(C)ゴング格闘技
2023年10月1日(日)愛知県・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)にて『RIZIN LANDMARK.6』が開催された。
メインイベントでは、バンタム級(61.0kg)に戻した所英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)と、アラン“ヒロ”ヤマニハ(ボンサイ柔術)が対戦。
所のセコンドに金原正徳、ヤマニハのセコンドにクレベル・コイケがつくなか、試合は、寝技師同志がスクランブルする展開に。
バックを奪うヤマニハに正対から、金原ゆずりの肩固め、足関節で切り返そうとする所が独自の「UWFとZSTの寝技で」応戦。勝敗は判定3-0でポジショニングを制したボンサイ柔術のヤマニハが、勝利した。
試合後、所はセコンドの金原と勝村周一朗に進退について話したことを明かし、「自分の中ではもう、2Rの時点でも倒れそうな状態だったので……金原さんや勝村さんやお世話になっている方々のおかげだし、所プラスの選手に変なところを見せられないので、頑張りました」と語り、涙した。
また、地元での試合に家族を招いたものの、大一番を前に息子が所の試合中にぐっすり眠りに落ちていたことも告白。「子どもには伝わらなかったですね、父親の頑張りは」と苦笑した。
所「これからの子たちが、RIZINの舞台で活躍する日を夢見ています」
──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
「悔しい気持ちと、“ヒロ強かったな”という相手をリスペクトする気持ちと、“また期待に応えられなかった”という、悔しい気持ちですね」
──実際に手を合わせて、どんなところが強かったかを教えていただけますか。
「もっとバック取られても動けると思ってたし、ガードされても全然動いてパスできる自信もあったのですけど、全然レベルが高かったというか……うん、強かったです。うん。強かった」
──試合を終えたばかりですが今後の目標・展望を教えてください。
「ちょっと今は考えられないです」
──地元に近い名古屋で試合をできたことはいかがでしたか。
「3年休んでいて復帰する時に、RIZINで試合するというのと、名古屋で試合したい気持ちもあったので、夢が叶って良かったなというのと、メインで使ってもらったのは色々あったからだと思うけど、本当に、こんなこともうないだろうと思って、味わっていました」
──リングサイドではご家族もご覧になっていました。お子さんに声をかけていらっしゃいましたが、どんな会話をされていたのですか。
「いやあ、寝てたんで(笑)。起こしてびっくりされちゃって(笑)。すごいかわいいなあってまた思いました(笑)」
──お子さんは寝てしまっていて全く試合をご覧になっていなかったのですか?
「僕も、(ケージから)降りて、両親と、奥さんのところに行って、子どもが寝てたのでびっくりしました(笑)。だから、子どもには伝わらなかったですね、父親の頑張りは(笑)」
──メインまで長すぎましたかね。
「小学1年生で今日東京から来て、そりゃ疲れますよね、この時間は」
──セコンドの金原正徳選手からは試合後どんな言葉が?
「金原さんにも勝村(周一朗)さんにも自分の気持ちを伝えて。『今考えることじゃない』って言われてって感じです。ちょっと『すみません』の言葉しか出てこなかったですけど、今までは。『本当にありがとうございます」と、すごい感謝しています』と伝えられました」
──伝えたことというのは、進退に関わることですか?
「まあ……そんなところです」
──今回も3人で肩を組んで入場する場面が印象的でした。感極まった表情をされていましたが、耳打ちされていた言葉で覚えていることはありますか?
「口癖にしていた、『今日やるんだ、今日やるんだ』というのを2人とも言い聞かせてくれて。そういう感じで、あとはいつもの感じで入りました」
──今回用に作られた応援Tシャツのうしろに 『Little Volk』と書かれていたり、ケージでのコールも『戦うフリーター』という言葉が復活していましたが、その辺についての思いは?
「本当に周りの皆さんがそうやって盛り上げてくださって、本当にあとは僕がやるだけだったんですけど。ちょっと、ヒロが強かったです。本当に、僕がやるだけだったです……」
──ハーフから、金原選手と同じように脇を差して頭を着けてのパス狙いから肩固めが、形になったと思うのですけれど、あそこが最後フィニッシュまで行かなかったのは何が足りなかったと思いますか。
「本当はああいう動きって自分の動きじゃないんですけど(苦笑)、ちょっと金原さんへの憧れが強すぎました(笑)、僕も本当に“ああなりたい”と思ってずっと追っかけて、やっぱ試合も間近で見させてもらって、ちょっと憧れが強くなりすぎました。でも後悔はないです」
──それでそのあとにヒザ十字に。
「そうですね、ちょっとワンテンポ遅かったです」
──試合前にも色々仰っていましたが、今日、ご自分の中では妥協せずやりきるということは、できましたか。
「そうですね、まああの、1Rバック取られた時にもっと動けば良かったなと思いますけど、それもヒロがさせてくれなかったということだと思うので、自分の中ではもう、2Rの時点でも倒れそうな状態だったので……(涙を流す)やれたのだと思います」
──2Rでかなり追い詰められていた中で3R通して全部動き切れたのはどういう要因でしたか。
「それはこう、金原さんや勝村さんやお世話になっている方々のおかげだし、所プラスの選手に変なところを見せられないので、頑張りました」
──所プラスの選手が来週や再来週にかけて試合がありますが、セコンドやサポートをしたいと?
「そうですね、セコンドについて、いいバトンは渡せなかったですけど、これからの子たちばかりなので頑張ってもらって、RIZINの舞台で活躍する日を夢見ています」