キックボクシング
レポート

【KNOCK OUT】小笠原が延長戦で強豪ウィンに判定負け、初のOFG大会はエースが敗れる波乱の船出に。不可思がデンサヤームに完敗、重森陽太がTKO勝ち、乙津陸がサンチャイに不覚、古村匡平がバットマンからダウン奪う

2023/11/05 18:11
MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.5 “RED ZONE”2023年11月5日(日)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第8試合)スーパーファイト KNOCK OUT OFG-REDフェザー級 3分3R延長1R×小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級王者)延長R 判定3-0 ※9-10×3〇ウィン・シットチェニイム(タイ)※本戦の判定は28-29、30-29、29-29。  小笠原はジュニアキックで活躍後、2011年7月にプロデビュー。2013年5月にプロ9戦目でREBELS-MUAYTHAIフライ級王座を獲得したのを皮切りに、REBELS52.5kg級王座、ISKA K-1ルール世界バンタム級王座、KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座、同フェザー級王座を次々と獲得。今年3月には2022年ムエタイMVPでルンピニースタジアム3階級制覇を達成しているロンナチャイをダウン寸前まで追い込む完勝を収めた。6月にはトンミーチャイに判定勝ち。8月に『ONE Friday Fights』に初参戦するとヨッドウィッタヤに31秒でKO勝ちした。サウスポーから放たれる左ストレート、左ミドルキックが得意。戦績は43勝(21KO)7敗1分。  ウィンはボクシングアジア大会優勝の実績を持ち、ムエタイ戦績は65勝(25KO)20敗。ONEでOFGマッチの経験あり。ウィラサクレック会長の推薦を受けての出場となる。  1R、両者サウスポー。序盤から左ローで攻めていくのは小笠原。左フックからの右フック、ワンツーからの右とパンチも当たる。ウィンがオーソドックスに構えを変えると、小笠原は左ボディを見舞う。ウィンは強い左ミドルを蹴ると、組んで首相撲で小笠原を崩す。小笠原は右ミドル、左インローを蹴っていく。  2Rになるとウィンもアグレッシブに右の蹴りを連打。ミドル、ロー、ハイと蹴り分ける。これに小笠原は左ローを蹴り、左ストレートで突っ込む。小笠原の強い左ローに足が流れるウィンだが、強烈な右ミドルでお返し。さらに首相撲からヒザを連打。小笠原がボディを打つとすぐに首ヒザに持ち込む。小笠原は左右ボディの連打、そして左ロー。ウィンは前へ出てきた小笠原へ右ストレートをヒットさせ、小笠原は後退したがヒジを合わせる。ロープを背負う小笠原が左右フックの連打でガムシャラに応戦、ウィンは飛びヒザを繰り出す。小笠原はピンチを凌いだ。  3R、ガンガン前へ出てくるウィンは右ミドルから組んでのヒザ。小笠原は3連dなと左ローをヒットさせるが、すぐにウィンが反撃。小笠原は左ロー、右フック、左ボディ。ウィンは左いドルから左ストレート。左右フックをヒットさせる小笠原だが、ウィンは顔色一つ変えず前へ出てくる。小笠原の強烈な左ボディをもらってもすぐに打ち返して首相撲からのヒザに持ち込むウィン。最後はウィンが左ミドルを蹴って終了。  判定は三者三様のドローで延長戦へ突入。ウィンの右ミドルに右フックを合わせる小笠原だが、ウィンも強烈な右ミドル。小笠原は笑顔を浮かべて前へ出るとボディと顔面へワンツー。ウォンはローを蹴るが手数が減ったか。前蹴りで突き放しにかかるウィンは足払いも。前へ出る小笠原は左右ボディと左右フック。ウィンは下がりながらの右ミドルと首相撲での崩し。ウィンは完全に逃げ切り態勢だ。  判定は3-0でウィンが勝利。打たれ強さ、攻撃の強さ、そして上手さと三拍子そろったところを見せつけた。初のOFGマッチ大会はエースの小笠原が敗れるという波乱の船出となった。 [nextpage] ▼セミファイナル(第7試合)KNOCK OUT OFG-REDスーパーライト級 3分3R延長1R×不可思(クロスポイント吉祥寺/KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級王者)判定0-3 ※28-30×2、27-30〇デンサヤーム・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/M-1 JAPANスーパーウェルター級王者)  不可思は様々な団体で試合を行い、合計5本のベルトを獲得。