミドル連打からの左フックでダウンを奪う。さらにヒジとヒザの猛攻を仕掛けたところでレフェリーがストップした。
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▼プレリミナリーファイト 60kg契約 3分3R○お松・レンジャージム(レンジャージム)[判定]×萩原悠人(リバーサルジム久喜WINGS)
1R、右ローを集中させるお松に萩原はワンツー。中盤からお松もワンツーと右ヒジを繰り出すと、萩原の右ストレートがヒットしてお松は大きくバランスを崩す。ヒジで反撃するお松が前へ出る。お松の10-9×3。
2Rは序盤から打ち合いに。萩原の右フックでお松は鼻血を吹き出すが、前進を止めずに右ロー、ワンツーを繰り出す。お松が10-9×2、萩原が10-9。
3R、右フックの相打ちから前へ出るお松。萩原は下がりながらパンチを繰り出すが、お松がどんどん前へ出ていく。組んでのヒザ。お松が右ストレートをヒットさせて判定勝ち。