2023年8月26日(土)、シンガポール・カランのシンガポール・インドアスタジアムで開催される『UFC Fight Night: Holloway vs. Korean Zombie』にて、MMA8勝3敗のギャレット・アームフィールド(米国)を相手に、UFC本戦デビューに臨む風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)が23日、同大会を配信するU-NEXTのインタビューに答えた。
風間は、柔術からMMAに転向し、PANCRASEを主戦場に第27回ネオブラッド・トーナメント優勝およびMVPを獲得。RTUでは1回戦で中国のマイマイチツォヘチに判定勝ちし、準決勝ではキム・ミンウの体重超過により不戦勝。決勝で中村倫也の左フックに1R TKO負けで優勝を逃すも、UFCとの契約を得た。
対するアームフィールドは、ブラジリアン柔術紫帯&テコンドー黒帯。ギルバート・バーンズを師事するサンフォードMMA所属の元FACバンタム級王者。
プロ3戦目の2019年5月のLFCで、現UFCのロニー・ローレンスに判定負けも、その後、6勝1敗の好成績で、2022年7月にUFCデビュー。オースチン・リンゴの欠場による緊急参戦のため、デビッド・オナマと階級上のフェザー級で戦い、肩固めで敗れている。
オーソからの右ミドル、近い距離で拳を伸ばし、打ち合いからテイクダウンを仕掛けるアームフィールドは、UFC前の最後の試合ではスティーブン・グラハムをシャープな右アッパーでKOに下すなど、接近戦で戦いつつも、テイクダウンからの極めはサブミッション勝利が2つと5KO・TKOに比べれば、極めが際立ってはいない。
しかし、柔術紫帯の寝技を仕掛けることも多く、風間にとっては組みを誘える展開を作って、極めて勝ちたいUFCデビュー戦だ。
風間はインタビューで、「決勝で敗戦してる時点でここにいるのがおかしいと思ってる」としつつも「それを今回見返す」と言い、柔術家でもあるアームフィールドを「“深いところに引きずり込む”」と予告した。
自分がそもそも、このUFCっていう舞台のレベルではなかった
──ROAD TO UFC(以下RTU)初戦以来のシンガポールなので、もう慣れたもの、という感じですか?
「いえ、慣れてはいないです(笑)。海外自体慣れていなくて」
──いよいよ26日のUFC本戦デビューに向けて、現在のコンディションはいかがですか?
「気分もすごくよくて、体調もすごくいいので、あとは疲労回復と、体重調整くらいですね」
──減量も順調ですか?
「もちろん順調です、あと5kgくらいで、塩抜き、水抜き入れて調子いいんじゃないかなと思っています」
──減量もこの地での試合を経験しているので、ファイトウィークの調整は問題なさそうですね。
「そうですね、ある程度はっていう感じです。今日練習して、あと若干の汗出しをやって、で、もうそこからはとりあえず体を休めて、明日(24日)の夜ぐらいから朝に向けて、体重の様子だけ見て、水抜きを始めていければなと思っています」
──セコンド陣について教えてください。
「もちろん大沢(ケンジ)さんが和術慧舟會HEARTSの代表として一番近くにいてもらって、そこに水抜きとかの手伝いで兄にサポートに来てもらってます。もう一人シンガポールに詳しい方がいるんで、その3人についてもらって行動しています」
──今回の対戦相手のギャレット・アームフィールドは、サンフォードMMA所属でブラジリアン柔術紫帯でテコンドー黒帯。FACバンタム級王者にもついています。アームフィールドとの試合に向けて特別に取り組んできたことなどはありますか?
「特別に取り組んできたこと……とりあえず自分がそもそも……何だろう。このUFCっていう舞台のレベルではなかったので、全体的な向上というのがもちろんあったんですけど、その中で対戦相手に向けてきたっていうのは、とりあえず本当に“深いところに引きずり込む”っていうことを目標に設定してやってきました」
──「UFCのレベルではない」というのは具体的にはRTU決勝での敗戦を指していますか?
