2023年10月21日、アラブ首長国連邦アブダビのエティハド・アリーナにて『UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2』が開催された。
『UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2』速報
2023年10月21日(土)日本時間23時~UFC FIGHT PASS/U-NEXT配信
▼UFC世界ライト級選手権試合 5分5R〇イスラム・マカチェフ(ロシア)25勝1敗(UFC14勝1敗)王者 ※UFC13連勝 155lbs/70.31kg[1R 3分06秒 TKO]×アレクサンダー・ヴォルカノフスキー(豪州)26勝3敗(UFC13勝2敗)挑戦者 154.5lbs/70.08kg※マカチェフがライト級王座防衛※現UFC世界フェザー級王者ヴォルカノフスキーは12日前代打※シャーウス・オリベイラは負傷欠場
両者は2023年2月以来、8カ月ぶりの再戦。当初、マカチェフのライト級王座には、同級1位のシャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)が挑戦予定だったが負傷欠場。代わりにフェザー級王者のヴォルカノフスキーが緊急参戦し、一階級上のマカチェフに再び挑戦することになった。
MMA24勝1敗、UFC12連勝中のマカチェフは、前戦でヴォルカノフスキーをテイクダウン&コントロール。しかしラウンドを重ねるごとに強さを増したヴォルカノフスキーが、5Rに右ストレートを効かせて、マカチェフが引き込み。ライト級王者が判定勝ちしている。
1R、サウスポー構えのマカチェフ。ヴォルカノフスキーはオーソ。マカチェフは左前蹴りから。ヴォルカノフスキーも左右ロー。マカチェフは左ハイ。ダブルレッグのマカチェフに差し上げるヴォルカノフスキーは右で差して体を入れ替える。右で小外がけを狙うヴォルカノフスキーに、マカチェフは首相撲ヒザ。ブロックするヴォルカノフスキーは右で差して押し込み離れる。
左ミドルを当てるマカチェフ。さらに左ストレートを打ち込む。詰めるマカチェフは左ハイ! 右手でガードしていたヴォルカノフスキーだが、その上に蹴りをもらったヴォルカノフスキーは足を泳がせダウン! すぐにマカチェフは鉄槌連打! 目が飛んでいるヴォルカノフスキー。レフェリーが間に入った。左ロー、左ミドルと攻撃を散らしての左ハイでのTKO劇。沸き上がる場内にマカチェフは人差し指を立てる仕草を見せた。
この勝利でマカチェフとハビブ・ヌルマゴメドフはUFCでの連勝が13で並んだことに。
勝者コールを受けて涙をぬぐったマカチェフは、AKAでの練習仲間のダニエル・コーミエーからのインタビューで最初に「まず第一に、勝とうが負けようが、常にアッラーとともにある。二つ目にこの勝利は祝うことはできない。世界中で起きている狂気めいたことのせいで。パレスチナのみんなとともにある。やめるんだ、やめるんだ、こんなこと」と語ると、「最高のチームが僕をプッシュしてくれて、ハードにトレーニングしてきたから今日のことが起きた。ここアブダビは、豪州とは違って僕の第二の故郷だから、みんなの応援のおかげだ。友人たち、ありがとう」と満員の観衆に語った。
続けてフィニュシュについては「まずは何発かボディを蹴ってハイキックにレベルチェンジすることは全部計画通りだった。ここ数カ月、オリヴェイラ戦に向けてトレーニングしてきたことだけど、ヴォルカノフスキー戦でも同じだった」と、左の攻撃を蹴り分ける練習をしてきたことを明かし、「あらためてヴォルカノフスキーに感謝したい。彼はリアルチャンピオンだ。諦めず5Rを戦い抜くためにここに立っていた」と、ショートノーティスで試合に臨んだヴォルカノフスキーを称えた。
最後に「次はダスティン・ゲイジーがいいか、オリヴェイラがいいか?」と問われ、「僕から相手を選ぶことはしない。ダナ、誰かを用意してくれ」と語った。
