キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】初参戦目前のぱんちゃん璃奈「KNOCK OUTの女子エースにならないといけないと思ってます」

2019/08/13 19:08
2019年8月18日(日)東京・大田区総合体育館で開催されるKNOCK OUT『K.O CLIMAX 2019 SUMMER KICK FEVER』。  同大会で唯一行われる女子マッチ、REBELSルール46㎏契約3分3Rで祥子(JSKキックボクシングジム)と対戦するぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)のインタビューが、主催者を通じて届いた。  KNOCK OUT初参戦に伴いキックボクシングを始めたきっかけから話すぱんちゃんは、小学6年生の時に『AKB48』の1期生オーディション(2005年)で最終面接まで行ったことも明かした。また、意識している選手には那須川天心の妹・那須川梨々、シュートボクシングのMISAKIと女神などの名前をあげ、「REBELS、KNOCK OUTでベルトを作ってもらって獲りたいですし、他団体のチャンピオンと勝負したい」と、早く王者になって王者対決をすることを目標に掲げた。 キックをやる前はこういう競技があることも知らなかった (C)KNOCK OUT――キックボクシングを始めたきっかけから教えて下さい。 「キックを始める前は水泳、陸上をやっていて、21 歳の時に大阪から上京し、当時は大人のバク転教室に通い始めました。その教室ではバク転、アクロバット、アクション、殺陣を習っていました。アクションでは蹴り技などの技を習っていて、その延長戦上で蹴りのフォームをもっと綺麗にしたいと思いはじめ、エクササイズも兼ねてキックボクシングジムを探していたところ、家の近所にストラッグルジムがあったので 22 歳の時に入会しました。ちなみにキックをやる前はこういう競技があることも知らなかったですし、K-1などもテレビで見たことはありませんでした」 ――バク転、アクロバットを習ったのはアクション俳優になりたかったのでしょうか? 「使い道は正直ないのですが、“特技=バク転”と言うとカッコいいなと思って始めました(笑)。当時は熱中するものがそれ以外になかったので、毎日が楽しくて教室には通ってました。でも、着地に失敗して首のムチ打ちなどのケガが多く、何で私はこういうことをやっているんだろう? と思うことも多々ありました(笑)。ちなみに、キックを始めてからは全く練習していないのでもう怖くてバク転は出来ません(笑)」 ――アマチュアキック経験はどのくらいありますか? 「アマチュアでは1年で12戦(11勝1敗)やりました。ストラッグルに入会してから周りの人がアマチュアで試合をしているのを見て試合をすることに憧れを持つようになり、5カ月後に初めて試合をさせてもらいました。他人に殴られたことがないのでめちゃくちゃ怖かったですし、頭が真っ白になってしまいその時のことはほとんど何も覚えていません。その後、ストラッグルにいるプロ選手に憧れるようになり、プロになりたいという目標が出来ました」 ――プロになることに両親は反対しなかったのでしょうか。 「ジムに入会して2カ月後、家族のLINEグループに『私、キックボクサーになるよ』と送ったんです。そうしたら冗談だと思ったのか、『何を馬鹿なことを言ってるの!?』という返信でした(笑)。最初は信じてもらえなかったのですが、アマチュアの試合に出た時は凄く心配してくれて『趣味だけにしとったらええねん。試合は出らんでええ』と言ってましたね。ちなみに三人兄弟で兄と姉がいて、私は末っ子だけに小さい頃から一番可愛がられ甘やかされたことで、このように我がままな子に育ってしまいました(笑)。  両親は将来、私に女優になってもらいたかったようで 6 歳の時から CM のオーディションとかを受けさせられてましたが、とにかく落ち着きがなくてカメラの前に座らせられてもどこかに走っていってしまい、オーディションさえも受けられない状態だったようです(笑)。あと、今までにインタビューで言ったことはないのですが、小学6年生の時に親が勝手に AKB48の1期生のオーディションに応募していて最終面接までいったんです。