MMA
インタビュー

【UFC】鶴屋怜が無敗のまま決勝進出「UFCとの契約をしっかり勝ち取りたい」=『ROAD TO UFC 2』

2023/08/28 11:08
 2023年8月27日(日)『ROAD TO UFC(RTU)シーズン2』(シンガポール・インドアスタジアム)が開催された(U-NEXT配信)。優勝者がUFCとの契約を獲得するトーナメント準決勝。  日本からはフライ級で鶴屋怜(vs.マーク・クリマコ)、バンタム級で上久保周哉(vs.シャオ・ロン)、フェザー級で神田コウヤ(vs.リー・カイウェン)、ライト級で原口伸(vs.パク・ジェヒョン)の4選手が準決勝を戦った。  前日の『UFC Fight Night: Holloway vs. Korean Zombie』では、本戦で中村倫也が完勝も、風間敏臣と木下憂朔がTKO負け。RTUでも中国、韓国、モンゴル、タイなどアジア各国の台頭もあり、重苦しい空気のなか、鶴屋は日本人トップバッターとして2日目のシンガポールインドアスタジムに登場した。  フライ級準決勝で鶴屋怜が対戦する25歳のマーク・クリマコは、北米AKAで練習。LFAでも白星を重ねており、キャリア唯一の敗戦が日本の堀内佑馬との1戦で、堀内がクリマコの前足を踏みつけての右ストレートで1R KO勝ちを収めている。2023年5月のRTU1回戦ではイ・ジョンヒョンをテイクダウンで下している。  対する鶴屋は、MMA7戦無敗でこれまで全試合をフィニュシュしている21歳のプロスペクトだ。  現在PANCRASEフライ級王者でもあり、初の国際戦となった5月の1回戦では、インドネシアのロナル・シアハーンを2R、父・鶴屋浩ゆずりのVクロスアームロックで極めている。  パラエストラ千葉ネットワークでのフライ級勢──征矢貴、杉山廣平、内田タケル、松井斗輝らとの練習に加え、ロータス世田谷、TRIBE TOKYO MMA、ALLIANCEなどにも出稽古。若松佑弥、堀内佑馬、上久保周哉、藤井伸樹らとも肌を合わせていることを事前インタビューで語った。 ▼RTU2 フライ級トーナメント準決勝 5分3R〇鶴屋 怜(日本)8勝0敗・3KO/TKO 4SUB ※PANCRSEフライ級王者 126ポンド(57.15kg)[判定3-0] ※30-27, 29-28, 29-27×マーク・クリマコ(フィリピン)9勝2敗・2KO/TKO 1SUB 126ポンド(57.15kg)  1R、ともにサウスポー構えから、いきなりクリマコからダブルレッグテイクダウンを奪った鶴屋。金網際でのクリマコの立ち際にバックを奪うが、立ち上がるクリマコにスタンドバックからシングルフックからパウンド、前転して回して再びバックにつき、正対するクリマコにパウンド。  小手巻き内股投げから足関節へ! ヒザ十字を抜けたクリマコの立ち際に上をキープ。バックを奪う鶴屋はクリマコのスクランブルについて行くが息が荒い。  2R、右ジャブ、左オーバーハンドをガード上に当てる鶴屋。さらにクリマコの左ローに右ジャブを合わせる。ダブルレッグは深追いしなかった鶴屋。  ローシングルでテイクダウンを奪った鶴屋! クリマコの立ち際でスタンドバックを奪うが、スイッチするクリマコに鶴屋はダブルオーバーフックで座り、かんぬきで回して立ち上がり! 追うクリマコが右を突くと右ハイ、左ローも。ガードする鶴屋は下がりながら左フックをかぶせて当てる。打撃でクリマコが追い上げた2Rに。  インターバルで鶴屋はセコンドに「取られてる?」と聞いて「ホーッ!」と声を挙げた。  3R、右前足にローシングルからダブルレッグに切り替えてクラッチして持ち挙げてテイクダウンを狙う鶴屋、着地したクリマコを引っこ抜き、立ち際にバックを奪うと、両足を束ねてからシングルバックからツイスター狙い!  4の字ロックからクリマコの正対際にバックテイク、コントロール。鶴屋を背負うが、着地した鶴屋は正対。頭が下がるとクリマコは細かいヒザ、ヒジ。鶴屋は前転して足関節狙いもヒザは抜けており、鶴屋はバックから股を潜り、脇を抜けてタックル。そこをがぶろうとしたクリマコから頭を抜いて立つ。  サウスポー構えの鶴屋に、クリマコは歩きながら詰めて右ミドル! テイクダウン狙いで頭を下げながらも左手でガードしていた鶴屋。蹴りは頭ではなく、脇の下に当たり、バランスを崩してダウンした鶴屋! すぐに上体を立てると、そこにクリマコは右アッパー! 一瞬、後方に大の字になった鶴屋だが、ここもすぐにクリマコのパウンドの右手を巻き込み、ホレッタでスイープ! 上四方から三角で頭だけを固めてホーン。  