悲願であるKNOCK OUT王座獲りに再び挑む大谷
2023年9月16日(土)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.4』にて、第2代KNOCK OUT-BLACKライト級王座決定戦を久井大夢(TEAM TAIMU)と争う大谷翔司(スクランブル渋谷)のインタビューが主催者を通じて届いた。
6月にはKrushのリングで勝利するなど好調な中で、かつて王座を争ったバズーカ巧樹の返上に伴い空位となった同王座へのチャンスが巡ってきた大谷の口からは、自信漲る言葉が次々に出てきた。果たしてその言葉通り、タイトル獲得なるのか?
鈴木千裕と小笠原瑛作選手に「追い着け追い越せ」
──当初はトーナメントの予定が王座決定戦となり、久井選手とカード発表会見で同席しました。その席上、久井選手からは自信満々な言葉が飛び出していましたが、それを聞いてどう思いましたか?
「あれは自信ある感じだったんですかね? 自分の中では、自信があるのかないのか分からないなというイメージだったんですよ。ライト級に上げてくる不安もあるし、そもそもいい選手なのは間違いないので、そこに対する自信はあるとは思うんですけど、それが両方入り混じってる感じなのかなと思いました」
──なるほど。逆に大谷選手の方は、揺るぎない自信がある?
「そうですね。今、『KNOCK OUT』のライト級では僕が一番強いと思っていますし、そこに対して自信はあります」
──次が30戦目になりますが、久井選手は次が7戦目です。これだけキャリア差のある相手と王座を争うとは思っていなかったのでは?
「まあでも、前回Krushで戦った児玉兼慎選手も7戦目で、その前に『KNOCK OUT』で対戦した力斗選手も9戦目だったんですよ。それぞれ、ホープとしてこれから『KNOCK OUT』やKrushを背負っていくだろうという選手たちだったので、気持ち的にはそこと一緒です。タイトルが懸かっているという違いはありますけど、そんなに特別な感じはないですね」
──それだけ、下から有望株が上がってきているということでもありますよね。それを次々に迎え撃っているというのはどういう気持ちですか?
「力斗選手も児玉選手も、次にやる久井選手も、必ずこれからもっと上がってくる選手だと思ってるんですけど、自分が現役中の間は、もちろん自分がずっと上に立っているつもりです。リスペクトというか、今後上がってきてほしいという気持ちはあるんですが、同時に『絶対負けねえぞ』という気持ちも強いです」
「別に特別な気持ちはないんですよね。梅野源治選手に負けて以降、自分のスタイルも確立できているし、自分自身の技術とか強さに対して自信を持ってきているので、そんなに特別な感情は出さずに、これまで通り頑張ろうかなという感じです」
──このところの充実を考えると、その通りにやれればという感じですか?
「そうですね。テクニック勝負もしつつ、階級の壁も見せてやりたいですし、最終的にはKOで倒してやろうと思っています」
──ところで先日、他団体の王座(JAPAN KICKBOXING INNOVATIONライト級王座)を返上されましたよね。
「防衛戦の日程の関係で、今回の試合とどちらか選ばないといけない状況になったんですよね。その中で自分の方針とか、どのルールで戦っていくのかというようなことをジムの増田博正会長と話し合って、返上を決めました。思い入れのある団体だったので、防衛したいという気持ちもあったんですが、守るというよりもこれから勝負に出るということを優先した感じです。年齢的にも、あとどれだけできるか分からない中で、一戦一戦いろいろチャレンジしていきたいなと思って、その決断に至りました」
──では、その思いも持って王座を獲りに行くということなんですね。
「そうですね。そういう状況を作り出したというか、獲らないと何もないことになっちゃうよということで、自分を奮い立たせています」
──ということは、この先はBLACK、ヒジなしルールに専念ということですか?
「基本的にはそのつもりです。両方やってみて、確実にBLACKが自分の土俵だと思っているので。得意なルールで確実にトップを目指したいと思います。ただ、もしヒジありルールでいいオファーが来たら飛び込んでいきたいですし、絶対やらないというわけではないです。そこではトップを目指すわけではないというだけで」
──しかし基本BLACKに専念となると、余計にここでタイトルを獲ることが大事になってきますね。
「はい、年齢的にもかなり…ラストチャンスとまでは言わないですけど、ここで勝ってもまだ先があると思っているので。ここを落としちゃうと、トップを獲るのは難しくなってくるかなと思うので。今32歳で、たぶん40歳になるまではやらないと思うので、トップになるまでの数年間、頑張っていきたいと思ってます」
──この決断をするまでには、RIZINやKrushで勝利したことも大きいですか。
「やっぱり階級のトップを獲るには、『KNOCK OUT』でトップになって、他団体や世界との戦いに出ていくというのが一番近道でもあるし、それが一番認められる方法だと思うんですよね。ただ、前回のKrushの試合は、僕自身は『Krushに乗り込んでの試合』というよりは、この王座決定戦への査定試合という感じで考えてたんですよね」
──ほう。
「あそこで負けていたら、今回の王座決定戦のオファーもなかったと思うんですよ。だから対抗戦でもあり、王座決定戦への査定試合でもあるという感じで臨んでいたので」
──そこを乗り越えてきただけに、タイトルへの思いは強いと。
「他の『KNOCK OUT』のチャンピオンを見ても、RIZINだったりONEだったりといろんな道が開けているじゃないですか。今で言ったら鈴木千裕選手とか小笠原瑛作選手がそうですよね。そこに追い着け追い越せで、彼らのような存在に僕もなっていきたいと思っています」
──では最近の一連の試合で、目標がより明確になった感じですね。
「そうですね。どのルールで戦うかとか、自分のキック人生どこを目指してやっていくかというのがハッキリ見えてきた感じなので、それがいい方向につながってくれればいいなと思っています。今は『負けたら終わり』という危機感があるんですよ。今勝てているのも、それがいい方向に作用してるんじゃないかと思っています」
──また今回の試合は、TOKYO MXで生中継されます。そこについては?
「たぶん、普段見てくれている人とは違う層の人たちが見てくれると思うんですよね。たまたま見るという人たちも含めて。そういう人たちに『こんなヤツもいるんだ』と思ってもらえればいいなと思いますし、そこでアピールできるような試合をしたいと思っています」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「これから『KNOCK OUT』を背負って戦っていくわけなんですけど、それにふさわしいかどうかを皆さんに査定していただければと思います。そこにふさわしい戦いをしていくつもりなので」