一方、12日前オファーを受けて階級上の王者に敗れたヴォルカノフスキーは、2013年5月のAFC以来、10年ぶりのTKO負けに。試合後には、「マカチェフは素晴らしいセットアップだった。素晴らしいキックだった。やっぱりそりゃもちろん負けるのは好きじゃないし、しんどいし傷つくけど、彼は凄いチャンピオンだよね。分かるだろう。普通、マカチェフはとこんな準備期間で戦うことなんてないだろう。でも自分は立ち向かうんだ。彼を称えなくちゃいけない」と勝者を称えた。
さらに「(傷を指して)見ろよ? UFCにひとつ言いたいのは、俺をいつも忙してしてくれ、ということだ。自分は戦っていないと調子が良くないんだ。家にじっとしていずに、ジムでトレーニングして働いてないと頭が働かないからこの試合を受けた。だから忙しくしてくれ、次は1月にでも試合をしたい。傷も治療をしておく。フェザー級で戻って来るよ。いまここでやるべきはやったよね。それしか言うことはない。故郷のみんなありがとう。僕は元気だ。毎朝、感謝している。アブダビはいつもいい場所だ。もっといいショーを見せたかった」と、フェザー級に戻っての早期復帰戦を望んでいる。
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▼ミドル級 5分3R〇ハムザット・チマエフ(スウェーデン/ロシア)13勝0敗(UFC7勝0敗)※UFC7連勝 185.5lbs/84.14kg[判定2-0] ※29-27×2, 28-28×カマル・ウスマン(ナイジェリア)20勝4敗(UFC15勝3敗)184.5lbs/83.69kg※元ウェルター級王者現1位のウスマンは9日前代打※パウロ・コスタは負傷欠場
コ・メインで「ミドル級(185ポンド)」で戦うハムザト・チマエフ(スウェーデン/ロシア)は前日計量185.5ポンド(84.14kg)と王座戦以外の+1ポンド許容の体重でパス。欠場のパウロ・コスタの代わりに緊急参戦の現ウェルター級1位カマル・ウスマン(ナイジェリア)は184.5ポンド(83.69kg)のアンダーで計量をパスしている。
チマエフは、2022年4月の『UFC 273』のウェルター級戦でギルバート・バーンズに判定勝ち後、2022年9月の前戦『UFC 279』のメインイベントでネイト・ディアスと対戦予定だったが、前日計量で7.5ポンド(約3.4kg)と大幅体重超過。チマエフのためにメインカードがシャッフルされ、同大会でダニエル・ロドリゲスと180ポンド契約で対戦予定だったケビン・ホランドがチマエフと180ポンドで対戦。チマエフがダースチョークで1R一本勝ちを収めている。
計量ミス後の今回は、あらかじめミドル級戦でパウロ・コスタと対戦予定だったが、コスタの欠場により、元ウェルター級王者のウスマンが緊急参戦を決めていた。チマエフは1年1カ月ぶりの復帰戦となる。
ウスマンは、2023年3月の『UFC 286: Edwards vs. Usman 3』でレオン・エドワーズとの再戦でウェルター級王座奪還に臨んだが判定負け。今回、7カ月ぶりの試合に緊急参戦で1階級上に挑戦することになるが、ミドル級では2013年12月の『VFC 41』以来、10年ぶり。UFCでは初の185ポンド(83.9 kg)での試合となる。
勝者はミドル級新王者ショーン・ストリックランド(米国)への挑戦権を得るというコメインで、最後に勝ち名乗りを受けるのは、チマエフか、ウスマンか。
1R、蹴りから入るチマエフは、遠間からシングルレッグ! 倒れないウスマンだが背中を見せるウスマンにチマエフはバックテイク。すぐに潰してバックマウントを奪うとゴツゴツと鉄槌!
ウスマンはヒザを立てて亀に戻すが、バックマウントのまま。こつこつとパウンド、ヒジを突くと、ウスマンは立ち上がり。そこにリアネイキドチョークをパームトゥパームで絞めるチマエフ!
