2024年1月28日(日)東京・有明アリーナで開催が決まった『ONE Championship』の日本大会『ONE 165』にて、K-1三階級制覇の武尊(team VASILEUS)と対戦するONEムエタイ世界フライ級王者ロッタン・ジットムアンノン(タイ)がインタビューに答えた。
この試合はフライ級(-61.2kg)ONEキックボクシングルール3分5Rで行われ、ケージではなくリングが使用される。
ロッタンは2018年3月にスアキムを破り日本でも名が知られるようになり、同年6月にRISEに初来日。那須川天心とRISE世界フェザー級王座を争い、延長戦の末に敗れるも那須川を追い詰めて一躍人気選手となった。同年9月からONEに参戦し、2019年10月にボルター・ゴンサルベスを破りONEムエタイ世界フライ級王座に就いた。同王座は4度の防衛に成功。
2023年1月にはジドゥオ・イブに判定勝ちし、ONEの立ち技では12戦全勝だが、2022年3月にデメトリアス・ジョンソンとMIXルールで対戦し、2RのMMAルールでリアネイキドチョークにより敗れた。戦績は270勝42敗10分。
武尊と自分の違いは…
――武尊選手との試合が正式に決定したと聞いた時の心境から教えてください。
「嬉しかったよ。自分としても凄く待ち望んでいた試合だし、世界中のファンの皆さんが待ち焦がれて楽しみにしていた対戦だからね。今もSNSにたくさんのメッセージをもらっていますよ」
――会見でのフェイスオフは凄く緊張感がありましたね。
「お互いにいつか戦いたいと思っていた相手が目の前にいるので、ああいう感じになったんじゃないかな。自分もベストを尽くしたいと改めて思った。今回の試合はキックボクシングの真の王者を決める意味合いもあるので、絶対に全力で勝ちに行く」
――この試合が決定する前から武尊選手の研究・対策を練ることは進めていたのですか?
「武尊の試合には常に注目していたよ。自分と同じようなスタイルだし、その武尊と戦って勝つということは自分にとって宿題のようなもので、いつか絶対に対戦することになると思っていた。今回それが実現したということ。いつも通りに攻撃的なスタイルを崩さずに戦うつもりだ」
――スタイルが似ているのは誰もが思うところですが、では違いがあるとすればどんなところですか?
「ガードの部分だろうね。ガードに関しては、武尊はまだまだ改善していく余地がある。天心にしても武尊にしてもそうだけれど、攻撃的なスタイルは自分と似ているし、そこはいいところだと思うけれど、ガードに関しては2人とも僕より劣っている」
――武尊選手の武器の中で最も警戒する武器は?
「一番警戒しなければいけないのはパンチだけれど、武尊は全ての技において強さも器用さもあるので、自分が少しでも油断したら危ないと思っている。油断しないためにもこれから試合へ向けて身体作りを丁寧にしていきたいと考えているよ」
――お互いに前へ出るタイプですが、ここで下がった方が負けるという意識はありますか?
「下がるかどうかは試合の流れ次第なので、それは何とも言えない。大事なことはどこで決着をつけるかということなので、下がったら危ないというのはないね。今回の試合に関しては自分が持っている全ての武器をファンの皆さんに見てもらい、感動してもらって、自分のことを記憶に焼き付けてもらえるようにしたいと思っている」
――足を止めて打ち合う展開になれば武尊選手は強さを発揮します。それはロッタン選手も望むところですか?
「いや、逆に足を止めて打ち合えば自分の方が有利だ。その理由は、技の正確さ、ガードという面においては自分の方が絶対に上だと思っているので、打ち合いになれば僕が試合を終わらせることが出来るだろうね」
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間違いなく激闘になる
――今回の試合は3分5R。ムエタイのように5Rの中で相手をコントロールしたり、駆け引きをしたりするのではなく、3分3Rのつもりで倒しに行く試合をしますか?
「3Rでも5Rでも最初から倒しに行くよ。特にONEでは一番短い時間で倒した選手にはボーナスが出るので、もちろんそれも狙っていく」
――それでも3分5Rの経験はロッタン選手の方があります。この点では自分の方が有利だと思いますか?
「もちろんそう思う。ムエタイでは5Rが普通だし、ONEでも5Rの試合で5度の防衛に成功している。5Rで戦う経験値は全然自分の方が上なので、自分が有利なのは間違いない」
――ラジャダムナンとルンピニーの王者やランカーが、武尊選手を始めK-1では何人も敗れています。それでもキックボクシングルールで自分が勝つとの自信は揺るぎませんか?
「ムエタイとK-1ではルールもレフェリーもジャッジの見方も違うので、選手は自分が勝ったと思っても結果は違うことがあるのは仕方がない。でもムエタイの選手だったらルールの違いを勉強して習得して、そのルールに則った練習を重ねれば絶対に勝てると思う」
――武尊選手はムエタイの選手を3人もKOしていますが、それはロッタン選手との試合に関しては全く参考にならない?
「武尊がこれまでタイ人を多くKOしてきたことはもちろん知っている。でも自分と対戦してみたら、そう簡単にはいかないことを思い知ることになるだろうね」
――ズバリ、この試合はみんなが期待しているような、2人がぶつかり合うような激闘になりますか?
「もちろんだよ。今回の試合は観客がヒートアップする凄く面白い試合になることは確実だ。間違いなく激闘になるから、それを楽しみにしていてもらいたいね」
――今は武尊戦に集中していると思いますが、その後の目標ややりたいことなどはありますか?
「武尊に勝った後はもちろんチャトリ代表次第だけれども、自分としてはONEでキックボクシング王者を目指したいと思う。その後はいろいろな新しい経験をしてみたいと思っているので、階級を上げて挑戦するとか、MMAに挑戦するとか、常にチャレンジしていきたいね」
――最後に「ロッタン」というリングネームの意味を教えてもらえますか。
「ロッタンはタイ語で『戦車』という意味で、頑丈で絶対に後ろに下がらない、水の中だろうと泥の中だろうと突き進むって意味が込められているんだよ」