MMA
インタビュー

【RIZIN】斎藤裕と対戦するクレベル・コイケ「自分の喧嘩をやるからな! 寝技やるか」「米国で鎧をまとうようなパワーがついた」=大晦日『RIZIN.45』

2023/12/30 11:12
 2023年12月31日(日)『RIZIN.45』(さいたまスーパーアリーナ)に出場する全選手の個別インタビューが、29日(金)都内にて行われ、第15試合のRIZINフェザー級(-66.0kg)5分3Rで、斎藤裕(パラエストラ小岩)と初対戦するクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)が出席。  米国フロリダのアメリカントップチーム(ATT)での成果、前戦までのプレッシャーから解き放たれ、斎藤戦は、本来の“クレベルスタイル”で戦うという“柔術の鬼神”は、「自分の喧嘩をやるからな! 寝技やるか」と意気込みを語った。 戦略は喧嘩スタイルであること、もう一つは、勝つこと! ──いよいよ試合を2日後に控えた心境はいかがですか?(※29日に収録)。 「今は嬉しいです。自分が大晦日にもう1回戦わせてもらえることが、本当に嬉しいです」 ──嬉しいのは斎藤選手と戦えることでしょうか、それとも大晦日に戦えること? 「どちらもです。斎藤(選手)と戦えることもだし、大晦日に出られることも嬉しい。最後(の試合に)負けてから、チャンスもう一回もらえて、RIZINで再び戦えることが、めっちゃ嬉しいです」 ──あらためて斎藤選手の印象は? 「イメージはあまり変わらないですね。彼はいい選手だし、MMA全部がトータルで上手。でも、それだけ」 ──今回どんな試合になるとイメージしていますか? 「いい試合がしたい。前の自分の試合(金原正徳戦)は良くなかったかな(首をかしげ)。だから次の試合は、いい試合がしたい。すぐにでも一勝が欲しいですから、それです」 ──いい試合とはフィニッシュすること? 「そうです、間違いないです」 ──いま斎藤選手と戦う意味をどう考えていますか。 「私はあまり変わらないけれど、自分の階級(フェザー級)で、(ランキング的な意味で)自分の近いところにいる選手だと、まだ斎藤選手とだけ試合をしていなかったから、試合が決まって嬉しいと思っていた。以前、昔試合決まったけれども、自分の怪我でその試合ができなくて(流れて)、もう1回その機会が来て、自分は嬉しいです」 ──斎藤選手とクレベル選手自身を比べて、クレベル選手のストロングポイントは? 「寝技です、ハハハハハ。間違いないです(笑)」 ──ATTではどんな練習をしてきましたか? 「自分の色々の練習をして、一番のポイントとして言えるのは、自分の階級の人で練習している選手が多いということがあって、いい練習ができます」 ──フィジカルや打撃……一番強化したのはどういう練習ですか? 「全部です。全部が上手くなるようにやっているジムだから、一つのポイントに絞ることというのはありません。みんなトータルで上手くて、アメリカではストライキングも、フィジカルも、寝技も、そしてレスリングと、色々な要素が全部が上手(ハイレベル)だから」 ──クレベル選手にとって、今年は人生のなかでどんな一年でしたか? 「今年はちょっと大変でしたね。昨年末の大晦日でまず負けたのを最初として、そのあと体重400gオーバーがあって、最後には金原選手に負けて、今年はいいことが無くて。だからこそ、今年はもう12月31日でリセットして次の年は絶対変わりますよ、また」 ──格闘技を始めてからこんなに大変だった1年はありましたか? 「そうですね、間違いない、今年ずっと一番大変な状況だった。でもそれが格闘技人生だからしょうがないな。アップダウンがあって、上がって下がってというものはある。今年ちょっと難しかったけれど、でも大丈夫、でもこれから変われますよ」 ──今は試合の2日前。金原戦の2日前と比べて心境は? 「もちろん変わってる。色々変わっているかな。自分も気持ちとしては、初めてRIZINで戦うこととほぼ同じです。気持ちがこういう風に変わって、嬉しいです。というのも、金原戦に向かう時は、その前の試合で400gの体重超過があったことで、そのプレッシャーがいろいろあった。でも今回からは全然違う。プレッシャーもないし、何も(しがらみが)ないから、(解放されて)私はちょっと嬉しいような気持ちです。ちょっとそれが(前戦に向かう時とは)変わってるかな、全然プレッシャーがなくて、すごいラクだから」 ──今は精神的プレッシャーが無いと? 「無いです!」 ──でも2日後、試合になったら、また鬼のような怒りに満ちて試合に臨む? 「同じように試合においては同じような日でありたいと思っていて、それは多分じゃなくて絶対ですね。それは自分が“ラク(楽)”であること。今はちょっと、前戦に負けてから、ちょっとメンタルが変わっています。これからは、本物のクレベルのスタイルで(ずっと)いたいと思っています。ここ(この試合)だけそうなるんじゃなくて、私はラクで行きたい。これからはすそれですごく頑張っていける。  これまでの自分は、いつもプレッシャーがあって緊張して体が硬くなって、それは私らしくない、自分はそういうタイプじゃないんです。それ(緊張して硬くなるようなのは)、いらないです。これからの新しいクレベルになって、それは今回限定っていうことではなくて、日曜日には新しいスタイルで、自分はもっとハッピーで、もっとラクな状態でいたいと思っています」 ──次の試合は“ニュー・クレベル”が見られる? 「かな?(笑)間違いないです、絶対にニュー・クレベルです。それが(本来の)クレベルスタイルです」 ──今までの試合で、相手の戦い方が自分の想像と違ってパニックになったり驚いたことは? 「パニックになったことはないです。