堀口恭司がエグゼクティブプロデューサーを務め、2024年1月21日(日)に群馬県オープンハウスアリーナ太田で旗揚げ大会を行う『TOP BRIGHTS』に向けて19日、出場選手が個別インタビューに応じた。
後半のメインカードでは、MMAフェザー級で松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)が、カザフスタンのカルシャガ・ダウトベックと対戦する。
前戦でダウトベックは、元UFCのディエゴ・ブランダォンを左フックで沈めており、松嶋は「ダウトベックは左の強いパンチに自信を持っている」と警戒しながも、「自分もそこでちゃんと勝負して戦いたい」と、スタンド打撃でも立ち会うつもりであることを語った。
5連勝中のダウトベックに勝利することは、「勝てばやっぱり“総取り”だと思うので、その部分ではすごくいい相手だし、もちろん怖い部分もあるけど、連勝中というところでしっかり僕が止めて、その(相手が積み上げた)部分を奪っていければと思います」という松嶋。 今回の『TOP BRIGHTS』を経て、「それこそ『ROAD TO UFC』があるんで、そういう部分を目指していけるように」と、UFCへの狭き門を再び目指す思いを語っている。
松嶋は、2023年7月の『DEEP 114 IMPACT』で、2018年4月のPANCRASEでのISAO戦以来、5年3カ月ぶりに日本マットに参戦。劉獅と68kg契約で対戦し、1R1分54秒、右ストレートでダウンを奪い、サッカーキックでTKO勝ち。得意のテイクダウンを見せずに勝利していた。
ONE Championshipでタイトルマッチを戦うなど活躍した松嶋は、2022年の「ROAD TO UFC」で不可解な判定で敗れた後、再びUFC参戦を目指し、欠場した元UFCファイターのガブリエル・シルバの代替選手の劉獅と68kg契約で対戦し、114秒KOで一蹴している。
メインカードのMMAで唯一の日本人選手として出場する松嶋こよみについて堀口は、「上に行くバチバチの試合を見せて欲しい。“やっぱり日本人も強い選手がいるんだよ”というのを見せて欲しいです」と期待を寄せている。
松嶋こよみ「左は強いけど、そこしかない」
──今回の『TOP BRIGHTS』参戦の理由は?
「強い相手と試合ができるということが参戦した理由です。強い相手だと思うので、そこをしっかり倒し切っていいアピールが出来たらと思っています」
──公式からの質問です。ご自身のストロングポイントは?
「何だろう……特には無いですけど。『特に無い』っていうのがいいんじゃないでしょうか(笑)」
──ダウトベック選手の印象を教えてください。
「左の強いパンチを持っている、そこに自信を持っている選手で、自分もそこでちゃんと勝負して戦いたいと思っています」
──考えている試合展開は?
「向こうは打撃の選手なので、僕の強い打撃の部分と相手の打撃の部分でちゃんと勝利したいと思います」
──今回の試合に向けての練習環境を教えてください。
「グラップリングはロータス世田谷とカルペティエム青山でグラップリングの練習を、打撃をLIBERTAD=左右田(泰臣)さんのジムと、team AKATSUKI=良太郎さんのジムで、MMAをパンクラスイズム横浜、という感じでやってきました」
──team AKATSUKIで練習するようになった意図と成果は?
「もともと良太郎さんとは長く知り合いで関係があった(※練習仲間の大塚隆史のミットを持っていた)ので、いろいろ相談して、打撃のコンビネーションだったりを深めていきたい思いがあって、お願いするようになって、その部分ではいい形に自分の打撃が変わってきているように思っています」
──対戦相手のダウトベック選手は、左のオーバーハンドやストレート、左ハイをいろんな足の位置取りから打ってきます。あの強打をどうとらえていますか。
「強いは強いけど“そこしかない”と思っているので、それをもらわなければいいだけの話です。そこに対しての準備もしてきたので、ちゃんとやりたいなと」
──ダウトベック選手の前回の黒星が2019年と前になりますが、当時はテイクダンディフェンスに難があるようでした。組みの部分での印象は?
