シュートボクシング
インタビュー

【シュートボクシング】元ONE世界王者を迎え撃つ海人「現時点でも僕が勝っていますが、残りの期間でさらに突き詰めてレベルを上げていきたい」

2024/01/18 18:01
【シュートボクシング】元ONE世界王者を迎え撃つ海人「現時点でも僕が勝っていますが、残りの期間でさらに突き詰めてレベルを上げていきたい」

2023年はRWSで活躍していたペットモラコットを迎え撃つ海人

 2024年2月10日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2024 act.1』のメインイベントにて、元ONEムエタイ世界フェザー級王者ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)とヒジありルールで対戦するSB世界スーパーウェルター級王者・海人(TEAM F.O.D)のインタビューが、主催者を通じて届いた。

 SBの絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にトーナメントを制してSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、2016年以降はRISE、RIZIN、KNOCK OUTで全勝。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではK-1 WORLD GPウェルター級王者・野杁正明を延長R判定3-0で破った。


 12月にはGLORY世界ライト級1位ストーヤン・コプリヴレンスキーに判定2-1で勝利。2023年3月にはイ・ソンヒョンに判定勝ちでRISEミドル級王座を奪取し、6月にサモ・ペティとの再戦を制してSB世界スーパーウェルター級王座を獲得と驚異の18連勝をマークしたが、8月のGLORYで世界王者ティジャニ・ベスタティに敗れ王座奪取ならず。11月の再起戦ではマサロ・グランダーを、12月にはRISEでジェームズ・コンデも初回KOに仕留めた。戦績は54勝(24KO)7敗1無効試合。

  ペットモラコットはタイのビッグマッチ常連の超一流選手として活躍し、ルンピニースタジアムではミニフライ級王座とスーパーフェザー級王座に就いた。2015年4月には初来日し、梅野源治の挑戦を退けている。ONEではジョルジオ・ペトロシアンと2度対戦、1度目は首相撲&ヒザ蹴りを多用したペットモラコットが判定勝利を収めたが、「試合中に複数の違反であるクリンチ行為が発生した」との理由からノーコンテストとなり、7月の再戦では判定負け。しかし、2020年2月にポンシリと初代ONEフェザー級ムエタイ世界王座を争い、判定勝ちで王座に就いた。同王座は3度の防衛に成功。その後はONEを離れ、『ラジャダムナン・ワールド・シリーズ』に参戦。イラン、モロッコ、トルコなどの選手と対戦して5連勝を飾ったが、前戦となる2023年9月のタナンチャイ・シッソンピーノン戦ではスプリット判定で惜敗している。

ヒジがあることで久しぶりに自分を解放して自由に動ける


――昨年12月のRISEでGLORYからの刺客ジェームズ・コンデ選手に1RKO勝利して、早いタイミングで2月のペットモラコット戦が決まったことにビックリしました。

「12月の試合が終わってすぐに2月の開幕戦の対戦相手候補として、ペットモラコット選手と、僕は良く知らなかったのですがX(旧Twitter)で対戦アピールしていたRWSのタイ人選手(=タナンチャイ)の2人がいるのを聞いていて、SB協会が最終的にペットモラコット選手に決めてくれました」

――ペットモラコット選手は元ONE世界王者ですが、対戦を意識していた選手でもありますか?

「同じ階級ですし、戦ってみたい選手がいるONEの元チャンピオンでもあるので、いつか対戦できたらいいなと思っていたぐらいで、特に意識していた選手ではありませんでしたが、まさかこのタイミングで、そしてシュートボクシングのリングで、さらにヒジ打ちありのルールでできることが嬉しいですね」

――海人×ペットモラコット戦が発表されて、SNSでの反応を見ると『ガチやな』という言葉が多く見られました。

「今大会のポスターのキャッチコピーにある通り、“シュートボクシングの本気と覚悟”にマッチしたカードだと思います。シュートボクシングが僕に対して本気を出してくれたなと改めて感じました。今回のカード実現のために動いていただいたシーザー武志会長、緒形健一代表をはじめ、シュートボクシング協会の皆さんには感謝しかありません」

――モチベーションは上がりっ放しですか?

