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2023年10月28日(日本時間29日DAZN PPV配信)にサウジアラビアのリヤドのボウルバードホールにて、WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(35=英国)と、元UFC世界ヘビー級王者フランシス・ガヌー(36=カメルーン)のボクシングマッチ(3分10R)が行われた。
前日計量では、フューリーが277.7ポンド(125.96kg)、ガヌーが272.2ポンド(123.46kg)で計量。フューリーが5.5ポンド(2.49kg)重く、身長でも206cm・リーチ216cmのフューリーに対し、ガヌーは身長193cm・リーチ211cmで、フューリーが身長で13cm・リーチで5cm上回っている。
フューリーは現WBC世界ヘビー級王者で、元WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級の3団体も統一したプロボクシングヘビー級の雄。対するガヌーは元UFC世界ヘビー級王者。MMA17勝3敗で、2023年1月にUFCを離脱し、2023年5月に『PFL』と契約を交わしている。
今回の試合では、フューリーが持つWBCのベルトはかけられず、勝者にはWBCから「リヤド・チャンピオンベルト」が与えられる。
▼ボクシング エキシビションマッチ 3分10R
〇タイソン・フューリー(英国)
[判定2-1] ※94-95, 96-93, 95-94
×フランシス・ガヌー(カメルーン)
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フェイスオフでもその差は現れ、向かい合うと、フューリーがガヌーを見下ろす形に。額と胸で押すフューリーに対し、ガヌーは極力、視線を合わせずにやり過ごした。
計量で、フューリーは「フランシス・ガヌーはでかい太ったソーセージだ。ヤツが闘牛で、俺がマタドール(闘牛士)。99.999%、闘牛士が勝つ」と勝利宣言。
ボクシングのヘビー級王者とMMA王者の違いについて、「ウィンブルドン決勝で(ノバク)ジョコビッチと卓球チャンピオンが対戦するくらい異なる。これだけは言っておく。ボクシングは紳士のスポーツであり、優しい科学であり、喧嘩じゃないし、最も大きくて力が強い人が勝つのではなく、最もボクシングのスキルを持っている人、そしてノックアウトパンチを当てる能力を持っている者が勝者となるスポーツだ。ヘビー級チャンピオンはただ一人、それは俺だ」と豪語。
対するガヌーは「子供の頃からボクサーになるという夢を持っていた。ただボクシングをやるのではなく、頂上にいる男とボクシングをやるんだ。何が起こるかは誰にも分からない。でも、確実に分かっているのは、俺はこの男の首を獲りに行くということだ。あの男が床に倒れ、立ち上がれなくなった瞬間に何が起こるのか。世界一のボクサーになれるのか? 一番を倒せば一番だろ? 非常に多くの人がマインドゲームをしているけど、俺には理解できない。俺の右オーバーハンドが当たったら、彼は倒れるだろう。なぜなら、彼は世界で最もハードなパンチャーのパンチを受けていないから」と、自身のパンチはフューリーにとって未知の威力があるとした。
会場中央の円形ステージでライブパフォーマンスが行われるなか、ステージがスライドすると、その下からリングが再び登場。せり上がって中央に鎮座した。
マイケル・バッファーのコールのなか、カメルーン国旗が振られるステージに、先にガヌーが登場。マイク・タイソンが頭上の王冠を外して花道をともに進む。右にイズラエル・アデサニヤ、左にカマル・ウスマンが脇を固める。
続けてフューリーがロイ・オービソンの『プリティ・ウーマン』に乗って笑顔で登場。曲調代わり花道では一転、シリアスな表情でリングに向かう。
1R、ともにオーソドックス構え。先に前に出て右を振ったフューリー。左ボディストレートも。ガヌーはワンツーから右で詰めるが、フューリーはブロッキング。左ジャブを届かせる。ガヌーの左ジャブのダブルをバックステップでかわし、前手の左フックもかわす。ガヌーは右ボディストレート。さらに右ボディ。フューリーのワンツー、さらに左! ガヌーの左が空を斬る。
2R、左ジャブを突いて回るフューリー。ガヌーひそこに左を伸ばすと、打ち返しに右回り。コーナーに詰まるとクリンチで押し返し。そこにガヌーはクリンチボクシングで左アッパーを狙う。サウスポー構えにスイッチして右ジャブ、右フックの前手を多用するフューリー。ガヌーの詰めにはクリンチで打撃を許さず。
3R、左ジャブのダブルで詰めるガヌーが右クロス。さばくフューリーはなおもサウスポー構えに、ガヌーもサウスポー構えを見せる。右ジャブを裏拳で突いてワンツーの左で飛び込むフューリー。しかし、フューリーのワンツーの打ち終わりにガヌーが左フックをテンプルに当ててダウンを奪う! 立ち上がるフューリーは距離を取りゴング。
4R、オーソに戻したフューリー。右のガードを上げて、ガヌーの左フックに備えるが、ワンツーの右で前に出るガヌーのステップが軽くなる。フューリーの左に右を狙うガヌー。フューリーは再びサウスポー構えに。左肩でショルダーブロック、左ボディフックで飛び込むフューリー。
5R、サウスポー構えのフューリーにサウスポー構えを見せるガヌー。フューリーの右をかわしてクリンチのガヌーは左のクロス。フューリーの右アッパーもかわすが、オーソに構えるフューリーも声を上げてのワンツー! そこにガヌーの左の打ち返しは空振り。フューリーはジャブを突く。
6R、ともにオーソドックス構えから。フューリーのジャブになおも鋭いワンツーを狙うガヌー。さらに左ボディから前に。押し戻すフューリーにワンツーで押し込むガヌー。ガヌーの詰めに左右に回りジャブを突くフューリー。そこに前手の左フックを狙うガヌー。簡単には入れなくなったフューリー。
7R、サウスポー構えから入るガヌー。ワンツーの左をボディにも突く。圧力をかけるガヌーの左ストレート、さらにボディストレートも。押し戻すフューリーの入りにガヌーが右フックを合わせて、フューリーがスリップから立ち上がる。
8R、右を当てるフューリーに左のダブルでコーナーに詰めるガヌー! 反撃をガードし、左ストレートから近い距離に詰めての左右フック、アッパーと攻勢に。フューリーはガード固め防戦。
9R、ともにオーソドックス構えから。サウスポー構えにスイッチするガヌーの周りを回るフューリー。フューリーは左ボディストレート。ラウンドを取る。
10R、拳を合わせた両者。ジャブを当てるフューリー。オーソから再びスイッチするガヌーはワンツーの今度は左ストレートをつく。ここはさばくフューリーはオーソから左ジャブも右のグローブはアゴもとに置く。右のスーパーマンパンチで飛び込むガヌー。サウスポー構えのガヌーの入りに左フックを狙うフューリー。
最初のコールは95-94でガヌーも、2者は96-93, 95-94でフューリーを支持。判定2-1のスプリットでフューリーが勝利した。