2023年10月1日(日)愛知県・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)にて開催の『RIZIN LANDMARK.6』。
第12試合の63.0kg契約5分3Rで、太田忍(パラエストラ柏)に判定2-1で勝利した初参戦の佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)が試合後インタビューに答えた。
対戦を求められる選手になりたい
――試合後の感想は?
「デビュー戦しっかり一本・KOで勝ちたかったなというのがあるんですけれど、概ねプラン通りに出来た試合だったかなと思います」
――そのプランとは?
「最初は打撃で行って、テイクダウンを切れるなら切りたいんですけれど絶対にテイクダウンとられるだろうなと思って。押し込まれてボディロックとられた時の対処で、壁際で横向いてカカトで削ったりする動きをして、テイクダウンをとらせて立って、とらせて立ってという中で削って行ってバテてきたところを離れた時に打撃でまとめるか、テイクダウンに来たところを切ってバックに回ってバックチョークかパウンドアウトを狙っていました」
――対戦した太田選手の印象は?
「概ね戦前の印象と同じですけれど、思ったよりタフで効いてからけっこう頑張るなっていうところがあったのと、思ったより自分も削れた部分があって疲れてコントロールしながらやった部分がありました」
――判定を聞いている瞬間は?
「1入るんだなってビックリしましたけれど、やることはやったから後は委ねるというか。でもビックリしました」
――今後の目標や展望は?
「これから考えるんですけれど、対戦を求められる選手になりたいなっていうのがあって。自分が誰かを追いかけるというよりかは、しっかり毎試合自分のベストを見せて面白いところを楽しめればいいかなとは思います」
――太田選手の攻撃で効いたものは?
「ダメージになったのはないですね。1回1Rでヒザを着いた状態でヒザを狙ってきたのが当たっていたらヤバかったなって瞬間があったくらいで、実際当たって効いたみたいなのはなかったです」
――太田選手の攻撃で想定外だったものは?
「想定外のものはなかったですね」
――今後RIZINでの活動でこうしたいというのは?
「何かあれば言いたいんですけれど、みんな楽しめるように言いたいんですけれど本当に何も決まってないです」
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知っているヤツだけ知っていればいいって思う人
――動き続けて攻め続けているのが太田選手、間隙を突いて佐藤選手が打撃を入れる展開。あのパンチ、あのヒザを入れてあれだけ組まれても判定はとれるって作戦があった?
「本当はもっとまとめる部分だとか、しっかりタックルを切って僕が押しているってところを見せたかったんですけれど、ずっと太田選手が押している展開が評価されるんだって今言われてそうなんだなっていうのが客観的に見れたというか。それまでは僕的には30-27のゲームと感じていたところではあります」
――ガブらせないことは一番気にしていた?
「そうですね。ガブられるとヒザもそうですし、コントロールタイムを長く使われて僕がガブられたところから攻めるのは、そのポジションでは100パーセント太田選手の攻撃しかない。首を狙われたり、そこからヒザだったり、離して打撃というところで完全に太田選手のポジションになってしまう。でもガードとかハーフだとスイープとか狙えて下からも攻められるポジションであるのでそこは気を付けていました」
――テイクダウン対策で相当上の方を向いて身体が伸びている状態だったが、リングだったら今後RIZINに出るんだったら対策は必要になって来るのでは?
「どうでしょうね。ボディロックはとられると思っていたので。リングではボディロックはとられやすいです、もちろん。今回のケージでもボディロックはとられていたので、その中で出来ると言えば出来るのはあるんですけれど、リングだとやってみないと分からないですけれどもうちょっと不利に働く気はしましたね。寝てからも勝負できると思っていたので、逆にもうちょい寝技の展開で動き作っても良かったとぼんやりは思いますけれど、セーフティに行ってしまいました」
――打撃をもらった太田選手が嫌そうな素振りを見せていた。それがなくガンガン来られていたらまた変わっていた?
「そうですね……来られたら嫌は嫌ですけれど、そこで嫌がってくれたから攻め込めた部分だとか、僕が優位に見える展開になったというのはあると思います。多分あんな感じになるんだろなって想像はあったので、そこは想定内だったから助かった」
――試合後のマイクでも試合前にも言っていた「にわか・にわかじゃないのセンターライン」は思うところがあった?
