RISE 1722023年10月29日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第12試合) RISEフェザー級(-57.5kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R〇門口佳佑(EX ARES/第5代RISEフェザー級王者)判定3-0 ※49-47、50-47×2×魁斗(/立志會館/挑戦者・同級1位)※門口が初防衛に成功。
門口は『ABEMA』で行われた企画『VS 那須川天心』でトーナメントを勝ち上がり那須川天心と対戦したことで名をはせた空手出身の選手。その後、RISEで2018年7月にプロデビューすると、攻撃力の高さを活かして9戦無敗(1引き分け)を誇っていたが、2020年12月のフェザー級王座次期挑戦者決定戦で竹内将生に敗れ、挑戦権を逃した。2022年8月のRISEフェザー級タイトルマッチに臨むと梅井泰成から2度のダウンを奪い王座を奪取。12月にはSBの山田彪太朗と好勝負を演じて2度のダウンを奪っての判定勝ち、2023年3月には元Krush王者の新美貴士にも判定勝ち、7月もSBの川上叶を判定で破り他団体を相手に3連勝。戦績は14勝(2KO)2敗1分。
魁斗は立志會館・坂口立起館長の実子で“西の天才”と評されている21歳のテクニシャン。2020年2月のSB後楽園大会で笠原友希に再延長戦で惜敗するまでは負けなしの8連勝を記録。11月のRKSスーパーフェザー級タイトルマッチで王者・兼田将暉に勝利し初戴冠。2021年7月にはRISEで門口佳佑からも勝利を収め、10月にはHOOST CUP日本フェザー級王座に就いて二冠王に。しかし、2022年4月のSB日本フェザー級王座決定戦では川上叶に敗れた。2023年2月、前RISEフェザー級王者・梅井泰成に勝利してトップランカーに踊り出ると、8月には王座挑戦者の有力候補であった安本晴翔をも判定で破った。戦績は14勝(1KO)3敗。
王者・門口はリングサイドに陣取ったK-1 WORLD GPフェザー級王者・軍司泰斗の前を通って入場。
1R、魁斗のジャブを額で受ける門口は右ローを返す。サウスポーになった門口は左ミドルと左ストレート、魁斗は右ローからの右ストレート。右ローに狙いを絞る門口に魁斗は細かくパンチをまとめる。コンビネーションで手数の多い魁斗はヒットを奪うが、門口も大きな一発を返す。ブロックする門口に対し、魁斗は相手の攻撃をもらってもすぐに攻撃を多数返す。オープンスコアは10-9で魁斗、10-10×2。
2R、魁斗は右ローを蹴って細かく手数を出してそれを当てていく。門口が強い左ボディを打っても左ボディを返し、門口が右ローを蹴ると右ストレートを返す。門口は左ボディと左ミドルでボディを狙っていると見せかけて、いきなりの左ストレート。さらに左ミドルと左ロー。サウスポーになった門口が入ろうとするところへ魁斗は右を合わせる。さらに左右連打で手数を出す。OPスコアは門口の10-9×2、10-10。
3R、右カーフを蹴る魁斗に門口はジャブと左ロー。門口は左ボディストレート、左ミドル、左ローとサウスポーからの攻撃。魁斗は細かくパンチを返す。門口の蹴り足をキャッチした魁斗が投げるようにしてしまい口頭注意。ジャブ、右ストレートを上手く当てるのは魁斗。門口は前へ出て強い左ミドルを蹴るが魁斗はしっかり右を当てに行き手数も出す。OPスコアは門口の10-9×2、10-10。
4Rも細かくコンビネーションでパンチを当てていく魁斗に、門口はフェイントを使っての右フック。しかし飛びヒザのフェイントからフックを繰り出そうとするとバッティングとなってしまい中断に。再開後、左右フックを思い切り繰り出す門口は左ローも蹴る。魁斗も左右フックを放つが門口の方がインパクトがある。さらに前へも出ていく門口。OPスコアは10-9×2門口、10-10。
5R、至近距離でパンチのコンビネーションを繰り出す魁斗へ、門口は気合いの声を発しながら左右フックの強打。さらに前へ出る。右フック、左ローで前へ出る門口に魁斗は右フックを返すが門口は構わず前へ出てくる。左ミドルから飛びヒザ蹴りの門口は左右ボディから左ストレート、右フックとパンチを回転させ、魁斗も打ち合ったが門口の気迫が上回ったか。
