MMA
インタビュー

【RIZIN】ドッドソン破る! 扇久保博正「僕を獲らなかったUFCに“この野郎”って」×ドッドソン「もっと組みの練習をやっておけば…」

2024/01/02 13:01
 2023年12月31日(日)さいたまスーパーアリーナ『RIZIN.45』の第11試合・RIZINフライ級(57kg)5分3Rで、ジョン・ドッドソン(米国)に判定3-0で勝利した扇久保博正(パラエストラ松戸)が、試合後インタビューに答えた。  元修斗二階級制覇王者の扇久保は、2016年7月のTUFで現UFC世界王者のアレッシャンドリ・パントージャに判定勝ちを収めるなど準優勝も、UFC契約ならず。2021年のRIZINバンタム級JAPAN GPで春日井“寒天”たけし、大塚隆史、井上直樹、朝倉海を下し、優勝。その後、3連敗も、その相手はキム・スーチョル、堀口恭司、フアン・アーチュレッタと強豪相手にいずれも判定負けだった。  今回は、再びフライ級に戻して、UFC世界王座に2度挑戦の実績を持つドッドソンと対戦した。ベアナックル・ボクシングのBKFC王者でもあり、3連勝中。2022年大晦日にRIZINに初参戦し、所英男に1R TKO勝ち後、2023年5月の前戦で竿本樹生に判定勝ち。現在、MMAでも3連勝中だ。  試合前に、子供と遊ぶ姿を見た妻から「ファイターの顔じゃない。1人で練習しろ」と発破をかけられ、試合に向けて一人暮らしを決意。ドッドソンとの大一番に臨んだ。  試合は、サウスポー構えのドッドソンが爆発的な連打で詰めるも、組んでのテイクダウンを決める扇久保が、しっかりパスガードしてマウント奪取。組みを警戒するドッドソンの踏み込みが浅くなるなか、得意のフルコンタクト空手の蹴り、右ハイ、オーソからの左の蹴りも駆使し、扇久保がコントロールして判定勝ち。強豪のドッドソンに完封勝利した。  大会MVPと言ってもいい完勝劇を見せた36歳のフライ級トップコンテンダーは「堀口選手にはいつか勝ちたいし、TUFのときに僕を獲らなかったUFCには“この野郎”っていう気持ちを持ち続けてきた」と語った。 やっぱり僕は格闘家で、試合で勝つことが最大に幸せなこと ──試合後の率直な感想を。 「2年ぶりに勝てたので、久しぶりに“勝つっていいな”って今思っています」 ──2年ぶりとは、2021年12月31日のRIZINバンタム級ジャパンGP優勝(決勝で朝倉海に判定勝ち)以来ということですね。 「そうです、あれ以来勝ってなかったんで、勝つってこういう感じだなって思い出しました」 ──勝つとはこういうことだと思い出したことと同時に喜びや嬉しさというものも? 「本当にドッドソン選手にどうしても勝ちたかったので、めちゃくちゃ嬉しいですね」 ──ドッドソン選手と実際に対戦してイメージと違うところはありましたか? 「イメージしてた通りの選手でした。でも、寝技になったときはもっと立ってくるかと思ったけど、意外に背中着けたらそんなに動いてこなかったのでそこがちょっと予想外でした」 ──「自分のようなタイプに今までドッドソンは負けてきた」という話を試合前にされていました。そういう点で対策をしっかりしてこれましたか。 「そうですね、対策通りにできたかなと思います」 ──キャリアのなかでアップダウンがあり、3連敗とはいえ、キム・スーチョル、堀口恭司、フアン・アーチュレッタという強豪との連戦でした。今回、元UFCの大物ドッドソン選手に勝ったことの意味をどうとらえていますか。 「僕のなかでは、UFCで組まれていてもおかしくないカードだと思っているので、僕とドッドソンのカードは。しかも2回タイトルマッチ(vs.デメトリアス・ジョンソン)を戦っている選手で、フライ級では世界トップレベルの選手だと思っていたので、まあその選手に勝てたってことは、自分がフライ級で世界トップレベルにいると再認識することが出来た試合だったので、僕の中ではかなりトップレベルに嬉しい勝利です」 ──苦しかった2年間をいま勝って振り返ると? 