2023年10月7日(土)ブルガリア・ブルガスアリーナ『GLORY 89』の全対戦カードが決定した。
当初発表されていたGLORY世界ミドル級タイトルマッチ3分5R、王者ドノバン・ウィッセ(スリナム)vs.同級1位マイケル・ボアペア(ガーナ)は王者の健康上の理由で延期に。代わってGLORY世界フェザー級王者ペッチ(=ペットパノムルン/タイ)が7度目の防衛戦を行うことが発表となった。
ペットパノムルンはサウスポーで2011年にプロムエタイ協会バンタム級王者、2013年にスーパーフェザー級王者となって2階級制覇。2015年にはトーナメント戦の『トヨタ・ムエマラソン』-64kg級で優勝、2016年にWMC世界ライト級王者となった。セクサン、サムエー、ペットモラコット、チャムアックトーンらスター選手としのぎを削って勝利を収め、2016年8月からはGLORYに参戦。ザカリア・ゾウガリーやアブデラ・エズビリらから勝利を収めると、2018年9月に ロビン・ファン・ロスマレンに挑戦し、判定勝ちでGLORY世界フェザー級王座を奪取した。
また、2018年にはGLORYの“ノックアウト・オブ・ザ・イヤー”に輝いた。2021年11月にRISEに初来日を果たし、原口健飛に勝利すると、2022年8月の原口との再戦を制してRISE世界スーパーライト級(-65kg)初代王者との二冠王となった。12月の来日では山田洸誓に勝利。2023年3月には同時二階級制覇を狙い世界ライト級王者ティジャニ・ベスタティに挑戦したが、4RにKOで敗れた。5月にアフマド・チク・ムーサの挑戦を退け、5度目の防衛に成功している。戦績は169勝(27KO)39敗3分。
この絶対王者に挑戦するのは、スペイン系コロンビア人の新星ダビド・メヒア。ISKA世界ウェルター級王座を保持しており、近年は中国のクンルンファイトやWLF武林風でも活躍している。クンルンファイトでは、近代ムエタイのトップ選手であるタワンチャイ・P.Kセンチャイムエタイジムとフルラウンドの激闘を演じ、判定で敗れるもパンチ主体のスタイルで左フックからの右アッパー、顔面とボディに打ち分ける右ストレートでタワンチャイを苦しめた。2020年3月にはK-1に来日しているが、ウェルター級で野杁正明に判定3-0で敗れている。GLORYには今回が初参戦となるが、ヨーロッパとアジアでの活躍から挑戦者に抜擢されたという。戦績は61勝(18KO)15敗。
コ・メインイベントでは、第一弾対戦カードとして発表されたブルガリア出身のストヤン・コプリブレンスキー(18勝6KO)がルーマニアのソリン・カリニュック(11勝1敗)と対戦する。
また、年末に開催されるGLORYグランプリのヘビー級特別予選では、レヴィ・リガース(オランダ/14勝1KO6敗)が巨漢マーティン・テルプストラ(オランダ/26勝6KO13敗)を相手に待望の復帰戦を行う。勝者は50万ドルの8人制ワンナイト・トーナメントへの切符を手にすることになる。
常にエキサイティングな試合をするルイス・タバレス(オランダ/63勝21KO9敗)は、復帰戦となるボグダン・ストイカ(ルーマニア/57勝13KO40敗)と、ハイライト・リールが期待できるハイクオリティなライトヘビー級戦で激突する。
タバレスはEnfusionではヘビー級とライトヘビー級の2階級を制覇。GLORYでは5勝3敗で、前戦は5月にバフラム・ラジャブザデに初回KO負けを喫した。
ストイカは2016年10月ぶりのGLORY参戦。ONEに参戦しているアンドレイ・ストイカの実弟で、これまでにジネディーヌ・アムールラン、フレッド・シッキング、ファビオ・クワシら強豪を倒した実績を持つ。SUPERKOMBATのクルーザー級世界王者、世界空手&キックボクシングユニオン (WKU) クルーザー級世界タイトル、Enfusionライトヘビー級世界王者の座を射止めてきており、国内でも2度ウーシュー(武術)の王者になっている。
今大会はブルガス市とブルガリア・ファイト・エージェンシー(BFA)の協力で開催され、アンダーカードには地元の新進気鋭のファイターが4試合に出場するため序盤はブルガリアvs.世界戦が目白押し。アレクサンダル・ペトロフ(34勝6敗)はオーストリアのカリム・マブルーク(36勝5敗1分)と、エドゥアルド・アレクサニャン(18勝4KO5敗)はモロッコの無敗のモハメド・タッチャシー(14勝11KO)と、テオドール・フリストフ(14勝3KO7敗)はルーマニアのエドゥアルド・ガフェンク(17勝4KO11敗)と、ドラゴミール・ペトロフ(14勝3KO7敗)はドイツのランク入りしたクリス・ウン(35勝5KO1敗14分)とそれぞれ対戦。
このイベントはオランダのVideoland、ブルガリアのbTV、そしてGLORYFights.comと様々な世界的放送パートナーを通じて全世界で独占視聴が可能。日本ではU-NEXTにてLIVE配信される。