判定は3-0で門口が勝利。ジャッジ2名が3ポイント差をつける完勝となった。門口は「ありがとうございました。今年試合が重なっている中で今日が一番プレッシャーがありました。生きた心地がしない1カ月を過ごしてきましたが勝ててよかったです」と、プレッシャーとの戦いだと話した。
続けて「今日会場に軍司選手が来ていると思いますが、よかったら時期を合わせてフェザー級最強を証明どうですかね。僕は対抗戦で全部勝ってきたので、軍司選手もやるならやるでしっかり勝って、お互い最強を証明できる戦いを出来れば。僕は軍司選手とやりたいので」と、軍司に宣戦布告。軍司は僅かに微笑んだだけで特に反応はしなかった。
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▼セミファイナル(第11試合) 第2代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定戦 3分5R無制限延長R〇数島大陸(及川道場/同級1位、第30回全日本新空手道選手権大会 K-3GRAND PRIX 2019軽軽量級優勝)判定3-0 ※49-48×2、50-48×松本天志(HAWK GYM/同級2位、RISE NEW WARRIORS フライ級(-51.5kg)トーナメント優勝)※数島が第2代王座に就く。
数島は2020年9月にプロデビューすると軽量級でも倒す選手として注目され、2021年7月大会にはラジャダムナン王者の竜哉・エイワスポーツジムと対戦しドローとなったもののダウンを奪い一躍名を挙げた。2022年4月から開幕したフライ級王座決定トーナメントでは準決勝で当時無敗の塚本望夢とダウンの応酬の末の判定勝ちで決勝進出を決めたが、10月の決勝戦で初代スーパーフライ級王者の田丸辰に敗れて王座戴冠を逃した。2023年2月には予告通りに“神の左”でPRANDAMにKO勝ち、7月には松岡宏宜に判定勝ちし、戦績は10勝(6KO)2敗2分。
松本はJAPAN CUP2021 -55kg準優勝で、2021年8月にRISEでプロデビュー。3戦目で初黒星を喫するが、2023年2月に行われた「RISE NEW WARRIORS フライ級(-51.5kg)トーナメント」で大方の予想を覆し、空龍と塚本望夢の優勝候補2人を下し下剋上を果たして優勝。7月には弾丸風太も初回KOに沈め、6連勝で今ノリにのっている19歳のホープ。8勝(4KO)1敗の戦績を持つ。
1R、サウスポー同士。数島は左ロー、松本は右インロー。互いにジャブを突く中、松本が左フックで強襲。互いに様子見のラウンドとなった。オープンスコアは10-10×3。
2Rも互いにローを蹴り、ジャブを突く。その中で手数が多く、前へ出るのは数島。松本は左フックをヒットさせるが、数島はジャブを突いて前へ出てのヒザ蹴り。松本の左カーフに数島は足を上げる。互いにパンチの引き際にハイキックを合わせ、両者とも寸前でガードするスリリングな場面も。OPスコアは数島の10-9×2と10-10。
3R、ジャブを突いていく数島は左ストレートを打ち抜く。松本は左カーフで対抗。かなりジャブが多い数島が左も当てに行き、松本は後手に回る。飛びヒザは空振りした数島だが、すかさずパンチを打ってきた松本に右フックをヒット。ラウンド終了直前、数島の右フックをもらって松本は大きくバランスを崩した。OPスコアは10-9×3で数島。
4Rもジャブを突き続ける数島。松本もジャブを突き合い、左ストレートを出し合う。数島がジャブからヒザ蹴り。松本は前へ出て左フックを振るが空振り、左ストレートを当てる数島に松本は左カーフで対抗。数島は左右にステップで移動して松本の攻撃をかわす。ジャッジ1名は10-9で数島、10-10×2。
5R、リング中央で打ち合いになり、数島が左ストレートを当てる。さらにヒザ。このワンツーからのヒザが決まり、その後も数島は狙っていく。ジャブを突きながら回り込んでいく数島。残り30秒で松本の右フックがヒットし、最後まで攻めた松本だったが逆転はならず。要所で左を当てた数島が判定3-0で勝利。
悲願のベルトを巻いた数島は「ここまで育ててくれた及川先生を始め、RISE関係者の皆さんありがとうございます。僕は1年前に田丸選手に負けてしまって、そこから毎日悔しい思いをして1年ぶりにタイトルマッチが出来て。これを逃したら終わりだと思っていたので勝ててよかったです。フライ級は強いヤツいっぱいおるんで、僕が1人ずつ倒していって絶対に田丸選手がトップにいますがそこに追いついてリベンジします」と高らかに宣言。キックボクサーは嬉し泣きしていた。