「そんなにグラップリングできる選手だとは思っていないのですが、その部分もちゃんと練習してきました。ロータスだけじゃなくカルペ青山で練習してきた部分を丁寧に出して、ちゃんとMMAで最後仕留められたらと思います」
ーーダウトベック選手は、2018年9月の『RIZIN.13』で朝倉未来選手と対戦(※ダウトベックが判定負け)しています。そういったことは松嶋にとって意識することでしょうか。
「いや、何も無いですね(笑)。まあもうかなり前の試合だと思うし、その頃の選手ではないと思うので、あまりなんの意識もなくという感じです」
ーー参考にしたのは最近の試合でしょうか。
「そうですね、最近の試合とかをちょろっと見て。でもそんな別に、試合相手が決まって映像を見て終わり、なので、そんなにたくさんは見ていないです。周りのセコンドの人たちがちゃんと見て研究してくれたので。そんな感じです」
──5連勝中のダウトベック選手に勝利する意味をどう考えていますか。
「勝てばやっぱり“総取り”だと思うので、その部分ではすごくいい相手だし、もちろん怖い部分もありますけど、連勝中というところでしっかり僕が止めて、僕がその部分を奪っていければと思います」
ーーここで結果を出した後はどのような流れに?
「それこそ『ROAD TO UFC』があるんで、今年あるって発表があったのかは分からないですけど、そういう部分を目指していけるように、っていう感じですかね」
ーー結果にこだわる? パフォーマンスも重視?
「でもやっぱり結果で判定で勝っているだけだったら評価としては付きにくいと思うので、ちゃんとパフォーマンス──自分の良い力を出して、ちゃんと決めて完全決着で終わらせたいと思っています」
ーーファンにメッセージを。
「しっかりと完全決着して、会場が盛り上がるような試合をしますので応援よろしくお願いします」
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ダウトベック「KOだろうが一本だろうが、重要なのはこの試合に勝つこと」
松嶋と対戦するダウトベックは、2018年9月の『RIZIN.13』で朝倉未来と対戦し、判定負けもフィニュシュさせなかったMMA13勝3敗のカザフスタン戦士。サウスポー構えで朝倉の左の蹴りをキャッチしての左ストレートで朝倉をダウンさせ、足をさばいてサイドポジションを奪っている。
ボクシング、シラットベースのMMAファイターで、2023年9月の前戦では、元UFCのディエゴ・ブランダォンを左の強打でわずか35秒、パウンドアウトに下している。今回、5年4カ月ぶりの日本マット参戦となる。
ACAでの試合も含め5連勝中・うち4試合を1Rフィニッシュ勝利という登り調子の30歳の強豪は、会見で「日本で戦えることが楽しみだった。対戦相手がすごく強くてとても尊敬しています。いい試合ができればと思います」と意気込み。
松嶋の強いボクシング&レスリングのファイトスタイルについては、「彼がどう戦うか分かっています。いずれにせよ、私たちはよく準備してきました。何があっても準備万端です。KOであろうが、痛ましいサブミッションであろうが、最後はジャッジが止めること。重要なのはこの試合に勝つこと」と語っている。
ーーTOP BRIGHTSのオファーを受けて最初はどう思いましたか。
「日本で戦えることが楽しみで参加しました。対戦相手がすごく強くてとても尊敬しています。いい試合ができればと思います」
──松嶋選手のレスリングと、空手&ボクシングベースの強い打撃に対して、どんな対策を練ってきましたか。「彼がどう戦うか分かっています。いずれにせよ、私たちはよく準備してきました。何があっても準備万端です」
──ここ4試合すべて1Rフィニッシュ勝利していることで、試合で試したいことが出せてないという部分もありますか?
「いえ、私はノックアウトを追いかけていません。常に3R戦うことを想定しているので、練習と試合中にもあらゆることをシミュレーションしています」
──ずばり、今回の試合はどのようにフィニッシュしたいですか?
「KOであろうが、痛ましいサブミッションであろうが、最後はジャッジが止めること。重要なのはこの試合に勝つことです」