ウスマンは前方に落として外そうとするが、首は外れたものの4の字ロックのチマエフ。亀で耐えるウスマンに背後から打撃を入れる。
2R、互いに消耗した初回。スイッチするチマエフ。ジャブを出すウスマン。チマエフもスイッチして左ミドルを当てる。ウスマンも右関節蹴りを軽く見せると、レベルチェンジでヒザを触るフェイント。オーソになり右ローを突くチマエフ。ウスマンはワンツーでチマエフを少し下がらせる。ダブルレッグに入るチマエフに頭を抱えてネルソンで凌ぐウスマンに、残り10秒でチマエフは頭を抜く。
3R、ともにオーソドックス構え。チマエフが右関節蹴りからテイクダウン狙いもついに切ったウスマン。
サウスポー構えになるウスマンは右ジャブから前足を取りに行く。オーソになるウスマンはワンツーから右ハイをガード上に。ワンツーから右ボディ! さらにシングルレッグもここは切るチマエフ。
サウスポー構えになるウスマンにチマエフはシングルレッグからボディロックテイクダウン! すぐに上に登り、左で枕で寝かせて右で脇差しウスマンを寝かせる。しかし残り30秒でシングルレッグか立ち上がったウスマンは、スタンドでワンツーで前に! チマエフも頭を下げて打ち合いに臨み、ホーン。両者は笑顔で手をかわした。
判定は2-0(29-27×2, 28-28)でチマエフが勝利。ケージの中で「アブダビのみんな、世界で何が起きているか知っているよね? 子供たちが命を落としているなか、今週、試合をするのはあまりハッピーじゃなかった。子供が好きだから。戦争の犠牲というのは、ウクライナ、シリア、アフガニスタン、パレスチナ、USA……どこだろうが関係ないし、ムスリム、クリスチャン、ユダヤ……宗教は関係ない。子供が死んでいる。自分にも子供がいて、まだ生後3カ月だけど、彼が泣くだけでも辛いのにもし死んでしまったらと思うと言葉も無いよ。世界が平和になってほしい。ほんとうにそう思っている。お願いだ。みんな仲良くして命を守ろう。みんなが健康で誰かを幸せにするための人生であるべきだ」とマイク。
さらに対戦相手について「ウスマンは素晴らしい。クールな男と戦っていて最高だった。彼のチームもほんとうに素晴らしい。自分もそうで、素晴らしいチーム、コーチとともにここに上がった。みんなありがとう。君たちがここに自分を連れてきてくれた」と感謝の言葉を述べた。
続けて現ミドル級王者のストリックランドについて問われ、「どうだろう。なんて言ったらいいか。僕はタイトルマッチのためにやっていない。お金を稼ぎ、母を食べさせていくことだけを考えて試合をしている。今日もそれができて嬉しいし、ダナ、みんな、知っての通り、2メートルくらいの狭いジムの一室で寝泊まりしていた自分をサポートしてくれてありがとう」と語った。
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▼ライトヘビー級 5分3R─マゴメド・アンカラエフ(ロシア)17勝1敗1NC(UFC9勝1敗1NC)206lbs/93.44kg[1R ノーコンテスト]─ジョニー・ウォーカー(ブラジル)21勝7敗(UFC7勝4敗)205lbs/92.99kg
UFC3連勝のウォーカーと、9連勝中のアンカラエフが対戦。
1R、サウスポー構えのアンカラエフに、オーソドックス構えのウォーカー。左の足を上げて歩いて左ローを打つアンカラエフ。ウォーカーはバックフィストを狙う。
右の蹴りから右ストレートを伸ばすウォーカー。かわすアンカラエフは左ボディストレートを効かすと、組んで右腕を対角の手で縛りながら殴るアンカラエフ。片ヒザ立ちのウォーカーに反則の左ヒザを突くとアゴにヒット。
インターバルで「どこにいるか分かるか?」の問いに返事をしなかったウォーカー。レフェリーは試合をストップ。
しかしウォーカーは試合を行おうとして、4人のジャッジ陣がケージの中に入って止めると、ウォーカーがエキサイト。アンカラエフも制止を振り切ろうとする。
異常事態にダナ・ホワイト代表もケージの中に入り、ウォーカーに声をかけて、ウォーカーはケージの外に出た。
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▼ミドル級 5分3R〇イクラム・アリスケロフ(ロシア)15勝1敗(UFC2勝0敗)[1R 2分07秒 TKO] ※跳びヒザ→左右ラッシュ×ワーレイ・アウヴェス(ブラジル)14勝7敗(UFC8勝7敗)185.5lbs/84.14kg※13日前代打※ナッソーディン・イマボフは欠場
1R、ともにオーソドックス構え。アウヴェスは左インロー。アリスケロフも左右で押し返し、左ジャブ。アウヴェスのインローはチェックする。アリスケロフの左ジャブに腰が落ちたアウヴェス!
