試合直前に対戦相手が変わるという異常事態、事の顛末を話す青木
2024年1月28日(日)東京・有明アリーナで開催された『ONE 165: Superlek vs.Takeru』。
第8試合で青木真也(日本)と対戦することが決まっており、前日計量もパスしているセージ・ノースカット(米国)が突如欠場。代わって青木は、元UFCで元ONEバンタム級王者のジョン・リネカー(ブラジル)と対戦して勝利した。
大会終了後の記者会見で、青木は「入場式の直前にマッチメイカーに呼ばれて嫌な予感がしました。それで行ったらセージが試合をしないと聞かされて。それで『リネカーでとう?』と聞かれて『やらないよ』って言ったら大将(チャトリONE代表)が来て。大将と喋って、内容は細かく言わないですけれど、『俺もつらいし、お前もつらいよな』ってことですね。お互い辛くて、コーチと選手だった関係がここ何年間かはプロモーターと選手になって距離が出来ていたんですが、DREAMがなくなってから彼のおかけでここまでやってこれたので、『今、あなたに僕が必要ですか?』って聞いたら『必要だ』と言うので引き受けました」と、急遽過ぎる対戦相手の変更について説明した。
その時、青木は「彼の前で涙したのは初めてじゃないかな。それくらい取り乱しましたね。でも最終的にプロ格闘技が出来ました」と、急遽の出来事に泣いたことも告白。
この試合が「最後になるかもしれない」との発言もあったが、チャトリ代表は「新しい契約です。心配しないでください」と青木との契約は継続すると笑った。
次に、チャトリ代表にも事の顛末の詳細が求められ、次のように語った。
「プレリミナリーの試合中(第1試合から第4試合)にセージから電話があり、セコンドの一人がビザを持っていなくて、すでに飛行機に乗ってしまったと。ユライア・フェイバーはビザがあったが、もう一人はないとのことで。セコンドがいないまま試合は出来ませんと言って試合をすることをやめたと言われた。それでどうしようとなった時に、リネカーが予備選手としていました。会場のどこにいるのかも分からなかったが、スタッフに探させて見つけました」
さらに「実はケイド・ルオトロが『僕が青木とMMAをやります。(セミファイナルのグラップリング)タイトルマッチと両方やります。MMAデビューしたいです』と言ってくれて、2~3回ショートメールももらいました。でもMMAでカットされるとグラップリングも出来なくなるからやめました」と、1日2試合を志願していたことも明かした。
【写真】急遽代打で出場したリネカーにリアネイキドチョークで勝利した青木(C)ONE Championship
青木には納得して試合に出たのかとの質問もあったが、青木は「納得したと言いたいが感情が追いつかない。初めての経験で、涙するくらい取り乱しちゃって。それから試合をやるというのは初めての経験なので、納得できたかできないかは分からない。ただ、プロ格闘技選手としての仕事は出来たと思います」と答えた。
チャトリは「サムライスピリッツです。誰とでもいつでもどこでも(戦う)。だからレジェンドですね」と、大会の危機を救った青木を称える。
会見に同席したルオトロも「青木とMMAの試合をしたいわけではなかったけれど、今日のイベントに穴を開けるわけにはいかなかったので私はやりたかったです。青木さんは本当にレジェンドです」と青木をリスペクトしていた。
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— ABEMA格闘 (@Abema_Fight) January 28, 2024
💥第8試合💥#青木真也 vs #ジョン・リネカー
1R開始直後から青木選手が仕掛け、
試合は早くも"青木真也の世界"に…!@ONECHAMPJP
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なお、試合後、ノースカットはSNSで「ファイトキャンプでトレーニングしたコーチたちと一緒にいなければ、史上最高のMMAサブミッションアーティストと対戦することはなかった」とキャンセルの理由を説明している。
「ファンの皆さん、対戦相手の青木真也さん、今夜戦わなかったことに申し訳ありません。 私のコーチ2人とギリギリのビザの問題があり、彼らは今米国に戻っているところです。ONE Championshipは、私の代わりに柔術世界チャンピオンのコーチを与えることで助けることを申し出たが、キャンプ全体をトレーニングしたコーチたちと一緒にいなければ、史上最高のMMAサブミッションアーティストと対戦することはなかった。私にとってベスト。チャトリ(CEO)とONE Championship、ギリギリで物事を動かすために最善を尽くしてくれた シンヤとチャンネルを合わせていただいた皆様に、再度お詫び申し上げます。『ONE 165』は、誰もがまだ楽しむ素晴らしい世界クラスの才能を持つ素晴らしいカードです」(ノースカット)