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レポート

【Bellator】ISAO、7年5カ月ぶりのサークルケージで判定負け、Bellator初勝利ならず

2023/11/18 09:11
【Bellator】ISAO、7年5カ月ぶりのサークルケージで判定負け、Bellator初勝利ならず

(C)Bellator

 2023年11月17日(日本時間18日)の『Bellator 301: Amosov vs. Jackso』シカゴ・ウィントラスト・アリーナ大会(U-NEXT配信)で、第8代フェザー級キング・オブ・パンクラシストのISAO(NEVER QUIT)が7年5カ月ぶりにBellator復帰。フランスのイブ・ランドゥーに判定負けした。

▼フェザー級 5分3R
〇イブ・ランドゥー(フランス)20勝9敗
[判定3-0] ※30-27×3
×ISAO(NEVER QUIT)第8代フェザー級KOP 27勝6敗2分

 ISAOは、MMA27勝5敗2分。2017年12月からPANCRASEで6連勝中。2017年12月に元UFCの粕谷優介に判定勝ちすると、2018年4月の松嶋こよみ戦で反則のヒザ蹴りを受けてフェザー級暫定王座を獲得。2019年5月に正規王者のナザレノ・マレガリエに判定勝ちで王座統一を果たすと、2019年10月にカイル・アグォンとの再戦にして2度目の王座防衛戦で判定勝ち。2020年7月にアキラに判定勝ち後、2021年5月の前戦で中島太一に判定勝ちで、3度目の王座防衛に成功していた。

 ISAOのBellator参戦は2度目。1度目は2015年10月にゴイチ・ヤマウチを相手に3R 一本負け後、2016年6月のジャスティン・ローレンス戦で2R TKO負けでリリース。当時は北米の壁に跳ね返されたが、勝ち星を積み上げ、35歳での再挑戦となる。

 一方、RIZINにも参戦したイブは、MMA19勝9敗(5KO・TKO/5SUB)で現在Bellator欧州で3連勝中。2004年にブレイクダンスのフランス大会で優勝し、世界大会で2位入賞。さらに05、06年には欧州チャンピオンシップで2連覇を達成後、09年にキックボクシングのフランス王者になると、10年4月にフランスの100% FightでプロMMAデビューし7連勝。13年には散打でフランス王者にも輝いている。

 16年5月に100%Fightライト級王者に。17年3月にロシアProFC 62でRIZINアゼルバイジャン大会に参戦するアリ・アブドゥルカリコフに判定負けも、その後も4連勝。2019年8月にRIZIN初参戦で上迫博仁と対戦し、左ハイでグラつかせるもシングルレッグに右ヒザを合わされバックマウントからのパウンドでTKO負け。その後、Bellator欧州大会で4勝1敗と大きく勝ち越している。

 2021年10月に、Bellator4勝1敗1分で唯一の黒星がブレント・プリムス戦というティム・ワイルドに判定負けしたランドゥーだが、その後、現在まで3連勝中で、なかでも2022年10月に現在UAE Warriors2連勝中のウォルター・コグリアンドロに判定勝ちした試合では、力強いダブルレッグテイクダウンから得意のキムラを狙うなど、組み技・グラウンドでも極めを狙う強さを見せている。

 身体能力の高さが際立ち、2020年10月のテリー・ブレイザー戦では、スイッチを繰り返すなかで右スーパーマンパンチからの左ハイという大技でブレイザーを金網に詰まらせると、ブレイザーの組みに右から左の二段跳びヒザを合わせてKO。マット上の勝利のブレイクダンスを見せている。

 RIZIN参戦時は捨て身となる跳び技が多かったが、現在ではスイッチヒッターで左右の二段蹴りや左ハイなど遠い間合い、近距離でも打撃を持ち、ケージレスリングも厭わないランドゥーは、初来日から4年が経った37歳にして円熟の進化を見せている手ごわい相手だ。

 現在、Bellatorには堀口恭司(ATT)、渡辺華奈(FIGHTER'S FLOW)、菊入正行(NEVER QUIT)が参戦中で、ISAOは4人目の日本人選手となる。


 ISAOのセコンドは安藤晃司NEVERQUIT代表。ランドゥーには、“ザ・スネーク”シリル・ディアバテがつく。

 1R、ともにサウスポー構え。先に左ローを蹴るISAO。ランドゥーはそこに右を合わせに行く。ランドゥーの左ローはかわしたISAO。ランドゥーはオーソにスイッチして前に。ISAOの左ローに右を振る。ブロッキングのISAO。

 サウスポー構えに戻すランドゥー。オーソになったランドゥーに左ローは空ぶりのISAO。ランドゥーはオーソに戻して右ロー。右ハイはかわしたISAOは右ジャブから左ボディストレートを見せるがまだ遠い。

 いきなりの左を伸ばすISAO。かわすランドゥー。ISAOはレベルチェンジで頭を下げて入りのフェイント。ランドゥーのワンツーの左をダッキングしてかわして前に出ると左ミドルをヒット。返しの右はブロッキング。