金網に詰めたアリスケロフは左ハイをガード上に当てると、右から左の二段ヒザ蹴り! もらったアウヴェスに左右のラッシュでアウヴェスをKOした。
アリスケロフは「友達もたくさん来ていてよかった。次はトップ10と戦いたい」と語った。
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▼バンタム級 5分3R〇サイード・ヌルマゴメドフ(ロシア)18勝3敗(UFC7勝2敗)136lbs/61.69kg[1R 1分13秒 ニンジャチョーク]×ムイン・ガフロフ(タジキスタン)18勝5敗(UFC0勝1敗)135.5lbs/61.46kg
1R、ともにオーソドックス構えから。蹴るヌルマゴメドフに、大きな右を振って前に出るガフロフは左から詰めてシングルレッグへ。そこにニンジャチョークを合わせたヌルマゴメドフは、突っ込んで来たガフロフを中腰で座り込むように極めた。
試合後、ヌルマゴメドフは「前回からこのような試合に戻れることを願っていた。こいつが俺のやり方」と語った。
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【プレリミナリー】
▼フライ級 5分3R〇ムハンマド・モカエフ(英国)11勝0敗(UFC5勝0敗)※UFC5連勝 126lbs/57.15kg[3R 3分03秒 肩固め]×ティム・エリオット(ロシア)19勝13敗(UFC8勝11敗)126lbs/57.15kg
平良達郎と同じフライ級でUFC4勝無敗、プロ・アマ通じて33連勝のムハンマド・モカエフ(英国)が出場。同級10位のティム・エリオット(ロシア)を相手に初のトップ10ランカーとの対戦に挑む。
3月大会では、初参戦のジャフェル・フィーリョにヒザ十字を極められながらも耐えてのリアネイキドチョークで逆転一本勝ち。リハビリで回復させて7カ月ぶりの試合に臨む。対するエリオットは、2021年10月にマテウス・ニコラウに判定負けも、以降、タギル・ウランベコフとビクトル・アルタミラノにいずれも判定勝ちで2連勝中。4カ月間隔で3連勝を目指す。
1R、サウスポー構えから左右で前に出るエリオット。モカエフも詰めて左ローも、そこにカウンターのテイクダウンはエリオット! 上体は背中を着かず、右でオーバーフックするモカエフ。その左腕を抜いてヒジを突くエリオット。左で差して立ち上がるモカエフは右フックで飛び込み、左ハイ、さらにシングルレッグも、切るエリオット。
オーソからスイッチして左の蹴りのエリオットにダブルレッグのモカエフも、切るエリオットはがぶりから両手を着くモカエフに反則の4点ヒザに。
注意でスタンドから再開。モカエフは右を振りダブルレッグでエリオットに尻を着かせる。エリオットは得意のギロチン狙いも首を抜くモカエフが上に。クローズドガードで下からヒジを突くエリオット。細かいパウンドを入れるモカエフだが、エリオットは下からこつこつパンチ。ホーン後に何か言われたのか、エリオットがモカエフを突き押す。
2R、モカエフいきなり低いダブルレッグも、エリオットはカウンターのアームインギロチンチョーク! 絞めるが首を抜くモカエフ。フルガードからヒジ突くエリオット。両者、ともに細かいパンチ。一度離れたモカエフがガードに飛び込むが、そこにエリオットはカウンターの三角! しかし、モカエフは三角絞めをスラムして頭から落として外すと、下のエリオットは再び左で右腕でオーバーフックして凌ぐ。
3R、モカエフをがぶりヒザを突くエリオットだが、巧みに両手を着くモカエフに3発目が入ってしまいブレーク。同じ状態からの再開で、スイッチから持ち上げて上になるモカエフ! 下のエリオットは再び左でオーバーフックも抜いたモカエフはスペースの少ない金網側に抜けて肩固めを極めた。