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▼第10試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R―梅井泰成(Mouton/同級2位、第4代RISEフェザー級王者)無効試合―ウォーム(ONE LINK/S-1 130ポンド王者)
梅井は4歳の頃より始めた空手、中学一年から始めた柔道、そして高校ではレスリングと、様々な格闘技経験を持つ。柔道では全国中学柔道大会に出場し、レスリングでは近畿大会で3位入賞。19歳でキックボクサーを志し、2019年10月にはRIZINで植山征紀と対戦(判定負け)。その後、TEPPENに移籍して2021年7月大会ではランキング上位の山川賢誠をKO、11月には宮崎就斗に初回TKO勝ちして4連勝を飾ると、2022年3月に平野凌我との王座決定戦を制して第4代王座に就いた。しかし、8月の初防衛戦で門口佳佑に敗れて王座を失い、2023年2月には魁斗に判定負けと連敗。戦績は13勝(3KO)8敗。
対するウォームはタイでS-1 130ポンド王座の獲得経験がある23歳。日本では笠原友希、桃翔、一仁と対戦経験があり、いずれも判定負けを喫しているものの右ローやミドルで距離を支配し、独特のリズムで繰り出される攻撃を武器にRISEのリングで勝利を掴みたい。
1Rが始まってすぐ、サウスポーの梅井にウォームが放った右ローが急所を直撃。梅井に回復の時間が与えられたが、回復することは出来ず足が震えたまま。試合続行不可能との判断が下され、試合不成立でノーコンテストとなった。ウォームは両手を広げて“なぜ?”とアピールしていた。
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▼第9試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R×北井智大(チームドラゴン/同級2位)判定0-3 ※27-28×3〇伊藤澄哉(戦ジム/スーパーライト級7位)
北井はチームドラゴンのニューリーダーとしてRISEで活躍。後半戦の強さを活かして勝利することが多く、パンチでの猛攻で逆転勝利を飾ってきた。RISE随一の激闘派として知られ、2019年2月に山口裕人を初回KO、9月にKNOCK OUTで活躍した水落洋祐を初回KO、2020年1月にはNKBライト級王者・高橋一眞を2RでKO、8月にはKNOCK OUTで活躍したマサ佐藤も判定で破るなど“RISEの門番”としての一面も持つ。2021年9月に初のオープンフィンガーグローブマッチに挑んでYA-MANにKO負けを喫し、以後4連敗したが2023年7月に北濱精悦をKOして復活。戦績は25勝(10KO)18敗2分。
伊藤は地下格闘技キックの大会『益荒男』や『飛車角』で活躍、17戦(15KO)無敗の戦績を引っ提げて2019年11月にRISEでプロデビュー。3戦3勝2KOの快進撃を続けていたが、2021年9月の4戦目で実方拓海に初黒星を喫した。2022年4月にはYA-MANと初のOFGマッチを行ってダウンの応酬の末にKO負け、8月には山口侑馬に負傷判定で敗れ、2022年12月に中村寛にKOで敗れると引退を匂わせていた。戦績は3勝(2KO)4敗。
1R、伊藤はジャブを突いていき、右ストレート、右ローにつなぐ。北井は左右フックを打ってからのアッパー。北井の入り際にテンカオを合わせる伊藤。これに北井が苦痛の表情を浮かべて後退、伊藤はパンチとヒザで畳みかける。伊藤がサウスポーに構えての右カーフも連続ヒット。北井は雄叫びを上げるとフックを打っていくが、そこへ伊藤がテンカオを突き上げていく。身体を丸める北井。
2R、伊藤の右カーフに転倒する北井。左右フックからの右カーフでまたも転倒したところで北井はダウンを宣告される。強い右を打ち、テンカオを突き刺す伊藤に北井も右ストレートで必死の反撃。下がる北井にサウスポーの伊藤の左ストレートが入るが、北井も左右フック。至近距離での打ち合いに持ち込むが、伊藤がテンカオを突き刺すと北井は後退。思い切り右を打つ北井。
