キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】大野貴志、噛ませ犬では終わらない「主催者が僕を出したことを後悔させないことが僕の仕事」

2019/08/14 16:08
2019年8月18日(日)東京・大田区総合体育館で開催されるKNOCK OUT『K.O CLIMAX 2019 SUMMER KICK FEVER』。  同大会の「KING OF KNOCK OUT初代スーパーバンタム級王座決定1DAYトーナメント」に出場する、WMC日本スーパーバンタム級王者・大野貴志(士道館新座ジム/MA日本キックボクシング連盟)のインタビューが主催者を通じて届いた。  大野は頑丈な身体とパンチを中心とする攻撃力の高さで2012年1月にMA日本バンタム級王座(4度防衛)を獲得後、2014年にはBigbangスーパーバンタム級王座(1度防衛)、2017年にはWMC日本同級王座を獲得した三冠王。6月の『REBELS.61』で同じく三冠王のKING強介を破り、今回のトーナメント出場権を手にした。  自らを「大穴」と称する大野は、1回戦でWKBA世界スーパーバンタム級王者・江幡塁(伊原道場/新日本キックボクシング協会)を相手に大番狂わせを起こすことができるか。 これで僕が勝ったら江幡勝ちに投票した人たちはどう思うんでしょうね ――試合が近づいてますが、調整はいかがですか? 「特に大きなケガもなく、外は熱いので減量も苦しくなく順調に出来ています」 ――KNOCK OUT初参戦が決まってモチベーションは高いですか? 「そうですね。やはりこれだけ大きな舞台でやるので、ハズレない試合にしたいと思ってます」 ――KNOCK OUTという舞台にいつか上がりたいとは意識していたのでしょうか? 「そうですね。6月のKNOCK OUTスーパーバンタム級王座決定トーナメント出場者決定戦でKING強介選手に勝てばKNOCK OUTに上がれるということだったのでモチベーションは高かったです。勝った瞬間からテンションが上がりっぱなしでした」 ――トーナメント出場メンバーの印象を教えて下さい。 「『大野じゃなくてもっといい選手はいただろ?』と身内によく言われたりして、みんな目が肥えているのを感じます。そこで主催者が僕を出したことを後悔させないことが僕の仕事なんです。自分はトーナメントの大穴だと思われていて、これで負けたら、ただの噛ませ犬で終わってしまいます。江幡選手を勝ち上がらせるためだけの出場だとは思われたくはないですし、ここで勝つことでもお客さんは喜びますから。お客さんに『本当に来て良かった』と思っていただくのが僕の仕事でもあります」 ――トーナメントは小笠原vs江幡の決勝戦を予想するファンで盛り上がってます。 「そうですね。それで盛り上がっていても僕は怒ったりもしないし、何も思わないです。自分でも外から見たらそう思いますよ(笑)。KNOCK OUTオフィシャルツイッターの勝利者予想を見ると、江幡選手と僕とでは差が開きすぎて笑ってしまいます(8月5日時点で江幡勝利が83%、大野勝利が17%)。でも、これで僕が勝ったら江幡勝ちに投票した人たちはどう思うんでしょうね。感想を一人一人に聞いてみたいですね」 ――このような不利に見られている状況はご自身的にプラスの要素になりますか? 「なります。守るよりも獲りに行く方が気持ち的に楽ですから。江幡選手は今回のように有利と思われる状況でずっとやってきたら慣れているとは言われてましたが、絶対に自分の方が失うものがなく、獲りにいくことしかないのでメンタル的に違うと思うんですよ」 ――今までにもこのような状況の試合はありました? 「MAの試合はずっとそうですね。タイトル防衛戦は4 年間やらせてもらいましたし、ビッグバン、WMCのタイトルを持っている時は防衛戦はあったので江幡選手のような気持ちの試合はありましたが、獲りに行く試合の方が気持ち的には楽ですよね。気持ち的も防衛する王者の立場と挑戦者の立場では、王者だと防衛戦だから守りにいこうと思うような気持ちも少し出てきますが、今回はそういう守りにいく気持ちはなく自分はチャレンジャーの立場なので全てを出すだけですから」 ――反対ブロックの小笠原選手とミケール・フェルナンデス選手のどちらに勝ち上がってきてもらいたいですか? 「前のレダ・ナラインの試合映像は見たのですが、今回のやつの動画はまだ見ていないので構えもわからないですし、どういうやつかはわかりません。なので勝ち上がってきても困ります(笑)。正直なところ、どっちが勝ち上がってきてもいいのですが、わけのわからない外国人と決勝戦でやるよりも、小笠原選手と日本人対決をした方が盛り上がると思います。それと自分は以前、小笠原選手に負けているので(2016年3月9日REBELS 、大野が3RTKO負け)、やり返したいです。1日に江幡選手、小笠原選手の日本人トップ2人に勝てば僕の株が上がりますよね? 次に誰が相手になるかはわかりませんが、間違いなく相手は一気にレベルアップしますよね」 士道館の選手は根性しかないですから(笑) ――江幡選手は新日本キックのエースとして看板を背負って出てくるわけですが、大野選手もMA日本キックボ クシング連盟の看板を背負って出るという気持ちはありますか? 「そうですね。これまでMAの選手がデカい舞台に上がるとなると、上原誠さんが出たようなK-1のリングだけでした。なかなかMA、そして純粋な士道館の選手でKNOCK OUTのような大きな舞台に出た選手はいなかったので、僕がMA、そして士道館の看板を背負って出て自分の名前、士道館を売らないといけないという気持ちは凄くありますし、そういう使命感を強く感じています」 ――士道館といえば、1978年に添野義二館長が設立し、武士道精神・サムライスピリッツという 日本の伝統文化を海外に広め、現在は世界68カ国に支部を展開する大規模の空手団体です。ご自身にとって士道館スピリットとは何でしょうか? 「士道館の選手は根性しかないですから(笑)。ひたすら四股を踏んだり、うさぎ跳び、ひたすらローキックなど昔ながらの練習メニューもやらされたことがありましたが、今は時代も変わってきてます。東京オリンピックの開催時期が近いこともあり、士道館ではスポーツ空手(=寸止め空手)の試合も組み込んだりと、その時代に合った新しいものを取り入れるようにしてます」 ――昨年12月にWMC日本スーパーバンタム級タイトルマッチで初防衛に成功して以降、現在は4連勝(3KO)と好調ですが、その秘訣は何でしょうか。 「今まではキックボクシング一本の練習メニューだったのですが、ボクシングの練習を多く取り入れてボクシングの技術も身に付いたことで頭も柔らかくなりましたし、フィジカルトレーニングもやることで身体の使い方もわかるようになったことが結果につながっていると思います」 ――ファンにメッセージをお願いします。 「勝負はやってみないとわからないものです。誰が最後にベルトを巻いているかを見てもらいたいですね。最後まで勝ち残っているのは僕です」
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