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インタビュー

【Krush】篠塚辰樹が変身「前は練習0.2、遊び9.8だったんですよ。それが今は練習8、遊び2ぐらい」

2023/10/14 14:10
 2023年10月21日(土)東京・後楽園ホール『Krush.154』にて、Krushフェザー級タイトルマッチ3分3R延長1Rで王者・森坂陸(エスジム)に挑戦する篠塚辰樹(MASTER BRIDGE SOUND)のインタビューが主催者を通じて届いた。  篠塚はボクシングでアマチュア時代にインターハイベスト8の戦績を残し、プロ転向後はA級ボクサーとして3勝(2KO)1敗の戦績。2018年2月にキックボクシングに転向し、TEAM TEPPEN所属として2018年2月にRISEでプロデビュー。2019年5月の森本”狂犬”義久戦は因縁の対決として話題となったが、延長戦の末に敗れた。2021年3月にK-1初参戦を果たし、延長戦で小澤海斗に判定2-1で勝利。2021年12月にはKrushフェザー級王座に挑戦したが、新美貴士にKOで敗れる。2023年3月の復帰戦で林勇汰をKOすると、7月には佑典もKO。今回2度目の王座挑戦へ漕ぎ着けた。戦績は10勝(8KO)3敗。 キック始めて5年ぐらいで、やっと『あ、蹴った方がいいな』と(笑) ──王者の森坂選手とはカード発表会見で顔を合わせましたが、その時の印象は? 「『小っちゃいなあ』って思ったぐらいですね。小っちゃいし、コメントもキモかったんで、『やっぱつまんねえな、コイツ』って思ってました(笑)」 ──森坂選手からは「飲みに行きたいと思ってた」という話もありましたが…。 「いや、普通にキモいっすね。試合前に何言ってんだコイツって感じだし、試合終わっても別に仲良くする気はないです(笑)。 ──では森坂選手のファイターとしての印象は? 「ファイターとしても何も思ってないし、リスペクトもないっすね。倒せないからバックスピンでクルクル回って、『俺は華があるんだ』って見せてるだけって感じっす。とりあえず回って、つまんねえ試合ばっかしてるなって感じです」 ──ただ、その選手が今チャンピオンなわけですが…。 「うーん、タイミングっすよね。まあ今回で彼は終わるんで。それと、今のK-1 GROUPには面白い選手が少ないっすよね。K-1 GROUPも森坂がチャンピオンでいるより、俺がチャンピオンになった方が100%うれしいと思うんで、俺がチャンピオンになってやろうかなって感じです」 ──ではどういう試合をして、どう勝ちたいですか? 「ツイッターで軍司(泰斗)とも話したんすけど、アイツの12月(K-1大阪大会)の相手が決まってないみたいなんで、その候補に入るような試合を見せたいですね。軍司にもK-1 GROUPにも、ファンのみんなにも」 ──それは“瞬殺”みたいな形ですか? 「瞬殺でも別にいいんですけど、今までやってきたことを見せたいなって感じです。ホントに変わったんで、強くなったところを見せたいです。戦い方も全て変えたというか、アップデートしました」 ──具体的には? 「もちろん空手をやり始めたのもデカいですし、今まで全く興味がなかったムエタイとかも見て練習するようになって、気付くところも成長した部分もいろいろありました」 ──ボクシングからの転向直後は、持っているものプラス、自由気ままに戦えばいいという印象でした。 「あの頃は、持ってるものだけで勝てる、俺はボクサーだからパンチでいけばいいや、っていう感じだったんですけど、やっぱ気付いたんですよ。『キックボクシング』をやってるんだから、蹴らないともったいないなということに」 ──ついに気付きましたか! 「やっと気付きましたね。キック始めて5年ぐらいで、やっと『あ、蹴った方がいいな』と(笑)」 ──衝撃的なKOデビューの後、2戦目でローキックにやられましたよね。その時には気付かなかった? 「あの時はまだキック始めて3カ月で、ローキックがあんなに痛いと思ってなかったんですよ。予想以上に『いってぇ~!』ってなって。あの頃はナメてましたね。それで負けて、蹴られなきゃ強くならないなと思って、みんなにひたすら蹴りまくってもらってました」 ──まず耐性を作ろうと。ただ、その過程ってボクシングから転向してきた選手がみんな辿る道だと思うんですが、過去の例は見ていなかった? 