キックボクシング
レポート

【KNOCK OUT】龍聖がスアレスを終始圧倒のKO勝ちでK-1との合同大会を提唱、バズーカ巧樹はTKO敗、ぱんちゃん璃奈が2連続KO勝ち、初の究極打撃格闘技ルールは三上ヘンリー大智がTKO勝ち

2023/12/10 00:12
MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.62023年12月9日(土)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第12試合)スーパーファイト KNOCK OUT-BLACK -59.0kg契約 3分3R延長1R〇龍聖(Team KNOCK OUT/KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者)KO 3R 1分06秒 ※ヒザ蹴り×ファク・スアレス(アルゼンチン/WGP Kickboxing 世界-60kg王者)  龍聖は小学1年生でキックボクシングを始め、HIROYAの指導を受けアマチュアで多くの経験を積んで2019年4月にプロデビュー。2021年10月にはKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦で銀次を判定3-0に破り初代王座に就いた。2022年4月には初の国際戦でメディ・ジライフィ(スペイン)にも勝利、7月にはRIZINに初参戦して魁志に3RでTKO勝ち。12月には巌流島ルールに初挑戦、かつて皇治を苦しめたダウサコンを左ボディで初回KOに沈めた。  今年3月にはラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者ペットセーンセーブと-58.5kg契約で対戦し、延長戦でダウンを奪って勝利。6月にはチュームーシーフーにダウンを奪われるも延長戦で逆転勝利し、15勝(9KO)の無敗記録を更新している。  スアレスは南米の立ち技格闘技イベント『WGP Kickboxing』で活躍するアルゼンチン出身・在住のファイター。多彩なパンチのコンビネーションとローキック、そして打ち合いを好むアグレッシブなファイトスタイルで「WGP Kickboxing」の-60kgのベルトを巻いた。2022年8月に初来日して「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」の1回戦で軍司泰斗と対戦、判定で敗れている。戦績は20勝(7KO)8敗。  1R、龍聖は開始すぐに右ボディから左右フックと積極的に攻めていく。スアレスのパンチには左ボディを合わせ、すぐに右カーフキック。龍聖は右カーフを徹底的に蹴ると同時に左ボディも。さらに右フック、スアレスがパンチを打って来るとヒザを突き刺す。パンチからの右カーフで攻勢だった龍聖にスアレスは左右アッパー、龍聖は鼻血を出す。すぐに龍聖がジャブ、ヒザ、三日月と多彩な攻撃で反撃。スアレスは前に出て左フックを放つも龍聖が多彩な技を次々とヒットさせていく。  2Rも前に出てくるスアレスを龍聖は蹴りで迎え撃つ。右カーフ、ヒザ、飛びヒザ、左ボディと次々技を決めるが、スアレスは下がらず左ボディ、左右フックを放つ。龍聖のカーフキックに足が流れるスアレスだが、それでも前へ出て右ローを蹴る。左ボディにも身体を丸めるスアレス。動きが止まったスアレスに龍聖は右カーフ、左ボディ、飛びヒザ、三日月とやりたい放題。それでもスアレスはパンチで立ち向かう根性を見せる。  3R、もはやまともに歩けないほどダメージを負っているスアレスだが、それでもパンチを繰り出して前へ出る。右アッパーも突き上げるスアレス。龍聖は右カーフから右フック、左フック、右の連打、左ボディと畳みかけ最後はアゴへのヒザ蹴りでスアレスは完全にダウン。龍聖の鮮烈なKO勝ちとなった。  龍聖はマイクを持つと「帰って来ました龍聖です。この1年ずっと子供の頃から教えてもらっていた先生がいなくなったりして、まだ22歳なんですけれど人生真っ暗で。本当に辛い1年で格闘技を辞めようかなとも思ったんですけれど、今日続けてきて良かったなと皆さんを前にして思います。何より栗秋先生、本当にありがとうございます。このチームでもう一度日本と、それをクリアしたら世界一を獲れるように頑張って行きます」と胸の内を明かす。  続けて「今、大阪でK-1やっていると思うんですけれと、KNOCK OUTとK-1がいい関係があるので来年合同大会をやって欲しいなと思います。皆さん見たいですよね? 今の格闘技界、団体同士が孤立していがみ合っていた時代は去年のTHE MATCH で終わったと思っていて、日本のキックボクシング界をもっと盛り上げるために、お互いが対抗戦をやってイメージを傷つける必要はないと思うし、合同の大会を開いてその中で僕は軍司選手と、軍司選手はスアレスを倒してないので僕は倒したので、決着をつけたいと思います」と、K-1とKNOCK OUTの合同大会を開いて欲しいとアピール。そこでK-1王者・軍司と戦いたいとした。  