ランカーのエリオットに一本勝ちしたモカエフは「ティム・エリオットは王座挑戦経験があるから極めて勝つ必要があった。自分には記録がある。次はカイ・カラフランスと戦いたい。アミール・アルバジ、マネル・ケイプ、誰でも構わない。どこでも戦う。パレスチナの兄弟・姉妹、子供たち、女性たち、世界のみんなに愛と平和を祈る」と語った。
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▼ライト級 5分3R〇モハマド・ヤヒヤ(アラブ首長国連邦)12勝3敗(UFC0勝0敗)156lbs/70.76kg[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×トレバー・ピーク(米国)8勝1敗(UFC1勝1敗)155.5lbs/70.53kg
1R、ともにオーソドックス構えから。ヤヒヤの詰めに左から右で押し返すピーク。ワンツーから右を当ててボディロックから小外がけテイクダウン。すぐに立つヤヒヤはギロチンチョーク狙い。首を抜くピークはヒザを突いて離れる。
インローを当てるピークはダブルレッグへ。そこにヤヒヤはダースチョーク! ピークはうつ伏せになってずらして外すとすぐにパウンドで反撃。
2R、金網まで詰めて逃げ場をシャットアウトして左ストレートをつくピーク。サークリングするヤヒヤを追う。さらに左ストレートで追うピークは足を使い、オーソドックス構えから。左インロー、左右を振る。ヤヒヤが右を返し、。ピークが再び金網に詰めてホーン。
3R、先に詰めるピーク。組んで凌ぐヤヒヤにピークはボディロックテイクダウン! パスからマウントも足を戻したヤヒヤが金網使い立つ。しかしピークは四つから小外がけでテイクダウン。バックにつくと前に落として立つヤヒヤ。ピークはロングフックで前に。下がるヤヒアはケージに押し込まれる。
戻したヤヒアは左ジャブをヒット、ヒザ蹴りも。しかし、組んだピークがケージに押し込む。剥がしたヤヒヤがワンツー。ピークはボディロックからテイクダウンを狙うが残すヤヒヤ。追うピークはヒジを打つ。ヤヒヤの四つにピークがボディロックテイクダウン。ハーフからマウントに。下のヤヒヤはガードに戻して立ち上がりホーン。
判定3-0(29-28、30-27×2)でピークが勝利した。
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▼バンタム級 5分3R─ジャビッド・バシャラート(アフガニスタン)14勝0敗1NC(UFC3勝0敗1NC)136lbs/61.69kg[2R 0分15秒 ノーコンテスト] ※バシャラートのアクシデントのローブロー─ビクター・ヘンリー(米国)23勝6敗(UFC2勝1敗)136lbs/61.69kg
バンタム級では、元DEEP王者のビクター・ヘンリー(米国)が参戦。14連勝中のプロスペクト、ジャビッド・バシャラート(アフガニシタン)と対戦する。ともにトニー・グレーブリーに判定勝ちしているが、36歳のビクターに対し、28歳のバシャラットはUFC3連勝中。アウェイでアンダードッグのビクターは強敵を相手にアップセットを起こせるか。
1R、ともにオーソドックス構え。中央を取るジャビッドに、ビクターは右の蹴りに先にこかす。
長い右カーフを突くジャビッド。ビクターも右前蹴り。さらに右カーフ! スイッチするジャビッドの左右に、ビクターもスイッチしながら下がってさばく。
左インローを打つジャビッド。左の蹴りに右の蹴りを返すビクター。ジャビッドは左ミドルをヒット。ビクターの右の蹴りを掴んでテイクダウン! しかしビクターの金網まで歩いて立ち、組むジャビッドにいい組手をさせず突き放す。