私は全然アイドルに興味がなく水泳に夢中だったのでその面接は辞退しました。私は小さい頃、歌は音痴なんですが漠然と歌手になると思ってました(笑)」 ――両親は会場に来て試合を見られたことは? 「まだ生で観られないというので、勝ったという報告をした後に動画を見せています。今度のKNOCK OUTには観に来てくれるというので、アマチュア含めて17 戦目で初めて観戦してくれます。私がプロでやることに反対はしていないのですが、アマチュアの時はずっと『負けていいからガードを高くしなさい』と言っていて、今は『絶対に勝ってね』と送ってくれるので嬉しいですね。毎回試合動画を見せて毎日必死に練習していることも知っていますし、実家に戻ったときもずっとキックの動画を見ているのでようやく私が本気でやっているのをわかってくれたのかなと思います」 ――6月のREBELSでのパク・シウ戦では目に青タンが出来ていましたが、そういう痛々しい姿を見ると両親は心配するのでは? 「親は私のことがかわいくて仕方がないので『何で相手はそういうことをするの?』と凄く怒っていて(笑)、わざとじゃないんだよ!となだめたのですが『お母さんは怒る!』といい、私の青タンの顔写真を見せたら泣いてました……」 [nextpage] お金はいくらあってもキックにかけられる ――取材される機会が増えたり、7月26日に発売された『ヤングアニマル』では水着グラビアに掲載されるなど去年とは違って忙しい日々が続いていると思います。この変化をご自身ではどのように捉えてますか? 「今年2月にプロデビューしてまだ5カ月しか経っていないですし、まだ実力も伴ってないのに、この変化にビックリしています。以前からキックボクシングはマイナーなスポーツだと周りから聞いてましたし、他のプロスポーツと比べても稼げないとは聞いていたので、ここまで取り上げられてありがたい気持ちでいっぱいです。ちなみにグラビア撮影の時は最初の10分ぐらいは緊張していたのですが、その後はノリノリになって楽しくやっちゃってました(笑)。グラビアデビューして、両親は凄く喜んでくれていました。 (C)ヤングアニマル 今後もキック一本でやっていきたいのでお金も必要になってきます。パーソナルジムの練習やケアなどの費用に充てるためにもお金が必要であって、ファンをたくさん付けてチケットを売りたいですし、色んなメディアに出ることが重要になります。私はお金はいくらあってもキックに懸けられると思っています。  選手生命も短く私はキックを始めた年齢が遅いので、その分、人の何倍も効率良くしていかないといけません。試合前には必ず点滴を打ったり、酸素カプセルに入って疲労を抜いたり、マッサージをするというのはやはりお金を懸けないと出来ないこと。そうすることで少しでも勝てる確率は高くなると思うので、そういうのにはお金を惜しまないようにしたいと思っています」 ――何歳ぐらいまでキックを続けたいというのはあるのでしょうか? 「22歳の時に始めてから10年はやると決めていて 32歳までやるので、あと7年間はやりたいですね」 (C)KNOCK OUT――最近の女子選手はジュニア時代から格闘技を始めていて、プロデビューしてもすぐにトップ戦線で活躍しています。そういう選手と比べると、遅いスタートになりますがご自身は負けないようにどのようにしてカバーしたいと思ってますか? 「私はアマチュア時代もプロになってもそういう選手に勝てているので自信にはなっています。キャリア40戦の選手とやるとなると違ってはきますが、キャリア10年ぐらいの選手が相手だと努力次第で関係ないんだなと思っています。私は小さい頃から格闘技はやっていませんが、今までやってきた競技で 1 番になるために死に物狂いで毎日運動をやっていました。  他の選手も何時間も練習しているでしょうし、差を埋めるために人よりも努力してきたか? と言われたらわかりませんが、私はただ効率のいい練習が出来るように、遊びにいかないなど一切他のことには体力を使わないようにはしています。自分がどこまでキックでやれるのか、挑戦し続けていきたいです。今は無敗ですが、いつか挫折するというのはわかってますし、いつか限界だと感じることもあると思いますが、常に本気で挑戦し続けたいですね」 ――1年後はどうなっているんでしょうね。 「1年前はまだアマチュアでしたからね。