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【ONE】交わらない思想と階級が日本で交錯──平田樹「自分しか見ていない。いい仕事をしたい」×三浦彩佳「まぐれじゃないことを証明する。勝つのは私」=1月28日(日)有明アリーナ

2023/12/19 10:12

平田「ここに戻って来るということは、それだけ好きなこと」、三浦「二階級制覇も視野に」

 階級を合わせるのは、三浦だ。ストロー級で王者ション・ジンナンへの再挑戦を目指していたが、今回のアトム級もあわせて二階級制覇を新たな目標に掲げている。

「アトム級ということで階級を落とすので、これは私にとって新たな挑戦になります。二階級制覇も視野に入れています。可能性を広げるチャンスを与えてくれたONEに感謝しています」

 ハイドレーションテストがあることで基本水抜き禁止で、ユニファイドより1階級上のリミットとなるONEストロー級の56.7kgから、ONEアトム級の52.2kgへ。

 難しい減量が待っている三浦だが、「コンディションはすごくいいです。ONEストロー級の時は常にアンダーで、もともと日本では52.2kgでやっていたんですけど、ONEでは水抜き無しでアトムに落とすので、いつも以上に細かく相談していて、いま“過去イチ”かなというくらいコンディションはすごく良くて、心身整っている感じなので来月が楽しみです」と、すでにアトム級の身体作りに手ごたえを得ている。

 対する平田は、階級を落としてくる相手との試合当日のフィジカル差も懸念されるが、「フィジカルトレーニングをメッチャやるということは無く、いつも通りの試合までのコンディショニングでやっていくと思います」と、自身の強みであるスピードやキレを重視して試合に臨むという。

 両者の前戦は、明暗を分けている。

 平田は、3月に元UFCでRIZIN&ROAD FC王者にも輝いたハム・ソヒに判定負け。

「その期間、結構、落ち込むこともあったし、逆に何も考えないときもあったんですけど、やっぱりここに戻って来るということは、それだけ好きなことだと思っているんで、しっかり1月もそのハッピーな姿をみんなに見せられたらいいなと思います」と、敗戦を経てファイターとして生きる思いを再確認して、日本大会に臨む。

 対する三浦は、グラップリングルールで専門職のダニエル・ケリーを苦しめ、11月のストロー級戦では、中国のメン・ボーを初回で“裏あやかロック”で極めてタップを奪った。

 フィニッシュ力の向上を、「普段やっているトレーニングがやっと身体に染み付いてきた。トレーナーの堀江登志幸さんのご指導と長南亮(TRIBE代表)さんの気合いとチームの人たちからいろんなアドバイスをいただいているおかげで、試合に向かう精神力も出来ているのが、攻めに繋がっているのかもしれません。代表とチームの仲間を信じて突き進むだけです」と、充実の練習環境にあるという。

 そんな三浦を平田は、「相手の印象……全然、やると思っていなかったので、試合が組まれたときは“はい、やります”という感じだったんですけど、しっかりいい試合をして、自分のいい仕事が出来たらと思うし、それを終わってまた普通に格闘技をやって“充実した生活”が出来たらと思います」と、Android 18のごとく表情を変えずに印象は語らず。自分次第だとした。

 対する三浦も、「階級が違って対戦相手の目線で平田選手を見てなかったので、本当にいちONEの選手として頑張って欲しいなっていう風に見てましたし、こう対戦するとなって、感慨深いというか、いまは精一杯、試合をしたいと思っています」と、試合の印象は語らず。一方で、「すごく魅力的な選手だと思います。私は平田選手と試合をする・しない関係なく、私には無い、“カッコイイな”と思いながら、自分を表現するのが上手だなって──私いつもすぐ泣いちゃうので。素敵な人だなと思います」と性格の違いを語った。

「久々の日本大会に出ることが決まりました。ずっと負けていたんですけど、この前(メン・ボー戦で)、久々に勝てて、それがまぐれではないというのを証明したい。この試合に集中していますが、私はアトム級でもストロー級でもチャンピオンになれると信じて、いま練習しています。皆さんの応援が力になります。ぜひ会場に来て応援に来てください。日本大会なのでたくさんの人に会場に来ていただけたら嬉しいです」と、階級を越えた平田との戦いで連勝し、実力を証明したいと語った三浦。会見後のSNSでは「勝つのは私! I'm zombie this is me!!!!!!!!」と投稿した。

 最後に平田は「久々の日本大会ですごくワクワクしていますし、家族もサポーターの皆さんも観に来れると思うのではやくチケットとPPVを買わないと無くなっちゃうので、ぜひ応援をよろしくお願いします」と“らしく”語っている。

 互いに柔道ベースで、強味は似ているが、異なる格闘技への思いがある。三浦の必殺のあやかロックへのアプローチは、平田にとっても得意な形だ。それでもかかるのが必殺技とするなら、それを極めるためには、苦手としてきた打撃で立ち会う時間も出て来る。そこでは、国内外で磨いてきた平田のスタンド力が試される。そして柔道技以外のテイクダウン、グラウンド打撃も。

 セコンドとともに勝っても負けても泣く三浦と、勝利のダンスの発露と孤高の苦悩は表には出さない平田。互いにいかに格闘技に向き合ってきたか、どう向き合うかが試される──アトム級の日本人対決だ。

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