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2024年1月28日(日)に東京・有明アリーナにてONE Championship『ONE 165: Superlek vs.Takeru』(ABEMA PPV ONLINE LIVE配信)が開催される。
約4年ぶりの日本大会では、「ONE女子アトム級(※52.2kg)5分3R」で、三浦彩佳(日本/TRIBE TOKYO MMA)と、平田樹(日本/フリー)が対戦する。
会見後、本誌は両者に個別インタビューを行った。
ABEMAではすでに山本アーセンを巡る“元カノ・今カノ対決”で大いに煽っているため、本誌では、練習環境や試合について聞いた。
なお、三浦は24日に、試合に向けて閉じていたSNSを再開。インスタグラムに予備計量について「体重も尿比重もクリア、グッドコンディション! 当日はNEW ZOMBIEをお楽しみください」と記している。
シンドい時にグッチャグチャになってるのは私の方が多い
――今回のアトム級での平田樹戦の話を聞いたのはいつでしたか。
「正直、11月4日のメン・ボー戦(あやかロックで一本勝ち)の後に、『次、ジンナン(との再戦で)どうですか?』って話の後に、なぜか平田選手との試合の話をされて『なんで?』と。『正直、(対戦相手として)見てないです』と答えて。ホテルに帰った後に、もう一度、打診されて。“これはもしかして日本大会でやらせたがってるのかな”というふうに思ったんです。でも、そのときは向こうが階級を上げて(ストロー級に来る)という話だったんですけど、試合が終わって1週間ちょっとですかね。2週間くらいかな、私が体重を落として一個下の階級で戦うという話が出て、ちょっとびっくりしましたね」
――そのカードについてどう捉えましたか。
「私が下げるということは“平田選手ありき”なのかなと。前回の試合は“メン・ボーありき”の試合と私は思っていて。中国のメン・ボーに勝ってほしかったんだろうな、というのはもちろん分かっていましたし。
でも今回のマッチアップも含め、全てをかっさらうために──私のほうが絶対に練習をやっているし。それを周りの人が知ってるかどうかは分からないけど、練習仲間とか格闘技関係者の方は、私たちの方が練習してるというのは知っていると思います。練習してないとTRIBE TOKYO MMAにはいられないから。
それでも知名度的には、一般ファンに届いていない。TRIBEから若松佑弥くんもタイトルマッチを戦っても、一般の人にはRIZINに出てなくて、ONE Championshipという大会自体を知らない。後藤丈治くんとかも、最近RIZINに出始めてようやく少し名前が出始めた。そういうなかで日本大会で、樹ちゃんはSNSをすごく上手に使う子なので、もちろん日本にもファンがたくさんいると思います。そういうのも含めて、私は“全てをかっさらおう”と思っています」
――これまでプッシュされてきた「平田選手の日本人の相手」として選ばれたと。ただ、「アトム級に落とせるだろうか」というのは思わなかったですか。
「もしアトムに落とすとしたら3カ月必要だと思っていました」
――それは……少し時間が足りないですね。
「でも堀江(登志幸)トレーナーを信じて。もう毎日LINEしてすごい順調で体重も落とせて。“今まで本当なんだったんだろう”って思いつつ(笑)。体重を落としやすくなったし、急に増えなくなったし、それは堀江さんと長南(亮・代表)さんも無茶はさせずに、連携取ってくれているのもあります」
――落として、力を出せそうですか。
「それがけっこう出せていて。1カ月前であと2.5kgくらいで、全然いけるし、ONEで私、水抜きをしたことないんですけど、今回も水抜き無しでも行けるかなというのはありますね(※ハイドレーションテストあり)。常にお水もけっこう取りますし、サプリメントや食事も本当にすごく細かく取ったりしています」
――それで力が出ていると。女子との練習では以前から……。
「FIGHTER'S FLOWの渡辺華奈さんとも練習して、もちろんTRIBEの男子との練習でもガシガシやってもらって、長南さんにも鍛えてもらって、本当にずっと練習ですね」
――TRIBEで長南亮代表がヘッドコーチで、トータルで見てもらえている違いが試合に出そうですか。
「やはり違うと思います。もちろんサボれないし、動きが甘かったらすぐにパーンと来るし。メンタル面で長南さんがついてくれて、細かいコンディションは堀江さんがついてくれている。それにもうTRIBEの選手たちから意見を聞けるので、そこには厳しい意見もありますし、そこからは逃げられないですし。そういう環境は絶対にあったほうがいいです」
――今回相手が同じ柔道ベースで互いに動きが分かる部分もある。そのなかで選択する動きが異なります。三浦選手は、首投げ・袈裟固めで何としても自分の形に持っていける強みがある。2月の119ポンド契約のダニエル・ケリーとのグラップリングマッチでは、「出さない」はずだった首投げをやってしまったそうですが、その意図は?
「あれは……そもそも首投げでいかない作戦だったんです。石井逸人くんと“絶対首投げは行かない”動きを3カ月やった結果、ああなって(苦笑)。だから、長南さんも“もう作戦も何もねえな”って思いながらセコンドされていたようで。メン・ボー戦のときには、逸人くんから“もう俺は対策やらねえぞ、どうせ首投げに行くんだもん、3カ月やっても”って。私も“そうですよね”って言うしかなく」
――(苦笑)。しかし誰もが“どうせやる”と、相手もやると分かっていて極めた。サイドを取られていても首を巻ければ行けそうです。
「そうですね。やっぱ何回やってもアマチュアの子とかはかかるんで、男の子相手でも」
――でも次の試合では、そこからそれ以外の派生する動き、その前段階のスタンドから重要になってきますね。
「それはもう反復している感じで、ジンナン戦のときにグラウンドに1回も行けていないんですよ。あのときはスタンドもひたすら練習してきたので、そのことが生きてくる。あのときのもっと濃い練習をやっていけば、スタンドも問題ないかなと思っていますね。
それにグラウンドも、同じ柔道ベースなのでどうなるかという部分はありますが、もみくちゃになった時に練習とか組んでる量は私の方が絶対多いと思うので、そこで組み負けはないと思います。シンドい時にグッチャグチャになってるのは私の方が多いと思うので」
――正直自信がありそうですね。
「自信はそうですね、あります。ありますが、今回のテーマは本当に精神的に崩れないこと。精神的に崩れたら体重も落ちなくなるだろうし、コンディションも悪くなるし。だから……今回はSNSはやらないです。『X』も3週くらい前に閉じました。何を言われるかというのは大体想像がつくので、もうちょっと本当に閉じてます、今。
前回の試合前は、もうほんとうに切羽詰まってたんです。試合がなぜ決まらないのかとか、長南さんと言い争いをして、それでやっと試合を掴んで。今回はこういう形でも、またすぐ試合が組まれたことがありがたいです。アトム級での挑戦ですごくいい感じで来ているので、今後はストロー級とどっちでも行けるよう準備できる。堀江さんともここ2~3年が一番ピークに持っていけるんじゃないかと話しているので、いつも以上に集中してやって、しっかり勝ちたいと思っています」