プレッシャーだけで、それがいっぱいある状態でした。前から言っているのですが、朝倉未来選手に勝ってからずっとRIZINで戦うことにプレッシャーがあって、それが一番の問題だったし、難しいことだった。何がって言うと、プレッシャーの要因がたくさんあって、つまりお客さんだとかイベントとか、ファン、スポンサー……いろんな要素があってプレッシャーになっていたけれど、前回負けたことで、ちょっと違って、(手をはねのけて)今はもういらないね、プレッシャー。ちょっと辛いんです、そうやって喋っていると。でもこれはちょっと自分勝手な、セルフィッシュな状態になっているのかもしれない、自分のことだけを考えているだけに専念してます。いろんなことを今は考えたくないから。(自分は)これからです」 ──たとえば今回、斎藤選手がどんな戦い方しても受け止めて返せる? 「間違いないです、それが出来るよ!」 [nextpage] 米国でエネルギーを取り戻し、鎧をまとうようなパワーがついた ──斎藤選手はクレベル選手に勝つストラテジー(戦略)が見つかった、と言いました。クレベル選手は? 「戦略は“自分の喧嘩やるからな!”。喧嘩スタイルであることです。もう一個の戦略は、勝つこと! みんないろいろなスタイルがあって、斎藤選手はそれをやっていますよね、“これをやりたいからそのためにこれを使う”とか、“こうすればこうなる”って全部作戦で動く。私にそれは出来ない。私の戦略にはあんまり秘密がない、“寝技やるか”だけ。細かい戦略はない。最初のほうで言ったけど、私はもっとラクでいたい。なんでも自分はできるんだよ、今。斎藤がやりたいことがあったとしても私もなんでも出来るよ。寝技、キックボクシング、レスリング、何でもできるから、本気で(これだけという)戦略はない」 ──ATTでアドリアーノ・モラエスと練習したことも……。 「ミキーニョ(モラエス)だけじゃなくて、ATTはみんなが強いから、自分はもっと自信がついた。自分がびっくりしたのは、アメリカに行くと、トップ選手が強いのはもちろんだけどそれだけじゃなくて、無名でも強い選手がいるんです、みんなが分かる有名選手だけじゃなくて、知らない人でも強くて、そういう人といて、いっぱい勉強したから」 ──試合で勝った後、誰と戦いたいですか。 「まあ、いっぱいいるかな。でも自分ほんと一個ずつ考えて、その最初が、斎藤選手だった。でも……鈴木千裕かなあ? RIZINがチャンスくれたらもう1回、千裕と戦いたいかな。それ。朝倉は分からないな、1週間前にYouTubeで『またクレベルもう1回戦う』とか言ったりしていたみたいだけど、鈴木千裕、金原正徳、朝倉未来、この3人とは戦いたいです」 ──来年もまたATTで練習する予定がありますか? 「そう考えています、サトシやマルキーニョス、みんなと話して、来年もまた多分行きますよ」 ──それはタイトルマッチなど大切な試合のファイトキャンプっていう感じの考え方ですか? 「これからアメリカでも練習して、日本とアメリカの両方です」 ──(ポルトガル語で)敗戦後アメリカへ渡った成果をファンにどう伝えますか? 「よく言っていることなんですけれど、実のところ、負けたくなんかないし、負けるなんて思っていなかったわけですから、自分としては進化を求めざるを得なくて、そのための自己投資をして、(ATTに)辿り着いた。不運にも外に行く閉ざされた時期というのもあったりしつつ、日本から外国にまた行けるようになってからは、自分のほかの対戦の時は、タイに行けたりもしたけれど、金原戦に関しては、どこにも行かないという判断をして、そしてあんなことになってしまっって全てを失った。  その敗戦から、自分は本当に変わりたいって思ったんです。自分のエネルギーを新しく入れ替えて、ちょっと違うことですごく自分には良かった。向こうで練習しているときはあまり日本のことは考えなくていいから、メンタル的にも、自分を信じるエネルギーが戻ったことで鎧をまとうような感じでパワーがついた。これまで全てが噛み合っていない、繋がっていないような状態だったのが、全て文字通りここに、戻ってきたような感じなんです」 ──今話している人は別人かのように感じます。自分のなかに変化を感じていますか? 「そうだったらと思っています。自分はこのエネルギーを、リングに持ち込もうと思っています。この意志こそ自分が取り戻したもの。今って、自分としても一番リラックスできている状態と言えて、プレッシャーから解放されたからなんですね。RIZINで負けたことがなくて、ピットブル戦では負けたんだけれども、それと(金原戦での敗北)は敗北の味が違ったというか……。つまり自分が思うように何もできずにただやられてしまったのが前戦だからなんです。自分が何もできなくて、負けてしまった。  とにかくどうしたらいいかという風になって、すごく辛い1年になったけれども、自分はカムバックした。頭をリセットしてクリーンな状態になって、より強くなって帰ってきた。それがハッピーです。いつもそばにいてくれる最高の友人、最高のチーム、いつもサポートしてくれている人たち、家族、そういった本当に大切な人たちが、この敗北によってもたらされたという点で、とても重要なものだったと思います。というのは、自分のことを本当に親身になって味方してくれる人は誰なのか、ということ。勝った時にはいろんな人が寄ってくるけれども、負けた時には本物だけが残ります。先生たちであったり、友人、生徒たち、そして家族であったり。だからよりハッピーになってカムバック出来た。それだけですね。とにかく試合をして、ベストを尽くしたい。この気持ちをしっかり試合で出したいと思っています」
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