1年後はもしかしたらRIZINに出ているかもしれないですし、骨折して休養しているかもしれません。先がわからなくても必死になれるので面白いですよね。今、大きな格闘技イベントで多くの人が見ているのが、RIZINだと思います。KNOCK OUTがそれぐらい大きくなると信じていて、多くの人に自分の試合を観てもらえるようになりたいですね」 [nextpage] 他団体のチャンピオンと勝負したいです ――今回KNOCK OUT初参戦となりますが、どのような印象がありますか? 「最初にお話を聞いた時は、あのKNOCK OUTに出るの!? 3分5Rの試合に出るの? と思いましたね。今は新体制となり、REBELSの代表として出させてもらえると思っているので自分はホームリングだと思っています。こんなに私のことを推してもらっているので、KNOCK OUTの女子エースにならないといけないと思ってます。これから若くて強い選手がどんどん出てくるので、頑張って必死に喰らいつくしかないですよね。KNOCK OUTで負けるようなことがあれば、誰からも期待されないと思うので、まずは勝ち続けることが重要だと思ってます」 ――今回の相手、祥子選手についてはどのような印象がありますか? 「前回(2019年6月9日、パク・シウ戦)も前々回(2019年4月20日、Sae_KMG戦)もキャリアが10戦ぐらいの選手が相手でした。祥子選手は綺麗な戦い方をされるので私的には凄くやりやすいですね。あと、3分3Rなので倒すチャンスも増えます」 ――憧れの選手はいますか? 「私は凄いと思う選手はそんなにいないのですが、ずっと那須川天心君は凄いなと思って試合を見ています。動きが凄いですし、プロデビューしてからも負けなし(7月21日時点で 37戦無敗)、KO勝ちが多いのが魅力的ですよね」 ――同階級で意識している選手はいますか? 「MISAKI選手、那須川梨々選手など 46kg級の選手です。あと、女神選手です。彼女は一番戦い方が綺麗ですし、アマチュアの時から全部試合をチェックしていて、7月の Girls S-cupも会場で見ていました。ああいう綺麗な戦い方をする選手が他にいないので参考にしたいといつも思っています。  私はマススパーだと綺麗な戦い方を出来る時もあるのですが、試合ではぐちゃぐちゃな戦い方になってしまいます。私が勝ち続ければそのうちそういう選手と戦うことになるので、もっと自分のレベルを上げないと今のままの自分では厳しい戦いになると思います。半年、1年練習すれば勝てるとも思っているので楽しみです。そういう名前のある選手と戦えば、周りも『おっ!』と驚いてくれるでしょうね」 (C)KNOCK OUT――続ける上での最終目標は何でしょうか? 「みんなそうだと思うのですが、ベルトを獲りたいですね。そして自分のホームのREBELS、KNOCK OUTでベルトを作ってもらって獲りたいですし、他団体のチャンピオンと勝負したいです。今の自分の戦いには満足していないので、早く強くならなきゃいけないという焦りはありますが、早くベルトを獲りたいという焦りはありません」 ――ちなみにリングネームにはどういう意味がありますか? 「ドラゴンボールの孫悟空の孫娘から取りました。20歳の誕生日の時に、ドラゴンボール好きの友達とドラゴンボールを見ていた時に『ぱんちゃんに似てるね!』と言われたんです。それから嬉しくなってLINE名をぱんちゃんに変えて、みんなにぱんちゃんと呼んでもらってました。ツイッターを始めたときも、ぱんちゃんで、プロデビューする時はぱんちゃんを外すことは考えられませんでしたね。ドラゴンボールを書かれている鳥山明先生に反応されたことですか? ないです(笑)。そこまで行くにはまだまだですね。もしドラゴンボールが実写版で映画化されたら私がぱんちゃん役で? ずっとファンのままでいたいですし、キャラクターのイメージが壊れるので止めておきます(笑)」 ――ファンにメッセージをお願いします。 「試合前はかなり緊張するのですが、『ぱんちゃん、頑張れ!』という皆さんの声はよく聞こえます。こんなに応援してくれる人がいるんだ!? と思うと自分を奮い立たせられます。出来る限りの大きな声で応援していただけるとより一層頑張れるので声援を下さい」
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