MMA
インタビュー

【UFC】リッキー・シモン「RIZINのヴィンスの試合を朝から見ていた」「マリオは僕と同じ対戦相手のレベルと向き合ってきてはいない」=5連勝中のバティスタと対戦

2024/01/12 17:01
 2024年1月13日(日本時間14日)米国ラスベガスのUFC APAXで開催される『UFC Fight Night: Ankalaev vs. Walker』(U-NEXT配信)のバンタム級(5分3R)で、UFC5連勝中のマリオ・バティスタ(米国)と対戦するリッキー・シモン(米国)。大晦日RIZINに参戦したヴィンス・モラレスが従兄弟で、2022年まではともにオクタゴンで戦っていた。 【写真】左端がシモン、右端がモラレス(C)rickysimonufc  元LFAバンタム級王者のシモンも、バティスタと同じく2022年4月の前戦までUFC5連勝中だったが、ソン・ヤドンとの急遽の5R戦変更となったメインイベントで、最終回にTKO負け。連勝がストップした。  本誌の取材に、再起を誓うシモンは、ジョン・クラウチの茶帯で6つの一本勝ちを誇るバティスタを相手に、「モンテル・ジャクソン、メラブ・ドゥバシリ、そしてハニ・ヤヒーラにもバックから極めさせずに勝っている。マリオは僕と同じ対戦相手のレベルと向き合ってきてはいない」と自信を見せている。 【写真】移動の車中からインタビューに答えてくれたリッキー・シモン  また会見では、現UFC世界バンタム級王者のショーン・オマリーについても聞かれ、「もし、ショーン・オマリーが世界チャンピオンになれるのなら、文字通り、この世界では何でも可能なのだ。言っておくけど、僕の時計は壊れた。ショーン・オマリーのタイメックスを買ったんだ。彼はタイメックスとコラボしていたよね。インターナショナル・ファイト・ウィークに行ったとき、それを勧められたんだ。僕は『これにしよう。かっこいいね。クールだ』と、買ったんだけどね。だから、“やろうぜ、ショーン”」と、オマリーの王者としての力に懐疑的であることを語った。  さらに、オマリーが、かつてのシモンのトレーニング・パートナーである“チト”マルロン・ヴェラと、2024年3月9日の『UFC 299: O'Malley vs. Vera 2』で対戦することについても、「チトには自信がある。昔、彼と一緒に練習したことがあるんだ。彼の持ち味は知っているし、最初の試合を見れば、ショーンにとっては相性の悪い相手だ。チトは世界チャンプになると確信している。彼にはとても期待している」と、ヴェラの王座奪取に期待を寄せた。  オマリーとヴェラは、2020年8月の『UFC 252』で対戦。試合中にオマリーが左足を負傷し、1R終盤にグラウンドのヒジ打ちでTKO負け。キャリア13戦目で初黒星を喫している。  最後に自身のキャリアについて問われたシモンは、「僕はこのスポーツを始めたばかりじゃない。SNSでみんなが“僕のことをどう言ってるんだろう?”なんて気にするような人間じゃない。“どうぞ、座って見ていてください。僕のようなことが出来るのなら、君はそこでやっているはずだ。だから試合を見て楽しんでくれ”という感じだ。僕はいつも通り、試合を楽しむよ」と、笑顔で語っている。 [nextpage] 最終的にマリオが望まないところに追い込んで、フィニッシュする (C)Zuffa LLC/UFC ──今回はラスベガスUFC APAXでの試合です。従兄弟のヴィンス・モラレス選手とも調整するのでしょうか。 「ああ、ヴィンスとはこれから会うんだよ。彼はベガスに住んでいるから、今夜か明日会う予定なんだ。RIZINでの試合ももちろん見たよ。アメリカでライブで観るためにずっと起きてた(笑)。モトヤを相手に素晴らしい試合を見せたんじゃないかな。本当に彼の事を誇りに思う。彼女の紫乃バンフースは日本で戦っていたし(※パラエストラ八王子に所属し、PANCRASE、JEWELSに参戦)、ヴィンスはずっと『日本に行きたい、日本で試合をしたい』と言っていたから、彼にとって本当に意味があっただろう」 ──リズミカルな打撃にスクランブルと大晦日のベストバウトのひとつでした。 「そうだね。彼とはめちゃくちゃ仲が良いから、ほんとうにずっと日本で試合をする事ばっかり聞いていたし、早くから日本入りしてチームで戦っていたから、あの勝利は最高な時間だっただろうな」 ──シモン選手は、今回の試合に向けて、どのような練習環境だったのですか。 