バダ・ハリとマイク会長(右)(C)GLORY
2023年10月8日(日)ブルガリア・ブルガスアリーナで開催された『GLORY 89』にて、ウク・ユルジェンダル(エストニア)を相手に復帰戦を行うも2R47秒、TKOで敗れたバダ・ハリ(モロッコ)が、あと1戦で正式に引退することを決意したようだ。
ハリの元々の師匠で、今回再びセコンドに就いたオランダの名門マイクスジムのマイク・パッセニール会長が、オランダのメディアに「彼はラストファイトをして、それで終わると思う」と話したもの。
ユルジェンダルの強打で1Rに2度、2Rに1度ダウンを喫したハリは、TKO負けとなる4度目のダウン(GLORYルールでは試合を通して4度目のダウンでTKO負けとなる)の前に意を決して打ち合いに行ったが、両者のフックが空振りしたところでハリが左足を上げてロープにもたれかかる。足を負傷した様子のハリを見て、レフェリーは試合をストップ。ユルジェンダルのTKO勝ちとなった。
試合終了のゴングが鳴った後、ハリは5連敗(3試合の無効試合もあり)を喫したにも関わらず、リング上でこれまで見せたことがないような笑顔を浮かべている。その表情から、20年以上に及ぶ彼のキャリアが終焉を迎えることを察した人も多いのではないか。
マイク会長は試合後、ハリが冷静になるのを待って何時間も話し合いを持ったという。その結果、ファンにお別れを告げるための試合=引退試合を行って正式に引退という結論に達したようだ。
しかし、別のメディアにマイク会長は「まだ何かが起こる可能性がある。彼はまだGLORYと話し合っているところだ」としており、GLORY次第だという。ユルジュンダル戦で失われた年末開催から2024年にスライドされたGLORYヘビー級グランプリ出場を、最後の花道として用意する可能性もありそうだ。