2019年6月にK-1へ初参戦、佐々木大蔵に流血TKO負けを喫して初陣を勝利で飾れなかったものの、2019年12月には大和哲也にKO勝ち。2020年3月にK-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の安保瑠輝也に挑戦したが判定で敗れ王座奪取ならず。2022年は4月に小嶋瑠久をTKO、9月に大野祐志郎をKOに破ったが、12月に林健太に敗れた。2023年3月、約4年ぶりにKNOCK OUTに出場するとバズーカ巧樹にKO勝ち。戦績は44勝(21KO)18敗2分。  デンサヤームは20歳ながら78勝(8KO)27敗3分の戦績を持つムエタイの猛者。175cmの長身サウスポーで、ロングリーチを活かして蹴り技を得意とする。2019年、タイのテレビ局が主催するムエタイイベント『True 4U』のバンタム級トーナメントで優勝。2020年3月の『K'FESTA.3』でK-1初参戦を果たし、判定負けも武居由樹を長い手足から繰り出すパンチと蹴りで苦しめた。2022年から日本に移住し、ウィラサクレック・フェアテックスジム三ノ輪で練習を続けている。武居戦から3階級上げての参戦となった2022年8月の大沢文也戦では組み付きを多用したため減点となり、判定負け。2023年7月には鈴木勇人に初回KO負けを喫している。  1R、デンサヤームの応援団が異常な盛り上がりを見せる中、デンサヤームは前に出てパンチを打って来る不可思にヒジを打つ。サウスポーのデンサヤームの左ミドルがヒットするたびに応援団から歓声が起こり、デンサヤームは右ヒジを2度ヒット。さらに左ストレートも2発。不可思は仰け反らされる。  2R、右インローを蹴る不可思だがパンチを打つ前にデンサヤームにパンチを当てられ、組まれると崩されて倒れたところにヒザをもらう。パンチをかわされ、ヒジを叩きつけられる不可思。組んでのヒザももらう。不可思のパンチはなかなか当たらず、なぜか組んでしまうためそのたびに首相撲でコカされてしまう。不可思は全くペースがつかめない展開が続く。  3R、前に行くところで左ミドルを当てられる不可思だが、それでも前へ出ていくと首相撲でコカされる。ようやく左を当てrう不可思。デンサヤームは左ミドルを2発当て、組むとヒザ。強引に距離を詰めて左右フックを繰り出す不可思だが、すぐに組みの展開になって連打が出ない。前進を続ける不可思にデンサヤームが3度左ミドルを蹴り、試合終了。  判定3-0でデンサヤームの完勝という内容になった。 [nextpage] ▼第6試合 スーパーファイト KNOCK OUT OFG-RED 61.0kg契約 3分3R延長1R〇重森陽太(Eight Weapons/KNOCK OUT-REDライト級王者)TKO 2R 2分08秒 ※セコンドからのタオル投入×ルンペット・センチャイジム(タイ/センチャイムエタイジム/元ルンピニースタジアム認定スーパーバンタム級王者)  重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。2021年7月にはスアレック・ルークカムイから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者にも輝いた。2023年2月、悲願であったラジャダムナンスタジアム王座に挑戦したが、判定負けで奪取ならず。その後は所属をEight Weaponsに変えて8月のKNOCK OUTに参戦したが、バットマンに判定負けを喫した。  対するルンペットはセンチャイムエタイジムのセンチャイ会長がイチオシするトレーナー兼選手で山口代表の元に何度も試合の相談があったところ今回の参戦が決定。元ルンピニースタジアム認定ミニフライ&フライ級王者の肩書きを持ち、2013年11月のルンピニースタジアム認定スーパーバンタム級タイトルマッチで一戸総太に勝利している。  1R、重森は左ミドルと左ローを蹴っていき、ルンペットは左インロー。ルンペットが前へ出てくると重森は下がりながらジャブを当て、これにルンペットが効いた素振りを見せると重森は一気にパンチのラッシュ。ごつごつとした音がリングサイドに響き、最後は右でダウンを奪う。  2R、ルンペットはさらにアグレッシブに右ストレートから左フックを打つ。さらに蹴り足をキャッチしての左フック。またも下がりながらジャブを当てる重森が右フックでダウンを追加。