昨年大晦日RIZINにセコンドとして来日していたイザガクマエフ。(C)GONG KAKUTOGI
ハビブ・ヌルマゴメドフ軍団のダゲスタン戦士で、2022年11月に青木真也を86秒 TKOに下しているサイード・イザガクマエフ(ロシア)がONE Championshipとの契約を解除。日本に来日した。
11月28日にSNSに「正式に失業しました。ONE Championshipとの契約は終了した。目標は同じだ。動き続ける」と投稿したイザガクマエフ。MMA22勝2敗のウェルター級の大物は、フリーエージェントとなったことを明かした。
通常、ファイターのマネージメントは契約した試合数の最後の試合前後に、今後の契約更改について交渉する。全試合を消化すると契約団体と独占交渉期間に入り、それが終わればマッチング期間となる。他団体とも交渉し、提示された条件を元の団体に伝え、その条件を元の団体が出せれば、元の団体と契約しなければならない。そのマッチング期間は1年にわたることもあるが、団体によってはマッチング期間を放棄する場合もある。
イザガクマエフが、最後に青木真也と対戦したのは、2022年11月19日。本誌の取材で、ONE Champinshipとイザガクマエフの契約は最終的に合意に至らなかったことが確認されており、イザガクマエフは他団体との交渉に入っていると予想される。
イザガクマエフは、12歳で柔道を始め、コンバットサンボでロシア代表に。ノーギグラップリングにも取り組み、18歳から元UFC世界ライト級王者ハビブ・ヌルマゴメドフの父、アブドゥルマナップ・ヌルマゴメドフの下で練習するようになった。
アメリカンキックボクシングアカデミー(AKA)で北米ケージレスリングも習得。2012年からロシアの「Fight Nights Global」や「EFC」「ゴリラファイティング(※現イーグルFC)」等で活躍。2022年1月にONEライト級(※水抜き無し77.1kg)デビューし、元LFA王者ジェイムス・ナカシマ、元UFCジャン・リーポン、元ONE王者の青木真也に勝利し、MMA5連勝中。
黒星は2021年1月の『UAE Warriors 15 & EFC 32』で現UFCのカールトン・ハリスにダースチョークを極められた試合と、5年前に元UFCのエリアス・シルベリオに判定負けの2つ。ONEライト級には、王者クリスチャン・リーに続き、同郷のダギ・アサラナリエフがコンテンダーにつけており、イザガクマエフは他団体も視野に入れていたと考えられる。
ハビブ軍団のライト級では、UFC王座にイスラム・マカチェフ、Bellator王座にウスマン・ヌルマゴメドフがついている。ONEではイザガクマエフが王座を目指していたが、今回の離脱で「変わらない」という目標はどこになるか。
【写真】イザガクマエフのセコンドについてイスラム・マカチェフと青木(C)ONE Championship
実は、イザガクマエフの来日は2度目となる。
2022年の大晦日『RIZIN.40』で武田光司(※フェザー級転向)に判定勝ちしたガジ・ラバダノフのセコンドとして、コーナーについていた。イザガクマエフに、大晦日さいたまスーパーアリーナの光景はどのように映ったか。
青木を86秒でパウンドアウトした後のインタビューで、「以前から『俺と戦いたい奴はみんなぶっ潰してやる』って言ってたし、この両拳で、俺と戦いたい奴なら誰とでも戦うつもりだった。彼(クリスチャン・リー)は自分と向き合わなければならない。誰に対しても準備はできている」と語っていたイザガクマエフ。ユニファイドルールではウェルター級で戦っていたが……。果たして、次はいつどこで誰と戦うか?
◆RIZINライト級戦線
王者・ホベルト・サトシ・ソウザ(15勝3敗)
A.J.マッキー(21勝1敗)※Bellator
パトリッキー・ピットブル(25勝12敗)※Bellator
トフィック・ムサエフ(22勝5敗)※Bellator
ルイス・グスタボ(13勝2敗)
堀江圭功(13勝4敗)
ジョニー・ケース(28勝9敗1分)
矢地祐介(25勝13敗)
スパイク・カーライル(14勝6敗)
アリ・アブドゥルカリコフ(13勝2敗)