3R、リング中央でコンタクトした両者はいきなりの足を止めての打ち合い。ここで北井の右ストレートがヒットし、伊藤が吹っ飛んでダウン。まだダメージが見える伊藤に北井が打ち合いを仕掛け、伊藤も打ち合いとプッシュで対抗。伊藤の右も強くヒットし、北井は右フック。伊藤がワンツーを打ち抜くが北井はすぐにワンツーと右フックで応戦。北井のパンチがヒットするたびに大歓声が上がり、最後に北井が右フックを当てて伊藤がグラつくと割れんばかりの歓声に。
しかし、判定は3-0で伊藤が勝利。北井の追い上げは届かなかった。
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▼第8試合 ミドル級(-70kg) 3分3R延長1R〇モトヤスック(治政館/同級3位、WMOインターナショナルスーパーウェルター級王者)判定3-0 ※30-29、30-27×2×T-98(フリー/同級7位、元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者)
T-98は“ムエタイゴリラ”の異名を持ち、パワーと頑丈な身体を活かした戦いぶりでこれまで数々のタイトルを獲得。2016年6月には日本人5人目となるラジャダムナンスタジアム王座を奪取した。また、同年10月にはタイのラジャダムナンスタジアムに乗り込み、KO勝ちで日本人初の現地での防衛にも成功。2年ぶりの復帰戦となった2022年5月の『NO KICK NO LIFE』では緑川創に判定負けも、8月のRISE大阪大会でRYOTAROとダウン応酬の大激闘を繰り広げ、延長Rで逆転KO勝ち。しかし、12月に憂也にKO負け、2023年7月にはブルガリアの『SENSHI 17』でマルコ・ヘスス(ブラジル)に判定負けで連敗中。戦績は42勝(23KO)27敗5分。
モトヤスックは2020年1月大会で同門の政斗と初代王座決定戦を争いジャパンキック認定ウェルター級王座に就いた。強烈な右ストレートと左フックを武器に、2022年9月のWMOインターナショナル・スーパーウェルター級王座決定戦でダーンチョンに2RでKO勝ち、11月にはシュートンに判定勝ち、今年1月にネートパヤックに判定勝ち、3月には初参戦のRISEで憂也を延長戦で破り、7月には馬木樹里をKOして7連勝中と絶好調。戦績は17勝(10KO)5敗1分。
1R、互いにローを蹴り合い、ジャブからのワンツーを打つ。モトヤスックは左フックから右ストレート、右ローと左フックで崩しての攻撃。T-98は両腕ブロックをガッチリと固めてローを蹴る。モトヤスックは左ボディ。
2R、コーナーを背負ったT-98にモトヤスックが左ボディを打つと、T-98が右ストレートを合わせる。モトヤスックは左三日月と左ミドル、T-98も左ボディを返すとモトヤスックは右ストレートの連打から左ボディ。左フックをヒットさせたT-98だが、モトヤスックがすぐに右ストレートを返す。モトヤスックのパンチは両腕ブロックしているT-98だが、グローブに当たって大きな音が響き見栄えが悪い。モトヤスックは右フックを2度クリーンヒットさせ、T-98を一瞬グラつかせた。
3R、パワーのある右ハイから左フックを打つモトヤスック。T-98がブロックしていても大きな音が響く。T-98が一発出すと倍のパンチを打ち返すモトヤスック。右ローで大きくバランスを崩し、左ボディも打つ。T-98も負けじと左ボディを打つが手数が少ない。モトヤスックのワンツーに右フックを合わせるT-98だが、すぐにモトヤスックが打ち返す。
判定は3-0でモトヤスックが8連勝をマーク。T-98は3連敗と厳しい状況に追い込まれた。
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▼第7試合 フライ級(-51.5kg) 3分3R延長1R〇塚本望夢(team Bonds/同級3位、初代DEEP☆KICK -51kg級王者)判定3-0 ※30-28、30-27×2×酒井柚樹(TEAM TEPPEN)
