初代RISEフライ級王者の田丸辰(TRY HARD GYM)が王座を返上することになり、数島と松本で第2代王座が争われることになった。
会見には田丸も出席。伊藤隆RISE代表から「WORLD SERIESで決勝まで上がって防衛戦の目途が立たないことと、身体作りもしていてフライ級を維持するのが難しいとのことで、選手・ジムと話してトーナメントに専念するので返上することになりました。田丸には日本代表として頑張って欲しい」との説明があった。
田丸は「フライ級のベルトを返上することになりました。理由はトーナメントの時期的にも防衛戦が難しいのと、体重的にも元々フライ級でずっとやるつもりはなかったので返上することにしました。防衛戦が松本選手と決まっていたので申し訳ないです。なので松本選手に獲ってもらって、自分も世界を獲ってまたいつか高い位置でやれたらいいなと思います」と説明。初代フライ級王座を争った数島にではなく、松本にエールを送る。
今後の階級に関しては「トーナメント後のことは考えていなくて。負けた選手にリベンジしたいのがあるので、53kgでも55kgでもやりたいと思っています。お任せしますって感じです」と話した。
数島は2020年9月にプロデビューすると軽量級でも倒す選手として注目され、2021年7月大会にはラジャダムナン王者の竜哉・エイワスポーツジムと対戦しドローとなったもののダウンを奪い一躍名を挙げた。2022年4月から開幕したフライ級王座決定トーナメントでは準決勝で当時無敗の塚本望夢とダウンの応酬の末の判定勝ちで決勝進出を決めたが、10月の決勝戦で初代スーパーフライ級王者の田丸辰に敗れて王座戴冠を逃した。2023年2月には予告通りに“神の左”でPRANDAMにKO勝ち、7月には松岡宏宜に判定勝ちし、戦績は10勝(6KO)2敗2分。
松本はJAPAN CUP2021 -55kg準優勝で、2021年8月にRISEでプロデビュー。3戦目で初黒星を喫するが、2023年2月に行われた「RISE NEW WARRIORS フライ級(-51.5kg)トーナメント」で大方の予想を覆し、空龍と塚本望夢の優勝候補2人を下し下剋上を果たして優勝。7月には弾丸風太も初回KOに沈め、6連勝で今ノリにのっている19歳のホープ。8勝(4KO)1敗の戦績を持つ。
会見を欠席した数島からは「今回タイトルマッチを組んでくださってありがとうございます。僕は1年前にフライ級王座決定戦を田丸選手とやらせてもらいましたが、そこで皆さんの期待を裏切ることになってしまいました。これは自分自身へのリベンジマッチ。松本選手は今一番勢いがある選手。そんな選手を僕がぶっ倒して僕が必ず王者になります。キックボクサーは泣かないぜ」とのコメントが読み上げられた。
「僕がデビュー戦の時のメインで数島選手がフライ級を引っ張っていくと言っていて、その数島選手と今回できるので嬉しく思います。あと1カ月、完璧に仕上げて、5R戦うつもりはないので倒します。(当初は田丸に挑戦するはずだったが)田丸選手は世界トーナメントがあるのでそれはしょうがないことだと思います。僕が返上したベルトを獲って、もっと高い位置で2人で試合が出来たらと思います。
数島選手は倒せるくらい怖い攻撃がありますが、克服して練習をたくさんして自信を持って試合に出られたらと思います。いろいろな展開が自分の中で予想できていて、自分が効かされる予想もできますし、自分が効かせて倒すことも予想できます。いろいろな展開が予想できますね。(数島には自称・神の左があるが)僕の左ストレートで倒れていると思います(笑)」
最後に松本は「RISE NEW WARRIORS フライ級(-51.5kg)トーナメント」で優勝した時に嬉し泣きしていたことを指摘され、今回タイトルを獲ったらキックボクサーでも嬉しくて泣いてしまうかと聞かれると「今回も泣いちゃうかもしれないです(笑)。でも、スパンッと終わったら泣かないかもしれないですけれどね」と答えた。