(C)ONE Championship
2023年10月7日(土)にタイ・バンコクのルンピニースタジアムの「リング」にて開催される『ONE Fight Night 15』のONEウェルター級(※水抜き無しの83.9kg)戦に、急遽参戦が決まった手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC)が、公式インタビューで現在の心境を語った。
“野生獣”手塚は、農家と格闘家の二足の草鞋を履く異色のファイター。2018年8月から5連勝を飾るも、2020年11月に当時MMA9戦無敗の強豪ムラド・ラマザノフに判定負け。連勝がストップした。しかし、2021年10月、ウェルター級世界王座挑戦経験を持つアギラン・ターニと86kg契約で戦い、3R 逆転TKO勝ち。さらに、2022年1月28日にゼバスチャン・カデスタムの欠場による代役のエドソン・マルケスに3R KO勝利し、2連勝を飾った。
その後、足の怪我・手術もあり長期欠場。約1年8カ月ぶりの復帰戦で、ジン・テホ(韓国)と対戦する。
ジン・テホは、Double GFCの元ウェルター級王者。元々はライト級で、大原樹理、川名雄生に判定負け。2022年4月にアギラン・ターニに1R キムラロックで一本勝ちも、2022年7月の前戦でヴァミール・ダ・シウバに右カーフを効かされダウン、ニンジャチョークを極められている。桜庭和志の大ファンで、組んで背中を取られてもアームロックで切り返すなど、回転体を得意とする。
手塚としては、長い左右のパンチに注意しつつ、比較的少ないテホの蹴りに対し、蹴りも混ぜた打撃で先手を取り、組み技でテホに回転させずに潰して削りたい相手だ。緊急参戦のセコンドは同じ歳の岡田遼がつくことになっている。
of course‼︎ bro.
— 岡田遼/Ryo Okada (@The_rychiba) September 30, 2023
という事で今週タイ行ってきます🇹🇭 https://t.co/TMHxBaR5JH
日本勢としては、青木真也とともにルンピニースタジアム大会に出場する手塚は、試合前のインタビューで「全ラウンドを通して相手にとって“怖いな”っていう、“何が来るか分かんない”みたいな感じで追い回して、恐怖を与えたいと思います。フィニッシュします」と予告。「もし日本大会があるなら、秋山成勲選手とか日本人とやっても面白い」と語った、
もし日本大会があるなら、秋山成勲選手とか日本人とやっても面白い
──9日前のオファーでしたが、その時の心境を聞かせてください。
「正直、『来週?』みたいな。びっくりしましたが、まぁ、ずっと待っていたんで、そこは『よっしゃ』っていう気持ちと『やってやる』という気持ちで受けました。」
──動揺はありましたか。
「急だなと思ったんですけど、正直。でも、いつも練習しているんで、 準備していたからこそ、(オファーを)受けられたのだと思っています。」
──普段から体重はできていますか、減量はあまりしなくて良いタイプでしょうか。
「そうですね。ほぼ減量はないです」
──短いスパンで2連勝していた矢先での怪我があったと思います。怪我の内容とその状態を教えていただけますか。
「足の怪我で手術をしてスパーリングするのに8、9カ月月くらいはかかりました。でも、ドクターもすごいいい感じと言ってくれて、そこからは順調に来ています。怪我する前よりもできることが増えているし、強くなっていると思う。コーチや選手からも言われるので、自信を持っています」
──今回の対戦相手のジン・テホのことは元々知っていましたか?
「知っていました。ウェルター級の試合はいつもチェックしているのと、彼がなんか(自分と)試合したいみたいで、向こうからDM(ダイレクトメッセージ)を送ってきてくれて。今年は2回くらい来たのでチェックしていました。でも、僕たちで決めることでもないから返信してないです。2回とも(笑)」
──ファイターとしての印象はいかがですか?
「今のMMA、現代MMAっていうより、ちょっと変則的ですね。結構バック取らせて、相手に背を向けて、変則的にキムラロックで腕を取りに行ったりするタイプなので。あと、桜庭(和志)さんのこともすごいリスペクトしているなっていうのを感じます。あのパンツも“サクラバパンツ”だし。親日なんじゃないですか(笑)」
──相手は11勝7フィニッシュ(3KO・4一本)、手塚選手は11勝8KOの戦績ですが、今回も打撃でKOを狙いに行くイメージでしょうか?
「そうなりますよね。相手の一発のキムラなどに気を付けて、こっちが1番簡単に倒せる武器が打撃というか、1番簡単に試合を終わらせられるのは、僕の打撃なので。でも、一本もあるかもしれないですが、どちらにしてもフィニッシュは狙います」
──直近のご自身の試合を振り返って、新しい発見や手応えなどありますか?
「色々なタイプのファイターと戦って、 自分の弱点というか、逆に強みだったりを見つけて、世界でもやって行けるなという自信はついています」
──それも踏まえ、今回の試合はどんな展開になると思いますか。
「全ラウンドを通して相手にとって“怖いな”っていう、“何が来るか分かんない”みたいな感じで追い回して、恐怖を与えたいと思います。フィニッシュします」
──タイ・バンコクでの試合は初めてですよね?
「初めてです。あと、リング(での試合)も初めてです」
──壁レスリングは少なくなりますが、リングではコーナーが使えます。ムエタイが盛んな国ということで、立ち技で会場が盛り上がる場面が多いですが、ストライカーでもあることで、その点でも楽しみですか?
「そうですね。動画で見たのですが、結構、観客とかもエキサイティングなので、盛り上がる試合をして、久々のフルハウスの観客なので、沸かしたいですよね」
──無観客が2試合あって、前回もまだ観客席は少ないときでした。今回のルンピニースタジアムでは、パフォーマンスボーナスも狙いにいけますね。
「そうですね。狙いに行きます」
──今回が自身初のリングマッチ、どのような影響がありますか?
「サークルケージと違って、リングだと角があるじゃないですか。コーナーがあると相手を追い詰めやすいのかなっていうのは思いますね。ただ、テイクダウンしようとした時にロープを掴まれたり、あと、リングの外に出ようとしちゃうとか、嫌なところもあるかもしれません。一長一短な感じですね。でも、そんなに壁を使って、ケージ使ってテイクダウンとかするタイプでもないから、あんまり変わんないのかなと思います」
──リングで戦うことは、相手の方が不利だと思いますか?
「どうなんでしょうね。相手がリングに慣れているかどうかでしょうけど、大丈夫です。普通に」
──今回勝ったら、誰と戦いたいですか?
「チャンピオン(クリスチャン・リー)だったり、もし日本大会があるなら、秋山成勲選手とか日本人とやっても面白いと思います」
──では、土曜日の試合に向けて、ファンへメッセージを。
「長らくお待たせいたしました。“ジャパニーズビースト”が帰ってきました。久々の試合ですが、しっかりと倒して盛り上げて、日本に勇気と力を与えたいと思ってます。よろしくお願いいたします!」