左右連打を繰り出す重森にルンペットも雄叫びをあげなら打ち返す。前へ出てくるルンペットへ重森が左ヒジのカウンターでカットに成功。流血でドクターチェックになる。  ドクターのチェック中にルンペットサイドからタオルが投げ込まれ、重森のTKO勝ちとなった。マイクを持った重森は「私はずっとスランプに陥っていました。本当にもどかしい気持ちを何年間もしていました。つらいことがいっぱいあるんですけれどたくさんの人が応援してくれて嬉しかったです。今日、新日本キックボクシング協会の伊原代表に来ていただいていて、もっと強くなってから来ていただきたかったんですけれど来ていただいてありがとうございます。私は新日本キックから大きな舞台で戦ってきなさいと背中を押していただいて、来てくださったこと本当に嬉しく思います。人生変えるぞって試合中に飛んできた言葉がめちゃくちゃ響きました。人生変えます」と、以前所属していた新日本キックボクシング協会の伊原代表にお礼を述べた。 [nextpage] ▼第5試合 スーパーファイト KNOCK OUT OFG-REDバンタム級 3分3R延長1R×乙津 陸(クロスポイント大泉/KNOCK OUT-REDバンタム級王者)判定0-3 ※28-30、29-30×2〇サンチャイ・TEPPEN GYM(タイ/TEPPEN GYM/元ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王者)  乙津は2021年10月にプロデビュー。2022年6月には新宿FACE大会のメインイベントを務め、NJKFフライ級1位の谷津晴之を試合終了直前にKOしてみせ、10月には酒井柚樹と大熱戦を展開。12月には第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座決定戦に臨んだが、心直に判定で敗れてプロ初黒星。4月大会で再起戦を行い、優心に完勝を収めた。2023年6月、バンタム級に階級を上げてMASA BRAVELYをKO撃破。8月のKNOCK OUT-REDバンタム級王座決定戦では心直にリベンジして初戴冠を果たした。戦績は9勝(4KO)1敗。  サンチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王者。TEPPEN GYMでトレーナーを務めつつ、大﨑一貴、大崎孔稀、石井一成、白幡裕星ら日本の軽量級トップ選手と対戦してきた。2023年6月にはシュートボクシングで佐藤執斗とOFGマッチで再戦したが、KOで敗れている。  1R、サンチャイはボディロックから乙津を豪快に投げ捨てる。乙津は左ボディ。サンチャイも好戦的にワンツーを繰り出し、両者のパンチが交錯する。サンチャイは右ストレートの強打と左ミドルを使い分け、乙津は左フックで迎え撃つ。  2R、前後にステップを踏みながらパンチを打つ機会を探る乙津に、サンチャイの前蹴りがローブローとなり試合は中断。再開後、右ミドルを蹴るサンチャイに乙津は左フック。右の強いミドルを蹴るサンチャイに乙津は左右フックでのアタックを繰り返し、左三日月を蹴る。サンチャイの横蹴りがまたもローブローとなって中断。再開後、前に出る乙津をサンチャイがボディロックから投げを打つ。  3R、乙津は前へ出て左右フックでアタックを繰り返すが、サンチャイはすぐにボディロックで組み付いてのテイクダウン。乙津は左フックを一発当ててもテイクダウンされ、連打が出来ない。徹底的に組み付いてはテイクダウンするサンチャイ。乙津は最後に左ハイを放って倒しにいったが、サンチャイはブロックして笑顔を見せる。  判定は3-0でコカしまくったサンチャイが制した。 [nextpage] ▼第4試合 スーパーファイト KNOCK OUT OFG-REDスーパーウェルター級 3分3R延長1R×クンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM/KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級王者)判定0-2 ※28-29×2、29-29〇MASATO BRAVELY(BRAVELY GYM/元M-1 JAPANスーパーウェルター級王者)  クンタップはルンピニースタジアムで2位、ラジャダムナンスタジアムで3位(ウェルター級)まで上り詰めた実力者で、その後は日本で活躍。WMC世界ウェルター級王座、M-1スーパーウェルター級王座、WMAF世界スーパーウェルター級王座を獲得し、新田明臣、白須康仁、石毛慎也など国内トップ選手と数多く対戦。