2021年9月4日(土)韓国ウォンジュ総合体育館にて「ROAD FC59」が開催された。セミファイナルでは、ONE参戦でハム・ソヒが返上した女子アトム級(47.6kg)王座を、パク・ジョンウン(韓国)とシム・ユリ(韓国)が争った。
両者は再戦で、2019年12月の前戦「Road FC 57 XX」では、2RにパクがテイクダウンからパウンドでシムをTKOに降している。
DEEP JEWELSでも活躍した“リトルウルフ”パクは、2019年7月のHEATのキックルールでも鈴木万李弥にスプリット判定で勝利しており、シャープな打撃を武器とする。
対するシムにとってもコロナ感染拡大前のジョンウン戦が前戦となり、互いに1年9カ月ぶりの試合でどんな進化を見せるか。
▼ROAD FC女子アトム級王座決定戦 5分3R〇シム・ユリ(韓国)[判定2-0]×パク・ジョンウン(韓国)※シムが新王者に
1R、ともにオーソドックス構え。158cmのパクは、先に前足に右ローを打つ。168cmの長身から長い左手を前に触覚のように出すシム。互いに右が交錯し、シムの右がパクの頬をかすめる。右カーフキックを当てるパク。
右前蹴り、右ストレートが長いシム。しかしパクもスピーディーな左ジャブでシムの顔面をとらえる。前に出て右を振るシムを左にさばいて打ち終わに左をヒットさせるパク! さらに右ローも。
パクの右を距離でかわしたシムは、ワンツー。パクは右ローを突く。パクの打ち終わりに右から左をヒットさせるシム! パクの打ち返しにはスッとバックステップでかわす。
なおもコツコツと右ローを打つパク。しかし前手が長いシムの左ジャブ、右ストレートを被弾する。さらに左ミドルにも繋ぐシム! パクは腕でガードするも受けてしまう。
シムの左ジャブダブルの打ち終わりにダブルレッグに入るパク。テイクダウンで尻を着かせるが、すぐに金網まで這って上体を金網を背にして立つシム。
パクは両足を束ねてマウントを奪うと、背中を見せたシムに両足をかけてリアネイキドチョーク! 後ろ手を剥がしたシムに対し、パクは上を取り、右手で頭を押さえつけてパウンド! 右足をシングルレッグで抱えて立ち上がるシムはスタンドに戻して右を振る。
2R、ステップを増やすシム。ワンツーで前に出ると長い右をヒット! そこにカウンターの右を当てるパク!左フック、右ローに繋ぐ。シムの右をかわして、前手の左フックを当てるパク。シムは左を返して右を振るが、そこにパクは左のカウンターを当てる。
パクの遠間のローをかわして、踏み込んで左ジャブを当てるシム。左ローを打つと、パクの右ローの蹴り返しに左! さらに右も振るが、ここでパクはレベルチェンジしてダブルレッグへ! 尻下でクラッチしてテイクダウン! ここも金網で上体を立てるシム。
四つから左で脇を差すシムに対し、右で小手に巻き、払い腰テイクダウンはパク! サイドを奪うが、ここも金網使い立とうとするシムに右足を掴むパク。足を抜いて正対し、首相撲&ヒザ連打はシム!
離れ、右ローを突くパクだが、そこに左ジャブを伸ばして前進はシム。ワンツー&前蹴りでパクにケージを背にさせる。左ハイをブロックするパク。
3R、左ジャブ、右前蹴りで前に出るシム。右ストレートのダブルをヒットさせる。右ローを返すパク。左に回って左を振るが、左の刺し合いはシムが長い! ワンツーを振るパクだが打ち終わりに最後にパンチで攻めて終わるのはシム。シムの距離のスタンドに対し、パクは中に入っての右ボディ、左フックの対角攻撃。しかし打ち返すシムの左が長くアゴが上がる。
シムの左ジャブに身体を沈めてダブルレッグに入るパク。頭を出して脇を潜ろうとするが、左に捌き、右を差したシムは首後ろを捕えて、左から右のヒザ! 左ジャブで詰めるシムにパクは果敢に右を返すが、シムの打ち返しにカウンターのダブルレッグへ。
両足をスプロールして後方に投げ飛ばして切るシム。互いに立ち上がり、ヒザを突き合い、ジャブの刺し合いから左ハイのシムに対しブロッキングし、右ローを突くパク。
なおもパクのヒザ着きシングルレッグを左回りでかわすシム。四つからヒザを突き上げ、左から右ストレートに繋いだパク! クリンチからのヒザも突き上げ、最後は互いに激しい打ち合いのなか右を伸ばしてゴング! ゴングに両者が手を挙げる。
ROAD FCのジャッジは加点法。ローキック、テイクダウンはパク。ワンツー、ヒザの有効打のシム。判定は2-0でシム・ユリが勝利。1年9カ月ぶりのリヴェンジを果たしたシムは、マットに両ヒザを着いて号泣。右手を挙げられ、左手で涙の顔を覆った。ROAD FC女子アトム級のベルトが巻かれ、なおも感涙。
試合中はダメージを見せなかったが、ケージを降りて退場時は、セコンドの肩を借りてローキックを受けた足をひきずってバックステージに戻ったシム。
新王者シム・ユリについて、DEEPの佐伯繁代表は、「来日が可能になったらぜひ招聘したい。パク・ジョンウンもまた上がってもらえたら」と語っている。
DEEP JEWELSの現王者はハム・ソヒの妹分であるパク・シウとの再戦で一本勝ちした大島沙緒里。また、RIZINでは女子スーパーアトム級(49.0kg)に浜崎朱加が絶対王者として君臨している(9.19 vs.藤野恵実)。確かな進化を見せたシム・ユリの次戦にも注目だ。
▼ROAD FCフェザー級王座決定戦 5分3R〇パク・ヘジン(韓国)[1R 4分50秒 ギロチンチョーク]×キム・スーチョル(韓国)
※試合リポートはこちら
▼ライト級 5分3R〇パク・スンモ(韓国)[1R 0分25秒 KO] ※右ストレート×シン・ドングク(韓国)
スンモは「Afreeca TV」によるROADのシリーズ「ARC」にて2勝無敗。今回が本戦デビュー。対するドングクはMMA3勝3敗。地元ウォンジュの選手で、全試合をROADで戦っている。
1R、サウスポー構えのスンモは左インローから。左に回るオーソのドングクを追って左後ろ廻し蹴りから連続の左ストレートをヒット! 前に崩れたところにあおもスンモは右ストレート! 片ヒザを着いてから体勢を立ててきたドングクに左右ラッシュから右を当ててダウンを奪うとパウンド。レフェリーが間に入った。