スック ムエマンサナンムアン2024年12月26日(火)タイ・ランシットスタジアム
▼メインイベント第4試合 126ポンド契約 3分5R×カイト・ウォーワンチャイ(=福田海斗/キング・ムエ/現ラジャダムナンスタジアム認定フェザー級8位)判定3-0〇ペットナムヌン・トースラット(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級4位)
タイを主戦場に活躍を続ける福田海斗(キング・ムエ)がメインイベントに出場、現在好調のラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級4位ペットナムヌン・トースラット(タイ)と対戦した。
福田は11月、タイの大型賞金トーナメントに出場しペットブンチョープと対戦、下がって距離を取る戦法のペットブンチョープに手を焼き判定負け。しかしながら関係者の評価は高く、すぐに今回の試合がマッチメイクされた。
対戦相手となったペットナムヌンはタイ南部チュンポーン県出身の22歳、福田海斗と同じくペッティンディー興行の上位選手で、今年10月の同スタジアムでは『True4U』三階級王者ブンロン・ペッティンディーアカデミー(タイ)から勝利を挙げている筋金入りの強豪選手。フィームー(テクニシャン)やブエブー(前に出るファイター)など相手に合わせて変幻自在の戦い方を見せるオールラウンダー。
試合前日の25日(月)に契約体重が126ポンドから127ポンドに変更。これはこのところの天候不良で気温が低く、プットナムン陣営から「体重が落とせない」との連絡が入り急遽変更となったとのこと。これを受けた形で試合前の賭け率は5-4でわずかであるものの福田がリード。ギャンブラー達は減量に不安が残るペットナムヌンより後半に強い福田を支持した形だ。
試合は序盤から福田が積極的に仕掛けた。前に出て圧力をかける福田に対し、ボディや足への前蹴りで止めようとするペットナムヌン。インロー、奥足ローと細かく当てていき、前蹴りをキャッチしてさらにパンチへつなげる福田。ローを嫌がるペットナムヌンはさっと前に出てテンカオを当てようとするが福田がカウンターの左ヒザ。
第2Rに入り、ペットナムヌンは首相撲勝負へ。これは展開としては早い仕掛けだが、それだけ福田のローが効いてきたということであろう。お互い深くガッチリと組み、ヒザを繰り出していく。途中福田が左の縦ヒジを強振! ペットナムヌンもすぐにお返しのヒジ。このラウンド終了時で賭け率はイーブン。どっちも譲らない好試合の展開。
中盤第3R に入り、2Rと同様に両者首相撲勝負に出る。二人とも素早く手の位置を入れ替え、ヒザ蹴りと共にヒジも繰り出し激しく動く。福田が右の縦ヒジを打つとペットナムヌンも右の縦ヒジをフルスイング。これが福田の右目じりをカットさせることに成功。首相撲勝負はほぼ互角なものの、ペットナムヌンのヒザが福田より大きく綺麗に繰り出されており、徐々に賭けがペットナムヌンへ。
このラウンド終盤、福田が右アッパーを打ったところでカウンターの右ヒジがヒットしまたも福田が左瞼をカット。このラウンドで賭け率7-1と大きく引き離されてしまった。しかし、第4Rへのインターバル中、福田に賭けているギャンブラーから5万バーツの“注射”(逆転勝ちすれば5万バーツをチップとして渡す)が入り、福田へ奮起を促す。
第4R、前に出てボディへのパンチで突破口を開こうとする福田だが、ペットナムヌンは早くも逃げ切り体勢。パンチをつなぐ前に組み付かれ遮断されてしまい、万事休す。最終Rもペットナムヌンをとらえきれず、3-0の判定負けで2連敗を喫してしまった。
試合後主催プロモーションであるペッティンディーのトップ、シアナオ氏は「今回はペットナムヌンが良すぎた感じだが、カイトも前回あたりから徐々に良くなってきている。関係者もギャンブラーもカイトのファンは多いからね、またすぐカイトの試合は組むよ」と今後への期待を寄せた。
2連敗となってしまった福田、とはいえ実力伯仲が基本の本場5Rのムエタイにあって勝敗は紙一重。一流レベルの選手たちとの試合をコンスタントにこなすその鉄人ぶりは多くのムエタイファンに響いているのだろう。次回の再起に期待したい。