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インタビュー

【ONE】朝倉海&ヒロヤとJTTで練習してきた箕輪ひろばvs.堀口恭司とATTで練習してきたバラート、「大晦日に三者三様で違う勝ち方をさせたあのチームは凄いなって思った」(箕輪)

2024/01/25 23:01
 2024年1月28日(日)東京・有明アリーナ『ONE 165: Superlek vs.Takeru』の第1試合ONEストロー級(※56.7kg)5分3Rで対戦する、同級3位・箕輪ひろば(日本/総合格闘技道場STF)と同級4位グスタボ・バラート(キューバ)が、25日(木)都内にて個別インタビューに答えた。  元修斗世界ストロー級王者の箕輪は、2018年9月の修斗から2021年2月のONEのアレックス・シウバ戦まで怒涛の6連勝も、2022年1月のジャレッド・ブルックス戦で判定負け。2023年4月の前戦でボカン・マスンヤネにも判定負けで2連敗中。 箕輪「第1試合でやりたいのでむしろありがとうございます」 ――今年の冬は異常気象で例年とは環境が違いますが、影響はありましたか? 「僕自身、特に寒いという印象もなくいつも通りという感じで。ただONEに関しては冬場に試合をすることがなかったので、どんなもんかなと思っていたんですが、予想外のこともなく想定通りでここまで来ました」 ――体重を作るのも問題なし? 「むしろいつもより調子が良かったです。オファーをいただいたのが12月前半くらいで、64kgくらいから減量をスタートしたんですけれど、12月中に60kg台に持っていって年が明けたら59kgとか。2週間前になったらさらに落としていこうという自分の中の計算だったんですけれど、12月に減量を始めて2週間くらいで60kg台になっちゃって。ちょっと早いので1回停滞させたんですけれど、年明けて59kgに絞ろうかと思ったらそれも1週間くらいで落とせたので。だいぶ自分の想定よりも早いペースで減量が進んでしまったので、逆に調子がいい時って怪我をしやすいのでそういうところを気を付けていました」 ――それは日本大会で練習に熱が入った? 「もしかしたら冬の方が落としやすいのかもしれない。冬に減量しなかったのでわからないですけれど、冬の方が僕の印象だとガンガン落ちたので冬の方が減量しやすいのかなと思います」 ――第1試合に決まった事には? 「僕はメインを張れないなら第1試合でやりたいタイプで、なるべく早く緊張から解かれたいので。この試合順が発表される前から、なんとなくメンツを見て僕が第1試合だろうなって気がしていたし、第1試合でやりたいのでむしろありがとうございますって感じです」 ――今回ハイドレーションテストと計量は2回あるんですか? 「試合の前日だけです。僕が参戦してからはコロナの影響で1回に変わっているんですよ。僕が参戦する前はたしか2回でした。ただ最近ハイドレーションのオーバーが多いので、非公式という形で今日やっているんですけれど、非公式なのでオーバーしても関係ないんですよ。だからみんなそこは意識して来ないんんですけれど、僕はハイドレーションクリアの体重が若干オーバーってカタチで問題はないかなと思います。服も着て体重測定するので意味あるのかなって思っていますけれど(笑)。  これはけっこう認知されていないんですけれど、ONEはリカバー制限もあります。戻せる幅が契約体重の105%なんですよ。軽量級は戻せないで、重量級はめちゃくちゃ戻せるじゃないですか。あれはどうにかして欲しいです。一律で2kgか3kgにして欲しいですね。体内に入っている水分量で言ったら変わると思うんですけれど、ONEって比重で見ているじゃないですか。比重は個体差ないんですよ。人間は全員80%が水分なので。だから重量級は戻せる幅がデカいのはずるいですよね。まあ、そんなことを言っても仕方がないので与えられたルールでやっています」 ――ハイドレーションテストはどういう風にやるんですか? 「尿酸値って言われていますが、尿比重ですね。尿の中にどれだけ成分が濃く出るか出ないかというものです。どう調べているかは知りませんが、理論で言うと尿サンプルの濃度を調べているんだと思います。濃いと水分量が少ないということらしいです」 ――今のところは順調? 「順調ですね。朝食も摂りましたし、水も飲んでるしで」 [nextpage] JTTで一緒に練習した3人が大晦日で勝ったのは大きい ――対戦相手のバラートは得意のレスリングをテイクダウンディフェンスに使えるタイプで、打撃を振って来る。そういう相手を想定した練習やスパーリングは出来ましたか? 「特別対策みたいなことはやってなくはないですけれど、これといって何かやりましたかって言われたら、テイクダウンされないようにしたり、大振りの相手にどう対処するのかっていうのを研究しただけで、基本的には何か特別にやっていることはないですね。レスリングの練習を増やしたり、ボクシングの練習を増やしたりとかは別にしてないので、いつも通りの練習を相手を意識してやったという感じです」 ――STFとジャパン・トップチームにも練習へ? 「もちろんです。STF、JTT、TRI.H STUDIO、それとボクシングジム、東洋大学レスリング部にも大学の方でお世話になっています。昨日もずっとエリーとビリーとはずっと連絡を取り合っていて、細かいリカバーの指示もありました。ビリーってレスリングコーチで来ていたんですが、めちゃくちゃ減量とリカバーも上手いんですよ。あとエリーも打撃を教えるって一辺倒ではなくて、相手の対策を練って僕が出来る中でそれをどう攻略するかっていうのをキチっと導き出してくれるので、お2人は凄く力になりましたね」 ――バラートの動きを見たうえで指導してくれるんですね。 「はい。でも2人とも180cmオーバーなので背が高いんですよ。なのでバラート対策で腰を凄く低くして構えてもらったので、それは申し訳なかったですね」 ――JTT勢の大晦日での活躍は刺激になった? 