塚本はジュニアキック出身で、2020年12月には那須川天心の弟・龍心と対戦して勝利を収めている。2021年7月のDEEP☆KICKでプロデビューし、11月から行われたDEEP☆KICK -51kg初代王座決定トーナメントで初代王座に就いた。2022年4月の「RISE初代フライ級王座決定トーナメント」では1回戦で数島大陸とダウンの奪い合いの末に判定負けで初黒星。2023年2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」では決勝へ進出するも松本天志にTKO負け。7月の大阪大会では山川敏弘を右バックブローでリングに沈め再起を果たした。戦績は9勝(3KO)3敗。
酒井は長年軽量級で活躍し、次戦で29戦目となるベテラン。近年は『KNOCK OUT』を主戦場として2022年10月大会では乙津陸と熱闘を展開したが判定で敗れている。今年に入り戦績は2勝1敗と勝ち越しているが、RISEでは未だ勝ち星を掴めておらず、ここでランキング3位の塚本を相手に番狂わせを起こしたいところ。RISEには2022年7月の松本天志戦以来の出場となる。戦績は8勝(1KO)16敗4分。
1R、身体を低くして前へ出る酒井に塚本はジャブ、左ミドル。左右ボディを打って顔面へつなぐ。酒井が前に出てくるタイミングを塚本のパンチが次々と捉える展開に。ガードを下げて余裕を見せる塚本はサウスポーになると左ストレート、左ボディ、左ミドルをヒット。同じモーションで左アッパーと左ミドルを蹴る。塚本が左右フックで仕掛けてきたところで、酒井も左右フックを打ち返した。
2R、前に出る酒井だが精度の高い塚本のパンチをもらう。前に出る塚本は左右に構えをスイッチしながらのストレート、ワンツー、右フックからの左アッパー、左三日月とほぼ一方的に攻撃を当てる展開に。
3R、打ち合いで酒井のパンチをもらう場面も出てきた塚本だが、インパクトは塚本の方が強い。ノーモーションのストレートに左ボディ、ジャブ。酒井が右カーフを蹴ると塚本はサウスポーに。オーソドックスに戻るとかわして打つ塚本に酒井が前進を続ける。左右ハイキックで逆転を狙った酒井に、塚本もハイキックを見せる。
タフな酒井は倒せなかったものの、塚本の完勝となった。
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▼第6試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R×彪司(=ひゅうが/TEAM TEPPEN/同級10位)判定0-3 ※28-29×3〇松下武蔵(GOD SIDE GYM)
彪司は四冠王・高橋幸光の甥っ子で、King of Rookie 2021 -53kg級優勝、JAPAN CUP 2019 -55kg級優勝・大会MVPの実績を持つ。数島大陸と引き分け、松本天志には判定勝ちの戦績が光るが、2022年10月の有井渚海戦では敗れた。前戦は2023年3月に京介から勝利を収めている(7月に小只直弥に不戦勝)。戦績は6勝(1KO)2敗。
松下は「武蔵」のリングネームで活躍、2023年3月に『KNOCK OUT』に初参戦するとKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王者の古木誠也に初回KO勝ち、6月は小倉尚也にも初回KO勝ちして、8月に古木とのKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級タイトルマッチが決まっていたが、所属ジムを退会したため欠場。今回からGOD SIDE GYM所属として2021年6月以来のRISEに参戦する。戦績は7勝(3KO)1敗1分。
1R、互いにジャブを突き、松下は入り込んでの左右フック、彪司も左ボディ。スピードのある左右フックを放つ松下。彪司にロープを背負わせると左右ボディの連打から左フック。スピードのある右ストレート、左右フックで彪司にロープを背負わせる松下。
2Rも鋭い左右フックを見せる松下に彪司はヒザを突き上げる。右フックが一発入ると一気に連打をまとめる松下。彪司も打ち合いに応じ、至近距離で両者のパンチが交錯する。ガードを固める彪司に松下が左フック。至近距離でフルスイングする松下に場内からどよめきが起こった。
3R、松下はローや前蹴りで崩しての左右フック、彪司はブロックから左ボディや左フックを返す。左ボディを打たれた武蔵は動きが鈍くなるが思い切り左右フックを叩きつける。しかし、彪司の左ボディを何度もまともにもらう。左フックを打ち返し、前蹴りで突き放す松下。
