試合後会見でダナ・ホワイト代表が明かしたドクターとウォーカーの会話は──
両者を諫めたダナ・ホワイトUFC代表は、試合後の会見でこのときのことをこう語っている。
「いろいろなことがあっただろう。彼(ドクター)はウォーカーに『今どこにいる?』と聞いたら、ウォーカーは『砂漠にいる』と答えたそうだ。まあ間違っていないよな」と、ケージの中でのドクターチェックでのやりとりを明かした。
ウォーカーは英語を話すものの母国語ではないため、ホワイト代表は、ドクターの質問とウォーカーの回答の間で齟齬があったと考えている。
「2人の間には大きな言葉の壁があると思う。経験不足だし、最悪だよ。時々起こることのひとつで、我々はそれを正し、修正していくしかない」と、険しい表情を見せている。
この言葉の問題は、英語圏以外の選手のときに、たびたび起きており、日本人選手の場合でも、レフェリー、ドクターとのやりとりで通訳を交えて正しく意味を理解できないと、不利益に繋がるケースが出ている。
アンカラエフは、2022年12月のUFC世界ライトヘビー級タイトルマッチで3位のヤン・ブラホヴィッチと対戦し、試合を優位に進めたものの1-1の5R判定ドロー。王座獲得に失敗しており、今回もウォーカー戦でチャンスをモノにすることができなかった。
混沌としているライトヘビー級戦線では現在、王座は空位。
2023年1月にグローバー・テイシェイラを判定で下したジャマール・ヒルが王座についていたが、練習中にアキレス腱断裂により長期戦線離脱を余儀なくされたため、王座を返上している。そして1位のイリー・プロハースカと3位のアレックス・ペレイラが11月11日に「UFC世界ライトヘビー級王座決定戦」を行うことになっている。