2023年12月16日(土)東京・両国国技館『RUF presents RISE WORLD SERIES 2023 Final Round』にて、Super Fight!の-55.5kg契約3分3R延長1Rでブンロン・ペッティンディーアカデミー(タイ)と対戦するRISE世界バンタム級王者・志朗(BeWELLキックボクシングジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。2018年11月からはRISEに参戦し、那須川天心とは2度対戦。2022年4月には江幡塁をハイキックでKOしたが、6月の『THE MATCH 2022』では玖村将史にダウンを奪われて敗れる。2023年3月にディーゼルレックをハイキックでKOし、RISE世界バンタム級王座に就く。7月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では準決勝でクマンドーイに敗れた。戦績は29勝(12KO)6敗4分(タイの試合は除く)。
ブンロンはタイのTVマッチ『True 4U』で115ポンド、118ポンド、122ポンドの3階級を制覇している27歳で戦績は75勝20敗5分。
あざになっているんですけどタイ人より硬くしなければならない
――公開練習では奥足へのローキックが目立っていましたね。
「作戦というかそこを決めれば攻略しやすいというパターンも入れつつ、どうしようかなと考えています。あえてRISEルールの中でムエタイのテクニックで勝負してみるとか色んなパターンがあるので、今回のローキックは作戦の中の一つという感じです」
――作戦は全部決まっていますか?
「何パターンかは決まっているけど、相手は蹴りが強いのでその蹴り次第とか色々と考えています。ミドルで相手を倒すくらい強いので、腕とスネを鍛えています」
――どういう風に鍛えていますか?
「腕は蹴られたり棒で叩いてスネも同様にして、あざになっているんですけどタイ人より硬くしなければならないというのを今回のテーマにしています」
――先日までタイで練習されていましたが、それも全てブンロン戦のために行かれてたのですか?
「タイにいると練習にだけ専念できるじゃないですか。そういう環境にもう1回行ってみて精神的に強くなろうというのと、ブンロンがタイ人というのと、あとPKセンチャイムエタイジムに行ってみたいという考えもあって今回タイに行ってきました」
――タイでは何日から何日までどこを拠点に練習していましたか?
「11月の頭から中旬くらいまでの2週間ちょっと、PKセンチャイムエタイジムで練習していました」
――良い練習はできましたか?
「相手がタイ人ということもあってトレーナーや選手もみんな知っていましたし、やっぱりみんなが『あの左ミドルはヤバいぞ。絶対もらうなよ』とアドバイスをくれて、逆に攻撃の方法も積極的にトレーナー陣が教えてくれたので、そこは良かったです」
――だからこそ腕やスネを鍛えているわけですね。
「ボディとかローはメンタルですけど、腕って折れたら終わりじゃないですか。だから少しでも折れない確率を上げるためにやっています」
――今まで同じタイプのタイ人と戦ったことはありますか?
「RISEではルンキット、昔だとバカイペトとかのサウスポーとはやった事があります。だけどここまで左のミドルとか蹴りだけで勝ち上がっている選手とはあまりやった事がないので、そこは脅威というか相手の武器だなと思っています」
――ブンロン選手はSNSにクマンドーイ選手とのスパーリング映像もあげていますね。
「あげているみたいですね。強気な感じのタイ人で調子に乗せたら面倒くさいタイプなので試合中も気をつけたいです」
――今回の一戦は志朗選手にとって再起戦となりますが、そこは意識していますか?
「決勝まで行けなかったという思いもありますし、今年の締めでもあるので勝ち方にこだわりたいです」
――タイの遠征中には現地のムエタイ専門誌「ムアイ・サヤーム」のインタビューも受けたそうですが、ブンロン選手との試合の事も聞かれましたか?
「ブンロン選手の事もですが、タイでは評価の高いPKジムになぜいるのかというのも聞かれました。タイがONEの中心に入っているので、そういった意味も含めてなんでPKにしたのか聞かれました」
――トレーナーともルンピニースタジアムのONE Championshipを観戦に行ったみたいですね。
「行きました。あんなに長いとは思わなかったです」
――試合終了は何時でしたか?
「23時とか23時半です。毎朝5時半起きなので次から断ります。(笑)」
――今回のトーナメントの決勝戦、クマンドーイvs田丸辰はどういう風に見ていますか?
「-53kgのトーナメントの風音選手の時もそうでしたけど勢いって大事じゃないですか。トーナメント参戦前と比べると参戦中の田丸君の勢いは凄いと思うので、その勢いのまま行く可能性も十分にありえるんですけど、自分はクマンドーイと戦ってタイ人には感じた事がないパワーを感じました。タイ人の中でも特殊というかスピードとパワーがある選手は中々いないと思うので、そう言った意味でクマンドーイを攻略するとしたら、遠い距離でひたすらアウトボクシングをするしかないですけど、蹴りが早くて強いので自分はクマンドーイが勝つと思っていますし自分は負けた立場なので勝ってほしいです」
――ブンロン選手に勝って2024年は新たなスタートを切りたいという気持ちは強いですか?
「負けたままでは終われないですし、今年を勝ちで終わりたいというのもありますし、新たなスタートを切りたいです」
――ブンロン戦ではファンにはどこに注目してほしいですか?
「チャンスがあれば積極的にKOを狙っていきたいと思っていますし、試合の組み立てとかを含めた技術の攻防と、自分にしか見せれない自分の戦い方をしっかり見てもらいたいので、そこはぜひ楽しみにしてほしいです」
――最後に志朗ファン、RISEファンの皆さまに今回の試合への決意をお願いします。
「12月16日は再起戦になるんですけど、今回何が何でもKOで勝ちます。タイで調整して強くなった志朗を見せるので、応援よろしくお願いいたします」