そして「僕は今Team KNOCK OUTなんですけれど、大きく考えたらここにいるみんながTeam KNOCK OUTだと思います。そういう大きい大会へ向けてみんなでひとつになって、KNOCK OUTをもっともっと押し上げていきましょう」と語った。  最後には「今年最終なので、いち、に、さん、ノックアウトーッ!」で締めくくった。 [nextpage] ▼セミファイナル(第11試合)スーパーファイト KNOCK OUT-RED スーパーライト級3分3R延長1R×バズーカ巧樹(菅原道場/KNOCK OUT-REDスーパーライト級王者)TKO 2R 3分00秒〇マルコス・リオス(アルゼンチン/ISKA&WBCムエタイ・アルゼンチン・スーパーライト級王者)  バズーカは2020年2月のKNOCK OUT無法島GPの決勝戦で西岡蓮太に判定負けを喫するも大きなインパクトを残して“覚醒”。8月大会では丹羽圭介に判定勝ちしてKNOCK OUT-BLACKライト級王座を奪取。2021年10月にはWMAF世界スーパーライト級王座決定戦で勝利し、二冠王となった。2022年からは精彩を欠いたが、2023年6月の『鉄拳』で豪快KO勝ちを飾り復活。9月には良太郎との王座決定戦を延長戦の末に制して二階級制覇を達成した。戦績は29勝(11KO)10敗3分。  リオスは24歳の若さで69勝(40KO)3敗とキャリアも多く、KO勝ちが多い。これまでスーパーライト級で獲得したタイトルはISKAムエタイ・アルゼンチン王座、WBCムエタイ・アルゼンチン王座、WKFインターナショナル王座、WKFサウスアメリカ王座、WKFアルゼンチン王座、BOSCH TOURインターナショナル王座、SUPER 8 インターナショナル王座と7冠。その強烈無比なファイトスタイルから“WASABI(ワサビ)”のニックネームを持つ。2023年3月に初来日を果たすが、鈴木千裕に初回TKO負けを喫した。  1R、軽くステップを踏みながらハイガードでじりじりと詰めていくリオス。バズーカは右ローで様子を見る。重い左ミドルを蹴るリオスは右ストレートで突っ込み、バズーカはクリンチ。そこでリオスは右腕を抜いて右ヒジをバズーカに見舞う。離れ際にバズーカは左ハイキック。しかし、リオスのヒジでバズーカは左目上から流血でドクターチェックに。バズーカは頭を下げながらのフックを繰り出し、リオスは縦ヒジで突っ込んで来る。  2R、リオスは右ロー、バズーカは横蹴り。左フックで飛び込んだリオスは空振りするとそのまま回転してのバックスピンエルボーを繰り出す。リオスのミドルをキャッチしたバズーカはコカす。リオスが強烈な左フックから左ハイ、さらにバックハンドブローでバズーカをダウンさせる。左右ミドルと左右フックで追撃するリオスは、左ボディからの左ハイキックで2度目のダウンを追加。  バズーカもハイキック、ヒジで反撃しようとするがリオスが追いかけてバックハンドブローとヒジ、左ミドル。バズーカは足を使って離れるがリオスが詰めてのヒジ、左ミドルと追い掛け回す。ラウンド終了直前、バズーカをコーナーに詰めたリオスが右ヒジを強打。場内に鈍い音が響き渡るほどの一撃で、バズーカは左目の上をバックリと切られ、コーナーに戻ったところでセコンドからタオルが投入された。  同じアルゼンチン出身のリカルド・ブラボが通訳し、リオスは「この前、試合に負けて、めちゃ悔しかったですけれど倍くらい練習してまた日本に来て、今回KOで勝ったから凄く嬉しいです。皆さん、これから応援してくれると凄く嬉しいです。これからもっともっと頑張ります。アルゼンチンから来てKNOCK OUTが凄くいい団体だと思ったので、今日チャンピオンに勝ったので僕もチャンピオンになりたいです。タイトルマッチのチャンスをもらえたら嬉しいです」と、次はタイトルマッチをアピールした。 [nextpage] ▼第10試合 KNOCK OUT-BLACK 女子-48.0kg契約 3分3R延長1R〇ぱんちゃん璃奈(フリー/初代KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級&アトム級王者)KO 3R 1分14秒×ケイスリィ・ヴァンス(オーストラリア/ISKAサウスパシィフィック王者)  ぱんちゃんは2019年2月にプロデビュー。無敗の快進撃を続け、2020年8月にREBELS-BLACK女子46kg級初代王座(REBELSとKNOCK OUTの統合により現在はKNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)に就いた。2022年3月には喜多村美紀を破ってKNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級王座に就き二階級制覇を達成。前戦は2023年9月に台湾のチャッキーをTKOに破り、戦績を15勝(3KO)無敗とした。  ヴァンスはISKAサウスパシフィック王座、ISKAオーストラリア王座、WMCオーストラリア王座、AMFナショナル王座、MTLナショナル王座と5冠を持つ23歳。