キックボクシング
レポート

【ジャパンキック】吉成名高が“神業”でKO、年内にビッグマッチ予告。永澤サムエル聖光はピンサヤームに苦戦ドロー、瀧澤博人は元WBC&IBFムエタイ世界王者に敗れる

2023/11/26 20:11
ジャパンキックボクシング協会「KICK Insist 17」2023年11月26日(日)東京・後楽園ホール ▼第13試合 メインイベント3 日泰国際戦52.5㎏契約 3分5R〇名高・エイワスポーツジム(エイワスポーツジム/ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者)TKO 2R 0分25秒 ※左ハイキック×ルンサックノーイ・シット二ワット(タイ/元ムエサイアム・スーパーフライ級王者)  トリプルメインイベントのトリは、既報通り昨年11月大会から1年ぶりにラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者の名高・エイワスポーツジム(=吉成名高/エイワスポーツジム)が参戦し、ルンサックノーイ・シット二ワット(タイ)と対戦する。  ルンサックノーイは現在ONEで活躍しているONEフェザー級ムエタイ世界王者タワンチャイと105ポンド(ミニフライ級)時代に対戦し、勝利しているという元ムエサイアム・スーパーフライ級王者。  1R、ルンサックノーイは名高に何度も軸足払いを仕掛けるが、名高は絶妙なバランスで倒れない。逆に名高はルンサックノーイの蹴り足をキャッチしてコカすと場内から拍手が起きる。名高は左ローを強く蹴り、右の三日月も入れる。  2R、ジャブを突く名高にセコンドの中川会長から「もうギアを上げていいぞ」との声が飛ぶと、名高はルンサックノーイの左ミドルをキャッチすると一瞬引いて崩し、放すと同時に左ハイキック。そのルンサックノーイの蹴り足が戻る前に左ハイキックがさく裂し、ルンサックノーイを完全KO。名高自身も倒れ込むほど、強烈な一撃だった。  このあまりにも速い“神業”に場内は大きくどよめく。見事なKO勝ちで26連勝を飾った名高は「今回のルンサックノーイ選手は上手い選手で試合前は警戒していたんですが、こうして最高の形でフィニッシュ出来てほっとしています。12月に大きな試合を控えているんですが、今年もう1試合するので、この後の発表を楽しみにしていてください」と、12月にビッグマッチを予定していることを明かした。 [nextpage] ▼第12試合 メインイベント2 日泰国際戦61.4㎏契約 3分3R△永澤サムエル聖光(ビクトリージム/WMOインターナショナル ライト級王者)ドロー 判定0-1 ※29-29×2、29-28△ボム・ピンサヤーム(タイ/BOMスポーツジム大分/元ルンピニースタジアム認定バンタム級&スーパーバンタム級王者)  永澤は新日本キックボクシング協会で日本ライト級1位まで昇りつめ、トップランカーとして活躍。ジャパンキック旗揚げ後は2020年1月大会で興之介を右フックでマットに沈めて第2代ライト級王座に就き、9月にはNJKFで鈴木翔也からダウンを奪っての判定勝ちでWBCムエタイ日本統一バンタム級王座も獲得した。2021年11月、トーンミーチャイを左フックで豪快KO。2022年2月に健太の挑戦を受けてWBCムエタイ王座の初防衛に成功すると、3月には元MAX MUAYTHAI 61.5kg王者パランラックに判定勝ち。7月にWMOインターナショナル王座決定戦をコンデートと争い、判定勝ちで三冠王となった。  ピンサヤームは2009年6月に初来日して以来、日本人選手を相手に圧倒的な強さを見せつけ、“日本人キラー”の異名を持つ。2018年9月に一度引退試合を行ったが、2019年12月に復帰。ヘンリー・セハスから延長戦の末に勝利を収め、2020年12月にはHOOST CUP日本ライト級王者にもなっている。2022年4月のBOMで初挑戦のオープンフィンガーグローブマッチでライヤマンを2RでTKOに破り、7月には梅沢武彦を判定で破ってBOMスーパーフェザー級王座に就き健在ぶりを示した。  1R、長澤は左ローを狙い撃ち。コンビネーションの最後にも左ローを蹴る。ピンサヤームが強いジャブを打てばジャブ、右ストレートにも右ストレートを返す。  2Rも左ローを狙い撃ちする長澤は左ボディ、左三日月でボディも攻める。左ハイで長澤を脅かせるピンサヤームは強い右ミドルも蹴るが、終盤、長澤の右ストレートにグラつく。そこで退かずに打ち合いに行くピンサヤーム。  3Rも長澤の左ローが何度も決まり、ダメージも感じさせるピンサヤーム。それでも前へ出て右ミドルを蹴り、右ストレートを狙っていく。ここまでは完全に長澤のペース。しかし、前へ出るピンサヤームの右フックがついに長澤を捉え、長澤がグラつく。一気に左右フックで倒しに行くピンサヤームに長澤も打ち合うが、ダウン気味のスリップ。  立ち上がった長澤へピンサヤームが襲い掛かり、左右フックの猛攻で再び尻もちをついたがフラッシュとしてダウンにはならず。判定でドローが告げられると場内からは一斉に「えーっ?」という疑問の声。それほどまでに最終Rのピンサヤームの猛攻はインパクトが強かった。ピンサヤームは笑顔で歓声に応えた。 [nextpage] ▼11試合 メインイベント1 日泰国際戦57.5㎏契約 3分3R×瀧澤博人(ビクトリージム/WMOインターナショナル フェザー級王者)判定0-2 ※29-30×2、29-29〇ペットタイランド・モー.ラチャパットスリン(タイ/元WBC&IBFムエタイ世界スーパーフライ級王者)   トリプルメインイベント第1試合では、同じく7月大会で勝利し、7連勝となり試合後マイクで「11月に夢の足掛かりになる試合をお願いします」とアピールしたWMOインターナショナル フェザー級王者の瀧澤が、元WBC&IBFムエタイ世界スーパーフライ級王者でTrue4Uスーパーフライ&バンタム級王者の強豪、ペットタイランドと57.5㎏契約で対戦。  瀧澤は2014年10月に新日本キックボクシング協会日本バンタム級王座に就いたが、2017年5月に3度目の防衛に失敗。2018年9月にはKNOCK OUT参戦も果たしている。2020年8月大会でNJKFフェザー級1位・小田武司にヒジ打ちによるTKO勝ち、11月大会ではジョムラウィーに勝利してWMO王座を獲得した。シンガーソングライターとしてライブ活動もしていることから、“歌うキックボクサー”と呼ばれている。  1R、身長差がある両者。リーチに優る瀧澤はペットタイランドのローやミドルをかわして右ロー&ミドルを蹴り返していく。ペットタイランドは右ミドルが当たり始めると、徐々にミドルの威力を強めていった。  2R、右ミドルを蹴って来るペットタイランドに瀧澤は徹底的に右ローを返していく。それまでほとんどパンチを出さなかった瀧澤がいきなり右ストレートを繰り出し、ペットタイランドは後方へフラついた。  3R、右ミドルをバンバン蹴るペットタイランドに対し、瀧澤は左右ボディ、右ボディを放つ。瀧澤は右ローを蹴っていくが決定打になるまでは至らず、判定2-0でミドルで主導権を握ったペットタイランドが判定2-0で勝利した。
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