スタンドで左の後ろ蹴りをのどもとに突くジャビッド。ビクターもサウスポーから左インロー。組んで押し込んでホーン。両者ともに蹴りを巧みにチェックする。
2R、ともにオーソドックス構えから。サウスポー構えになるジャビッドは左インローもローブローに。一瞬間を置いてから、股間を押さえて前のめりに倒れるビクター。中断も、声を挙げて悶絶する。インターバルの5分が経ち、試合続行は不可能に。
裁定はアクシデントによるノーブローでノーコンテストとなった。ビクターはジョシュの肩を借りてケージを後にした。
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▼ミドル級 5分3R〇セドリケス・ドゥマス(米国)9勝1敗(UFC2勝1敗)186lbs/84.37kg[判定3-0] ※29-28×3×アブー・アツァイター(モロッコ)14勝4敗(UFC1勝2敗)186lbs/84.37kg
1R、ともにオーソドックス構え。右ローを打つアツァイターに右ストレートを合わせたドゥマス! 下のアツァイターはハーフからニーシールドも半身で潰され、ドゥマスは鉄槌。正対してハーフガードになるアツァイターだが上体は立てず。
2R、ともに慎重な展開から右ローを打つドゥマス。アツァイターも右を見せるが踏み込めず。ドゥマスの右の蹴りを掴んでテイクダウン! パウンドにすぐに立つドゥマスだが、最後にアツァイターが詰めてホーン。
3R、右の後ろ廻し蹴りを見せるドゥマス。右ストレートを腿に突く。さらにダブルレッグも切ったアツァイターは詰めて組みにドゥマスの髪を掴んでのパンチで注意。
遠間から左の蹴りを上下に突くドゥマスに、アツァイターもカウンターの前蹴り。左右ボディ打ち。最後にダブルレッグでドライブするアツァイターを切ってドゥマスが裏拳を振ってホーン。
判定は3-0(29-28×3)でドゥマスが勝利した。
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【アーリープレリム】
▼ライト級→159ポンド 5分3R〇マイク・ブリーデン(米国)11勝6敗(UFC1勝3敗)159.5lbs/72.34kg ※体重超過[3R 3分00秒 TKO]×アンシュル・ジュブリ(インド)7勝1敗(UFC1勝1敗)155.5lbs/70.53kg※ブリーデンが体重超過。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のジュブリに報奨金の30%を支払う
アーリープレリムに「ROAD TO UFC」ライト級優勝のアンシュル・ジュビリ(インド)が出場する。キム・ギョンピョを完封し、ジェカ・サラギを2R TKOに下しているジュビリは、UFC3連敗中のマイク・ブリーデン(米国)と対戦。しかし、そのブリーデンが159.5ポンド(72.34kg)と体重超過しており、対戦相手のジュブリに報奨金の30%を支払うことで試合は行われる。
1R、ともにオーソドックス構え。右回りで出入りのジュブリは右の蹴り、ワンツー。ジャブを突くブリーデンに、ジュブリは右ボディストレート、右ヒジ。ブリーデンのワンツーをさばいて右オーバーハンドも。
2R、ブリーデンの入りに右ストレートをついて前に出るジュブリ! フリデンもワンツーの右を振るが、回ってかわすジュブリは右を上下に突く。ブリーデンの左に右をかぶせると、ブリーデンも右ローを返す。
3R、ワンツーで前に出て首相撲ヒザを突くジュブリ。ブリーデンはノーガードで前進し、ワンツーの右をヒット! さらに来いと招き、ジャブ、右ストレート、左ボディ、アッパーも。ジュブリはガス欠か。ブリーデンの気迫に手数が減る。