「昨年8月の(ティジャニ・)ベスタティ戦以上にモチベーションが上がりっぱなしです。ベスタティ選手はGLORYのチャンピオンなので戦いたい選手でしたが、ベスタティ戦で負けてからの自分を見直して強くなるためだけに練習を積み重ねていたタイミングで、こんな強豪選手とできることは嬉しいですし、テンションもMAXです」

――選手によっては強豪選手を当てられて『自分が負けるかも』と敗戦をイメージする方もいますが、そういうイメージもないですか?

「全くないですね。負けるんじゃないかという気持ちは1ミリもないですし、勝てる自信は十分にあります」

――改めてペットモラコット選手に対してどのような印象がありますか。

「ガンガン前に来て、気持ちの強い選手だと思います。ただ、全体的に僕が持っているものと比べると全然僕の方が圧倒的に強いし、全て上回っていると思っています」


――相手も得意とするヒジ打ちありのルールとなりました。


「試合展開で僕が勝っていたとしても、ヒジ打ち一発で斬れたりしたら終わってしまう危険な試合になります。僕はフルラウンド戦うつもりもないし、相手も得意なルールなので、3Rもいかない試合になると思います」

――ヒジの打ち合いでも負けるつもりはないですか。

「そこでも僕が勝ちます。今でもどんどんレベルアップしてますし、現時点で何も負けてないと思ってます。試合が早く決まったことでまだまだ強くなる機会を与えられたと思うので、ペットモラコット選手には覚悟しておいてもらいたいですね」

――ヒジ打ちありルールは、2023年2月の緑川創戦以降、約1年ぶりとなりますが、ヒジ打ちの練習は定期的にやっていたのでしょうか。

「緑川戦以降は5戦は全てヒジなしのルールだったので全然練習していなかったのですが、どのルールでも戦えるのがシュートボクサーです。GLORYではヒジなしなのでそっちに照準を合わせてきてましたが、今までずっとヒジありでやってきた経験もありますし、ヒジがあることで久しぶりに自分を解放して自由に動けることが楽しみです」

――ヒジなしの海人より、ヒジありの海人は何倍強くなりますか?

「今回はSBルールでもあることで組みも無制限にできるので、そういう意味でも自由感があり、やりたいことをやりたいようにできるのでかなり強いと思います。自分自身でもどうなるのか楽しみです」

――次の試合に向けて新しく取り入れる練習メニューなどはありますか?

「練習自体は他の選手と比べても大差ないと思いますが、時間と内容は格闘技界のどの選手と比べても自分が一番だという自信があります。相手はムエタイの強い選手なので蹴り合ってみたいし、ヒジも出し合ってみたいし、組みでも勝負したいと思うので、全体的なポテンシャルは現時点でも僕が勝っていますが、残りの期間でさらに突き詰めてレベルを上げていきたいと思います」

――カード発表記者会見で早くもペットモラコット選手と対面したわけですが、何か感じるものはありました?

「野杁(正明)選手と対面した時もそうでしたが、ちょっとすれ違っただけでも、ペットモラコット選手もやはり本当に強い人が持っているオーラ、覇気を凄く感じたので、より試合が楽しみになりました」

――2024年はどういう1年にしたいですか?

「今回はホームグラウンドのSBのリングでヒジ打ちありで試合もしますし、投げや絞めはもちろん、ヒジ有り無し関係なくシュートボクサーとして世界の強豪を倒していきたいと思っています。そして現時点の目標はGLORYのベスタティ選手へのリベンジです。今年中にベスタティ選手が僕と試合するしかない状態を作り上げてGLORYのタイトルを獲ります。今回その前に、ペットモラコット選手に圧勝して、日本だけでなく、世界中に海人の名前を広めたいと思います。楽しみにしていてください」

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