2023年12月9日(土)エディオンアリーナ大阪『K-1 ReBIRTH.2』のK-1クルーザー級3分3R延長1Rで、谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と対戦する中国のリュウ・ツァー(唐山文旅驍騎ファイトクラブ/CFP)が、試合前の心境を語った。
ツァーは中国数千年の歴史を持つ立ち技伝統武術、その流れを汲む散打の強豪。その触れ込み通り、今年9月の「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」では、一回戦でヴァレンティン・ボルディアヌ、準決勝でアリエル・マチャド、決勝戦でクラウディオ・イストラテを倒して全試合KO決着で初優勝を飾った。
対する谷川は今年3月にマハムード・サッタリをKOしたステファン・ラテスクと対戦。ラテスクの強打でKO負けに終わったものの、強烈なローキックで追い込んだ。7月はAKIRA Jrから判定勝利を収め、再起を果たしている。
私はとても多くの武器を持っていてそれをまだ試合で使っていません
――9月のK-1無差別級トーナメントで優勝を果たしました。まずは初参戦となったK-1の舞台はいかがでしたか?
「K-1の雰囲気は、私にとってとても新鮮でした。リング上から観客席を見渡した時の気分はとても最高で、観客席からあるファンが中国語で“加油!(ジャーヨ―/頑張れ)”と言ってくれたことに、とても感動と興奮を覚えました」
――無差別級トーナメントで優勝して、何か環境は変わりましたか?
「帰国後、ジムの皆んなが私とウェイ・ルイのために祝賀パーティーを開いてくれました。これは私達格闘技の選手にとっては、とっても光栄なことです。社会的には新聞などたくさんのメディアで報道されました。“中国のヘビー級の選手としては飛躍的なレベルアップだ”“我々中国のヘビー級はすばらしい、強い証だ!”などです」
――ご家族の反応は、いかがでしたか?
「家族のみんなで私の試合をずっとライブで視聴してくれていて、王者になった瞬間は両親も涙したそうです。帰国してからは、私のためにお祝いの席を設けてくれました。私は家族の中で唯一格闘技を練習しているので、ファミリーとって、とても光栄な出来事になりました!」
――中国で今後K-1は、盛り上がっていきそうですか?
「ウェイ・ルイと私が世界王者になってからは、K-1は中国でとても良い方向に発展していると感じています。もし私の後に中国の選手がチャンピオンになるならば、その影響力はさらにレベルアップすると思います。今、本当に多くのメディアが私の功績を報道しています。このことは中国がK-1を非常に重視していることの証明であり、同時にK-1が中国及び全世界への影響力が非常常に大きいことを証明してます」
――あなた以外に、K-1で戦っていけそうな中国の選手は多くいますか。
「中国には K-1 で戦っていける選手はたくさんいます。私のジムにはどの階級でも選手がいます。例えばウェイ・ルイさんはライト級、私はヘビー級ですよね。その他、国家レベルのチャンピオンベルトを保持しているスーパールーキーチャンピオンなどがいます」
――推薦できる選手がいれば、教えてください。
「一緒に練習している、自分のジムの選手で推薦したい選手は何人かいます。2023年中国キックボクシング選手権で優勝したウェイ・ウェイヤンは、毎日私と一緒にトレーニングしています。もう一人ルーキーではありますが、ハン・シャンテンは高身長でリーチがあり、K-1で必ず頭角を表すファイトスタイルです。あとは 2020年武林風新人王のジョー・ジャーチャンですね。彼らはきっとK-1にアジャストできます」
――今大会も、中国から4選手が参戦しますし国力を感じます。王者になった後、初の参戦となりますが、意気込みを教えてください。
「前回よりも、私のパフォーマンスは良いと思います。なぜなら、前回の試合は無差別級で階級が上の選手と戦うことになり、とてもプレッシャーがありました。しかし、私自身は対戦相手にプレッシャーをかけることが、とても得意なんです。
また前回のK-1で私が使ったカーフキックの印象が強いと思うのですが、私のテクニックはそれだけにとどまりません。その他の新しいテクニックはまだ披露していないので、12月9日はそれを皆さんにお見せします」
――谷川聖哉選手の印象はいかがでしょうか。
「私がK-1に参戦する以前から、自分と同じ90kg級の日本人ファイターの一人として谷川選手の試合動画を見ていました。彼は気持ちが非常に強い攻撃型の選手で、空手のテクニックも素晴らしいです。K-1のリングではきれいなKOを見せているので、彼ことはよく熟知しています」
――どういう勝ち方を狙いますか?
「先程も言いましたが、私はとても多くの武器を持っていてそれをまだ試合で使っていません。今は多くを語りませんが、12月のリングでそれを知ることになるでしょう。今回、谷川聖哉をKOします!」
――ちなみに、目標とする過去のK-1ファイターはいますか?
「旧K-1で言えば、好きな選手は下の階級であれば魔娑斗さんです。彼は攻撃型の選手で意志力が強く、すでに全世界のファンにその存在を知らしめています。ヘビー級は、悪童バダ・ハリ選手が好きですね。もう何度も彼の試合動画を見ましたよ。彼の爆発的な攻撃力とリング上での自信たっぷりなスタイルは私に大きな影響を与えています」
――では最後に、最終的な目標を聞かせてください。
「私は現在K-1の王者ですから、対戦相手は選びません。これからの目標としては、やはり自分のチャンピオンベルトが欲しいですね。K-1のリングでもっと活躍して、中国カンフーをより一層発揚(はつよう=勢いを強くする)させて、全世界の皆さんに私の名前を知らしめたいです!」
協力=CFP 岩熊宏幸