右ローを返すジュブリに、「もっと打って来い」と左の腿を指すブリーデンは、さらに声を出しながら左フックでガードを飛ばして右ストレート! アゴを打ち抜かれたジュブリがダウン! 続くパウンドにレフェリーが間に入った。体重超過のブリーデンは逆転のTKO勝ち。ジュブリはインド人初のUFC勝者コールを受けることはできず。
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▼フェザー級 5分3R〇ムハンマド・ナイモフ(タジキスタン)10勝2敗(UFC2勝0敗)145.5lbs/66.00kg[判定3-0] ※29-28×3×ナサニエル・ウッド(英国)19勝6敗(UFC7勝3敗)146lbs/66.22kg
1R、ウッドは右カーフ。しかしナイモフが右を効かせて組んでテイクダウン! 金網に詰めてパウンド。ウッドは上体を立てて金網使い立つと左で差し返して体を入れ替え。しかしナイモフもすぐに入れ替えて四つからヒザ。これだローブローとなり、そこに左ヒザをボディにも突くが、中断。
再開。左ローを突くウッドは右ストレート! 後方に崩れたナイモフだが金網背にダウンはせず、組んでウッドを崩してパウンドを見せる。
2R、ウッドに右ローを蹴り上げるナイモフ。ローブローになり中断。再開。詰めて躊躇なく左ヒザを突くナイモフに脇を潜ろうとするウッドだが、ナイモフは正対から四つで小外がけテイクダウン! 足をさばいてハーフに。ウッドはシングルレッグで立ち上がり。しかしそこにすぐにダブルレッグテイクダウンはナイモフ。ウッドのキムラ狙いを潰してボディロックでバックからヒザを突く。
3R、ナイモフは後ろ蹴り、左ミドル。さらにガード上に左ミドル、右ジャブ&ロー。ウッドの左ストレートにカウンターのダブルレッグに入るナイモフ。ここは差し返すウッド。体を入れ替え、ワンツーを効かすと。ウッドは前進。右前蹴りを腹に突く。さらにシングルレッグも、ここは切るナイモフ。右の後ろ廻し蹴りをもらいながらも掴んだウッドが倒してパウンドしてホーン。
判定は3-0(29-28×3)のユナニマスながら接戦の29-28×3でナイモフが勝利! ウッドはUFC連勝が「3」でストップした。
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▼女子ストロー級→116.6ポンド 5分3R〇ビクトリア・ドゥダコヴァ(ロシア)8勝0敗(UFC2勝0敗)116.6lbs/52.88kg ※体重超過[判定3-0] ※29-28×3×ジン・ユ・フレイ(米国)11勝10敗(UFC2勝6敗)116lbs/52.62kg※ドゥダコバが体重超過。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のジン・ユウ・フライに報奨金の20%を支払う
女子ストロー級。MMA7戦無敗で前戦でイステラ・ヌネスに34秒 TKO勝ち(手を着いたヌネスがヒジを脱臼)したビクトリア・ドゥダコヴァ(ロシア)が出場。RIZIN、ROAD FCで活躍するもUFC3連敗中のジン・ユ・フレイ(米国)と対戦する。
1R、サウスポー構えのフレイに、ドゥダコヴァはワンツーから詰めるが、突き放すフレイ。前後の細かいステップから飛び込むドゥダコヴァは右ボディから左。そこにフレイは左を返す。