2004年にはアンディ・サワーと対戦したほか、MMAにも挑戦して2005年に矢野卓見、2012年に星野大介と戦っている。42歳となった今も現役で、2022年10月にはKNOCK OUTで中島弘貴に勝利、12月には王座決定戦で津崎善郎を破りKNOCK OUT-REDスーパーウェルター級王座に就いた。2023年3月、木村“フィリップ”ミノルにKOで敗れたが、木村の禁止薬物使用で無効試合となっている。戦績は73勝(21KO)18敗9分1無効試合。  MASATOは元WPMF日本ウェルター級王者で九州を主戦場に活躍。KNOCK OUTには2023年3月に参戦して渡慶次幸平に敗れ、6月も津崎善郎に敗れてまだ本領発揮には至っていない。普段は医者。  1R、MASATOはクンタップの蹴りをキャッチして崩そうとしたがクンタップはさすがのバランスで倒れない。首相撲でヒザを蹴り合う両者。MASATOはヒジも狙っていく。クンタップの左ミドルに右フックを返すMASATO。終盤、MASATOは右ボディストレートからヒジをクンタップの顔面へ突き立てる。  2R、首相撲になるとヒジを狙っていくMASATO。クンタップも打ち返し、ヒザの蹴り合いに。右ローを蹴り続けるクンタップにMASATOは右フック。MASATOは右ボディから組んでのヒザ、MASATOが攻勢に出るがクンタップもショートのパンチを連打して前へ。首相撲でヒジを狙い合うスリリングな攻防が多く見られ、終盤には右を当て合った。  3R、MASATOが右ボディストレートを売れば、クンタップは右フックを打つ。そして首相撲でのヒザの蹴り合い。ワンツーで前へ出てくるクンタップ、そして首相撲でヒジの打ち合い、ヒザの蹴り合い。首相撲の戦いで後楽園ホールが沸くのは何年ぶりかというくらい盛り上がる。必死の形相で右フックを繰り出して前へ出るクンタップ。MASATOもボディを打つ。ヒジとヒザの戦いはゴングが鳴ると両者とも手を挙げて勝利をアピール。  判定は2-0でMASATOがKNOCK OUT-RED王者を破った。 [nextpage] ▼第3試合 KNOCK OUT OFG-REDスーパーバンタム級 3分3R延長1R〇壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者)判定3-0 ※30-25×3×片島聡志(Kick Life/元WPMF世界スーパーフライ級王者)  沖縄出身の壱は空手をベースに持ち、ボクシングを経て上京してムエタイを始めた。2008年11月の『MuayThaiOpen』でLPJNバンタム級王座に就き、2019年12月に岩浪悠弥に敗れるまで14連勝をマーク。2022年11月に「第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座決定トーナメント」を制して王者となったが、2023年3月にノンタイトル戦で響波にKO負け。8月の初防衛戦でも古村光に判定2-1で惜敗して王座を失った。戦績は22勝(8KO)9敗1分。  片島は2010年9月デビューのベテランで、元WPMF世界スーパーフライ級王者。2023年2月に藤原あらしを左ハイキックでKOすると、4月には海老原竜二を右ローキックでKOした。戦績は28勝(6KO)20敗5分。  1R、サウスポーから左ミドルを蹴る壱に片島は右インロー。右フックを繰り出す片島に壱は右ヒジを打つが、片島もヒジを返して壱のが眉間から出血。その傷口をパンチで狙っていく片島だったが、ラウンド終了間際に壱が左ストレートでダウンを奪う。  2R、左ミドルを蹴る片島に壱は左ストレートから左ヒジ。壱は左ミドル、ヒザからヒジを何度も繰り出す。片島も積極的にパンチを繰り出すがヒットを奪うのは壱だ。両者とも相手の蹴りをキャッチしての崩しが多い。左ミドルをキャッチした壱は左手で押しながら崩してすかさず左ヒジを見舞う。さらに飛び込んでの左縦ヒジで片島が大きく仰け反る。さらに左ヒジがゴツッと鈍い音を立てて顔面に当たった。  3R、ミドルを空振りした壱はそのまま回転しての後ろ蹴り。フックを打って来た片島に左ヒジをカウンターでヒットさせてダウンを奪う。壱は片島の蹴りをキャッチすると蹴り足を持ったままの左ストレート。左右のストレートを繰り出す片島に壱は左ミドル。パンチを当てる片島は右ハイもヒットさせ、逆転を狙って攻め込むが壱は凌いだ。  判定は2度のダウンを奪った壱が大差の判定勝ちを収めた。 [nextpage] ▼第2試合 KNOCK OUT OFG-REDライト級 3分3R延長1R〇古村匡平(FURUMURA-GYM/大和ムエタイ・スーパーライト級王者)判定3-0 ※28-29×3×バットマン・オー.アッチャリヤー(タイ/元ルンピニースタジアム認定ライト級王者)  古村は幼少の頃よりムエタイを学び、父親が代表を務めるFURUMURA-GYMで本場タイからムエタイの名トレーナーを招き、弟の古村光と共に強さを磨いている。ムエタイ仕込みの強烈なミドルキック、ヒザ蹴り、パンチを武器に、2020年2月に行われた「KNOCK OUT無法島GRANDPRIX」では1回戦で丹羽圭介を破る番狂わせを起こし、準決勝ではバズーカ巧樹に敗れるも3位となった。2023年は4月に強豪スリヤンレックからTKO勝利を奪ったが、9月18日にタイでプロムエタイ協会スーパーライト級王座決定戦をチュースワンと争うも判定負けとなった。戦績は21勝(9KO)5敗1分1無効試合。  バットマンは9歳でムエタイを始めて高校卒業後、ヌアソラニー・サムチャイヴィセツクという名前でルンピニースタジアムデビュー。スパイダーマンに扮したセコンドと一緒にバットマンのマスクを被って入場したことが話題となり、“バットマン”のニックネームが付いた。2019年11月にはルンピニースタジアム認定ライト級王座を獲得。2020年は無敗で7チャンネルスタジアムのファイター・オブ・ザ・イヤー(MVP)を獲得し、2021年3月にはタノンチャイ・フェアテックスを破り、7チャンネルスタジアム認定ライト級王座に就いた。  1R、まずはバットマンが軽く左ハイと左顔面前蹴りを当てに行く。右ハイも。古村が左ボディを打とうとするとバットマンは左フックを合わせた。互いに警戒してかロー&インローの蹴り合いと見合いが続くが、バットマンがいきなりの右を軽くヒットさせた。  2R、パンチからハイキックにつなげるバットマンは、いきなり飛び込んでのバックスピンエルボーを繰り出す。もらってはいないが古村が後手に回っている展開。古村の蹴り足をキャッチして転倒させるバットマン。古村が右ストレートで前へ出るとすかさずミドルを蹴って右ストレートへつなぐ。古村は強い右ローから思い切り右フックを放った。バットマンは笑顔を見せる。  3R、古村が左右ボディをヒットさせると組み付いたバットマンはボディロックから豪快にコカす。古村に打たせてから右のカウンターを狙うバットマン。左フックを空振りさせて右フックを打ち込み、ミドルから組んでのヒザ蹴り。左フック、右フックをヒットさせた古村は組んでバットマンを投げ捨てて一矢報いる。さらに残り時間が少なくなると、意を決したか古村が攻め込み右ボディストレートからの左フックでダウンを奪う。明らかにダメージのあるバットマンにパンチで畳み込んだ古村だが時間切れ。  KOは出来ずとも古村がバットマン超えを達成した。 [nextpage] ▼第1試合 KNOCK OUT OFG-REDスーパーフェザー級 3分3R延長1R×鷹大(ウィラサクレック・フェアテックス西川口/元WMC世界&WPMF日本スーパーバンタム級王者)KO 3R 2分29秒 ※右テンカオ〇優翔(team NOVA)  鷹大はWMC世界スーパーバンタム級、WPMF日本スーパーバンタム級、WPMF日本フェザー級王座を獲得している三冠王。2018年8月からはK-1&Krushに参戦し、小澤海斗や森坂陸らと対戦、2022年9月までに4勝4敗の戦績を残している。通算戦績は23勝(8KO)13敗1分で、山口代表がOFG着用の試合をWSRフェアテックスジムに提案したところ、名乗りを挙げたのが鷹大だったという。  対する優翔は普段タイに住み、練習と試合を重ねているという27勝(5KO)10敗の戦績を持つ21歳で今回『KNOCK OUT』には初参戦となる。  1R、まずは右カーフの蹴り合い。優翔は鷹大の前足への前蹴りを多用する。ジャブ&ローの優翔に鷹大は右ローを蹴っていくが、優翔が顏へ向けて手のけん制をするため入りにくそうだ。序盤はほとんどパンチを出さなかった両者だが、後半になるにつれて右を出すように。  2R、優翔は蹴っていって鷹大が蹴り返そうとするとジャブや右ストレートを合わせようとする。ジャブと蹴りでなかなか入れない展開が続く鷹大は右ローを蹴っていくが、パンチを出そうとすると優翔がその間合いを外す。ローにパンチを合わせに行く優翔がついに左フックをヒットさせ、鷹大は鼻血を出す。終盤には優翔がパンチをまとめる場面も。  3R、強い右ミドルを蹴って前へ出る優翔は左右のヒジも放っていく。優翔の3連打に組み付く鷹大だが首相撲で天狼。ボディを打って来る優翔には鷹大が左フック。