2023年12月16日(土)東京・両国国技館『RUF presents RISE WORLD SERIES 2023 Final Round』にて、フライ級(-51.5kg)3分3R延長1Rで龍太郎(VALIENTE)と対戦する同級5位・那須川龍心(TEAM TEPPEN)が公開練習を行った。
父・那須川弘幸会長のミットにノーモーションの右ストレート、左右フックを叩き込んだ那須川は「最近はパンチの威力、スピードもそうですが全体的にレベルアップしているので、そこを実感できています」という。
その理由は「フィジカルもそうですが、今年(2月の)のトーナメントの前あたりから始めているボクシングの成果も出てきていると思う」と、ボクシング特訓の成果だとする。
「そこは一番実感しています。やっとやってきたものが身に付いてきたと感じていて。でもそこで自分のパワーを過信して試合に臨むと空回りするので、しっかり打つところは打ってという感じですね」
那須川会長からも「パンチ力が上がっているねと言われました」とのことで「スパーリングをやっていて実感している部分なのでその成果が今回出るかなと思います」と、倒せるパンチに自信あり。それだけでなく「パンチもそうですが、蹴りでもKOするのを準備してきているのでKOになると思う…いやKOします」と断言した。
2023年は「トーナメントで優勝してタイトルに挑戦して王者になって、来年は世界と戦うのが目標だったんですが、そんな甘くないと現実を突きつけられた」とする。「世界には行けるならすぐにでも行きたい」との想いもあるが「51.5kgは自分の中で盛り上がっているなと。RISEが一番盛り上がっている階級。自分の中でも51.5kgのプライドがあるので、そこをとって日本で一番になってから世界に挑戦したいと思います」と、盛り上がりを見せるフライ級でまずはRISEで一番になることが大事だとした。
そのフライ級のランカーたちは「意識します」と言い、「松本(天志)選手もタイトルマッチをやったし、それを見て悔しかった。でも一番倒したいのは塚本(望夢)選手ですね。アイツには負けたくないんです。やり返したい気持ちが一番なので、来年できるならやりたい。そこに近付くためにも今回しっかりKOしたいです」と、2月のトーナメント準決勝で敗れた塚本の名をあげた。
今回は今年4戦目。「今年の初めに大きなチャンスを逃して復帰戦やって、次の試合と次の年のためのステップアップをするための土台を作る年なのかなと思って振り返って思います。ランクが上の選手に勝つために土台をしっかり作っていきたい」と、フライ級王座の挑戦者を決めるトーナメントで敗れたことで、来年のための土台作りをすると決めたようだ。
龍太郎については「スピードとテクニックの部分も僕が勝っていると思いますし、向こうはパワーがあると言っているけれど当たらないと意味がない。当たらないし」と当たらないとパワーがあっても意味がないとし、「自分にはスピードとテクニックがあるのであとはパワーを付ければ相手がいなくなる。そこを付ければと磨いている感じです」と、パワーを強化してコンプリートに近付いているところだとする。
その成長ぶりを公開練習で見せてよかったのかと聞かれると「隠すって考えがなかったですね(笑)。対策したところで、対策した時よりも強くなっているので問題ないです。誰が相手でもこんな1分半の中で対策できるならしてみろって感じです」と全く問題ないと笑った。
那須川会長とのミット打ちの中では、なぜか那須川会長から「タックル!」との指示が飛び、龍心が組み付く場面があった。「指示されたからやっただけ」とのことだが、MMAへの挑戦も考えているのかと聞かれると「やれって言われたらやるしかないですね」と意外な答えが返って来た。
もちろん積極的にやりたいということではないが、やれと言われたら逃げる気はないときっぱり。それは、兄の那須川天心がキックボクサーでありながら、2016年12月のRIZINでMMAに挑戦した姿を見ているからだと龍心は答える。
「やれと言われたらやるしかない。そういう姿を見て来たので、やりませんとは言えないです」と、兄と同じ気持ちは持っていると話した。