「いやなんかフックになるというか、そういう発言をすることで注目を集められるかなと思って言っただけで、そこは僕は気にしていないというか、そんなに知られていなくてもいい、知っているヤツだけ知っていればいいって思う人なので。知らない人は知らない人でそれでいいと思っています」
――佐藤選手の参戦があった後で、皇治選手と朝倉海選手の話だったり、名古屋大会大丈夫かといった発言があった。そこで思うことはなかった?
「僕じゃ足りないっていうのは理解できるし、所さんがメインになるのも理解できる。自分の力のなさというか、僕だけではどうにも出来ないんだなっていう寂しさというか、虚無感みたいなところは感じます」
――大晦日への想いは?
「今は考えてないですけれど、次の試合を見据えてやっていくだけです。特に大晦日というのは考えていないです」
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準備期間がなくても心が踊ればあります(笑)
――試合前の発言通り、試合の内容も妥当に終わった?
「概ねプラン通り。もうちょっといいところを作りたかったけれど」
――RIZINで戦ってみて、今まで戦ったところとの違いはあった?
「久々に日本のケージで戦って、温かさというか。日本だし、声援も日本語で聞こえるし、応援してくれていることが凄く分かりやすくて温かさを感じたのはあります」
――朝倉海選手やアーチュレッタ選手と戦うイメージはしている?
「まあそうね、来る前から、あの辺とはやり合えるっていうか、普通に戦えるだろう、まあめちゃめちゃ強い、井上直樹もそうですけど、朝倉海、アーチュレッタ、あそこら辺とやったらどうなるかな? というのは同じ階級だから見てます。で、何かボコボコにやられるっていうイメージはないです。普通に戦えるイメージは持っている」
──……。
将光 え? 何か言ってほしかった?
──結果はどうなる、というところは……。
「結果は分からないですけれど、それくらいのレベルに自分がいてると思っているので。逆にどうお思いですか? ハハ!」
──太田選手を圧倒した試合内容でしたので、当然その2人にも勝てる自信があるのかな? と。
「ま、スプリットですけどね! はい」
──先ほど大会の盛り上がりに関して「虚無感」という言葉も出ました。RIZINを盛り上げるにはSNSを使って発信するとか、時には過激なトラッシュトークも求められて来るかと思います。佐藤選手は性格的にそういうのは向かないのかとは思いますが、それが時に試合結果よりも重視される風潮をどう思いますか?
「それはそれで全然あり、だと思っている。で、自分自身がそういうことをやるかというと、やらない。で、僕のやり方で盛り上げられたらいいと思っている。もちろん世間というか、一般層に向けて、まあトラッシュトークをやる必要はないと思うけど、何かフックが必要だと思っていて、僕はこのやり方で来ていて、僕の中で自分のファイター像があるので、それでやっていくつもり。今までと変えていくつもりはないっていうか、自分の、自分らしさでやっていけたらいいな、って。全員が全員それする必要はないし。うん。ま、それぞれあっていいと思う」
――大晦日にぜひとの要望があったら?
「大晦日を考えていないというか、大晦日だけを見てやっていないという意味で、どの大会でも、次どれになるか分からないけれど、という発言のニュアンスなので、まあ次何になるか分からないけど次に向けてやっていくという意味で、大晦日はナシってワケじゃない」
――きちんと準備期間があるオファーであれば検討する?
「準備期間がなくても心が踊ればあります(笑)」
――もし準備期間が1カ月くらいあれば全然違う内容の試合を見せられたとの想いは?
「どうだろうな。どうか分からないけれど、もうちょっといろいろな仕掛けというか、こうなった時にこういうことが出来るなっていうのは試せた、もうちょっとトライが出来たかもしれないってのはありますけれど。でも2週間の割には上手く作れたと思います」
――年齢的な部分は意識する?
「意識はないんですけどやっぱりこ、落ちていく部分も感じるし、技術的に成熟していく部分も感じるし、まあ全部受け入れながらやっていくっていうか。まあ、歌手じゃないですけど声が全然出なくなってもアレンジしてうまくやっていくというのをMMAでもできると思っている。だから自分の変化を受け入れながら、戦いをアレンジしていけると思っていますし、それである程度戦えるっていうか。抗ってもしょうがない部分があるので、受け入れて戦っていくという感じですね」