「GP優勝して幸せの絶頂で結婚して子供も出来たんですけど、本当に、格闘技の試合ではそこから連敗が続いて勝てなくて、“心の底から幸せではなかった”という感じだったので、やっぱり僕は格闘家で、試合で勝つことが最大に幸せなことなんだな、と今日勝って改めて思いました」 ──ご家族とはどのような会話を? 「まだ連絡をとっていないです」 ──ドッドソン選手が「鼻を折った」とのことでしたが大丈夫ですか。 「僕の鼻ですか? いや、折れていないです。全然大丈夫です」 ──フライ級王座を目指したいとのことでした。今回の試合次第だと思いますが、ずっと戦い続けている堀口恭司選手と再戦がしたいと思いますか。 「3連敗してからの1勝なので、何とも言えないですけれど、フライ級のベルトを獲ることが僕の一番の目標なので、一つひとつ勝っていって、4回目が出来ればいいと思うし、(メインイベントで)神龍選手が勝ったら状況は変わってくるので、そこは、ベルトに絡んでいきたいと思っています」 ──この後の試合でどちらが勝つと予想していますか。 「堀口選手が勝つかなと思います」 ──UFCというものと堀口選手という相手に対するこだわりや、思いが強いのでしょうか。 「堀口選手には3回負けていますし、やっぱりいつか勝ちたいっていう気持ちがまだあるので、堀口選手にはいつか勝ちたいですし、UFCには、TUFのときに僕を獲らなかったので、常にUFCに対しては“この野郎”っていう気持ちでいつもいます」 ──試合を終えたばかりですが、今後の展望や目標を教えてください。 「今後の目標はRIZINのフライ級のベルトを目指して一つひとつ勝っていきたいと思います」 [nextpage] ジョン・ドッドソン「組まれることはあまり好きじゃないけど、怠けずにもっとしっかりやればよかった」 ──試合後の率直な感想を。 「がっかり、ハートブレイク&悲しみ。そんな感じ」 ──扇久保選手と実際に対戦してみて、試合前のイメージと違うところはありましたか。 「いえ、想像通りの選手でした。抱きついてくるだろうなとは思っていたけど、その通りに作戦を遂行していたようです。打撃で常に重いパンチでフィニッシュしようと思っていて、相手の鼻も折った、そのことで相手が打撃をやりたくなくなってそういう試合になったと思います」 ──扇久保選手は戦前、「ドッドソン選手が過去に負けてきた選手と自分が同じタイプだ」と話していました。思い当たる節がありますか。 「いや。特にそういう戦略やスタイルは考えていない。組まれることはあまり好きじゃないから、そういうものに対して怠けずにもっとしっかりやればよかったとは思っています。もっと、ダメージ優先で相手の鼻を折っていたのでダメージが評価され、そんなに行く必要がなかったのかと思いました。ダメージの部分と、相手に抱きつかれるということがどう評価されているのかが分かっていなかった」 ──今日の敗戦があなたの将来のプランに水を差したような形で、遠回りすることになりそうですか。 「今日の負けはそんなに自分の目標の遠回りと思っていません。負けは負けとして受け止めないと前に進めない。もっと怒りを出してもっとアグレッシブに行って“ミュータント”にならなければいけないと思っています」 ──体格差があって小さいという状況が多いように思います。今回も体格差は感じましたか。 「体格差は全く感じません。なぜなら私の身長は6フィート2(188cm)だからです(笑)」 ──判定の基準について言及していましたが、ユニファイドルールと比べても公平性は感じていますか。 「正直に言うと、自分は外国人で日本で日本人と試合をしているから圧倒的に勝つことが必要で、KOか一本かくすぐりか何かでしっかりフィニッシュしなくてはいけないと分かっていた、そのうえで自分が任務遂行を出来なかったので、この結果には特に何も感じていません」 ──RIZINのフライ級で他に興味のある選手は? 「NOです。いません」 ──試合を終えたばかりですが、今後の目標や展望があれば教えてください。 「引き続き、チャンピオンになりたいと思っています」
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