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2023年10月1日(日)『RIZIN LANDMARK.6』ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)大会に出場する選手の個別インタビューが9月29日(金)、名古屋市内で行われ,63.0kg契約・5分3Rで、太田忍(パラエストラ柏)と対戦する佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)が出席。
ONEからRIZIN参戦を決めた理由を「一番は試合がしたかった」とし、「人生、波風あったほうが豊かなものになる」と表現。「知名度が欲しくて出ることは僕はなくて、僕を“知ってる”“知らない”で“にわか”“にわかじゃない”とSNSで論争が起きているようですが、僕は知名度は関係なく、見てくれる人が見てくれればいい。国内外問わず、強い相手と戦えればいい」と語った(※事前インタビュー)。
太田選手は組んで投げに頼らないで殴りに行ったり、そういう部分が伸びてきている
──スクランブル参戦を受けた率直な感想を。
「ずっと試合したかったんで、急遽ですけど試合できて嬉しいというのが、率直な感想です」
──試合を2日後に控えた心境は?
「いよいよ明後日で、今回(オファーから)2週間だったんですけど、試合決まってから、それでもずっと練習してきたことがあるので、それを明後日に出すのが迫ってきたなという、試合前のいつもの感じというか、何とも言えない緊張感だとか、恐怖心が渦巻いているような感じかと思います」
──現在の練習環境やトレーニング場所は?
「メインは自分のジム(Fight Baes)でプロ練1回、もともとの坂口道場で週1やって、あとはKrazy BeeとTRIBE(TOKYO MMA)に練習行かせてもらってという感じで、ほとんどMMAの練習しかしていないです、ボクシングや寝技だけというのはなく、グラップリングは週1やっていますけど、ほとんどMMAの練習がメインです」
──対戦相手の太田忍選手の印象は?
「オリンピックの銀メダリストで、フィジカルと、レスリングが強いところが印象的ですね」
──試合に挑むテーマがあれば。
「いつも通りで、試合のテーマ……ずっと試合に向けて2週間やって感じているのは“ずっとやってきたっていう自分の自信があるから受けられた”というのが、あるのと、すごい自分がやってきたこと、人に対してとか、周りに対してやってきたことが、試合が決まったときにいい反響があるというか、すごいアドバイスもらえたり、すごいみんなが応援してくれたり、やってきたことがいい形で返ってきていることを感じています」
──オフォシャルから最後の質問です。RIZINファンには初めて見る方も。どういうところを見てほしいでしょうか。
「それは見てもらえれば分かるという感じで、僕からわざわざ売り文句にはしたくなくて。気になる人は動画チェックしてもらってもいいし、初めて試合を見ていいと思ってもらえたら、あらためて見てもらえたらいいので、しっかり試合でそう思ってもらえたらいいと思っています」
──どんな試合展開になるでしょうか。
「……あんまり言いたくない(笑)、いいですか?(見てのお楽しみと?)そうですね」
──9月18日に「判断基準は何よりも自分がどうありたいかで後悔のない選択をして死にたいですね」と投稿していました。これは、RIZIN参戦を決めたときでしょうか。
「試合が決まったのが、2週間前。9月18日の月曜投稿というと日曜に話が来たので、試合が決まってのものですね」
──RIZINに対する興味も?
「それもある。けどやっぱり、さっき言ったように、自信がある、自分に。やってきた自信、36年中18年間格闘技やってきた自信が。いつでも受けるっていうことで。受けさせてもらいました(メンタル的には気持ちはできあがっていた?)まあそうですね」
──「今回急遽でスポンサーつけられる時間なく激励賞という形とらせていただいています」という投稿も見ました。それでも試合を決めたのは?
「一番は、試合したい。試合することで刺激がある。人生に刺激が出ることが一番、試合をする上での目的というか。何もない日常をただ生きてるだけって、生きてる意味あるのかなってちょっと思っちゃうところがあって。人生、波風あったほうが豊かなものになると思っていて。それで一番、試合がしたいというのあるので。お金は二の次で、それより試合がある環境が欲しかったということです」
──勝った後のビジョンについては?