戦績は33戦22勝(KO数と負け・引き分けは不明)。世界を見据えてやっていきたい、とのぱんちゃんの意向を組んで用意された相手だ。  ぱんちゃんはサンタクロースカラーのコスチュームで登場。  1R、いきなり右フックで仕掛けてきたヴァンスをジャブで仰け反らせるぱんちゃん。思い切り右フックを振って来るヴァンスにぱんちゃんはジャブで対抗。両者の右が交錯する場面も。ジャブと前蹴りを的確に当てるぱんちゃんにヴァンスは左右フックで突進。ぱんちゃんは左腕のアームブロックにも進化を見せる。左右フックで突進してくるヴァンスをジャブで下がらせると飛びヒザ蹴り。  2R、前に出るぱんちゃんがジャブと右ストレート。ヴァンスの右ローに右ストレートを合わせ、すぐに右ローを蹴る。ガムシャラに左右のパンチを振り回すヴァンスにぱんちゃんのジャブが面白いように当たる。ヴァンスのフックをもらっても前に出るぱんちゃんは左フックに右ストレートのカウンター。ヴァンスは背中を見せて逃げ、ダウンをとられる。ぱんちゃんは右ミドルを蹴ってヴァンスを追い詰めていく。  3Rもジャブを突きまくるぱんちゃん。ヴァンスの右には右のカウンターを合わせようとする。前蹴りからワンツー、そして左右の連打でヴァンスを圧倒。下がるヴァンスに右ストレート、前蹴り、右のカウンターのヒザを突き刺す。そして右ストレートを打ち抜き、ヴァンスはバッタリとダウン。鮮やかなKO勝ちとなった。  大喜びのぱんちゃんはリング上を飛び回り、スキップのように跳ねる。マイクを持つと「ぐちゃぐちゃな試合になっちゃったんですけれど、ダウンをとって倒せるというのを証明できたかなと思います。2試合連続KOということで、まだまだまだまだ課題はたくさんあるんですけれど、こうして応援してくださる人とかチームとか、トレーナーさん、全ての人がついてくださっているので本当に日本で一番強い女子格闘家を目指してストイックに頑張りたいと思いますので、また試合を見てもらえたら嬉しいです」と語った。 [nextpage] ▼第9試合 スーパーファイト KNOCK OUT-BLACK -56.0kg契約 3分3R延長1R×古木誠也(G1 TEAM TAKAGI/KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王者)判定0-2〇壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者) [nextpage] ▼第8試合 スーパーファイト KNOCK OUT-RED -61.0kg契約 3分3R延長1R〇久井大夢(TEAM TAIMU/KNOCK OUT-BLACKライト級王者)判定3-0×トンミーチャイ・FELLOW GYM(タイ/FELLOW GYM/元タイ国イサーン地区バンタム級王者) [nextpage] ▼第7試合 KNOCK OUT-UNLIMITED クルーザー級 3分3R延長1R〇三上ヘンリー大智(格闘ドリーマーズ)TKO 1R 3分00秒×パトリック・ケンソン(カメルーン) [nextpage] ▼第6試合 KNOCK OUT-BLACK -59.0kg契約 3分3R延長 1R〇栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)不戦勝×下地奏人(RIOT GYM) [nextpage] ▼第5試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーバンタム級 3分3R延長1R〇森岡悠樹(北流会君津ジム/スック・ワンキントーン・スーパーバンタム級王者)判定3-0×鈴木貫太(ONE`S GOAL) [nextpage] ▼第4試合 KNOCK OUT-BLACK バンタム級 3分3R延長1R×工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)判定0-3〇前田翔太(WSRフェアテックス三ノ輪) [nextpage] ▼第3試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーフライ級 3分3R延長1R〇柿﨑 瑠(クロスポイント大泉)判定3-0×井ノ本航希(LAILAPS東京北星ジム) [nextpage] ▼第2試合 KNOCK OUT-BLACK フェザー級 3分3R延長 1R×雅治(レンジャージム)判定0-3〇利根川仁(Realiser STUDIO) [nextpage] ▼第1試合 KNOCK OUT-BLACK フェザー級 3分3R×アックス斧田(KIBAマーシャルアーツクラブ)KO 2R 0分33秒〇小森玲哉(ONE`S GOAL) [nextpage] ▼プレリミナリーファイト KNOCK OUT-BLACKバンタム級 3分3R〇川野龍輝(クロスポイント吉祥寺)KO 1R 1分22秒×馬上一樹(G-1 TEAM TAKAGI)
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