金原「終活になって強い相手と戦えることが嬉しい」、クレベル「ケラモフはもっと簡単。金原はあんまり簡単じゃない」
ーー金原選手、前回の山本戦はモチベーションを作るのに苦労されたようですが、今回は?
金原 ビンビンっスね、今回は。すぐ僕も海外に練習しにいきます。クレベルは(これまでの相手とは)ワケが違うので。初心に帰って、身ひとつで海外で練習し尽してクレベルに挑みたいと思います。
──ファイトキャンプは米国でしょうか?
金原 タイに行こうかなと思っています
クレベル タイ? 同じだからぁ(笑)えええええ(笑)
ーークレベル選手もタイに?
クレベル チームで話して、多分行きます。いつもあっちでやっていますし、アメリカに行きたいけど、アメリカに行くには、1カ月月半なので試合が近すぎる。サトシ先生が(パトリッキー戦の怪我で)いま練習できないので、タイでの練習が一番いいと思っています。
ーー山本空良選手に勝って3連勝。そこでケラモフ戦を望むも、朝倉未来選手がタイトルマッチで戦うことになって、ケラモフが王者になり、ケラモフ戦から遠ざかってしまった。そんななかでクレベル選手が王座を剥奪されたことで、クレベル戦が実現した。もしクレベル選手が王者だったら、この試合は無かったかもしれません。これまで45試合を戦った金原選手にとって、この試合はどんな意味を持ちますか。
金原 どんな試合か……今まで、120パーセントを尽くしてやってきました。その中で自分でも、これマジでやらなきゃ勝てないなという試合もあったし、イージーだな、という試合もありました。そのなかでやらなきゃいけない試合が、“終活”になってもう1回来ると思わなかったから、逆に嬉しいです。対クレベルなら嬉しい気持ちが大きい。最後に燃え尽きるなら、この相手なら問題ない。今までなら挑戦して立場変えようとかありましたが──もちろん挑戦者だけど“強い相手”とやれる嬉しい気持ちが大きいです。
ーーさきほど運命だと仰いましたが、この試合がリングになったことはケージと比べて、どのようにとらえていますか。
金原 ケージのほうがそれはいいですけど、与えられたルールのなかで一生懸命やるしかないです。対策を練りながら。
ーー榊原CEO、「クレベル選手が勝てばタイトルマッチ」だと。時期としては?
榊原 大晦日じゃないですかね。クレベルが勝っても、金ちゃんが勝っても、この2人がタイトルに挑むことになるなら年末。実は今日からアゼルバイジャンに行ってきます。遠いんですが(笑)、11月のアゼルバイジャン大会は、もちろん王者としてベルトを奪取したケラモフがメイン。対戦相手を誰にするのか、その辺も含めてアゼルバイジャンに行っていろんな準備の打ち合わせと、選手サイドをどうするか。
いい選手がいっぱいいるのでコミュニケーションをとって、11月はこの2人の勝者ではない選手、それがタイトルマッチになるかもしれないし、ケラモフが連戦になるかもしれません。もしアゼルバイジャン大会がタイトルマッチになって、王座が移動して、ケラモフ以外の勝者と、この2人の勝者が戦うかもしれません。
ーーケラモフ戦後、朝倉未来選手とは?
榊原 直接はまだ話していません。周りを介してコミュニケーションを取っています。ただ、これで引退することはない。どういう目標を立てて前に進むか。これからすり合わせていくことになります。
ーーどのような試合展開になるか、勝ち方にこだわりがあれば
金原 質の高いMMAをやりたい、ただそれだけです。打撃にこだわることなく、グラップリングを拒否せず、流れのなかで場面場面で決める。レベルの高い試合がクレベルとできると思います。フィニッシュも流れのなかで、何かを決めます。
クレベル 同じ感覚です。いい試合をしたいけど、彼は全部できる。チャンスはあるけど簡単じゃない。ポテンシャルもある、全部を持っている。次の試合は、今の階級で一番難しい試合になります。彼と一緒に練習して、全部分かっています。ケラモフはもっと簡単。金原はあんまり簡単じゃない、リスペクトしています。一番上手なのはグラップリング。だから絶対それで頑張りましょう。
ーー鈴木千裕選手がパトリシオ・ピットブル選手をKOしました。以前、金原選手は日本人選手が中堅が並んでいると。鈴木選手は頭ひとつ抜けたと感じますか。
金原 もちろんピットブルに勝ったことで彼がひとつ抜けたのは間違いないです。ただ、クレベル戦を見ても、それを維持するのは難しい。ランク的に上に行けると思うけど、その位置をキープできるほど、MMAファイターとして安定感はまだないかなと思います。
クレベル 千裕が勝ったのはちょっとびっくりしたけど、彼は強いけど、まだすぐレベルアップじゃない。毎回彼と戦っても心配しない。絶対、自分が勝ちます。