「今後について考えている途中での急なオファーだったので、全く見えていないなかで決まって、(ビジョンを)考えようとは思っていたのですけど、試合が決まっちゃうと試合のことしか考えられなくなっていて、試合が終わったら、誰とやったら・どこ行ったら面白い、ということは考えていきたいと思います」
──ONEから日本のRIZINへのイメージは?
「うーん。すごいやっぱり日本で盛り上がってきていて、最近はBellatorとも交流したりして、一気に海外の選手入ってきたり、あとはアゼルバイジャン(大会も)。どんどん広がっている感じですね。そういうイメージです」
──参戦にあたり、RIZINに出ることで知名度が上がるという部分もありましたか。
「知名度が欲しくて出ることは僕はなくて、僕を“知ってる”“知らない”で“にわか”“にわかじゃない”とSNSで論争が起きているようですが。僕は知名度は関係なくて、見てくれる人が見てくれればいいし、できれば穏やかに暮らしていたいっていうか、今まで通りの生活を壊されたくないっていうのはあるんですけど。有名になっちゃったらしょうがないなというのはありますけど」
──対海外勢と戦いたいという思いも?
「潜在的に世界で戦っているとかっこいいというのはありましたけど、今は戦う場があって、強い相手と戦えれば、別に海外じゃなくて日本の選手でもいいと思いますし、海外志向といえばそうかもしれないけど、強さを追求していきたい、最後まで。弱い相手はいないと思うけど、自分が強いと思っている相手と戦っていきたいというのが自分のなかにあります。日本にも強い選手がいて、そこで戦うのも全然アリだと思っている。答えは、そうかな」
──太田選手より優れている点は?
「経験ですかね。やっぱりMMAの総合力です」
──太田選手が勝てばアーチュレッタが持つベルトに挑戦すると青写真を描いています。佐藤選手が勝つと序列がひっくり返る。そういう状況にしたいという思いは?
「僕の中では“ひっくり返る”と思っていなくて“妥当”だろうと思っています」
──太田選手をMMAファイターとしてどう評価していますか。
「最近乗ってきていると思っていて。太田選手のなかで掴んだ部分があると思うんです。うまくレスリングで戦っていた部分を、MMAにだんだん順応してきているのをすごく感じます。具体的にいうと組んで、投げに頼らないで殴りに行ったり、そういう部分が伸びてきているのかと思っています」
──急遽この試合が決まって、太田選手を研究するにあたり伸び代の警戒や怖さは?
「そこはもちろんあります。もともとのポテンシャルも彼のほうが高いと思いますし。瞬発力とか単純な力は彼のほうが強いと思います」
──五輪選手と戦うことについては?
「メダリストと戦えるんだなと。自分は全局面で戦うことを考えています」
──ONEからRIZINへ移籍し、ONEについてはご自身のなかでやりのこした感や、タイトルなど、こういうことをまだやりたかったという気持ちは?
「心残りではあります」
──新天地のRIZINで、刺激をもらえるような戦いの舞台につなげていきたい?
「そうですね」
──太田選手は「以前、始めたばかりの頃に、Krazy Beeで少し組んだことがある」と。佐藤選手は当時の太田選手をどう感じましたか。
「何かね、どうだったかな。別でやっててちょっとだけやりに来たとか、来てるなとは覚えているんですけど、組んでどうだったかはあまり覚えていないです。その頃はまだレスリングやりながら、MMAの練習に来ていたんだったかな。全然意識していなかったし、階級も同じだと思っていなかったし、ましてや戦うことになるとは。先日、Krazy Beeで練習したときに『ここで(練習)やってますよね?』って言われて、『そうだったな』って、その時思い出したくらいで、その時の印象が今話せるほど覚えていないです」
──さきほど「妥当」という言葉がありましたが、世界的なランクでは上にいて、RIZIN初参戦で苦しむこともあります。スクランブル参戦を決めるにおいて、ケージであることは要素にありましたか。
「リングでもやっていたと思いますけど、ケージのほうが戦いやすいというのはあります。多分なんでもやってもいいと(答えていた)」
──太田選手は「5分3Rで勝てばいい」と。「15分、自分の強みを押し付ける」という太田選手に対して、それを断ち切ることに自信がありますか。
「断ち切るし、僕の得意なところも押し付けます」