判定は3-0で松下が勝利を収めた。
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▼第5試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R延長1R×SEIDO(LARA TOKYO/同級9位)延長R 判定1-2 ※10-9、9-10×2〇山元剣心(FAITH/フェザー級11位)※本戦の判定は29-30、29-29×2。
SEIDOはクラヴマガをバックボーンに持つ変わり種で15勝(4KO)24敗2分と41戦のキャリアを持つベテラン選手。2021年5月に森下祐樹に判定勝利を収めるも、10月に常陸飛雄馬に判定負け。2022年4月には小野幹晃に判定負け、2023年1月は藤井重綺に判定負けと3連敗中。
山元は2022年12月に白石舜から初回KO勝ちを奪っているが、その後は拳剛と翔に敗れて戦績は7勝(4KO)6敗。共に連敗脱出を懸けての戦いとなった。
1R、サウスポーの山元はパワフルな左ローと左ミドル、ワンツーで前に出る。SEIDOは右ローを蹴り返し、右ストレートで前へ出る。SEIDOはガムシャラなパンチで山元にロープを背負わせるも、左ミドルを蹴られる。
2R、蹴られるとしっかり蹴り返すSEIDO。互いに相手のパンチを被弾する中、山元は左ミドル、SEIDOは右ローを蹴る。ガムシャラに手を出して前へ出るSEIDOに、山元はやや疲労を感じさせる動き。
3R、右ローを蹴るSEIDOに山元の右フック、右アッパーが連続ヒット。両者接近しすぎてクリンチになる展開が続く。判定はドローで延長戦へ。
互いに前へ出てはクリンチとなる中、蹴りを当てるのはSEIDO。山元はガムシャラに右を打っていく。判定は2-1と割れ、パンチを当てた山元に凱歌が上がった。
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▼第4試合 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R延長1R〇遠山翔太(MONSTAR GYM/同級7位、初代DBSバンタム級王者)判定3-0 ※29-28×3×羅司(=らいぜ/TEAM TEPPEN/2021年RISE Nova全日本大会?60kg級優勝)
遠山は田丸辰、政所仁、松谷桐らを相手に連敗が続いたが、2022年1月のRISEで佐藤九里虎に判定勝ちすると、仙台の『戦場』でダイナマイト柿崎に初回KO勝ち、京介に判定勝ちと3連勝を飾っている。戦績は9勝(5KO)11敗1分。
羅司は2021年RISE Nova全日本大会-60kg級優勝で、2022年5月にプロデビューしたサウスポー。彪司の弟。2023年6月に旬ノ介から左フックでダウンを奪って勝利し、戦績を3勝(2KO)1敗とした。同じく3連勝中。
1R、サウスポーの羅司は左三日月と左ミドルを蹴り分け、打ち合いに行くと遠山も強気に打ち合う。互いに相手のパンチを被弾する中、羅司は左三日月、ヒザをレバーに。遠山は思い切った右フックをヒットさせたが、羅司の返しの左ストレートをもらって後退。
2R、ワンツーを強打してくる遠山に羅司は左インローで崩しに行く。右を当てられる羅司だが、左の強烈な三日月を突き刺す。遠山は左フックからの右ストレート、ワンツーの右ストレートをヒットさせると、向かってくる羅司に左フックからの右ストレートのカウンターをドンピシャのタイミングでヒットさせてダウンを奪う。
3R、前に出る羅司だが遠山は先に左回りして羅司をワンツーで迎え撃つ。攻める羅司、そこへパンチを打つ遠山。前へ出る羅司は左回りの遠山をなかなか捕まえることが出来ず、逆にジャブや右をもらう。最後に右フックを当てた羅司だったが、判定3-0で右を何度も当てた遠山の勝利となった。
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▼第3試合 スーパーライト級(-65kg) 3分3R〇武 裕太(誠真会館所沢道場)KO 1R 1分08秒 ※右フック×新井雄大(TARGET/JAPAN CAP 2023 -70kg級優勝)
武は2022年7月の『KROSS×OVER』でプロデビューし、戦績は1勝(1KO)1敗1無効試合。RISEには今回が初出場。新井はJAPAN CAP 2023 -70kg級優勝の実績を持ち、今回がデビュー戦。
