2023年8月18日(金)東京・後楽園ホール『RISE 171』の第9試合フライ級(-52kg)3分3R延長1Rで、同級3位Melty輝(team AKATSUKI)と対戦する同級1位・小林愛三(NEXT LEVEL渋谷)の直前インタビューが届いた。
小林は2015年2月にプロデビューすると、2018年7月にシュートボクシングの試合で敗れるまで13戦無敗を誇った。同年12月には伊藤紗弥を判定で下し、2019年11月にはWPMF世界女子フライ級王座を奪取。2021年4月にRISE QUEENフライ級正規王者となった。2022年3月にはベルギーでGLORY女子スーパーバンタム級王者ティファニー・ヴァン・スーストに挑戦。計4度のダウンを奪われKO負けとなったが、倒されても前に出続ける“大和魂“を見せつけ会場を沸かせた。7月にはイ・ドギョンに圧勝するも、12月にGLORYのテッサ・デ・コムと対戦してダウンを奪われての判定負け。2023年5月、コムを挑戦者に迎えて行った初防衛戦でも判定で敗れ、王座を失った。戦績は17勝(3KO)7敗4分。
成長した愛三を見てもらえるように必ず勝つ
――悔しいタイトルマッチからの再起戦になりますが、試合の話が来た時の心境は?「連敗だったのでその悔しさをこの3カ月間にぶつけて、とにかく結果を見せる試合をします」
――悔しい気持ちに対しては心の整理はついている?
「試合でしか吹っ切れないと思うので、とにかく試合をしようと決めました」
――タイトルマッチが終わってからどれくらい休養をしましたか?
「ダメージがあったので、回復してからスパーリングに復帰できるようになるまでは1カ月くらいかかりました」
――テッサ選手とのタイトルマッチを振り返って、勝負の決め手は3、4ラウンドあたりだったと思いますがご自身ではいかがですか?
「動画を見れば見るほど一個一個の差が大きくて、そこは地道に積み重ねていくしかないです」
――1歩ずつ前に進んでいきますか?
「自分も(競技生活が)終盤になってきているので、そういう面ではしっかりとした1歩を踏んでいかないと崩れてしまうので、基礎などの地道な練習が大事になります」
――同じジムで切磋琢磨していた壽美選手が引退を発表しましたが、どの様に受け止めましたか?
「壽美選手がいなければ今選手として続けていなかったと思うし、積み重ねてきた時代から一緒にやってきたので、受け止めるには少し時間がかかりました。今は壽美選手も前を向いているので次のステージでも応援します」
――壽美選手から何か言葉などは送られましたか?
「“あとは託した”という風に言ってもらいバトンを渡してもらったので、今後勝ち続けます」
――壽美選手はK-1王者になるという目標に後1歩のところで届かなくて悔しい思いもしましたけど、それを受けてご自身は今後どのようにやっていきたいですか?
「壽美選手に怪我の症状が出て、その中でもできる練習を毎日毎日やっていて、この悔しさは本人以外が語れることではないですけど、壽美選手がやっていたトレーニングや日々の積み重ね方は人としても選手としても勉強になりました。そういった部分は自分も真似をしていきたいです。まだキックを辞めた訳ではないのでジムやセコンドのサポート、試合の組み立て方や技術の面などこれからもお世話になります」
――再起戦の相手はMelty輝選手に決まりましたが対戦相手の名前を聞いた時の心境は?
「前回、同じ日(5月28日RISE168)に試合をしていて、ダウンを取って勝利していましたね。計量の時にシャンパンを持って向かい合っていた印象が強いです。(笑)」
――愛三選手のSNSでは全局面で圧倒して1Rで倒すと宣言していますが、その気持ちに変わりはないですか?
「そのくらいの強い気持ちに変わりはないですけど、Melty輝選手も連敗からの4連勝っていうのは相当な努力を重ねないとできないと思っているし、前の試合から進化してくる選手だと思うのでそこは気を抜かないように追い込んで練習しています」
――話題先行型の選手だったかもしれないですけど、戦績的には侮れない?
「そうじゃなきゃ4連勝はできないと思います。ただ自分も積み重ねてきた者として強い選手と戦ってきたので、試合で違いを見せます」
――今回の再起戦で愛三選手のファンはどんな所に注目すれば良いですか?
「心配の声も多いですが私も地に足をつけて練習をしているので、その『やってきたぞ』ってところを見てほしいです」
――前回のタイトルマッチからファイターとして変化はありましたか?
「諦めないでやってきているので、メンタルの部分や試合運びに注目してほしいです」
――このMelty輝戦をステップに王座奪還へ向けて動きだす?
「連勝している選手に勝つ事は大きな1歩なので、その1歩を踏めるようにします」
――愛三選手が戦った後の8月26日は同門の小林穂夏選手もRISEの試合に出場します。勝利のバトンを渡したいという気持ちはありますか?
「穂夏選手の努力を間近で見ていると凄まじいものがあるので、後輩の背中を押せる結果を出したいです」
――その後輩と良い意味でお互い刺激しあえていますか?
「後輩で年下ですけど、選手としてリスペクトしています。上下関係とか敬語は使ってくれているけど、意見し合うという部分では対等にしてくれるので、自分の中で大きな存在です」
――穂夏選手も含めてNEXT LEVEL渋谷には愛三選手に憧れている女性選手が急増していると思うのですが、その環境はどのように左右していますか?
「私というより代表やグレイシャアさんを中心に、今全体をまとめてくれているリーダーは小林穂夏選手なのでチームワークがあります。NEXT LEVEL渋谷は下積み時代から結果を出すために沢山試合をして経験を積んで、RISEで飛躍できるようにみんなで切磋琢磨しています」
――最後にこの試合に向けてファンの方にメッセージをお願いします。
「いつも応援ありがとうございます。今回の1戦は自分の中で大きな1戦になります。心配の声も多いですけど前回の試合より成長した愛三を見てもらえるように必ず勝つ約束をします。皆さん、会場でもABEMAでも応援をよろしくお願いします」