詰めて組んで押し込むドゥダコヴァに、右で差して押し返して突き放すフレイ。ドゥダコヴァのワンツーの飛び込みとフレイの右の入りで頭がぶつかり中断。再開。フレイの入りに組んだドゥダコヴァは首相撲ヒザ! 離れ際に左も振る。さらにボディロックに入るドゥダコヴァだが崩されず耐えるフレイ。1R終了間際、左ローを突くフレイ。そこにドゥダコヴァが右から左フックででダウンを奪い、フレイが立ち上がりホーン。
2R、左右を突くドゥダコヴァの左を被弾したフレイだが、走り込んでのダブルレッグテイクダウン! 左で差して、右肩でアゴを殺してハーフからパス! サイドからヒジを突くフレイに、片足を戻すドゥダコヴァはフレームを作ってフルガードに戻すと、下から腕十字狙い。それをかついで鉄槌を落とすフレイ。さらにドゥダコヴァの立ち際に左パウンド! そのままサイドを奪いに行くが、足を戻して立つドゥダコヴァは右ミドル連打でを返してホーン。
3R、左回りのドゥダコヴァは右ミドルハイをガード上に突く。さらに右ハイも。ワンツーのドゥダコヴァにフレイも右フックを返すと右から左。左回りで外足を取るドゥダコヴァは右ストレート。フレイも左ストレートを返すと、ドゥダコヴァの左の打ち終わりに右で差して組みに。右手首をとらせないドゥダコヴァに、フレイは一回崩すが、残したドゥダコヴァ。ホーンに両者が手を挙げる。
判定3-0(29-28×3)で1、3Rをモノにした体重超過のドゥダコヴァが勝利。UFC2連勝でMMA8戦無敗。
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▼ミドル級 5分3R〇シャラプディン・マゴメドフ(ロシア)12勝0敗(UFC1勝0敗)186lbs/84.37kg[判定3-0] ※30-27×3×ブルーノ・シウバ(ブラジル)23勝10敗(UFC4勝4敗)186lbs/84.37kg
1R、オーソドックス構えのマゴメドフにサウスポー構えになるシウバ。右インローのマゴメドフ。左前蹴りも。圧力をかけるシウバはワンツーからローに繋ぐが、マゴメドフは左ハイ! さらに右ストレートをヒット。シウバがバランスを崩す。左ローを当て、ヒザを突くマゴメドフ。シウバの突進をかわして左ミドルを突くがローブローに。
再開。スイッチしての左ローを当てるマゴメドフ。さらに右ミドルと蹴りを軸とする。詰めるシウバはワンツーで詰めるがマゴメドフはケージを背に左ミドルの連打で迎え撃つ。
2R、左のサイドキック、かけ蹴りも見せるマゴメドフ。シウバは左を振ってニータップも切るマゴメドフは左ミドル。さらにワンツーからバックフィストも。右ジャブを突くシウバ。しかし、蹴りをジャブ代わりに使うマゴメドフ。その打ち終わりにダブルレッグテイクダウンを奪うシウバ。
クローズドガードのマゴメドフは下からヒジ、鉄槌! いったん離れたシウバは頭を防御しながらガードの中に入っていくが、再び離れると、下からマゴメドフは寝ながらハイキック! もらったシウバはパウンドで飛び込む。
3R、マゴメドフの左右の蹴りにダブルレッグテイクダウンを合わせたシウバ。しかし、手足がうるさいマゴメドフは下からヒジ! 足を抜くマゴメドフは立ち上がり右ヒジ、ヒザ!
効かされたシウバだが、ここもダブルレッグテイクダウン! インサイドガードからモンゴリンチョップ。しかし、下からヒジを連打するマゴメドフにシウバの動きが一瞬止まる。かつぎパスを狙うシウバに鉄槌連打のマゴメドフ。パスしたシウバだが動けず。マゴメドフが足を戻して立ち上がって詰めたところでホーン。
下になっても西川大和ばりのヒジ打ちなど、3Rに渡り打撃を止めなかったマゴメドフがフルマークの判定勝利。右目は義眼というミドル級のマゴメドフは、インタビュアーのダニエル・コーミエーより長身。「今日は少し慎重になっていたから次はもっとアグレッシブな試合を見せる」と、さらにアグレッシブに戦うと語った。