1R、新井は左フックからの右ハイをヒットさせると一気に左右フックでラッシュ。武も左右フックで打ち合い、新井は勢いよく打ち合う。距離が出来るとヒットさせるのは武で、新井が突っ込んできたところでラビットパンチ気味に右フックが入り、立ったまま失神。そこへ武が左右フックをダメ押しで当ててKO勝ち。新井は担架で運ばれた。
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▼第2試合 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R〇所 風雅(Refre’K/2023年RISE Nova全日本大会 -55kg級トーナメント優勝)判定3-0 ※30-29、30-28×2×山﨑天輔(VALIENTE/TOP☆RUN 45kg,50kg王者)
所は2023年RISE Nova 全日本大会 -55kg級トーナメント優勝、JAPAN CAP 2023 -55kg級優勝の実績を持つ。山﨑は2023年8月に『DEEP☆KICK ZERO』でプロデビューし、戦績は1敗1分。
1R、ローの蹴り合いから開始。上背で劣る所だが右フックを命中させる。リーチ差を全く感じさせない所は右ストレートから入り込んでの左右フック、応援団から大歓声が上がる。右フックをしっかりと当てていく所に、山﨑はヒザを突き上げた。
2R、長いリーチからジャブを出す山﨑は左ミドルも蹴る。所は右ストレートからバックハンドブロー。右ローも思い切り蹴り込んでいく。右の強打をヒットさせる所に山﨑もパンチを繰り出すが、所の思い切りのいい打撃が目立つ。蹴りをキャッチされるとすかさず回転してバックハンドブローを放つ所。
3R、両者は打ち合いになると右をヒットさせるのは所。山﨑はワンツーを繰り出すがその打ち終わりに所が右を当てる。ヒザ蹴りに活路を求める山﨑。前に出て手を出す山﨑に所は疲労したか手数は少なくなったが、右フック、右ストレート、右インローを蹴って見せ場を作る。最後も右を当てに行き、当てては押し込むを繰り返して試合終了。判定3-0で所の勝利となった。
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▼第1試合 ミニフライ級(-49kg) 3分3R〇宮本芽依(KRAZY BEE/2019年全日本女子ボクシング選手権大会シニアの部バンタム級優勝)※MEIよりリングネーム変更判定3-0 ※29-27×2、30-27×数島七海(及川道場/JAPAN CUP2022女子部-50Kg優勝)
宮本は2019年全日本女子ボクシング選手権大会シニアの部バンタム級優勝の実績を持ち、今年1月のRISEアマチュア大会『RISE NOVA』Aクラスの試合で初回KO勝ち。5月にRISEで山本美憂をセコンドに就けてプロデビューを果たし、RINAから左フックでダウンを奪って勝利を飾った女子ホープ。
数島はStand up アマチュア全日本選手権大会2022のBクラス女子部-53kg優勝などジュニアで実績をあげ、今回がプロデビュー戦。今大会でRISEフライ級(-51.5kg)王座決定戦を行う数島大陸の妹だ。
1R、左インローと左ミドルを蹴っていく数島に宮本は右ストレートを合わせに行く。数島がパンチを出すとかなり高い確率で右のカウンターを合わせる宮本。前に出すぎてクリンチが多くなる数島は右アッパーをもらうが、顔面前蹴りのお返し。
2R、数島は前蹴りで距離を作るが徐々に宮本の圧に押される。右ローも蹴る宮本。数島は左ミドルを2発蹴るとスーパーマンパンチ。宮本はコーナーに詰まるとすぐに体を入れ替えて連打を見舞う。クリンチが増える数島に宮本は離れ際の左フック。宮本も入り際に左フックをヒットさせる。数島は左目の下が腫れた。
3R、意を決したか数島はパンチで前へ出る。そこへ宮本が右のカウンター、左フック、さらに右アッパー。パンチで勝負をかける強気な数島だが、パンチの精度はやはり宮本が上。数島はホールディングが多く、ついに減点1。宮本は組んでくる数島にヒザ。離れると左フック、右アッパー、左右ボディにワンツーとパンチを決めていく。
判定3-0で宮本が勝利、数島はリング上で悔し涙を流した。