「朴訥」な古木(左)と「職業イケメン」を名乗る壱の対決
2023年12月9日(土)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.6』にて、スーパーファイトのKNOCK OUT-BLACK -56.0kg契約3分3R延長1Rで対戦する同スーパーバンタム級王者・古木誠也(G1 TEAM TAKAGI)と第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者・壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
古木はフルコンタクト空手で多数の優勝・入賞歴を持ち、持ち前の破壊力で2022年9月大会は前田翔太に初回TKO勝ち、11月大会では5戦目にして元KNOCK OUT-REDバンタム級王者・響波を右フックで初回KOに破り、12月の王座決定戦では工藤“red”玲央を初回KOして王座に就いた。2023年3月の王者第一戦で武蔵に初回KO負けを喫したが、練習環境を変えて8月の再起戦に臨み小倉尚也を初回KOで破り王座初防衛に成功した。9月には波に乗っていた森岡悠樹も初回KOに破り戦績を7勝(6KO)2敗とした。
沖縄出身の壱は空手をベースに持ち、ボクシングを経て上京してムエタイを始めた。2008年11月の『MuayThaiOpen』でLPJNバンタム級王座に就き、2019年12月に岩浪悠弥に敗れるまで14連勝をマーク。2022年11月に「第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座決定トーナメント」を制して王者となったが、2023年3月にノンタイトル戦で響波にKO負け。8月の初防衛戦でも古村光に判定2-1で惜敗して王座を失った。11月に初のOFGマッチに臨むと片島聡志に完勝を収め、4試合連続でベストバウト賞を獲得する“ベストバウター”となった。戦績は23勝(8KO)9敗1分。
当初は古木とKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者・古村光がマッチアップされていたが、古村が負傷のため欠場。代わって「これで4試合連続のベストバウト賞なんですよね。僕は“ベストバウター”なので大会に困ったら呼んでくれれば絶対に盛り上げるのでよろしくお願いします」とアピールしていた壱に白羽の矢が立った。
古木誠也「トレーナーからは『お前はパンチより蹴りの選手だ』と言われています」
──カードが変更になって、壱・センチャイジム選手になりました。その前、古村光選手と対戦が決まっていた時点では、どういう試合をしようと思っていましたか?
「古村選手は距離感とかうまいと思うし、テクニックもありますけど、その距離とかに惑わされずに自分の試合をしようと思っていました」
──それが壱・センチャイジム選手に変更になって、選手のタイプとしてはけっこう違うと思うのですが、意識としても違いますか?
「いや、自分がやることは一緒だと思うので、あまり変わらないですね。テクニックに惑わされないという点では同じです。僕のスタイルも変えないですし」
──壱選手の印象はどうとらえていますか?
「何でもできるなと思います。相手の良さを消して自分のペースで戦うイメージがあります。そのペースに持っていかれて、自分が何もできないということにならないようにしたいです」
──壱選手はヒジなしの試合はこれが初めてだそうです。だからヒジありの試合での映像しかないわけですが、それは影響ありますか?
「いや、自分は壱選手の戦い方を見る感じで、参考になるところはいろいろあると思うので、変わらないですね。相手がこれまでヒジありしかやってないというのは、意識としては変わらないです。首相撲はしてくるかもしれないですけど、攻撃1回までなので、それでペースを乱されなければいいかなと思います」
──チャンピオンになって、ちょうど1年が経ちます。その中で自分のスタイルや戦い方については、かなり自信がついてきたのでは?
「もちろん完璧ではないですけど、だんだん自信はついてきてますね。試合をするたびに、練習でやってきたことを出して結果を出せてきているので、それが自信につながってます」
──その過程の中で、前回は森岡悠樹選手との試合で勝利しました。あの試合を振り返ると?
「あの試合も練習してきたことが出せて勝てたので、自分のスタイルが身についてきた感じがしました」
──そうやって自信が深まってくると、この先に見えるものも広がってきているのでは?
「今は交流戦とかもあるので、他団体の選手とやっても勝てるように、意識して練習するようにはなっています。トレーナーからも『いずれ交流戦もあるかもよ』と言われているし、自分としても機会があれば出たいので、どんな相手にも負けないように練習してます」
──それが実現したとして、そこで見せたいものとは?
「やっぱり自分は『KNOCK OUT』のチャンピオンなので、その強さを見せたいですね。そういう場に出られるようになるためにも、今回もしっかりKOで倒したいと思っているので、期待してもらいたいです」
「会場とかいろんなところで、声をかけられることが増えてうれしいですね」
──「朴訥」とか「華がない」と言われることも多いですが、どうですか?
「別に、全然気にしてないです。僕は格闘家なので、試合で強さを見せるのが一番だと思っているので」
──そういう中で、選手としてやり甲斐を感じることは?
「多くの人が会場に来てくれたり、会場じゃなくても応援してくれたりメッセージをくれたりして、そういうのが増えてるので、絶対負けられないなという気持ちがより強くなりました。期待に応えたいし、練習も気が抜けなくなりますね」
──古木選手としては、どういう風に言われるのがうれしいですか?
「やっぱり『強いね』って言われるのがうれしいです。あと最近はパンチのバリエーションを増やす練習をしているので、そこを褒められた時はうれしかったですね」
──森岡戦でもまたバリエーションが増えていましたからね。
「ただ、あの試合でも練習していて出せなかったものもあるし、最近はディフェンスの練習にも力を入れているので、次の試合ではそういうところも見せたいですね。それにあの試合はやっぱりパンチに偏ってしまったんですけど、トレーナーからは蹴りを褒められていて、『お前はパンチより蹴りの選手だ』って言われてるんですよ。だから試合でも『蹴りを見せろ』って言われるんですけど、いつもパンチに偏ってしまうので、今度は蹴りも出していきたいです」
──蹴りも出せたら、もっと強いということですか?
「蹴りで組み立ててパンチで、ということは言われるんですけど、自分は早く勝ちたいからパンチでいっちゃうんですよね。それでKOで勝てているので、怒られるということはないですけど、試合後に映像を見て反省会をしている時に『ここで蹴りを出せた』みたいなことは言われます」
──では次の試合も、パンチで早く勝ちたい?
「でも壱選手は上手で、そう簡単に自分のペースにさせてくれなそうなので、蹴りから崩していった方がいいのかなと思います」
──蹴りで倒してみたいという気持ちはないんですか?
「それはあります。トレーナーもそれは思ってるみたいで、『パンチも蹴りもできるところを見せなさい』とは言われます。でもやっぱり、試合になったらパンチでいっちゃうような気もします」
──そこがどうなるのかも楽しみですね。では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「パンチに偏らず、練習してきたいろんなスタイルで倒しにいくところを見てもらいたいですね。まあ結果的に、パンチで倒すことになるかもしれませんけど」