テンカオを突き刺す優翔がパンチとヒジで前へ出ると鷹大もフックを繰り出すが優翔の勢いに押され気味。鷹大が左フックで前へ出たところに優翔が右テンカオをグサリと突き刺し、一瞬おいて鷹大は前に崩れ落ちる。  優翔がKO勝ちでKOボーナス30万円を手に。「今回、元日本王者で世界獲っている選手にKO出来たので、自分の階級の王座が空位ですけれどタイトルマッチやりたいです」とタイトルマッチをアピールした。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第4試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級 3分3R〇羽黒慈夢(クロスポイント大泉)KO 1R 2分44秒 ※左ヒザ蹴り×旭野 穂(キャピタルレイズ fightingGlaNz池袋/元KROSS×OVERスーパーフェザー級王者)  1R、両者ともサウスポーから左ローを蹴っていく。羽黒は余裕の笑みを浮かべながら前へ出て右の三日月。旭野が右ローを蹴ってきたところに羽黒が右フックから左フックを売ってダウンを奪う。さらに右フックでグラつかせると左ストレートでダウンを追加。  笑顔を浮かべて前へ出る羽黒はヒザ蹴りから左右フック、ワンキャッチから左ヒザをレバーに突き刺す。ブレイクの後、旭野が倒れて羽黒のKO勝ち。戦績を3戦3勝3KOとした。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第3試合 KNOCK OUT-BLACKフェザー級 3分3R×福田拓海(クロスポイント大泉)KO 1R 2分07秒 ※右フック〇祐輝(OU-BU GYM)  1R、サウスポーから左ストレート、左ミドル、左フックを繰り出して前へ出る祐輝。福田はその左を被弾する場面が目立ち、左ストレートで吹っ飛ぶようにダウンを喫する。勢いよく前へ出て連打から右フックを打ち抜いた祐輝がKO勝ち。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 KNOCK OUT-RED 61.5kg契約 3分3R〇折戸アトム(PHOENIX)判定3-0 ※30-29×2、29-28×塚本勝彦(TORNADO)  1R、左右の前蹴りを多用して右ストレートを繰り出す折戸に塚本は左右ローから右フックを繰り出していく。パンチで前に出る塚本に折戸が右ヒジを打ち、塚本は左目上から出血が見られた。  2R、前に出て右カーフを蹴る塚本に折戸はジャブ、前蹴りで距離をとり、塚本が入ってくるとテンカオ。組むとヒジを打つ。距離をとって戦う折戸に塚本はアタックを繰り返して右をヒットさせるがなかなか距離を詰められない。終盤に折戸をコーナーに追い詰めて連打を繰り出した塚本。  3Rもジャブ、前蹴り、右ストレートで距離をとって戦う折戸に塚本は突っ込んでいき右フック。前へ出て攻めていき大きな一発を当てるのは塚本だが、降り智しっかりと攻撃を当ててカウンターのテンカオも突き刺す。ラスト30秒、左ミドルとローの連打を繰り出す塚本に折戸は首相撲からのヒザを連打。さらに右ヒジ。  両者のスタイルの違いが如実に現れた試合は、41歳の折戸が5勝目をあげた。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーライト級 3分3R〇木村亮彦(クロスポイント大泉)判定3-0 ※30-28×3×吉田圭佑(ウィラサクレック幕張支部)  1R開始と同時に激しく打ち合う両者。先に仕掛けたのは木村だが、ブレイク後は吉田が逆襲。鈴木千裕ばりに左右フックを思い切り振り回す木村に吉田はワンツーで対抗。両者ともに被弾するが一歩も下がらず打ち合う。  2Rも至近距離で打ち合う両者は、ヒザや蹴りも混ぜて徹底的に打ち合う。吉田の右ロー3連発がヒット。左右フックから組み付いてのヒザを一発入れる木村が徐々にペースをつかんでいるか。右ローも強烈に決まる。両者ともかなり消耗した様子だが、それでも攻撃を出して退かない。  3Rはローの蹴り合いを展開する両者。左右フックの木村に吉田はワンツー。思い切りフックを振り回す木村だが、右ローと組んでのヒザは的確にヒットさせる。木村の左フック、左ミドルが快音を発して当たり、吉田は打ち返すが力が感じられない。逆に木村はパワフルなパンチと蹴りを放っていく。  熱戦の決着は判定に持ち込まれ、木村が判定3-0でデビュー戦に続いて勝利を収めた。
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