「ジアニ・ヴァスケス、アレックス・ぺレス、フェルナンド・ペディアとか地元には最高のメンバーが揃っていてトレーニングしている。コーディー・ハモンド、チェイス・デイビスとか、ATTポートランドの仲間たちだ。チームオーヤマも最高のチームだよ」 ──ATTポートランドとチームオーヤマの練習で何か使い分けている部分もあるのですか。 「両方のチームでトレーニングしているけど、住んでいるところがATTポートランドの近くだから、チームオーヤマには月に1回とか訪れてチームの面々と練習している。今回のキャンプには参加しなかったけど、日本のユーマ・ホリウチともこれまで1年を通して練習してきたし、色々ヘルプしてもらった。本当に素晴らしいファイターだよ。チームオーヤマが俺のもう一つのチームになったのは3年か4年くらい前かな。それからは最高なトレーニングができていて、メンバーも粒ぞろいだ。オーヤマコーチも素晴らしいしね」 ──コリン・オーヤマコーチとのミット打ちを拝見しました。充実した練習環境のようですね。さて、前戦では、当初、メインイベントに予定されていたライト級のヘナート・モイカノの負傷欠場により、ソンヤドン戦がメインとなり、急遽5ラウンド戦になりました。どのように影響がありましたか。 「そうだね、もちろん少し影響はあったと思う。ただ、自分にとってはラウンドが増えるのは良い事であるから、5ラウンドになった事は自分にとってアドバンテージになると思ったんだ。だから5ラウンドになった事についてはハッピーだったし、特に異論はなかったよ」 (C)Zuffa LLC/UFC ──たしかにノンストップで動き続けるあなたのスタミナは凄いですし、何より、メラブ・ドバリシビリに続くテイクダウン数2位を誇るシモン選手ですが、前戦では最後諦めずにソンに向かっていった際にカウンターをもらいました。あの試合で考えたことは? 「いや、ほんとうに敗戦から学ぶ事って沢山ある。実は、僕はあまり負けの経験がない。10年間プロフェッショナルファイターとしてキャリアを積んできている中で、たったの4度だけだ。そこから得た貴重な経験を、ジムに持ち帰ってコーチ達と振り返り改善する。それができたのが良かった。頭から振って来る相手とどう戦うか、テイクダウンの先の攻防──自分としてはとにかくもっといいコンディションで試合に向かえるようにするという事、そして今回のマリオ戦に向けてそれができていると思う」 ──バティスタ選手も5連勝中。柔術・レスリングがバックボーンの部分では、似ている部分もあると感じます。 「もちろんファイトスタイルに似ている部分はあると思うけど、一番の違いは僕の方がこれまで強い選手と戦ってきて、その選手達を相手にいいパフォーマンスをしてきているという事。マリオは僕と同じ対戦相手のレベルと向き合ってきてはいないと思うし、僕のようなパフォーマンスは見せられていないだろう」 (C)Zuffa LLC/UFC ──なるほど。ともに組み技を得意としますが、シモン選手が肩固めなどトップからの仕掛けを得意とするのに対し、比較的手足の長いバティスタ選手は、後ろ三角からのアームバーなどバックポジションを得意とします。その違いをどうとらえていますか。 「僕はこの階級では最強のクラスの相手と戦って勝利している。モンテル・ジャクソン、メラブ・ドゥバシリ、そしてハニ・ヤヒーラ。バックを得意とするトップ柔術家も、僕のバックを取る事、バックを取り続ける事に相当苦労した。自分のグラップリングとレスリングには自信があるし、マリオよりずっと優れていると思っている。だからさほど心配はしていないし、ただ何が起こっても大丈夫なように全てのポジションの準備はしてきているよ」 ──バティスタ選手とはどのような試合になりますか。 「間違いなく言えることは、絶対にエキサイティングな試合になるということ。僕も彼も速いペースの選手だから。だけど、最終的に俺がヤツが望まないところに追い込んで、フィニッシュすると思っているし、その自信があるよ」 ──バンタム級の注目カードを楽しみにしています。最後に日本の格闘技ファンにメッセージを。 「ずっと日本のMMAを見てきて、いつも日本で試合をしたいと思ってきたんだ。年末の試合も見たし、日本のファンは皆、格闘技を理解しているって知っているから。日本人選手の事も何人か知っている。いい選手が揃っているよね。みんな、この週末(日本時間日曜)の試合を見てくれ!最高なショーを見せるから。絶対楽しんでもらえると思っているよ!」
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