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2024年3月23日(土)神戸ワールド記念ホールで開催される『RIZIN.46』にて、女子スーパーアトム級(-49.0kg)でRENA(シーザージム)と対戦する前ROAD FC王者シン・ユリ(韓国)が一時、引退を決意していたことを明かした。
米国『MMA Mania』の動画でユリは、「実は今年の初めに引退しようと思っていたんです」と告白した。
2021年9月の「ROAD FC59」で、ハム・ソヒが返上した女子アトム級(47.6kg)王座を、“リトルウルフ”パク・ジョンウンと争ったシム・ユリ(韓国)。
2019年12月の初戦では、2RにパクがテイクダウンからパウンドでユリをTKOに降しているなか、21年の再戦では、パクのテイクダウンからユリが再三立ち上がり、長いジャブ・ストレートにヒザ蹴りも当てて判定2-0で勝利し、ベルトを巻いていた。
しかし、王者になってから2年半の長期離脱。それは、怪我と資金不足が原因だったという。2021年の練習中に怪我を負ったユリは、「生活が苦しかった」と吐露する。
「ROAD FCのタイトルを獲得した後、怪我をして手術を受け、療養しなければなりませんでした。しばらくトレーニングを中断していました。ROAD FCのチャンピオンになったからといって、お金持ちになれるわけでもないし、やりたいことはやり遂げたけど、生活は苦しかった。だから、引退して他のことを探そうと思っていました」
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MMA6勝3敗、タイトル獲得で目標を達成出来たものの、怪我が続き収入が途絶え、2024年の初めに引退することを決めていた。そんな最中、RIZINでのビッグチャンスが舞い込んできた。
対戦相手は、シュートボクシングで42戦(36勝5敗1分)、MMAで18戦(13勝5敗)と、ユリの戦績を大きく上回るRENAと知らされた。
「このチャンスがあったから一生懸命練習している。RIZINは私が死ぬまでに立ちたいと思っていた場所、戦いたい場所だと感じたので、このチャンスはラッキーだし、幸せだと思っています」
大晦日のカード発表時に来日し、さいたまスーパーアリーナのリング上でRENAと対峙し、ファンを前に「RIZINに出られて凄く光栄ですし、RENA選手のことは元々尊敬していました。ただ、もうRENA選手の時代は終わりました。私がRENA選手を倒して私の時代にしていきたいと思います」と、意気込みを語っている。
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20代最後の試合になる神戸大会で、果たしてユリは新たなスターとなるか。
ストライカー揃いのteam GENIUS所属のユリだが、スタンドはRENAの庭。160cmのRENAより8cm大きな身長と、おそらくそれ以上に長いリーチを活かした打撃を持つユリは、一見細身のようで、その肩幅を見てもフレームは大きく、ボディ・両足もクロスフィットで鍛えられている。AACCで続けてグラップリングを磨くRENAに対し、壁レスリングをやりこんでいる組み技では、どれだけユリのフィジカルが出せるか。
「RENA選手は日本のスーパースターで、私の2倍戦っています。失うものは何もない。だからプレッシャーは感じません。宝くじを買っているような気分で、勝っても負けても構わないけど、ファンのためにいい試合をしたい」──引退寸前の状態から差し込んできた光をユリは掴み取ることが出来るか。