堀口恭司のセコンドにつくアドリアーノ・モラエスとマイク・ブラウン(C)ゴング格闘技
2023年12月31日(日)『RIZIN.45』(さいたまスーパーアリーナ)で、神龍誠(神龍ワールドジム)とフライ級(-57.0kg)王座決定戦に臨む堀口恭司(アメリカントップチーム)に強力な援軍が帯同、王座獲得を後押しした。
堀口が「いつも練習しているし、仲間が就いてくれるのは心強い」と語ったセコンド陣。ベルトを賭けた今回の試合では、前戦では来日できなかったマイク・ブラウン、そして“ミキーニョ”ことアドリアーノ・モラエスがATTからセコンドにつく。
モラエスは、2021年4月に元UFC世界王者のデメトリアス・ジョンソン(DJ)を2R KOに下してONEフライ級王座王座を初防衛。2022年3月に若松佑弥にも3R 一本勝ちで2度目の王座防衛に成功した。その後、DJに敗れ王座陥落したが、奪還を目指している。
今回、堀口の指名を受けて待望の来日を果たしたモラエスは、本誌の取材に、ATTで“仮想・神龍誠”を務めたことを明かし、堀口が戴冠に向けて盤石であること、さらにクレベル・コイケのカムバックにも太鼓判を押した。
今の恭司の存在は、古の時代の桜庭和志のよう
──チームメイトの堀口恭司選手のために、ミキーニョ、あなたが仮想・神龍誠役を務めたのですか?
「はい、もちろんです。なるべく彼の動きに近いものを想定して、対神龍としての完璧な作戦を立てられるようにしていました。自分としては、相手が攻撃できる部分が無いと思っています。恭司はディフェンスがすごくうまくなって、ATTに来て自分と一緒に練習始めた頃に比べて、グラップリングのテクニックは目覚ましく上達しているんだ。とてもいい試合でベルトを獲ると思っている」
──対戦相手の神龍選手の動きをシミュレーションするにあたり、脅威となる武器をどのように感じましたか。
「神龍は非常に優れたグラップラーだと思うし、フロントチョーク系やバックを取ってからも上手い。でも、彼が仕掛けてくるであろうすべてをディフェンスできる練習はしっかりやりこんできたし、もちろん恭司のほうがたくさんの武器・引き出しを持っているし、経験も豊富だ。そして恭司は王者の風格も持ち併せている。僕は恭司のことはよく知っていて、すごく謙虚で人格的にも素晴らしい人で、自分は彼と同じ時代に生きて彼のチームメイトであるということをとても名誉に思っているんだ。
日本にとって今の堀口恭司の存在は、古の時代の桜庭和志のよう、あるいはそれ以上だと思うし、そんな彼と共にいることが本当に自分にとって誇りだ。恭司は真の王者であり、王者とはいかにしてなるものなのかを熟知した男だ。たくさんの武器・引き出しを持ち、素晴らしい拳も持ち、今や寝技も非常にハイレベルで、本当にタフな男なんだ」
──前ONEフライ級王者である、あなた自身の次の試合は?
「まだ何も予定は無くて。でもすごくたくさん、ハードに練習しているのと、(現UFC世界フライ級王者のアレッシャンドリ)パントーハの防衛戦もサポートに回ってかなり頑張ったし、今は堀口とともに練習してきた。だから、今すごく状態がいいというか、身体が作れているから、(試合の)連絡を待っていて、準備は万端さ」
──ATTでは、クレベル・コイケ選手とも練習したのでしょうか。
「しました! 彼がATTに出稽古に来てファイトキャンプを少し先に切り上げた。とても素晴らしいことだ、彼をATTに迎え入れるのは。誰もが知っての通り、彼はハイレベルな柔術のスキルを持ち、一緒に練習もしたし、ATTで彼の練習を少し見たりもしていたんだけど、彼はいつもジムに最後まで残っていて最後に帰るような日々だった。本当に常にハイレベルな練習をしていて、すごく一生懸命やっていて、プッシュしていた。彼自身の経験もしっかりあるし、ベルトをその手に取り戻す準備もしっかり整っていると思う」