「そうですね。12月前くらいからJTTというよりもビリー、エリー、朝倉海、ヒロヤくん、ヴィンス(・モラレス)、僕でずっとやっていたんですよ。僕は週2回しか行ってないですけれど、ずっと一緒に練習させてもらったので。その中であの3人が全員勝つっていうのは大きいものがありましたね」 ――気持ち的にも、そこで作った技術的にも確信が持てる? 「ヒロヤくんに関してはずっと一緒に練習していて2連敗から『今年引っ繰り返す』と言って大晦日の勝ちがありましたし、海くんはベルトを獲りましたし、ヴィンスは凄くいいヤツで、元谷選手は強いのであの勝ち方をするのは凄いなと思いました。三者三様で違う勝ち方をさせたあのチームは凄いなって思いました」 [nextpage] 偶発的なものだったら何発ローブローを蹴ってもいいのか (C)ONE Championship――第1試合だからこういう試合を見せたいというのはありますか? 「武尊さんがメインで歴史的な物凄い試合になると思うんですけれど、ONEという団体がどういうものかというのを印象付けるのって1試合目だと思っているので。そうなった時に『こんな団体なんだ』って思われるような試合には出来ないですね。MMAでこのレベルなんだって思ってもらえるくらいじゃないとなってことを意識して試合をします」 ――バラートに勝っている和田竜光選手と練習していましたが、情報交換は? 「ありますね、さすがに(笑)。技術的にというよりは、思っている以上に多分いけるぜっていう。僕は、彼がここ3連勝中ですし1階級落としてきていますし、凄いんじゃないかってことを伝えたんですね。そうしたら『意外といけるぞ』ってことを言ってくれました。それはアドバイスなのか、僕を励ましてくれたのか分からないですけれど、自信を持って行こうと思います」 ――勝負のポイントはどこにあると考えていますか? 「まず、彼のローブローを喰らわないこととバッティングを喰らわないこと(笑)。ようするに距離感だと思います。彼は近い距離感での打撃が持ち味なので、そこで戦わないこと。距離感を意識して戦わないといけないと思っています」 ――前戦(2023年4月、ボカン・マスンヤネ戦)でのローブローはきつかったですか? 「はい、とても(笑)。あれはなんなんですかね。あれで勝った気でいるのかって。僕は彼に負けたつもりはないので。ローブロー前はテイクダウンされていなかったし。もらうのが早過ぎましたけれど、もらった状況下の中で出来るのがあのフロントチョークとアームロックという選択で。あれもキャッチ入ってもおかしくないくらい行けたので、蹴られていなければ極めきれたと思います。蹴られていなかったら、むしろあのまま打撃でボコボコに出来たなって気もしているので、偶発的なものだったら何発蹴ってもいいのかって話です。  僕は3回蹴られて相手に何も出てないんですよ。でもバラートは澤田戦で3回くらい蹴ってイエローカードが出て勝っているんですよ。イエローカードの意味って何ですか? ローブローを3回蹴ってもイエローを出さないのと、イエロー出したとしても出てる側が勝ってしまうと反則したもん勝ちになってしまうので、そこら辺の改善はONEさんにしてもらいたいですよね。そこはもうちょっと厳しめに試合に影響させていただきたいと思います」 ――ボカン選手との再戦は希望しますか? 「いずれ再戦はします。ただ、記録では負けたけれど、実力的には勝った気でいるので、今回勝ったとしても即再戦という気は正味なくて。パシオは倒さないといけないと思っているのでパシオとやって、その後にブルックスと出来れば。タイトルを獲った後に防衛戦でボカンとだったらいつでも再戦します」 ――今回、ボカンと対戦する山北選手は意識しますか? 「お互い勝っていればいずれ当たるでしょう。どっちかがベルトを持った状態で戦えれば一番いいんじゃないですかね」 ――子供が格闘技をやりやすい環境を整える活動をされていますが、今回の試合を子供たちにどう見てもらいたいですか? 「特に子供の内から格闘技をやっている子たちに、継続的に続けていけば、いきなり彼らが強くなる例外もありますけれど、続けていけば続けていった先にはこういうビジョンがあるんだよってことを見ていただきたいですね」 [nextpage]  対するバラートは、2012年ロンドン五輪グレコローマンレスリング55kg級ベスト8から2015年にMMA転向。これまで3人の日本人選手と対戦し、2019年4月に和田竜光に判定負けも、2021年7月に澤田龍人を判定で下すと、2022年4月に猿田洋祐にも判定勝ち。2022年10月にはアレックス・シウバの寝技を凌いでスプリット判定を制しており、現在3連勝中だ。 バラート「いつも通りKOで終わらせる」 ――箕輪選手の印象は? 「彼はとても強い選手だと思います。グラップリングが特に強い印象です」 ――その箕輪選手を相手にどういう試合をしようと思っていますか? 「打撃もそうだし、レスリングも使って、あとはプレッシャーをどんどんかけて上をとって打撃で仕留めたい」 ――今回はどこでファイトキャンプを? 「MMAはフロリダのアメリカン・トップチーム、ボクシングはキューバでやってきました」 ――ATTでは主に誰と練習を? 「マルロン・モラエス、アドリアーノ・モラエス、堀口恭司、ペドロ・ムニョス、他にもUFCやベラトールに出ている階級が上の選手ともやってきました。恭司の空手スタイルは最高です。彼はとても強いスタイルを持っているね」 ――堀口選手からはどんなアドバイスがありましたか? 「彼は僕の一番のスパーリングパートナーさ。スピードが素晴らしい。ガードを落とさないで、とかそういう細かいところをアドバイスしてもらったよ」 ――今回の試合のキーポイントは? 「(パンチの仕草をして)いつも通りKOです」
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