「そうです。もちろん、決勝で敗戦してる時点でここにいるのがおかしいと思ってるんで、それを今回見返すっていうことも含めてシンガポールに入っています」
──「深く引きずり込む」というのが、今、仰った、見返すための取り組みだとして、もう少し詳しく教えていただけますか?
「本当に苦しいところで勝負するっていう。もう自分ももちろん苦しいけど、相手はもっと苦しいっていうことを想定して、練習は取り組んできました」
──それは誰が相手かにかかわらず、全体的な向上をしてきたのですか?
「そうですね。まあでも相手の映像を見て、相手がここ弱い。あそこ弱いっていうのは、いくつか出てるんで、その上でまあ、深いところに引きずり込むということを設定しました」
──その練習を経て、今、一番、ご自身で自信を持っている部分は?
「気持ちと、あと体力という部分は間違いなく相手より強いなと思っています」
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簡単に引きずり込もうとすると事故は起きる。そこを慎重にどれだけタイミングを見て、自分のフィールドにできるか
──アームフィールドの印象は?
「うーん、なんだろうなあ。テイクダウンへの反応が早いっていうのと、あとはその際での、“思ってないところでの切り返し”っていうのが結構特徴的なんじゃないかなっていうことは思ってます」
──相手も柔術家であることは、ご自分の得意な部分で戦えそうだというふうに考えていますか?
「もちろん、自分のフィールド、例えば柔術の、グラウンドでのフィールドっていう部分で戦ったら間違いなく負けることはないし、もちろんそこでも戦うっていうところです」
──お互いに再起戦でもあり、アームフィールド選手は前戦がデビュー戦だったので、これからUFCファイターとして認められたいという気持ちも同じように持っていると思います。そういう相手に対してこういう部分が自分は優ってている、と思うのは?
「本当に自分的には精神力とかは間違いなく優っていると思ってるんで、負けることはないなと思ってます」
──試合展開としてはどんなものになると予想していますか?
「簡単に自分のところに引きずり込もうとすると、やっぱり色々事故は起きるものなので、そこを慎重にどれだけそのタイミングを見て、自分のフィールドに引きずり込めるか、というところじゃないかなと思っています」
──いかにセットして自分のフィールドに持ち込むかだと。様子見の時間も長くなりそうですか?
「いや、でも早い試合展開になると思います」
──「相手の良いところを出させないこと」と「自分のいいところを出す」、どちらに重点を置いていますか。そして最終的なフィニッシュのイメージをどう持っていますか?
「一番はやっぱり“自分を出せる”ことが、全局面で上回れる部分ではあると思うので、そこで、ガンガン自分を出して、最後にフィニッシュを狙うっていう。最初からフィニッシュではなく、着実に潰すところを潰してフィニッシュになるっていうところが今回の展開になるんじゃないかなと思ってます。やっぱりフィニッシュは自分もしたいし、みんなも見たいと思ってるので、フィニッシュしないと面白くない」
──今まだ自分がUFCのレベルでないと思うのはネガティブな感情だと思いますので、その気持ちを、今回の試合に向けてどうエネルギーとして変換しましたか?
「やっぱり2月に対戦して足りなかったっていう部分は、すごく気持ちは持ってかれたんで、それを骨にして、もうこの何カ月間かやってきたんで、今は、現状じゃチャンピオンになれるかって言ったらなれないけど、今回の対戦相手に勝てるかって言ったら、もちろん勝てる。そこまで持ってきたというところです」
──最後に試合を楽しみしているファンにメッセージをお願いします。
「今回、UFCデビューという形にはなると思うんですけど、自分的にはまだデビューしてないっていう気持ちが強いかなと思ってます。皆さんに認められるように、今回しっかりフィニッシュするので、ぜひ応援お願いします。そのあと、みんなに認めてもらえればいいかなと思うので。見ててください!」