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【新極真会】全日本レベルの実績がない17歳・遠田竜司が前回世界準優勝を撃破する大金星、緑代表も「ビックリした。初日のMVP」。入来建武、鈴木未紘ら優勝候補は順調に勝ち上がる

2023/10/14 20:10
 2023年10月14日(土)東京体育館で全世界空手道連盟 新極真会『第13回全世界空手道選手権大会』が幕を開けた。  4年に一度、体重無差別の直接打撃制(フルコンタクト)ルールで行われる世界選手権大会は世界103カ国・地域から男子132名・37名が日本に集結し、2日間で過酷なトーナメントを争う。最大で男子は8試合・女子は6試合を勝たなければ優勝できない。大会初日は男女共に1回戦から3回戦までが行われた。  3回戦最大のハイライトとなったのは、全日本レベルでの実績がなく将来性を評価されての日本代表選出となった17歳の遠田竜司(日本)が、前回の第12回全世界選手権(2019年)で準優勝となったマシエ・マズール(ポーランド)に挑んだ一戦。  左下突きからの左上段廻し蹴りでマズールをヒヤリとさせる遠田。マズールは中段廻し蹴りと左右ヒザ。ストレートの距離になるとマズールがヒザ蹴りも突きの連打に混ぜていくが、終盤になると遠田は左右の突きで前へ出て行きマズールを下がらせた。本戦終了とともに雄叫びをあげた遠田。判定はその通り、4-0で遠田の大金星となった。  大会終了後、初日の総括を行った緑健児・新極真会代表は「マズール選手に遠田選手が勝ったのにはビックリしました。力でも気迫でも負けておらず、9月にポーランドで行われた全世界ウエイト制大会でも準優勝している実力・実績ある素晴らしい選手に臆することなく立ち向かって勝利しました。こういう経験をするともっともっと強くなっていくと思うので彼の明日の試合も楽しみです。若さで駆け上がって行く勢いがある。今日のMVPは遠田選手ですね」と、初日のMVPにあげた。  また、同じく3回戦では第50・52・53回全日本選手権優勝、第1・4・5回JFKO全日本選手権重量級優勝、第7回同軽重量級優勝と華々しい実績を誇る久保田千尋(日本)が、漢藍理(日本)に本戦判定2-0、延長判定1-0と大苦戦を強いられ、再延長判定5-0で敗れる波乱も。  漢は第8回JFKO全日本選手権重量級準優勝、第5回同軽重量級3位の実績を持ち、今回が世界選手権初出場。初戦では全ヨーロッパ2023を制したマリヤ・セクンダ(リトアニア)を延長判定5-0で破る好スタートを切っていた。  男子の日本人エース・入来建武(日本)はシードで2回戦からの登場となったが不戦勝。3回戦が初戦となり、ヘクトル・マチアス・ヴィラルバ(パラグアイ)と対戦。  入来は右下段廻し蹴りから、180cm・100kgの重量級とは思えない身軽な動きで左右のヒザ蹴りを連打。離れれば右下段廻し蹴りを狙い撃ちにし、右内股蹴りも。そして右ストレートの突きを何度もボディへめり込ませ、左でもボディを突く。左下突きを嫌がる素振りを見せたヴィラルバに入来はボディへの左右の突きと左右の下段、さらに膝蹴りと攻撃をまとめ、判定5-0の圧勝で初日を突破した。  女子の優勝候補と目される18歳の鈴木未紘(日本)は、3回戦でベテランの加藤小也香(日本)との日本人対決を迎えた。  加藤は第5回全世界ウエイト制大会女子軽量級優勝、第46回全日本大会優勝、第26・27・28・29回全日本ウエイト制大会軽量級優勝、第1・3・5 回JFKO全日本大会中量級優勝と女子のタイトルを総なめにし、新極真会女子を牽引してきた存在である。鈴木は第54回全日本選手権(2022年)優勝、第8回JFKO全日本選手権(2023年)軽重量級優勝の新女王。  試合はステップで左右に動く加藤に、鈴木はゆっくりと間を詰めていき突きの連打。後ろ蹴り、後ろ廻しを放つ加藤だが鈴木は突きから左下段、左中段廻し蹴りと攻撃をまとめる。本戦の判定は加藤の大技が評価されたか2(加藤)-1(鈴木)と鈴木は危機一髪(3本以上の旗が上がった方が勝利)。  延長戦、変わらずステップで動く加藤は近付いてくる鈴木に後ろ蹴り、ヒザ蹴り、上段後ろ廻し、鈴木は左中段廻し蹴りと突き、左下段廻し蹴り。加藤のカウンターの膝蹴りに対して鈴木は左右下段廻し蹴りで前へ出る。鈴木が左中段廻し蹴りと突きの連打で追い詰めると、加藤は胴廻し回転蹴りを放つが起死回生にはならず、判定5-0で鈴木が逆転勝ちした。  これにより、鈴木は初日を突破して明日の決勝日へ進出。父である第8回全世界選手権(2008年)王者・鈴木国博に続く、世界制覇へ一歩前進した。
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