「うっすら聞いてはいたんですけど、見てはいなかったですね。まず、昔は他人の試合を見てなかったので。今はキックもムエタイもMMAも見てますけど、あの頃は何も見てなくて、本当にナメてました」 ──「俺が殴れば勝てる」と。 「ホントにそう思ってました。『誰でも、当たれば倒れるっしょ』って。今はそこから全てが変わりました。頭も体も戦い方も、全部が変わりましたね。最初の頃はキックのリングに上がっても『ボクサー』でしたけど、今は『キックボクサー』です」 ──おお! そうなると、「蹴るからこそパンチも当たる」というのも実感しているのでは? 「それはすごくあるっすね! 今までホントに気付けてなかったんですけど、蹴りがあるからこそのパンチもあるし、パンチがあるからこその蹴りもあるし。パンチと蹴りを組み合わせて、空手も含めてやっと自分のスタイルが完成したって感じです」 ──では、2年半前にK-1 GROUP参戦した当初の自分ともまた違う? 「違いますね。小澤海斗戦の時とかは、何も練習してなかったんで(笑)。今は練習しかしてないです。もちろん遊びもしてますけど、比率が大きく変わったっすね」 ──どれぐらい変わったんですか? 「前は、練習0.2、遊び9.8だったんですよ。それが今は練習8、遊び2ぐらいです。だいぶ変わったっすね」 ──そんなに変われるものなんですね。 「新美(貴士)に負けた(21年12月)のがすげえ悔しくて、『もう負けたくねえな』って思ったんです」 ──では今は、新しく作り上げたスタイルの上に、もともと持っていたパンチがあるから、最強ということですか。 「そうですね。一時期は蹴りの練習をしすぎてボクシングを忘れちゃってたこともあるんですけど、それじゃダメだと気付いて。「パンチがあっての蹴りだな」ってことが分かったんですよ。小澤戦の時とかは蹴ろう、蹴ろうとしすぎててパンチがダメだったんですけど、今はパンチも完全に思い出したから最強です」 ──けっこう、一つのことをやるとガーッとそっちに行っちゃう方なんですか? 「そうなんすよね。けっこうバカなんで、1回何かやるとそれだけにグワーッと行っちゃうんですよ。バカ単純っつーか(笑)。でも今は全てを含めてやらなきゃダメだと思って、ボクサー時代の関係者にまた会ったり、キック転向したばっかの時の人に会ったりしていろいろ話も聞いて、自分の中でスタイルが確立できてますね」 ──そうですか! 「昔できてたけど、今はできてないことがあるなって気づけたんですよね。そういうのも取り戻しました」 ──では今は、勝ってチャンピオンになるのが待ち遠しいという感じでは? 「いや、マジで待ち遠しいっす。早くベルト巻きたいっすね。別にKrushのベルトがほしいとかじゃなくて、“ベルト”が早くほしいっす」 ──そして次はK-1と。 「それができたら最高ですね。今のフェザー級で、軍司とやって面白いヤツって他にいないんで。俺しかいないっしょって感じですからね。今回の試合で見せればそこまで行けるはずなんで」 ──軍司選手はK-1王者ですが、もうK-1王座も獲る自信満々なんですね。 「そうっすね。軍司とは昔から練習もしてて、昔はバーを一緒にやったりもして、仲良かったんですよ。今は本当に負ける気はしないっす。アイツも強くなってますけど、負けないっす」 ──今回はタイトルマッチが2試合あって、この試合が後楽園ホール大会のメインになる可能性が高いです。そこに関しては? 「もう1個のタイトルマッチ(フライ級・大鹿統毅vs悠斗)のヤツらが鼻毛みたいなつまんないこと言ってるじゃないですか。アイツらは試合も絶対つまんないんで、自分は入場から盛り上げるんで。入場は自分らがやってるダンスホールを見せつけるんで、入場から楽しみにしてほしいですね」 ──そういうものを格闘技と結びつけたいという思いも強いですよね。 「メチャメチャありますね。格闘技ファンにダンスホールに来てくれればいいし、ダンスホールのみんなが格闘技見に来てくれたらいいなって思います。それができるのは俺しかいないっすから。だから俺はやるっす」 ──では最後に、この試合に向けての“決意”を教えていただけますか? 「とりあえずのベルトなんですけど、入場から楽しませて、強くなったところをちゃんとみんなに見せるんで、楽しみにしてくださいって感じっすね」
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