判定は3-0(30-27, 29-28, 29-27)で鶴屋が勝利。全試合フィニッシュでのUFC契約を狙っていた鶴屋は、厳しい場面も乗り換えて決勝に進出、「ちょっと……一本で極めたかったけど判定になって悔しかったですね。ここで攻め勝てたのは成長できたと思いますね。どちらが相手でも決勝はしっかり一本で勝ちます」と語った。  鶴屋は試合後、韓国のチェ・ソングクを判定で下したジー・ニウシュイエ(中国)と、年末までにアジアで行われるというフライ級トーナメント決勝に向けてフェイスオフを行った。  日本からはフライ級で鶴屋怜と、ライト級で原口伸が決勝進出。バンタム級の上久保周哉とフェザー級の神田コウヤは惜しくも判定負けで準決勝敗退となっている。  戦績を8戦無敗とした鶴屋は試合後、本誌およびU-NEXTのインタビューに答え、「決勝はフィニュシュしたい」と語った。 [nextpage] 右の蹴りは頭には当たってなかった ━━決勝進出を決めました。まずは試合後の率直な感想を。 「とりあえずホッとしています」 ━━シンガポール・インドアスタジアムでUFCのケージで試合をした感想を教えてください。 「オクタゴンに入った時、想像以上にデカくて、UFCの本戦だったら、このぐらい広いところでやることもあるんだなと思って、ワクワクしたってていうか、すごい良かったです。いい経験になりました」 ━━無敗の戦績を守りながらの決勝進出となりました。宣言どおりの全フィニッシュとはいきませんでしたが。 「相手も思った以上に耐えてきて、まあフィニッシュは狙えなかったんですけど、勝てたのでとりあえず良かったです」 ━━対戦したクリマコ選手をどう感じましたか。 「攻めよう、攻めようとしても結構守りが固くて、なかなか攻められなくて、フィニッシュ狙いづらかったんですけど、判定で最後まで粘り勝てたので、そこは良かったかなと思います」 ──1R後にインターバルで息が粗いように感じました。力を使ったでしょうか。 「いや、まあ力を使い過ぎたという風には思ってなくて、いつも通り普通に攻めてたんですけど、相手の守りが硬かったんで、まあそこまで1R目はフィニッシュにこだわらず、とりあえずあのポイントではどうかなと思って、そんなに力を使ってないです」 (C)Zuffa LLC/UFC ──2R目は取られたと感じましたか。 「そうですね……まあ2Rに入ったら打撃で行こうと思っていたので、少し打撃の攻防が出来て、自分的には成長できたので、そこはまあ良かったかなと思います」 ━━3R使い切って判定になるという初めての経験になりました。打撃の応酬や、極め切れないきれない状況などを新たに経験しました。 「そうですね。今まで試合であんまり打撃をやったことなくて。まあ今日初めて打撃をしっかり相手と向き合って少しやったんですけど、まあ自分的にはパンチも当たってたし、蹴りも距離的には良かったかなと思うので、これからもっとそこ磨いて、もっと強くなりたいです」 ━━フルマーク判定勝利となりましたが、スコアカードの数字は「 (30-27, 29-28, 29-27) です。相手にポイントを許したと思った部分が、ご自身にはありましたか。 「自分がやった感じでは、1R目はまあ吸い取ったなと思って。まあ2R目も別に取られたなって感じはしなかったんですけど。3R目の蹴りがちょっと危なかったっていうシーンがあったかもしれないですけどけど、それもほぼ効いてないっていうか、頭には当たってないんで。まあ全然その負けたなところはなかったですね。  タックルに入ったタイミングでヒザというか、足が来たのが分かったんで反応しちゃって。後ろに尻餅ついちゃった感じなんで、全然効いてはいないです」 ━━ケージサイドで決勝戦の相手ジー・ニウシュイエの試合を見た印象は? 「打撃の勢いがある、1発がある選手だと思います。ボディ・顔面であったり、使い分けが上手い選手だと思うので、そこもしっかり自分も打撃を磨いて、決勝でしっかり完封したいと思います」 ──クリマコよりはテイクダウンを取れそうですが、タックルを切られたときの打撃については、クリマコよりも注意が必要そうです。 「そうですね。まあ、離れ際とかの結構パンチの思いっ切りの良さはあると思うので、そこはしっかり警戒して、でも寝技で一本極められたらと思っています」 ━━最後にファンにメッセージをお願いします。 「応援、ありがとうございました。決勝はしっかりフィニッシュして、UFCとの契約しっかり勝ち取りたいと思っているので、応援よろしくお願いします!」
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