(C)新明佑介/JIU-JITSU NAVI
2023年8月31日から9月2日(日本時間)、米国ラスベガスのコンベンションセンターにて国際ブラジリアン柔術連盟(IBJJF)ワールドマスター2023が開催されている。
日本から俳優の岡田准一、玉木宏、芸人のガリットチュウ福島善成らも出場し、話題となっている同大会に、元UFC世界フライ級王者で、現ONE世界同級王者のデメトリアス・ジョンソン(米国)が出場。「マスター2茶帯フェザー級」で優勝した。
2023年の茶帯全日本無差別&全日本マスター&アジアを制している馬場広志にポイント5-0で勝利し、得意の腕十字での一本勝ちも含め、6試合を戦い抜き、勝利した“DJ”は、IBJJFの大会で初優勝となる。
ONE Championshipでのロッタン・ジットムアンノンとのミックスルールでの一本勝ちなど、新たな挑戦を続けるDJは、20年前に“ギ”(柔術衣)を着て試合をしてから約20年ぶりに柔術の試合に臨む気持ちを『The MMA Hour』で語っている。
「最後に柔術のトーナメントに出たのは18歳の時だ。いま、息子がブラジリアン柔術をやっているんだ。彼はブラジリアン柔術が大好きで、世界大会に出場する予定で、『パパ、どうして試合に出ないの?』と聞かれた。それで、誰にも言わずに登録した。知っているのは2、3人だけだった。38人枠の予定だから、5、6試合はできるだろう。だから、ワクワクしているよ。不安や緊張を感じたのは久しぶりだ。とてもとても長い間ね」
MMAファイターが“ノーギ”(柔術衣無し)のグラップリング大会に出場することは珍しくないが、グラスルーツの大会でも出場するベンソン・ヘンダーソンや柔術常連のハファエル・ロバトJrらを除けば、IBJJFなどのメジャートーナメントに“ギ”で出場するMMA選手は多くはいない。
Mighty Mouse secures the armbar at Master’s Worlds. pic.twitter.com/GvYzimDPWg
— Leo Santos Stan (@gioiaplata) August 31, 2023
MMAの動きにも近いラッシュガード着用のノーギに比べ、襟、袖、裾など道衣を掴むことが可能な“ギ”の柔術は、専門的な手順を踏まなければ解除できないことが多く、スクランブルの動きが制限される道衣ありの柔術大会で、MMAファイターが敗れることは決して珍しいことではない。
そんな道衣ありの世界大会に出場したDJは、「柔術の場合、自分がどのレベルにいるのかを確認したいからワールドマスターに出るんだ。僕は“ギ”の男なんだ。ギが試合にもたらす複雑さが大好きなんだ。ギは試合により多くの複雑さをもたらし、僕はそれに魅了されている」と語っていた。
#NewProfilePic pic.twitter.com/zIzXDAn92v
— Demetrious Johnson (@MightyMouse) September 1, 2023
そして、ディミトリウス・ジョンソンがBJJのトーナメントでギを着る姿をファンが見られるのは、これが最後ではないかもしれない。「僕のゴールは、来年は18歳から30歳のアダルト部門に挑戦することだ」と、DJはさらなる挑戦を見据えている。