2023年9月30日(日本時間9時から)シンガポール・インドアスタジアムで開催される『ONE FIGHT NIGHT 14: STAMP VS HAM」(ABEMA配信)のメインイベント「アトム級暫定世界王座決定戦」を戦うスタンプ・フェアテックス(タイ)とハム・ソヒ(韓国)が試合前インタビューに答えた。
スタンプは2022年3月の王座戦でアンジェラ・リーにリアネイキドチョークで一本負け。その後、アンジェラは妹のビクトリアの死を受けて、試合から遠ざかっており、今回の暫定王座戦となった。今回、スタンプはアンジェラと再会したことを語り、自死を考えたことを告白したアンジェラを抱きしめた思いを語っている。
女子がこの規模の大会でメインイベントを背負っているということを誇りに思う
──今回の入場曲はなんですか。どんなパフォーマンスを披露する予定ですか。
「正直、楽曲名すらうろ覚えです。入場の練習もそんなにしていないし、大会当日のサプライズに取っておきます(笑)」
──この試合はとても重要な試合だと思います。アトム級暫定世界王座を勝ち取ることは、ご自身の生活やキャリア、レガシーにどんな意味をもたらしますか。
「この暫定世界王座戦に勝てば、私が史上初のキックボクシング、ムエタイ、総合格闘技の3競技世界王者となります。もちろん勝利によってもっとファンが増えたり、経験値も上がると思う。見てくれる人、女子達に勇気を与えられるとも思います。タイ出身女子の私がこれを成し遂げられるのであれば、誰でも夢を叶えられると伝えたいです」
──以前、シンガポールでアンジェラ・リーと対戦しましたが、その試合で得たことを教えてください。
「前回、シンガポールでアンジェラ・リーと戦って、MMAにもっと集中するようになりました。もっとBJJを練習するようにもなりました。その前までは、試合前に緊張したり心配になったりもしたけど、あの試合から自分のメンタルをコントロールできるようになりました。試合に向けて安定した状態を作れるようになりましたね」
──2023年にスタンプ選手は、ONEのアメリカ大会に出場しましたね。あの試合であなたのファンが増えましたし、多くのファンが反応するようになりました。アメリカでファンが増えていることは知っていますか。
「はい。インスタグラムのフォロワーもかなり増えて、もうすぐ70万フォロワーになります。遠く離れた国のファンにフォローしてもらって、たくさん応援してもらえることは、すごく嬉しいです」
──米国大会では試合前に早めにデンバー入りし、現地のジムでも練習していたと聞きました。将来、アメリカのジムでトレーニングすることは考えていますか。
「米国のファンから評判を得たことはとても嬉しいです。現地のジムでの練習もとても楽しかったです。もしチャンスがあればアメリカでジムを開きたいなとも思っています。それにもしONEがまたアメリカ大会があってそこに出場できれば、現地のジムで女子ファイターたちと練習して、色々と吸収したいなと思っています」
──1年半前にアンジェラ・リーと戦い、ボディ打ちを効かせながらも、手足の長いアンジェラの強引に間合いを詰めた「上半身への組み」でテイクダウンされました。今回の相手のハム・ソヒのテイクダウン能力に関してはどうとらえていますか。
「ハム・ソヒはとても強いパンチパワーを持っているので、それに向けたディフェンスの対策練習をしてきました。アンジェラ・リーと戦った時にテイクダウンが上手くいかなかったこと、逆にテイクダウンディフェンスも思うようにいかなかったことを踏まえて、その点をこの試合に向けてもっと練習してきました」
──この試合に勝てば、3つの世界タイトルを獲得(ムエタイ、キックボクシング、アトム級WGP)することになりますが、各競技の移行で一番チャレンジングだったのは何でしょうか。
「ムエタイ・キックボクシングからMMAに移行するときに、一番苦労したのは、柔術とテイクダウンです。他よりもっとハードな練習をする必要がありました」
──これまでその苦労したサブミッションで2勝していますね。
「もちろん自分のムエタイのバックグラウンドを見れば、私のメインのファイトスタイルはムエタイをベースにした打撃です。MMAでノックアウトやサブミッションで勝つことは、自分でも驚くこともありますけど、もっとフィニッシュできるように練習に励んでいます」
──シンガポール入りしてからホテルでアンジェラ・リーに会い、感情が込み上げている様子をSNSで見ました。女子の試合4試合がメインに入っていることも踏まえて、彼女との再会、またこの大会が意味すること、アンジェラ・リーが最近告白したこと(※車の衝突事故は自殺しようとしていたことを告白)をどう思っていますか。
「まず、あの動画で映っていた私とアンジェラの様子についてですが、あの時が彼女の妹が亡くなってから、初めてアンジェラに会ったものでした。なので、すごく感情的になりました。とにかく彼女を抱きしめて、応援していることを伝えたかったんです。私が彼女のことが大好きだって言うことと、彼女は今でも私のアイドルだってことを伝えたかったです。ONEのような世界の舞台で女子を代表して戦えること、女子がこの規模の大会でメインイベントを背負っているということを誇りに思っています」