『PRIME VIDEO PRESENTS LIVE BOXING 5』2023年9月18日(月・祝)東京・有明アリーナ
▼57.79kg契約 8回戦〇那須川天心(帝拳ジム)判定3-0 ※80-70×3×ルイス・グスマン(メキシコ/メキシコバンタム級王者)
2023年9月18日(月・祝)東京・有明アリーナで『LIVE BOXING5『が開催され、那須川天心(帝拳ジム)はボクシング第2戦に臨んだ。
那須川天心は1998年生まれの25歳。キックボクシング、MMA、ミックスルールなど格闘技の公式戦47連勝(無敗)をマークした後、ボクシングに転向。今年4月8日、有明アリーナでのボクシングデビュー戦では日本バンタム級2位の与那覇勇気に3-0の判定勝利を収めた。この勝利で日本スーパーバンタム級7位、OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級8位にランキング入り。
対戦相手はメキシコバンタム級王者のルイス・グスマン(27歳)。当初対戦予定だったフアン・フローレス(メキシコ)が新型コロナ感染のために欠場し、グスマンは代打出場となった。だが、アマチュアで150戦(143勝7敗)、プロでも非公認試合を含めて24戦しているグスマンは「天心に勝っているのは経験」と豊富なキャリアで余裕の表情を見せた。
だが、天心は「(ボクシング経験値の違いは)そんな気にしてない。関係ないっしょという感じですね(笑)」と一蹴。さらに「ポイントは技術とかいろいろあるが、そういうものだけではなく相手だったり見てるお客さん、アマゾン(プライムビデオ)で見てる人たちの心を巻き込む試合をして、最終的に全員を倒しにいきたい」と天心。
ボクシング挑戦に際して「ボクシング対那須川天心」と表現した天心。豪快なKO勝利で対戦相手と観客と視聴者のすべてに「ボクサー・那須川天心」の存在を強烈に刻みつけることが出来るか。
おなじみの矢沢永吉「とまらないHa~Ha」で入場してきた天心。今回は黒く髪を染めて短髪。
今回はデビュー戦の内容が評価されて8回戦。
1R、グスマンはオーソ。天心はジャブを伸ばす。さらに細かいステップからの右ショートを当てる。前に出てきたグスマンに、天心は下がりながら左のカウンターでいきなりダウンを奪う。立ち上がったグスマンは右ストレート。天心はステップで回りながらショートパンチからボディ。鋭いジャブを放つ天心。相手の動きに合わせてワンツー。ジャブから左ボディ。グスマンは右フック。天心はステップで会場を湧かせる。細かく、速いステップをみせてゴング。
2R、思い切り右フックを放つグスマン。天心はステップでかわし、左に回りながら左フック。踏み込んで左ボディ。ワンツー。天心は大きく踏み込んで左ボディストレート。グスマンは前に詰めて、大きなパンチを放つが天心が難なくかわしてしまう。グスマンのパンチをかわして、天心が左フック。前に出てくるグスマン、かわしてパンチを打つ込む天心。前に出てくるグスマンをかわしながら、パンチを合わせる天心。ほとんどパンチを貰わぬまま、一方的な展開になりつつある。
3R、ゆっくり中央に歩み出た天心。天心はジャブ、グスマンは前へ出るがパンチが当たらない。天心は左に回り、グスマンが追ってこないと自分から左フック。さらにグスマンが前に出たところに下がりながら右フック。カウンターのタイミングがバッチリと合っている。天心がジャブ。グスマンのカウンターをかわして、天心がボディ。グスマンが下がり、追う天心。さらに天心が左ボディ。グスマンは前に出て左右フックも、天心がかわしてゴング。
4R、天心は左右に動き、ジャブ、右ストレート。グスマンは前に出て右フックも天心がブロック。天心がジャブ、ジャブ。相手と距離をはかりながら、ジャブを当て、グスマンのパンチはかわす。グスマンが前に出て左ボディ。天心が回り込んで左フック。 残り1分。グスマンはワンツー。天心が左アッパーをヒット。グスマンは前に出て攻めていくが、天心にかわされてロープに突っ込んでしまう。リングサイドに俳優の横浜流星が映ってざわつく会場。
5R、天心が足を止めて、強めのパンチを放っていく。大きな左ボディフック。速いジャブ。グスマンは前に出てパンチを振るい、グスマンに足を踏まれた天心が一瞬、バランスを崩してあわや尻餅。天心がジャブを伸ばす。グスマンの打ち返しはかわす。グスマンの右フックはブロック。天心がステップで回りながら、グスマンの様子をうかがう。天心が左ストレート。天心が左ボディを痛打。グスマンはガードを固めて前へ。そこに天心は右ショートフックを合わせる。グスマンは前に出てパンチを放つが、すべて天心にかわされる。
6R、グスマンは前へ。天心はステップで回りながらジャブ。足を止めて左ストレート、左ボディ。天心がボディ攻め。耐えるグスマン。残り2分。天心はワンツー。グスマンは前へ出ていくが、天心のステップには追いつけない。残り1分。天心が左ボディアッパー。左右に体を揺らし、ステップを刻みながら、グスマンが前に出たところにボディから連打!場内は大歓声に包まれるが、グスマンは体勢を立て直してフィニッシュは出来ず。 7R。天心がジャブから左ストレート。グスマンのパンチを外してカウンターをヒット。天心が左ボディ。グスマンが苦しそうに身体をかがめるも、そこで耐えて粘る。天心が左ボディ。さらに左ストレート。天心が尻餅。またグスマンに足を踏まれたようだ。天心が右ボディフック。グスマンが前に出るところに鮮やかなカウンターの右アッパーでダウンを奪う、と思いきや、レフェリーの判断は「スリップ」。立ち上がるグスマン。天心のパンチに、グスマンは前に出てパンチを打ち返す。場内のアナウンス「レフェリーはスリップとしましたが、ダウンに変更されます」。
8R。天心がジャブ。まわり込んで左フック。ワンツー。天心がジャブ、ジャブから左ストレートを強打。グスマンのパンチをかわして、天心が右フック。踏み込んで左ボディ。天心がパンチ連打。ノーガード。オーソにスイッチ。様々なスタイルを試した天心。最後、天心が左ストレートでグスマンは尻餅をつくがレフェリーは「スリップ」の判断で終了ゴング。
採点は三者とも80―70で天心。あと一歩でKOを逃したものの、メキシコ王者にパーフェクトな勝利を収めた。
天心は「今日は応援してくれた皆さん、来てくれた皆さん、そしてファンの皆さん、本当にありがとうございます! ダウンは取れて、進化してる姿は見せられたと思うんですけど最後は上手くいかないというか、人生、上手くいかないもんだな、っていう(苦笑)。 これに懸けてやってきたんですけど、なかなかうまくいかないなっていうところもあるんですけど、成長してる姿を皆さんに見せられたと思うんで。僕のボクシングの本気を皆に見せられたと思うんですけどどうだったスか?(歓声)
やっぱ格闘技以外に僕、あんまり楽しいと思えることないんで。これをやってる時が一番楽しいですね。人生懸かってるというか。 世の中、いろんな情報があったりいろんなものに左右されたり。何がホントか何がウソか分からない世の中なんですけど、僕は自分とチームと、応援してくれる人を信じて、最強の道を突き進んでいこうと思ってるんで。 僕を信じてくれれば間違いない、と。そういう人になろうと思ってるので、今後も努力し続けたいと思います」
最後に「これ、世界中に放送されてるんですよね?」と確認した後、英語で挨拶した天心。 そして、カメラに向かって「これから倒せるように、マジで頑張るから! よろしく!」