2023年10月28日(日本時間28日26時~メインは29日朝6時30分からDAZN配信)にサウジアラビアのリヤドで実施される、WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(35=英国)vs.元UFC世界ヘビー級王者フランシス・ガヌー(36=カメルーン)のボクシングマッチ(3分10R)の前日計量が27日(同28日)、同地にて行われた。
フューリーは277.7ポンド(125.96kg)、ガヌーは272.2ポンド(123.46kg)で計量。フューリーが5.5ポンド(2.49kg)重く、身長でも206cm・リーチ216cmのフューリーに対し、ガヌーは身長193cm・リーチ211cmで、フューリーが身長で13cm・リーチで5cm上回っている。
フェイスオフでもその差は現れ、向かい合うと、フューリーがガヌーを見下ろす形に。額と胸で押すフューリーに対し、ガヌーは極力、視線を合わせずにやり過ごした。
(C)DAZN
計量で、フューリーは「フランシス・ガヌーはでかい太ったソーセージだ。ヤツが闘牛で、俺がマタドール(闘牛士)。99.999%、闘牛士が勝つ」と勝利宣言。
ボクシングのヘビー級王者とMMA王者の違いについて、「ウィンブルドン決勝で(ノバク)ジョコビッチと卓球チャンピオンが対戦するくらい異なる。これだけは言っておく。ボクシングは紳士のスポーツであり、優しい科学であり、喧嘩じゃないし、最も大きくて力が強い人が勝つのではなく、最もボクシングのスキルを持っている人、そしてノックアウトパンチを当てる能力を持っている者が勝者となるスポーツだ。ヘビー級チャンピオンはただ一人、それは俺だ」と豪語。
対するガヌーは「子供の頃からボクサーになるという夢を持っていた。ただボクシングをやるのではなく、頂上にいる男とボクシングをやるんだ。何が起こるかは誰にも分からない。でも、確実に分かっているのは、俺はこの男の首を獲りに行くということだ。あの男が床に倒れ、立ち上がれなくなった瞬間に何が起こるのか。世界一のボクサーになれるのか? 一番を倒せば一番だろ? 非常に多くの人がマインドゲームをしているけど、俺には理解できない。俺の右オーバーハンドが当たったら、彼は倒れるだろう。なぜなら、彼は世界で最もハードなパンチャーのパンチを受けていないから」と、自身のパンチはフューリーにとって未知の威力があるとした。
さらに、会見では「正直に言うと、俺はボクシングコミュニティから何の尊敬も得られていない。ボクシングコミュニティであろうと人生全般であろうと、尊敬は得られるものだと思う。リスペクトを勝ち取りにいく」と語っている。
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最終的にフューリーのアッパーがガヌーをとらえるだろう(ハーディー)
(C)Zuffa LLC/UFC
フューリーは現WBC世界ヘビー級王者で、元WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級の3団体も統一したプロボクシングヘビー級の雄。対するガヌーは元UFC世界ヘビー級王者。MMA17勝3敗で、2023年1月にUFCを離脱し、2023年5月に『PFL』と契約を交わしている。
今回の試合では、フューリーが持つWBCのベルトはかけられず、勝者にはWBCから「リヤド・チャンピオンベルト」が与えられる。
両者のボクシングマッチについて、多くの予想が行われているが、DAZNのインタビューでは、元UFCファイターでUFCの解説やコメンテーターを長年にわたって務めたダン・ハーディーが試合を予想している。
ハーディは「フューリーが試合を決定づけるまで数ラウンドは続く」と予測し、「最初の3ラウンドでガヌーがパンチをまとめようとして、いくつかフューリーに当たるシーンがあるだろう。手堅い戦い方としてはボディを攻めることだ。フューリーは頭を動かしながら攻め込むのが上手いから」と、序盤にガヌーが攻勢に見える場面があると語っている。
そして、「その後の見込みとしては、フューリーがリードハンドで距離を置きながら疲弊させる展開が3、4ラウンド続くだろう。最終的に、フューリーはアッパーカットを狙い始めるだろう。それは、ガヌーが懐に入り込んでパンチを効かせにくるから。そこにフューリーが身体の中心を滑るようなアッパーカットでガヌーを捉える光景が目に浮かぶ」と、WBC王者が元UFC王者の序盤の猛攻を凌ぎ、ジャブで削り、ガヌーが入って来たところに近距離戦でもアッパーなどのパンチを当てると予想した。
果たして“最凶”のパンチを持つのはフューリーかガヌーか。間もなくゴングだ。