 ニータップで前に。右で差してケージに押し込むISAOに、ランドゥーは左小手巻き。左手を組ませないランドゥーは体を入れ替えるが、ISAOは大内刈で崩して右で差して前に。ここも体を入れ替えてケージに押し込むランドゥー。

 頭が下がったところに両ヒザ蹴りを突くISAO。嫌ったランドゥーはダブルレッグに入ると左で小手を巻いたままスプロールするISAO。右で差しているランドゥーは押し込み。いったん体を入れ替えるISAOだが、すぐに回して戻すランドゥーは右で脇差し、ISAOの右で差されている左手を股下に差し込み持ち上げて、右手は左足を掴んでハンドルのように回してテイクダウン!

 すぐに金網に上体を立てるISAOの左足を自身の片ヒザ立ちの腿の上に乗せるランドゥー。パスする形となりバックにつくと、ISAOはすぐに立ち上がり。それを後方に引き込み再び倒すランドゥー。またすぐに立つISAO。クラッチを剥がそうとするISAOに左ヒザを突くランドゥー。ヒットはしないが後手になるISAO。

 アームロックで返そうとするISAOに、ランドゥーは左足をかけて右手でISAOの右足首を掴んで引いて崩す。ここも亀にならずすぐに立つISAO。クラッチを剥がすとその正対際にランドゥーは左ハイ。ブロックしてすぐに前に詰めるISAOだがゴング。ランドゥーのラウンドに。

 2R、ともにサウスポー構えから。先に左ローを当てるランドゥー。右ローを当てるISAOにすぐにワンツーから左ハイを当て返すランドゥー! ISAOの上体を上がったところをすぐに詰めてワンツーの左でバランスを崩してダウンを奪うと、すぐに立つISAOはシングルレッグへ。

 回してテイクダウンを奪うISAO。左脇に頭を突っ込み、ボディロック。金網に這うランドゥーの左足を右ヒザ上に乗せて腰を抱いて、左足を持ち上げて背中を着かせる。

 中腰からパウンドのISAO! 下から蹴り上げるランドゥーにインサイドガードに入るISAO。金網使い立つランドゥーをボディロックして再び押し込み、サークルケージの真ん中に向けてテイクダウンするISAO。左手を差し込みスイッチを狙うランドゥーに、その左手のつっかい棒を引き寄せて背中を着かせたISAO。

 ハーフから押さえ込むISAOに、左足を二重がらみでロックダウンするランドゥー。差した左肩で肩パンチのISAO。頭のプレッシャーに抱え込むランドゥーに左で細かいパウンド。左ヒジを押し込み、細かくグラインドするが、大きな打撃を落とせず。ランドゥーに背中を着かせたままゴング。

 2Rは序盤の左ハイを当てて、ワンツーでフラッシュダウンを奪ったランドゥーに、ボディロックテイクダウン、細かいパウンドのISAOだったが削り切れず。ポイントはランドゥーか。解説席のジョン・マッカーシーは2RをISAOにつけたが……。

 3R、ISAOの左インローの打ち終わりにワンツー左ハイの2Rと同じコンビネーションを見せるランドゥー。ブロックするISAOはランドゥーの入りに左をヒット! 片ヒザをマットに着いたランドゥーだが、すぐに立て直す。

 詰めるISAOは、シングルレッグに。片足立ちでキムラクラッチにランドゥー。右足を両足に挟んで抱えて、足を抜きに来たランドゥーの右足を肩口まで持ち上げてテイクダウン!

 ここで尻を着きながらもすぐにスクランブルでシングルレッグに入るランドゥー。右で小手巻きバックを譲らず正対してがぶるISAOは立つランドゥーをがぶりながら右ヒザ。

 首を抜いて離れるランドゥー。先に右ジャブはランドゥー。ISAOもワンツーの右で飛び込み。ランドゥーは右前蹴り。かわすISAOにそのままオーソのランドゥーに、ニータップを仕掛けるISAO。

 ケージまで押し込むISAOのシングルレッグにキムラを狙うランドゥー。前転したISAOは下に。ハーフでクラッチは掴んだままのランドゥー。左ももを掴んで回させないISAOは腰を引こうとするが、再びキムラクラッチを外に持って行くランドゥーにISAOは受けの展開に。

 腕を外して足を手繰ろうとしたISAOだが、取らせず潰して再び背中を着かせるランドゥー。頭をまたいでのキムラを狙うと背中側に回そうとするランドゥー。いったん亀になろうとするが、ISAOは背中を着いて防いでゴング。最終回をニアフィニッシュで落とした。

 判定は3-0(30-27×3)、3者フルマークでランドゥーを支持して勝利。ISAOは7年5カ月ぶりのBellatorで初勝利を掴めず。厳しい敗北となった。

 ランドゥーはケージのトップからムーンサルトで着地。マット上で勝利にブレイクダンスを披露した。

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